イアソン先生   作:這いよる混沌

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イアソン1部3章で見たときはなんかいやな奴だったけど、終局と2部5章で爆上がりしたよね


序章 暴徒蔓延世界キヴォトス
キヴォトスとの出会い


地球白紙化解決パーティーから数日が経ち、カルデアに力を貸していた英霊たちはこれまで以上に自由に過ごしていた。これからもマスターのそばにいることを当然のように考えている英霊も複数人存在しダヴィンチやシオン、ゴルドルフと討論を行っているが徐々に退去を始める英霊も増えてきていた。そんな中でも食堂は大盛況であり酒をたらふく飲んでいる連中もいる。メディア・リリィにアタランテ、ヘラクレスに囲まれながら堕落しているイアソンもその一人である。これまでの戦いの思い出を話しながら食事をしていたのだが酒が回り始めていつも以上に情けない姿を晒しているイアソンに皆ため息をついている。こうして船員が同じ立場で過ごせるのも今日が最後であり、アルゴノーツは明日全員退去するのだ。だから最後に全員で集まり食事をしていたのだが酒が回ったイアソンがめんどくさくなってきたのでだんだん部屋に戻っていき最終的にいつものメンバーで面倒を見ていた。これ以上の飲酒はよろしくないと判断したメディア・リリィはヘラクレスにイアソンを部屋に連れていくように頼み解散したのである。

 

翌日普通に寝坊したイアソンだったが、皆からどうせ寝坊すると思われていたようで誰一人としてまだ退去をしていなかった事実に複雑な表情をするもどこか嬉しそうである。船員が全員退去したのを見届けてからイアソンはマスターへ声をかける。

 

「マスター、よくぞ俺の教え通り最後まで生き残った」

「前にも言ったが身を捨てて得られるものなどそんなにない」

「だがお前は愚かにも身を捨てながらも戦い続けた」

「全く指揮官としては最悪も良いところだ」

「……だが、お前は人理を取り戻し生き残った」

「指揮官として俺も鼻が高い」

「それじゃあな、マスター。二度とこんな面倒なことに巻き込まれるなよ」

 

「ありがとう!! イアソン!!」

 

こうして誇り高きアルゴノーツの船長 英霊イアソンはカルデアから退去したのだった。

 

 

 


 

序章 暴徒蔓延世界キヴォトス

 


 

 

 

『シッテムの箱』へようこそ、イアソン先生。

 

声が、聞こえたような気がした。

 

「……私のミスでした」

 

神の血も引いてもなければ、魔術の魔の字も知らないただの一般人なのに世界を救うなんて言う試練を二度も背負わされた少年が助けを求めて私を召喚した時のように、その言葉には助けを願う気持ちがこもっていた。

だがお前のミスなら私は関係ないはずだ。だから私は助けることもなければ助けを求められてもいないのだ。

 

「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況」

 

おいまて、なんだその不穏な言い回しと状況は! さっきも言った通り私は関わらないからな!!

 

「結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……」

 

ほう、あったことも話したこともないが私が正しいとはよくわかっているじゃないか。だが私は決して関わらないからな!!

 

「……今更図々しいですが、お願いします」

 

図々しい自覚があるのなら遠慮しろ!! 何を勝手に頼み込んでる!!

 

「イアソン先生」

 

まて私は先生ではない、指揮官だ!! というかお前は誰だ!!?? 聖杯戦争にでも参加するのか私は!!??

 

「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません」

 

おいまて、いまものすごい不穏なことを言わなかったか !!??俺が構うわ!!

 

「何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……」

 

ふざけるな!! どんな厄ネタだそれは!!?? 神のめんどくさい催しに巻き込まれるのか俺は!!??

 

「ですから……大事なのは経験ではなく、選択」

 

…………。

 

「あなたにしかできない選択の数々」

 

…………。

 

「責任を負う者について、話したことがありましたね」

 

ちょっと待て、なんだその飛び切り重い話は!!?? 俺そんな話知らないからな!!??

ぎゃあ!!!怒り狂ったメディアの幻覚が!! 落ち着けメディア!! 私は責任を負う(妊娠させる)ようなことは何一つとしてやっていない!!

 

「あの時の私には分かりませんでしたが……。今なら理解できます」

 

理解ができたのならお前が何とかしろ!! お前のミスってさっき言ってたよなあ!!??

 

「大人としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択」

 

だから俺はアルゴノーツ以外の責任を負うようなことをした覚えはない!!

 

「それが意味する心延えも」

 

だからそれは一体何なんだ!! わかるように説明をしろ!!

 

「……」

 

おいなんで黙った!!??

 

「ですから、先生。私が信じられる大人である、あなたになら、この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……」

 

完全に厄ネタじゃねぇか!! なんだ捻じれて歪んだ先の終着点って!! 俺はこれ以上厄ネタには関わらないって決めたんだぞ!!

 

「そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです」

 

おい俺はその問題を請け負った覚えはないぞ!!?? 何を勝手にそっちで決めているのだ!!

 

「だから先生、どうか……」

 

おい話はまだ終わってないぞ!! まて!! ふざけるな!! なんで俺がこんな目に!!

 

 

 


 

 

 

「……い」

 

誰だ私の眠りを妨害するやつは。私は今気持ちよく寝ているのだ、邪魔をするな。

 

「……先生、起きてください」

 

ええい、うるさいやつだな。私は眠るのに忙しいんだ。後にしてくれ後に、100年後ぐらいにな。

(「起きなくちゃダメですよイアソン様」)

ヒィ!! なぜメディアがここに!!??

(「イアソン様にはこれからやり遂げなくてはいけないことがたくさんあるんですよ?それなのにイアソン様はいつまでも眠ってしまっているんですもの」)

あ、あぁそうか、そう言えば私には成し遂げなくてはならんことがあったな。微塵も覚えにないが。しかしだメディア、私は今猛烈に眠いんだ。だから私は栄光のために睡眠をとるのだ

(「もう、仕方ありませんね。イアソン様覚悟してくださいね」)

おいメディア? なにをする気だ? なぜ魔力を貯めている? 待て落ち着け!!

「イアソン先生!!」

(「起きてくださいイアソン様!!」)

「ぎゃああ!!! 起きる、起きるから私を攻撃するなメディア!!!」

「……………………」

「……………………」

 

一体どこの誰だこの女は。というか人間にも拘わらず神と大差のない程の神秘をなぜ保有している!?なぜここまで発展しているにも関わらず空気中に神秘が満ちているのだ!!??

 

「……少々待っていてくださいと言いましたのに、お疲れだったみたいですね。なかなか起きないほど熟睡されるとは」

「……夢でも見られていたようですね。それも中々愉快な夢を。ちゃんと目を覚まして集中してください」

「私は七神リン、学園都市【キヴォトス】の連邦生徒会所属の幹部です」

「そしてあなたはおそらく、私たちがここに呼び出した先生……のようですが」

「……ああ。推測形でお話したのは、私も先生が来た経緯を詳しく知らないからです」

「おい、ちょっと待て。お前は今私がなぜここに来たのか知らないといったか?」

「えぇ、そうです。……混乱されていますよね。分かります」

「こんな状況になってしまったこと、遺憾に思います。でも今はとりあえず、私についてきてください」

「どうしても、先生にやっていただかなくてはいけないことがあります」

「ちなみにそのやらなくてはいけないこととはいったいどんなことだ?」

「……。学園都市の命運をかけた大事なこと……ということにしておきましょう」

 

そういって七神リンと名乗った女は歩き始める。ここがどこかわからん以上ついていくほかあるまい。長い通路を歩きながらふと前にマスターに言われたことを思い出した。

 

「イアソンってさ」

「どうしたマスター?」

「なかなか攻めた格好してるよね」

「はぁ!? これのどこが!?」

「どこって、腹筋の所とか、腰回りだけど」

「ギリシャじゃ普通だわ!!」

「でも現代じゃ犯罪だよその恰好。わいせつ物として」

 

急いで自分の恰好を確認すると身に覚えのない服装を身にまとっていることに気付いた。確かマスターが生きている時代の仕事服とかの一つに近い気がする。まぁマスターの言葉通りならいつもの恰好では危険だったということだ。……まてなぜ俺はマスターのことを覚えている?それだけではない人理焼却や地球白紙化のこともなぜ覚えている?俺は確かに座へと退去したはずだ。なのになぜ俺には記憶が残っている?マスターが特異点を攻略するたびに回収していた聖杯を使って俺たちが記憶を残したまま座へと退去するように願ったのか?いや、それはない。マスターには口酸っぱくなんでも願いが叶う聖遺物の恐ろしさについて教えたし、ダヴィンチも余計な使い方をしないようにと教育していたはずだ。どうなっているんだこの状況。……だが一つだけ分かり切ったことがある。絶対に神によってめんどくさいことに巻き込まれたに違いないことだけは分かる。

イベストと恋愛要素は必要?

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