下剋上 ~勝利へのストレート~(凍結)   作:桜葉黎明

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今回は早見強化回です。
正直つまらない回だと作ってて思いました。
気にしないようにします。
遅くなった理由としては11月1日~3日まで大学の学園祭だったんです。私のサークルも模擬店を出していたのでそれの準備やら何やらで疲れました。しかし2日のナイトライブにておお振り2期OPを担当したGalileo Galileiさんがいらっしゃいました。もちろん「夏空」を演奏してくれました。私はGalileo Galileiさんのファンなので感激しました。

それと海皇学園野球部専用寮の名前が「蒼海寮」になりました。
ついでに寮母さんの名前も一緒に決めました。


第7球 早見の新球

G.W最終日の西浦・三星のダブルヘッダーから1週間が経ち、各々課題の克服に勤しんでいた。俺も西浦戦では4番を任されていたのに試していたとはいえ廉からHRどころかヒットすら打てなかったからな。静岡に戻ってきてからバッティングにも力を入れるようにした。もちろんピッチングも手を抜かずにやっている。西浦戦で不調により早めに降板した早見は余程悔しかったらしく、倉庫からストラックアウトの道具を見つけ出し、コントロール重視の練習をずっとやってる。それにちょくちょく廉と意見交換をしてるらしい。ほかにも高坂・颯人も1本も打てなかったため練習後の自主練でマシンを使って変化球を織り交ぜた練習をしている。特に颯人はライバルである大橋が先頭打者HR、ニックも塁に出ていたのに颯人だけが何もできずに終わってしまっていたことが余計対抗心を燃やした。

そして今日も........

 

カーン!!....カーン!!....カーン!!....

 

海皇学園野球部専用グラウンドには木製独特の快音が大きく響いている.....

 

-----------------------------------

 

逢坂:「じゃ今日の練習はここまで。自主練するなら怪我しないようにね」

 

一同:『したっ!!』

 

午後6時半に練習が終わり、いつものように早見、永倉と一緒にブルペンに向かった。最初は早見が投げ、俺が捕り、永倉がバッターボックスに立つ。

 

スパンッ!!

 

だいぶコントロールが良くなってきたな。その分なにか思いつめているかのように力が入っていない。永倉もそのことに気づいているようだったがあまり早見の球を捕っていないのと俺が何も言わないことから口を出さないようにしているみたいだ。どうしたものかねぇ.....

 

早見:「なぁ雷鴉.....」

 

雷鴉:「ん?どうした?」

 

早見:「速球ジャイロ......教えてくれないか?」

 

雷鴉:「速球ジャイロ?」

 

永倉:「速球ジャイロを習得しなくてもお前は十分通用するはずだろ?」

 

早見:「そこら辺の学校ならな。だけど俺は野球部ができて間もないチームに打たれたんだ。それに比べて雷鴉はその後の3回、そして三星を完璧に抑えた。それだけじゃない。三橋も多球種で俺ら海皇の重量打線を2失点で抑えた。そう考えるとジャイロなら俺の持ってる3球種で組み合わせればあんな投球せずにすむはずだ」

 

三橋とちょいちょい意見交換してるって聞いてたけどそんなことかよ。確かにあの球は高校生で打てる奴はまずいない。その反面、習得するのはほぼ不可能だ。俺が習得できたのは正直偶然の産物だ。今までキャッチャーがほとんどで盗塁阻止に明け暮れていたために出来上がった肩力だから早見には習得することは無理だ。

 

雷鴉:「あれはお前には習得できない。諦めろ」

 

早見:「でもお前らにこれ以上迷惑かけられないんだよ!!俺らは負けられないんだ!!頼む!!教えてくれ!!」

 

叫びながら早見は土下座をしながら頼んできた。無理なものは無理なんだがなぁ.......。

 

雷鴉:「すまん.....あの球は偶然の産物な上に1年や2年で習得できるものじゃないんだ」

 

俺だって教えられるなら教えてやりたいんだが........すまん早見.....

 

 

 

 

 

蒼海寮食堂--------

 

それから何とか説得して何とか納得してもらえた。だが早見はこのチームのことを考えていることは事実だ。あいつに納得してもらえるようなものはないのだろうか.....

 

???:「おや?随分浮かない顔をしてるけどどうしたんだ雷君?」

 

食堂で一人早見のことを考えていたら一人の女性が入ってきた。

 

雷鴉:「里穂さん、すいませんこんな時間までここにいてしまって」

 

入ってきた女性は高宮 里穂(たかみや りほ)さんだった。里穂さんはこの蒼海寮の寮母さんで大和撫子を再現したような女性で普段は優しいというかかなり緩い性格をしているが怒らせるとめちゃくちゃ怖い.....らしい。俺は怒らせたことはないが大橋が入寮初日に、高坂が入学後1週間目に怒られたみたいでそれ以来『姉御さん』と呼ぶようになった。大滝は食事の時に出てきたデザートにほれ込んだらしく『師匠』と呼んでいる。大滝はパティシエにでもなるつもりなのか?まぁそれは置いておくことにしよう。そして俺らのことを名前の略+君付けで呼んでいる。俺からしたら結構心の知れた寮母さんって感じだな。

 

里穂:「気にしなさんな。で、どうしたんだ?」

 

里穂さんは野球経験がないため話してもいいのだろうか......だが素人でも経験者が見落としていることがあるかもしれない。相談してみるか.....

 

雷鴉:「里穂さん、少しご相談したいことがあるんですがお時間大丈夫ですか?」

 

里穂:「相談?珍しいね雷君が相談なんて。いいよどうしたの?」

 

そういうと里穂さんは俺が座っていた席の正面に座った。俺はキッチンに行き緑茶を二つ用意する。相談に乗ってもらうのに何も用意しないのは失礼だからな。

 

里穂:「サンキュー。で相談って?」

 

雷鴉:「実は早見のことなんですが.....」

 

里穂:「隆君?」

 

俺は里穂さんに早見のことについて相談した。その間里穂さんは何も言わず聞いてくれたので余計なことを考えずに済んだ。

 

里穂:「ふ~ん.....隆君そんなこと考えてたんだ。そういえば最近元気なかったわねぇ」

 

雷鴉:「どうしたらいいですかね?」

 

里穂:「う~ん....わたしゃ野球経験ないから何ともいえないんだよなぁ。でも隆君の気持ちも汲んでやりたいしなぁ」

 

里穂さんも寮母だけあって普段俺らのことを見ていたりしてたから早見の異変には気づいていたみたいだ。だが野球には素人のためアドバイスできないでいたらしい。そのまま里穂さんは考え込んでしまったがすぐに何かを思い出したらしく、立ち上がって入口近くにあった本棚に向かって1冊の本を持ってきた。そしてあるページを開いて俺に渡してきた。どうやら日記帳のようだ。

 

里穂:「昔、私の母も隆くんと同じような子がいていろんなことを試したってそこに書いてあったよ。参考にはなると思うから持っていきな」

 

日記帳にはびっしりといろんなことが書かれていた。里穂さんの母親も野球に関しては全くの素人だったみたいだけど自分なりに調べて助けていたみたいだ。隆弘前監督もそんな里穂さんの母親に協力的で本を渡したりどうしたらいいかアドバイスしていたようだ。

そんな日記を読んでいると一つの文が目に入った。

これなら早見の納得がいく投球をさせられるはずだ......

 

雷鴉:「里穂さん、これ借りていっていいですか?」

 

里穂:「構わないわよ。私にはこれくらいしか役にたたないからね」

 

そうは言っても里穂さんが日記帳を持ってこなかったら早見が悩んだままだったから本当に助かった。

 

 

 

次の日の練習の時に早見にあの日記帳を見せた。

 

雷鴉:「どうだ?これならいけると思うんだが......」

 

永倉:「前例があるとはいえこれを習得するのは難しくねぇか?」

 

それはそうなんだが......

 

早見:「......これを習得できればあんな投球しなくて済むのか?」

 

雷鴉:「あぁ.....保障してやる」

 

早見:「.....なら、絶対習得してやるよ。俺だけおいて行かれたくないからな」

 

この日から早見の特訓が始まった。

 

 

それから2週間後の出来事---------

 

榊:「最近隆司が授業中に怒られることが多いんだけど何やってるの?この間まで元気なかったのに」

 

休み時間に大輝と有栖川さんが俺のクラスに来て早見について聞いてきた。

どうやら早見は授業中にも握りの練習をしていたらしい。そのせいで授業を全く聞いてないために毎回先生に怒られてるみたいだ。

 

雷鴉:「それはそのうちにわかるさ。だがあいつは大丈夫なのか?」

 

弥生:「まぁ成績は大丈夫みたいだから先生もそこまで言わないみたいだけどちょっとね.....」

 

雷鴉:「ふ~ん....まぁあいつのことは俺と永倉に任せておけ。今だけはそっとしておいてやれ」

 

榊:「雷鴉がそう言うなら任せるけど本当に大丈夫なんだよね?」

 

雷鴉:「あぁ、あいつは大丈夫だ」

 

“エース”なんだからな----------

 

 

-----------------------------------

さらに2週間後が経過した。

早見はだいぶ形になってきた。最初は変なとこに投げたり、全く変化しなかったりしてイライラしたり、先生に怒られて大輝がとばっちりを受けたりしてたけどな。

 

スパーン!!

 

特訓し始めて1か月......そろそろかな.....

 

雷鴉:「早見、そろそろいいんじゃないか?」

 

早見:「何が?」

 

雷鴉:「どのくらい通用するかを大輝たちに試してみる」

 

早見:「.....マジで?」

 

マジマジ。

 

 

グラウンドに行くとちょうど打撃練習をしてた。ちょうどいいな。

 

雷鴉:「大輝、ちょっと時間いいか?」

 

榊:「どうしたの?」

 

雷鴉:「早見相手に1打席勝負しないか?」

 

早見:「お、おい!!まだ完成してないんだぞ!!無理に決まってる!!」

 

榊:「どうですか逢坂先生?」

 

逢坂:「そうですね。早見君がどのくらい成長したのか見るいい機会ですね。やりましょうか」

 

監督からの許可も得たしやるか。

 

 

 

 

 

 

早見:「まだ完成してないのに大輝相手に1打席勝負って無茶苦茶だ......」

 

マウンド上の早見はロージンバッグをつけながら悪態をついていた。俺だって低回転と高回転の練習したときだって児島さんに打たれまくったからなぁ。まぁ一発打たれたらどこが悪かったかわかると思うんだけどな。

 

雷鴉:「キャッチャーは永倉がやる。落ち着いていけば抑えられる。打たれたら永倉のせいにしろ」

 

早見:「なんであいつのせいなんだよ?」

 

雷鴉:「俺も低回転と高回転を習得した時は打たれまくったんだ。どうせお前のことだ、あの球以外にも練習してたんだろ?俺に隠れて永倉と練習してたみたいだからな。思い切ってこい」

 

早見が永倉と練習してたことを知ったのはついこの間有栖川さんに教えてもらったからなんだがな。

言いたいことを言い、皆がいるほうに歩く。

 

高坂:「あいつ大丈夫なのか?」

 

雷鴉:「まぁ見てなって」

 

マウンドの早見はノーワインドから第一球を投げた。

 

カキンッ!!

 

雷鴉:「ファールか.....何キロ?」

 

霜山:「150キロ......前より速くなってる」

 

ずっと肩鍛えてたからな。

早見は間を開けずに二球目を投げた。

 

スパンッ!!

 

高坂:「大輝!!なにストレート空振ってんだよ!!」

 

大輝は首をかしげてるけど思ったより落ちなかったせいで空振りしたみたいだ。あいつの心境は多分廉とやってる気分だけど球速が違うから余計戸惑ってるだろうな。

さぁ早見、決め球にした球、投げちまえ。

早見は三球目を投げた。

 

カキンッ!!

投げられた球は打たれてライトとセンターの間に落ちた。

早見の負けだな。まぁ1か月しかたってないからものにするのはまだ時間がかかるか。

 

早見:「やっぱまだ駄目かぁ」

 

榊:「2球目と3球目.....早見は何を使ったんだ?2球目なんか三橋君とやってる感覚だったよ」

 

早見:「2球目は“マジック・ファストボール”、3球目は“SFF”だ」

 

大橋:「マジック・ファストボール?」

 

雷鴉:「マジック・ファストボールはライジング・ファストボールとも呼ばれ、フォーシームに似てるけど浮き上がる印象がある球だ。メジャーだとランディー・ジョンソンとか藤川球児が有名だ。里穂さんの母親が昔つけてた日記にあったんだ」

 

高坂:「そんなのがあってもよく投げられたな?」

 

雷鴉:「こいつが努力したからだろ?だが最後のSFFは甘く入ったし回転も鈍い。もっと精進することだな」

 

早見:「あぁ、もちろんだ」

 

逢坂:「じゃ学校の勉強にもしっかり熱を入れてくださいね。正直もうほかの先生にお小言をもらいたくないので」

 

榊:「本当だよ。僕ももうとばっちりはごめんだよ」

 

早見:「すいません。これからはしっかりやります」

 

逢坂先生と早見に注意されて皆に笑われて頭をかく早見......その姿は輝いていた。




いかがでしょうか?
日常回って難しい.......
誰か作り方、教えてください。

活動報告にてアンケートをやるのでよろしければお願いします。

今回は早見と永倉の設定です。


早見 隆司  右投げ右打ち
・千葉県立花中出身。海皇に来た理由は「強豪に勝ちたいから」
・ポジションはピッチャー。入学直後はMax146キロだったが今回で150キロに上がった。変化球は高速スライダー、カーブ、フォーク。またマジック・ファストボールとSFFを習得した。
・負けず嫌いで勝つためならどんな手を使ってでも自分のものにする根性がある。
・投球フォームは黒田博樹と同じ。
・クラスは3組で寮の部屋は雷鴉と一緒。


永倉 雄大  右投げ左打ち
・静岡県富士中部中出身。海皇には一般入試で入学。
・ポジションはキャッチャー。榊が誘ったメンバーに比べたら平凡な選手だったが雷鴉専属キャッチャーになったことにより捕手技術が大幅に向上した。
・チーム内で一番実力がないことを自覚しているため通いだったものを寮生活に変更し、少しでもチームに追いつこうと努力している。毎朝素振りを300回をこなしている。
・マネージャーの有栖川弥生と実家がお隣同士であるため弥生のことを「おせっかいなお隣さん」と思っている。
・クラスは1組で寮の部屋は榊と一緒。
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