入間の弟が化け物だった件   作:カレインボウ

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自信はありませんが戦闘シーンです!温かい目で見てください!間違いとかがあったら遠慮なくジャンジャン感想に書いて教えてください!!


第三話 金獅子と巨人

それからトントン拍子に悪魔学校への入学が決まった。青色の制服に必要な教材、そして他の悪魔に人間であることがバレないように特殊な香水をぶっかけられ、跡羅者が窒息しかけたというアクシデントもあったものの、とうとう入学初日、バビルス悪魔学校の前まで2人は老人と共に来た。

 

「わぁ…」

 

「すっげぇ…!」

 

2人の目の前に聳え立つ巨大な禍々しい城は、まさしく2人が入学する学校である。空は、黒いコウモリのような羽根を広げて飛びながら城の中へ入っていく悪魔達でいっぱいである。

 

「入間く〜ん!跡羅者く〜ん!写真写真!」

 

入学、と書かれた立て札の前で、入間と跡羅者は老人と共に記念写真を撮った。写真には、ぎこちない笑顔の入間と手で金のジェスチャーをしている嬉しそうな老人、仁王立ちの跡羅者というなんともおかしなものが撮されていた。

 

「それじゃ、新入生はあっちだからね!頑張ってね〜!!」

 

大雑把な方向だけを示した後に、老人はスタスタと立ち去ってしまった。

 

「え、えぇ…」

 

「無責任だな…行こうぜ、兄ちゃん」

 

「う、うん!」

 

跡羅者と共にポツンと残された入間に、跡羅者は肩をポンと叩き、笑顔で共に示された方向へ歩き出した。

 

 

 

会場が見えてきた時、横から

 

ドン!

 

という轟音が響いた。

 

「えっ何!?」

 

入間は目を見開きながら周りをキョロキョロと見渡した。

 

「兄ちゃん、先に会場の方に行ってくれ、俺は様子を見に行く」

 

「え、あ、跡羅者!」

 

もし事故や災害なら大切な兄が怪我をするかもしれないし、もしいざこざなら大切な兄に流れ弾が飛んでは溜まったものでは無い。跡羅者は、その轟音の元を潰すべく、凄まじい速さで音のした方へ走って行くのであった。

 

 

 

跡羅者が駆け付けると、そこには、炎のように天に向かって伸びる金髪を持つ大柄で筋骨隆々の男が大きな金属製の斧を持っており、その男の前には壊れた校舎と怪我をしている鼻の長い教師らしき男がいる。

 

「おい!何やってんだテメェ!!」

 

あまり怪我をしていない金髪が事の発端と見た跡羅者は、金髪の男の方へ歩き出した。

 

「?なんだ貴様は?己(うぬ)は今位階を上げる為忙しいのだ、用が無ければ己に構うな」

 

金髪の男は顔だけを跡羅者に一瞬向けながらそう言うと、すぐさま怪我をしている男の方に目を向ける。

 

「悪ぃが、兄ちゃんの為だ、いざこざはここではやめてもらうぞ」

 

パキパキと拳を鳴らしながら迫る跡羅者に気付いた金髪の男は、武器を担ぎ直して跡羅者に向き直る。

 

「ほう?己と闘うか?いいだろう、ならば貴様も己の位階昇級の踏み台となるがいい!」

 

「お前みたいな重たそうな奴の踏み台なんてゴメンだな!!」

 

互いの攻撃の当たる距離まで両者が近付いた瞬間、斧と拳が両者の間でぶつかり合い、空気が弾けたかのように衝撃波が辺りにそよ風を巻き起こす。

 

「…ほう、ヌシ、中々やるな」

 

「お前もな」

 

斧の刃を真っ向から受けた跡羅者の拳は、内部の凄まじい筋肉の硬度によって守られ、表面にのみ切り傷が入っている程度である。

 

「フン!」

 

「なっ!?」

 

直後、跡羅者は余っていた片腕で斧の斧腹を掴むと、ぐるんと身体を捻って背負い投げの如く斧を引き込んだ。それを持っていた金髪の男はぐいとそのまま跡羅者の方へ引き寄せられ、

 

「オラァ!」

 

「ぐほっ!」

 

跡羅者に腹部へ後ろ蹴りを叩き込まれ、斧を手放し後ろに吹っ飛んだ。斧を取り上げた跡羅者は、それを担ぎ、金髪の男が吹っ飛んだ方向へ悠々と歩き出す。

 

「どうした?あんだけ大口叩いたんだ、まだまだやられる訳ねぇ、だろ?」

 

「…当然だ!」

 

すぐさま立ち上がった金髪の男は、首元に括りつけてある金属板のひとつに噛み付いた。

すると、彼の手からその金属と同じ素材の大剣がみるみる生成されていく。

 

「…マジかよ」

 

「ぬぅああ!!」

 

大剣を構えながら大きく切り上げてきた金髪の男に呆然としていた跡羅者は、それが眼前に迫った時にようやく我に返り、なんとか斧の持ち手で受けるも、大きく吹っ飛ばされてしまった。

 

「いってぇ…」

 

大きく尻餅をついた跡羅者に、容赦なく金髪の男が大剣で切り掛る。

 

『やっぱ、悪魔ってのは、人間離れしてんなぁ』

 

ここが魔界であることを実感しながら、跡羅者は素早く起き上がり、斧で大剣を迎え打つ。

 

「ハッハッハ!!無駄だ!斧と大剣では、耐久性の違いは明らかだ!!」

 

彼の笑い声を皮切りに、斧の持ち手部分がバキバキとヒビが入っていき、やがてポッキリ折れてしまった。

 

「ハーッハッハッハ!!ヌシもこれまでだな!!」

 

高らかに笑う金髪の男が、大剣を高々と振り上げる。

その瞬間、跡羅者は真っ二つになった斧を拾い、振り下ろされた大剣をそのふたつを交差させて防いだ。

 

「ぬ!?まだ足掻くか!!」

 

「俺には兄ちゃんを守る使命がある!こんなとこで頭かち割られる訳には行かねぇんだ!!」

 

何とか押し返し、まるで双剣の如く折れた斧を構える跡羅者に、金髪の男はニヤリと笑った。

 

「…いいぞ、いいぞ!その折れない精神、生に貪欲な心!気に入った、己がヌシを打ち倒したら、己が魔王になった時、右腕として置いてやろう!!」

 

「んなのごめんだ!!」

 

跡羅者は金髪の男が嬉々として大剣を横に薙ぐのを、身軽になったのをいいことに凄まじい跳躍でそれをかわし、落下する勢いを乗せて金髪の男の頭頂に持ち手部分を思いっきり叩き付けた。

 

「がっ…まだまだぁ!!」

 

金髪の男は虚空を薙ぎ払い行き場を失った大剣に力を込め、大剣を振った向きと同じ向きに自分の体を回転させ、大剣の刃身を回転斬りの要領で勢いつけた状態で落下していて無防備の跡羅者に叩き込んだ。

 

「ぐふっ」

 

吹っ飛ぶも受身を取りすぐさま起き上がった跡羅者を、金髪の男が再び切り掛る。そこへ…

 

「待て!やめんか!」

 

先程怪我をしていた教師が割って入って来た。が、迎撃のため勢い付いていた跡羅者と切り掛っていた金髪の男は止まることはなく、そのままその教師を巻き込み激突してしまった。

 

 

 

 

こうして、入間が入学式で登壇した事も、禁忌呪文を詠唱したことも、老人がこの学校の理事長であることも知らぬまま、跡羅者は金髪の男と共にみっちりお叱りを受けるのであった。

 

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