下剋上 ~勝利へのストレート~(凍結)   作:桜葉黎明

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どうも!!
気が付いたらだいぶ間が開いていました。
そしてお気に入りが増えてた(・_・;)
何分文才が無いため時間がかかりますがこれからもよろしくお願いします。

今回は沢村をイップスから回復させます。


第17球 恐怖心からの脱却

雷鴉視点.........

 

審判:「ストライーク!!バッターアウト!!」

 

1回は2者連続三振か。降谷の調子は悪くなさそうだな。課題だったスタミナとコントロールも僅かだが改善されてきてる。

今薬師と練習試合をしている。昨日、唯さんと話しをしてる時に片岡監督に呼ばれ、その内容が薬師との練習試合が入ったことでそれに栄純を2番手で使っても大丈夫かの確認だった。片岡監督は栄純のイップスに気づいてから練習試合に出さず、ずっと走り込みしかさせていなかったからな。もしかしたら気持ちの整理ができたかもしれないから練習試合とはいえチームを最優先にということを条件に出ることなった。

そして今日がその練習試合だ。1回表は薬師のパスボールもありあっさり1点を取った。先発の降谷は1番をレフトフライに打ち取ると2番、3番をスプリットと8割のストレートで三振を取った。まぁ本音としては轟以外大したことないから6割くらいで流せればいいんだけどそう簡単にはいかないか。

 

降谷:「やっぱり最後まで投げたい」

 

練習試合だからフェンスの外で廉と見ていると降谷がベンチに入らずこっちにやってきた。こいつもピッチャーだから投げたいんだろう。俺も中学時代はバッティングピッチャーぐらいしか投げられなかったからな。だが今日は栄純の今の状態を確かめるために3回までって決めているからな。我慢してもらうしかない。

 

雷鴉:「投げたい気持ちはわかるが今日は栄純の状態を確かめなきゃいけないし、それに相手は同じ地区の薬師だ。違う地区ならまだしもわざわざ練習試合で本気出して秋大や来年以降の対策にされたらどうするんだ?それでもやりたいなら全力で挑めばいい」

 

降谷:「わかってる。僕もライバルがいないのは嫌だし甲子園に行けなくなるのはもっと嫌だから今日は我慢する」

 

降谷は不満を溢しながら2回のマウンドに向かっていった。

 

三橋:「や、やっぱり薬師は降谷君の球につ、ついてけてない.....ね?」

 

雷鴉:「師匠や児島さんみたいにうまい教え方はできなかったが多少レベルアップしてるんだ。前に対戦していてもそう簡単には打てないはずだ」

 

それでも2回先頭は轟だったからかなりひやひやした。いくらレベルアップしたからといって轟は俺らでも警戒してる要注意人物だ。ストレートはもちろん変化球も野生の勘か知らんが甘く入ればあっという間にスタンドだ。それでも降谷は緩急をうまく使い球数を投げさせられたが最後は力で抑えた。

その後、3回終了時点で3-0と薬師を寄せ付けなかった。

 

雷鴉:「それにしてもあのピッチャー糞だな。あんな単純な投球してたら打たれるに決まってんだろ」

 

三橋:「さ、さすがにあの投球じゃお、俺でも、打てる。でもつ、次の人を攻略するのは難しいと、思う」

 

4回表、薬師が動いてきた。先発の三島からファーストを守っていたやつがマウンドに上がった。三橋も築いているのだろう。おそらくあいつがエースの真田だろう。一応昨日廉と一緒にビデオで確認しているが変化球もビデオ越しじゃわからなかった。一見楽に打てそうな印象があるが微妙な変化で芯を外して打たせて取るタイプだろうな。

廉の予想通りこの回は三者凡退でねじ伏せられた。

そして栄純がマウンドに上がった。今日はブルペンで栄純の状態を見てないから調子がどうなのか........

 

雷鴉:「廉は今日栄純のピッチングどうなのかわかるか?」

 

三橋:「え?す、少ししか見てない、けど多分ブ、ブルペンでの印象は悪く、ない。けどやっぱ打者がいるとダ、ダメだと、思う」

 

廉は今朝のことを思い出しながら答えた。やはりダメそうか........それでも久しぶりのマウンドだから何かつかんでもらいたいものだが........

 

 

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三橋視点........

 

 

沢村君がマウンドに上がった。十六夜君は前に練習試合でやってるみたいだけど俺は中1以来だったから今の沢村君がどのくらいの実力になったのかは知らない。だけど渡久地さんに教わってからはずっとインコース主体のムービングボーラ―だったのは覚えてる。

片岡監督や十六夜君が言うにはイップスになっていて得意のインコースに投げられないって聞いてたけどブルペンでは悪い印象はなかったんだよね。やっぱり打席に立たれるとデッドボールが頭をよぎるのかな?

その予感が当たっていたのか沢村君の球はインコースになかなか入らなかった。隣にいる十六夜君もため息が出ていた。

 

三橋:「や、やっぱり沢村君はけ、決勝のデッドボールが頭に、残ってる、のかな?」

 

雷鴉:「恐らくな。アウトコース主体で何とか躱してるがインコースに構えるとしきりに首振ってるし、意を決して投げようとしても全く入らない。頭でわかっていても体が強張ってやがる。いくら貴重なサウスポーとはいえこうなったら戦力にはならねぇな」

 

だよね。アウトコース主体とはいえインコース投げられないのはかなり致命的だしそれは沢村君の強気を潰すことになるようなものだしね。

 

カキンッ!!

 

アウトコースに投げられた球は薬師に読まれてた上に更に甘く入り三遊間を抜かれてしまった。その後も2、3番にフォアボールとヒットでノーアウト満塁になった。次の打者は確か.......

 

雷鴉:「満塁で轟か.......。少し早いがここがターニングポイントになるな」

 

十六夜君の言う通り、ここが勝負の分かれ目になりそうだ。轟君はさっきの打席で三振したけどそれのせいで完全に打ち潰す気できていた。今の轟君は俺でも抑えられるかわからない。

沢村君は一度深呼吸をして一球目を投げた。

 

審判:「ボール!!」

 

一球目は外に大きく外れてボールになった。

御幸さんからのサインに頷き、すぐに二球目を投げた。

 

審判:「ボール!!」

 

やっぱり沢村君の投げる球は一向にストライクにならなかった。

三球目もボールといよいよ後がなくなってきた。頑張れ沢村君........

沢村君はサインに頷き、四球目を投げた。

 

雷鴉:「打たれたな」

 

カキーンッ!!.........カシャンッ!!.......

 

沢村君の投げた球は真ん中に甘く入り、無情にもライトフェンスに届いてしまった。

 

――――雷市の逆転満塁ホームランだ!!

 

――――なんであんなに打てるんだよ!!

 

薬師のベンチでは轟君のホームランで逆転したことにより大盛り上がりだった。それに対して沢村君はボールの飛んで行ったライト方向を呆然と見上げていた。

 

雷鴉:「廉......やるぞ」

 

三橋:「う、うん、わかった。そ、それなりの準備、しておく」

 

雷鴉:「よろしく」

 

十六夜君はそれだけ言うとどこかに行ってしまった。

何をするのか聞かなくてもだいたいわかる。俺たちはライバルであるのと同時に親友なんだから。

 

その後、沢村君は5回まで投げ更に3点を追加されて降板した。青道も何とか失点し多分を取り戻そうと7回と8回に1点ずつ返したが反撃及ばず7対5と負けてしまった。

 

 

 

 

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沢村視点........

 

今日もストライクが入らなかった.......。甘く入った棒玉とフォアボールで満塁にして轟に3ボールからの逆転ホームラン......一番打たれちゃいけないときに打たれちゃいけないやつに最悪な形で打たれちまった。俺のせいで負けちまった。

.....降谷も雷鴉や三橋に教わったおかげでどんどん成長してるしかなり焦るな。こんなところで足踏みしてる暇ないのに.......

 

春市:「あ、栄純君、十六夜君と三橋君が呼んでたよ。グラブ持ってBグラウンドに来いって」

 

とぼとぼと歩いていると春っちに声をかけられた。

Bグラウンド?あいつら何の用なんだ?とりあえずBグラウンドに行くか。

 

Bグラウンドに行くと三橋は青道のヘルメットを被って素振りをしていて、十六夜はプロテクターを付けていた。

 

雷鴉:「来たか」

 

栄純:「一体こんなところに呼び出してなんだよ?」

 

雷鴉:「マウンドに行け。そこまで投げてないから時間かけても大丈夫だろ」

 

栄純:「何をやるつもりだ?」

 

雷鴉:「インコースに投げてこい。甘い球やインコースに来てもクソボールだったら廉が容赦なく打ち返す........本気で来い」

 

マジかよ!?俺、インコースに投げられないんだぞ!?

けど雷鴉の顔には冗談が窺えないし、三橋もマジモードになっていた。

 

雷鴉:「なんだ?怖気づいたか?」

 

ふざけんな.......

 

栄純:「やってやろうじゃねぇか!!」

 

俺だってお前らに置いて行かれるのはうんざりだからな........

 

 

 

 

 

 

とか強がってみたものの全く駄目だった。

 

カキーン!!

 

また打たれた。

球数はさっきので丁度50球、そのうち三橋に打たれた球は33球、インコースには一球もいかなかった。

 

雷鴉:「全くインコースに入らないぞ?アウトコースだけじゃこれから先やっていけねぇぞ?」

 

チッ.....雷鴉のやつ焦らせんなよ。三橋も長打はないけど実戦だったら確実に安打を量産しているし本当に容赦ねぇ......

インコースに投げられないのがつらい.......もう何ともないはずなのに体が拒否反応起こしてやがる........

 

雷鴉:「何をそんなにビビってる?」

 

何?

 

雷鴉:「決勝戦.........確かにほぼあのデッドボールが敗退した原因だ。お前が結城さんたちを引退させたんだ」

 

うるせぇ......そんなことわかってんだ......

 

雷鴉:「お前の悔しさは俺や廉にはわからねぇ。俺らのところには先輩がいなかったんだからな。それに俺は夏の大会も出ていないから余計わからない。だけどそんな悔しい思いをしたんならいつまでも立ち止まってないで前に進めよ!!それに俺を倒すんだろ!!それぐらいでビビってて俺に勝てると思うな!!」

 

.......はっ!!言ってくれんじゃねぇか。こんなところで終わらせてたまるか!!

 

 

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雷鴉視点.........

 

さっきから栄純の力が強くなってる?いや、いつもの栄純の投球に戻り始めてる。

それまで甘い球はほとんどヒットにしてきた廉の打球が押され始めてる。その証拠に廉は栄純の球を打つたびに手を振って痛みを捕ってるようにも見えた。

 

三橋:「そ、そろそろ本気、出したほうがいい、かな」

 

廉も栄純の変化に気付いたみたいだ。栄純の奴、本格的に戻り始めてやがる。

70球目になると栄純の投げる球はアウトコースに行かなくなり徐々にインコースに入り始めていた。

そして93球目、ついにその時が来た........

 

スパーンッ!!

 

栄純:「ふ~.......」

 

栄純の投げた球はインコース低めの際どいところに決まり、廉の手が出せず見逃した。

栄純の奴、インコース投げられるんじゃねぇかよ.........

 

雷鴉:「やればできるじゃねぇか」

 

三橋:「あ、あのコースにあんな球投げられたら打てるわけ、ないよ」

 

栄純:「すまん。俺のためにこんなことやってくれて.....」

 

雷鴉:「そう思うんなら絶対甲子園決めろよ。俺らも決めるからよ」

 

栄純:「当たり前だ。感覚も取り戻せてきたしもう少し投げるぜ!!」

 

三橋:「も、もう100球近位からま、また明日に、しよう」

 

栄純:「じゃ雷鴉、明日受けてくれよ!!」

 

雷鴉:「わかった、受けてやるから外野に転がってるボール取り行って来い」

 

栄純:「は?!」

 

雷鴉:「お前の練習のためにやったんだから行って来い」

 

三橋:「お、俺も打ったから、手伝う」

 

栄純:「わかったよ。行けばいいんだろ」

 

栄純はぶつくさ言いながら外野まで転がっていったボールを取りに行った。

これでやることは終わったかな。

 

雷鴉:「という事なんで後は頼みましたよ“クリス先輩”」

 

???:「流石は兄弟弟子といったところか?」

 

入口の暗がりに声をかけるとクリスさんがやってきた。

 

雷鴉:「お前の俺らはこうやって無理やり克服してたんで。それより今日の試合じゃあんまりできていませんでしたけどインコース一辺倒だった栄純にアウトロー教えたのクリスさんですよね?」

 

クリス:「気づいていたか。もしイップスが治った時でも使えるように教えておいたんだ」

 

やはりそうだったか。薬師との試合で数回うまい具合にアウトローに行った時があったけど栄純の奴が自分でできるはずがないからな。まぁこれであいつも投球の幅が広がったな。

 

クリス:「すまなかったな、秋大会も近いのにわざわざ静岡から来てもらって」

 

雷鴉:「あいつだけ甲子園に行けなかったなんてことは嫌なんで。それに青道をじっくり見させてもらったんでこれからの研究材料にさせてもらいますよ」

 

クリス:「そうか。なら余計あいつには頑張ってもらわないとな」

 

栄純:「雷鴉!!お前も手伝えよ!!」

 

めんどくせぇな。だけど結構飛んで行ったから手伝ってやるか。

 

雷鴉:「じゃボール片付けに行くんでこれで失礼します。次はプロでやりましょう」

 

クリス:「そうだな。楽しみにしておく」

 

クリスさんは笑ってグラウンドから出て行った。

さて栄純も元気になってうるさいし、早く休みたいから手伝ってやるか。

 

次の日のグラウンドには復活とは程遠いがそれでも希望が開けた青道の貴重なサウスポーの姿があった。




いかがでしょうか?
なかなかいい作品ができなくて悩見ますね。
先述の通り時間がかかりますがよろしくお願いします。

アドバイス・誤字・感想などよろしくお願いします。


次回は西浦VS青道です。
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