馬鹿はサイコロしか振らない。   作:グルヌイユ

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今回の話でワールドトリガーという作品の設定をゴリッゴリ使います。なので先に用語解説をしておきます。

突撃銃=アサルトライフル
レイガスト=重さもあるシールド剣。変形可能。
スラスター=レイガストを加速させる。
アステロイド=直球
ハウンド=追尾弾
シールド=緑色半透明のバリア。面積を狭くすれば防御力が上がり広げると下がる。固定化したり2枚重ねると防御力が上がる。
レッドバレッド=弾速、射程共に激しょぼだが当たると重りを付与する。

面白いのでワールドトリガー呼んでくださいお願いします。


vsホシノ

 ふぅー。落ち着け深呼吸深呼吸。

 遂にこの日が来てしまった。入学してから2ヶ月。バイトと戦闘訓練とパトロールをひたすら繰り返す日々に正直飽き飽きしてきた中ホシノの方からある提案をされた。

 

【ユメ先輩、今のカイトなら能力に頼り切る様な事にはならないと思います。だから次から能力ありで戦闘訓練しましょう】

【うーん。私は反対だけどね。カイト君の能力使用を禁止させたのは戦い方に慣れる目的もあったけどそれ以上に自分を省みない性格を直す意味もあったし】

【だからこそ今回の戦いではっきりさせましょう。カイトがあれからどうなったかを】

 

 海藻終わりモグモグ。

 

 装備品のメンテを整えアビドス郊外の砂漠へ行く。

 その中央にポツンと立つ威圧感。

 あの日の殺気だ。やっばマジでチビりそう。

 

「ホシノー。おまたせ」

「…………よく逃げずに来たね」

「うん。今のお前クソ怖いけどさー」

 

 距離を詰めていく。目測40.35.30.25mへ。風向きは俺の背後から流れてる。ちゃんと風向と風量も分かる。

 

「今日はちゃーんとパン○ース履いてきたから幾らでも漏らせるぜぇ!」

「相変わらずおかしな人ですね」

「その評価すぐにひっくり返してやるよ」

 

 開始のゴングはユメ先輩の発砲音だ。彼女はここから1キロ遠くに居る。普通よりも小さく聞こえるそれをもし聞き逃せばスタートダッシュは遅れる。

 だから俺たちは互いに会話で気を逸らし続ける。

 

「銃撃戦では私に歯が立たないのお忘れですか?」

「ああ。だが……」

「ダイスの能力も3の目以外はこの2ヶ月で充分把握しました。思いどおりにはさせませんよ?」

 

 遠くから発砲音が聞こえたのは俺の目の前に弾丸が飛んできたのとほぼ同時だった。

 

「ヒット」

 

 淡々としたホシノの声を皮切りに的確な銃撃が一撃一撃と体を襲う。流石に重いしいつもならここから体勢を立て直す。だが今日は一味違うぜぇ? 

 

「来いダイぐふっ!」

「言わせませんよ?」

 

 いつの間にか距離を詰められ殴られた。パーじゃなくてグーで思っきり。

 

「おいおい。手荒いなぐぅぉ」

「対策はしてきました。ダイスピエロは貴方の掛け声がトリガーになっています。だからそこを封じれば貴方は能力を使えない」

 

 な、なんですって〜。この一瞬だけは白目になってた気がする。なんてふざけてる間もホシノのラッシュは止まらない。

 ジャブ、フェイント、アッパー、フック。俺のガードさえも諸共せず口内に血の味が広がる。

 

 コイツ、今までで一番本気だ。本気で俺を倒しに来てるんだ。

 だったら今やるべきなのは! 

 

 徹底的に守る! 

 

 盾を繰り出しホシノとの間に壁を築く。ように見せ実際は盾を捨ててバックステップだ。距離さえ取れればぁ〜。

 

 盾で唯一隔てられなかった足元を払われ視界がひっくり返る。ああ、なんだ。いい天気じゃないか。

 

「おしまい」

 

 顔、腹、右手を執拗に狙われ衝撃のあまり銃さえも落としてしまった。このままいけば負ける。何も出来ずに千載一遇のチャンスを逃すのだ。

 

 デートチャンスを逃す……訳には行かんのだよ!! 

 

 撃たれる体勢を仰向けから土下座に変え頭を手で抱える。一見敗北宣言の様な哀れなこの姿は声を守り通した。

 

「っはぁー。ダイスピエロ!」

「よォ! なんだなんだ? 随分ボロボロじゃねぇか? ここは一打逆──」

「させませんよ」

 

 意気揚々と現れたダイスピエロは無情にも撃たれ砂漠に若干埋もれる。

 

「発動後の弱点も大方予想通りですね」

「くっ、そうだよ。そのバカピエロおしゃべりする癖に殴られる度に能力発動が中断されるんだよ」

「みたいですね。なので貴方とピエロ4、6の割合で攻撃し続ければいずれ力尽きます」

「6も警戒してくれるの? 評価高いじゃん」

「あなたが4割ですよ!」

 

 再び防戦一方だ。オマケにあのピエロ顔半分以上埋まってんじゃねぇか。

 クソ仕事しろダメピエロ! 

 落とした銃を拾い直しワンサイドゲームに興じる。

 

「遮蔽物も無く高低差も無い。こんな荒野で勝てる訳なかったんですよ」

「ホシノそのピエロ埋めちまって良かったのか?」

「ええ。砂が重りになるおかげでどこから顔出すかがわかりやすいんですよ。モグラ叩きの要領でうち続ければ能力は発動しない」

 

 ならこっちは撤退だ。とにかくダッシュでその場から離れる。流石のホシノも一瞬ピエロから俺かどちらを優先すればいいかに迷った。それさえ引ければ十分。

 彼女はまず浮かび上がるピエロを撃つ。その瞬間俺は地面を殴る。

 

「高低差は無い。でも今は俺のが上だ」

「なっ!」

 

 驚いても遅い。キヴォトス人の腕力なら砂漠にクレーターを作るぐらい造作もない。そしてそれは風に乗りホシノに降りかかる。目くらましとして。

 視界が砂嵐で荒らされた刹那場違いなピエロは俺の右肩へ戻ってくる。

 

「随分ワイルドな嬢ちゃんに惚れたな〜。これから苦労するぞ」

「節穴だな? あれは一年もすれば化けるぜ」

 

 舞う砂の中でも精密な射撃がピエロを狙う。しかし距離を離したアドバンテージにより難なく盾でガードする。

 

「いい目が出ろよ。ドゥルルル」

「させるか」

「もう遅い」

 背後に回り込んでまた体術戦へ持ち込もうとするホシノだったがピエロは笑顔で数字を告げる。

 

「6!」

「シールド!」

 

 ガツーン。間髪入れずに放たれた凶弾は緑色の透明な盾により守られる。そのまま銃を切り替える。

 アサルトライフル(この世界の物)からアサルトライフル(別世界の物)へ。

 すまん我が愛機よ。

 砂の上に銃を投げ捨て改めて新しい銃を構える。

 

「それじゃ俺様はこれであとは自分で」

「ピエロ行ってこーい!」

 

 喋るピエロを投擲する。もちろん一蹴される。

 両者ここでようやく一息を付いた。

 

「第一ラウンドは終わりだな」

「出た目は6。能力も弱点も分かっています。ラウンド関係なくKOさせますよ」

「はっ、マコラが出なくて安心してるな」

「はい、0が出ていれば勝率は一気に下がりましたから」

 

 ホシノは懲りずに正面突破だ。タンクとしての気質なのか、小回りも搦手も使えるはずなのに真っ直ぐに向かってくる。

 

 6の目の能力 世界ノ引金(ワールドトリガー)は身体能力が向上する代わりに体の耐久値が下がる。また出血が液体ではなく気体になる。

 出血多量、首チョンパ、体粉砕、腹を撃たれる等の致命傷を食らうと能力が終了し安全な場所までテレポートさせられる。そして一度に八つまでの装備が使用可能になる。要するにワートリのボーダートリガーだ。

 

 俺は右手で突撃銃を放ちながら左手にレイガストを構える。防御しながら相手を撃ち抜くホシノと瓜二つのスタイル。

 

 唯一違う点は攻撃力、俺の連射を軽やかにいなしたホシノは勢いのままレイガストを叩いてくる。

 展開はさっきと同じ、ホシノが攻め俺が守る。むしろホシノには明確な勝利条件が多数増えた為若干不利な状況だ。

 

 だが俺にも勝算がある。ホシノには装備の内訳はバレている。突撃銃(アステロイド)突撃銃(ハウンド)シールド、レッドバレッド、レイガスト、スラスター、シールド、バッグワーム。

 何となくの性能も把握されている以上ホシノが対策していないわけが無い。それを逆手にとる。

 

 ヒュン! 頬をホシノの弾がかすり気化した血液が垂れる。

 

「っ!」

「捉えました。その光る盾は変形出来たり便利ですが銃口をこちらに向けるために穴を開けますよね」

「だとしてそんな穴通す? 普通さ!」

 

 レイガストをシールドモードに変形して突撃銃をイジる。

 

「ハウンド!」

「それも知っています」

 

 ホシノが冷静にハウンドを撃ち落としていく。構うな攻撃を続けろ。

 

 そんな時だった。左足が吹っ飛んだのは。

 

「さっきもそうでしたが盾に頼る時必ず足下の守備が薄くなってますよ」

「あらら」

「機動力は殺しました。このまま物量で押し込みます」

「じゃあこうするね、ハウンド」

 

 銃口を空に向け山なりに弾が走る。

 

「一人時間差ですか? いくら追尾機能のある弾でも狙いがバレバレなら」

「うっさい!」

 

 打ち終わったらアステロイドに切り替える。空に撃った弾と真っ直ぐの弾での2対1を作り出す。

 

 ホシノも多少は防御に回ったため先程よりも攻撃が雑だ。

 これがラストチャンス、足が削れてる今長引けば長引くほど俺の敗戦が近くなる。ここでホシノを倒す! 

 

 ホシノが攻撃を捌ききった瞬間にまた空に撃つ。

 

「ハウンド!」

「その手はもう見ました」

 

 ホシノは跳躍して一瞬で間合いを詰める。懐に入られれば流石に負けだろう。

 

「追尾はこれで無効化ですよ」

「ジリジリやったら俺にも弾が飛んでくるからな」

「でもその足なら……もうこの場からは動けない」

 

 最後の猛追とでも言おうか。ガンガン撃たれる。このままいけばシールドモードとはいえレイガストも割れる。

 

「あなたの負けです、カイト」

「…………と思うじゃん? スラスターオン!」

 

 防御に回していたレイガストで突撃する。ホシノは反射的に防御に回る。だが狙いはそこじゃない。体勢を崩し地面に倒れるホシノをレイガストで閉じ込める。変形出来る盾の強みだ。

 

 ここまではワートリで修がやってたことだ。でも俺は更にその先を行く! 

 

 囲んだレイガストに銃口が入るか入らないか位の穴を開け今度はこっちが猛追する。

 ホシノの盾は硬い。いくら攻撃を積んでも終わりがまるで見えない。

 だから初めからこれが狙いだった。

 

 閉じ込めていたレイガストを解除し超至近距離から放つレッドバレッド。

 

 ホシノの盾に銃に彼女自身に重りを付与していく。

 

「くっ!」

「終わりだホシノ。地に這いつくばってな」

 

 スラスターを逆噴射してその場から離れる。空に放っておいた伏線はここで綺麗な放物線を見せた。

 盾にレッドバレッドは6発命中している。もうアレでガードするのは無理だ。

 ハウンドが全てホシノに直撃した。砂塵が舞う。片足のバランスを崩さないようにレイガストを杖がわりにしながら目標の動向を伺う。

 

「これは流石に勝った…………マジか」

「終わり?」

 

 なんで立ってんだよ……盾も銃も取り除いた。既に動き回れるような重さじゃない。それなのにこの威圧感、存在感。

 黒服が欲しくなるわけだ。

 

「いやいや勝負はこれからさ」

「片足無くて立つのもやっとなのに?」

「そっちだって武器は使えないだろ」

「気づいて無かったんだ」

「どういう意味──」

 

 体を支えていた左腕を撃ち抜かれバランスを崩して力なく砂に倒れる。

 

【警告 トリオン漏出甚大】

 

 無機質なアナウンスが自分から流れる。俺はホシノを見上げるしかなかった。

 彼女の両手には俺が捨てたアサルトライフルがあった。

 

「こんなに遠いのな」

「……善戦した方ですよ」

「いつの間に俺の捨てた銃拾ってたんだよ?」

「近づいた時に拝借しました」

「果敢に攻めてきたのはそういう事ね」

 

 右目の辺りに亀裂が伸びる。残念だがここまでみたいだ。

 

「負けかぁー。よーし次だ次! ぜってー1週間以内には勝ってやるからな」

「あの」

 

【戦闘体活動限界 ベイルアウト】

 

 亀裂が深まり体が光に包まれる。

 

「で、デートしてもいいですよ」

「へ?」

「だからデートしてもいいですよ!」

 

 安全地帯までのテレポート通称ベイルアウトの光に包まれる。赤面したホシノが視線を泳がせている。

 

「え……え、ええー!」

 

 なんか知らんけど負けたのにデート勝ち取ったァァァ!




転生賽子(ダイスピエロ)一覧

0=呪術廻戦 摩虎羅
1???
2???
3ここぞという時以外発動しない。
4=亜人 亜人とIBM
5=ヒカルの碁 藤原佐為
6=ワールドトリガー トリオン体
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