イアソン先生   作:這いよる混沌

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めちゃくちゃ難産でした……イアソンの口調もそうなんですが、戦闘時の生徒の口調に苦戦してました
CBC追加ボイスのネオ・アルゴノーツ最高~!!


便利屋にしろクリプターにしろ組織の長は何かしら変人ばかりだな

「それじゃあ、気を付けてね!」

「お仕事、上手くいきますように!」

「あははっ! 了解! あなたたちも学校の復興、頑張ってね! 私も応援してるから! じゃあね!」

 

「あー……お前ら一つ言っておかなければならんことがあるんだが……」

「どうしたの先生? ……まさかカイザーが何か動き出したの!?」

「そこまで重大な事ではないのだが……あいつらこの後アビドスに攻めてくるぞ」

「はぁ!? どうして!? あんなにいい人たちだったのに!?」

「あいつらは便利屋68という金さえもらえば何でもやる便利屋だ。俺たちがカタカタヘルメット団に十分対抗できるようになったことでカイザーはヘルメット団よりもしっかりとした実力を持つあいつらに依頼したんだろうな」

「では私たちはあの人たちの手のひらで踊らされていたということでしょうか!?」

「先生がいなかったら大変なことになってたかもしれませんね」

「危なかった」

「あいつら……!! ラーメンも無料で特盛にしてあげたのに!!」

「いやー、そんなことないと思うよ皆。たぶんあの子だけ気付いてないとかそういう感じじゃないかな? 先生はどう思う?」

「だいたいそんなもんだろ。見た感じここぞという場面以外じゃもろ顔に出るタイプだろうな」

「なんでそんな大事な事早く言わないのよ!?」

「盛り上がってるときに水差すなって言ったのお前らだろ!!」

「そ、それはそうだけどさ……」

「まあまあ、落ち着いて。それで先生、これからどうするの?」

「さっさとアビドスに戻って迎撃準備をするぞ。できる限りあいつらに印象を与えておきたいからな」

「どうしてですか?」

「まぁ今後の作戦のためとだけ言っておこう」

 


 

「ふう……いい人たちだったわね」

「…………」

「…………」

「社長。……あの子たちの制服、気付いた?」

「えっ? 制服? 何が?」

「アビドスだよ、あいつら。それに大将さんと話してた大人の人は、前にあそこを通ったときにアルちゃんが夢中になってたシャーレの先生だよ」

 

「なななな、なっ、何ですってーーーーーー!!!???」

 

「あはははは、その反応うけるー」

「はあ……本当に全然気づいてなかったのか……」

「や、やっぱり私たちのターゲットで合っていたんですね。わ、私が始末してきましょうかっ!?」

「あはははは、遅い、遅い。どうせもうちょっとしたら攻撃仕掛けるんだし、その時暴れよっ、ハルカちゃん」

「う、うそでしょ……あの子たちが? アビドスだなんて……う、うう……何という運命のいたずら……」

「何してんの、アルちゃん。仕事するよ?」

「バイトのみんなが、命令が下るのを待ってる」

「本当に……?私、今から……あの子たちを……」

「あはは、心優しいアルちゃんに、この状況はちょっとキツいねー」

「【情け無用】【お金さえもらえればなんでもやります】がうちのモットーでしょ? 今更何を悩んでるの?」

「そ、そうだけど……」

「これ、完全に参ってるね……」

「こ、このままじゃダメよ、アル! 一企業の長として、このままじゃ!」

「行くわよ! バイトを集めて!」

 

「なんだよ~、遅かったじゃん」

「少し野暮用よ。準備はできてるわね?」

「もちろん。何でもいいけど、残業はナシでね。時給も交通費も値切られてるし」

「細かいことは今は置いておいて! さあ、行きましょう! アビドスを襲撃するわよ!」

「出勤~!!」

「はあ……」

「アル様! わっ、私、頑張りますから!」

「ひとり残らず、ぶっ潰しちゃいますっ!」

 

「前回の依頼者ジェイソン……シャーレのイアソン……まさかね」

「あれカヨコちゃん、どうしたの? 考え事?」

「ううん、なんでもないよムツキ。ただ……」

「ただ?」

「私たちは既に相手の手のひらで踊らされてる気がしてね」

 


 

「校舎より南15㎞地点付近で大規模な兵力を確認!」

「便利屋たちだけじゃない?」

「おそらく日雇いの傭兵かと!」

「へえー、傭兵かあ。結構高いはずだけど」

「カイザーから結構な額の依頼をされたんだろうな。それを達成するために貯金等崩して傭兵を雇ったんだろ」

「言われた通り準備したけど、結局あいつらはどうするのよ先生?」

「いいか、便利屋以外の勢力は雇われた傭兵だ。傭兵ってのは金をもらえる分は働くが、金がもらえない状況ではさっさと帰る連中だ。ならあいつらを倒しきるのではなく耐久戦を行えばいい」

「耐久戦って、私たち便利屋と傭兵たちの契約内容なんか知らないわよ」

「そこについては心配するな。どういうわけかあいつらはアビドス自治区に拠点を構えていた傭兵やヘルメット団を殲滅してしまったようでな。契約金に加えて交通費も払うのだから必然的に契約時間が短くなるわけだ」

「だとしてもあれだけの数を五人で相手するのは……」

「傭兵と言っても所詮は人間だ。食事や睡眠、風呂などの欲求でずっと戦えるわけじゃない。それにこっちには物資がたんまりとあるからな」

「そもそもあいつらが雇った傭兵なんぞお前たちの相手ではない」

「どうして言い切れるのよ」

「……シャーレに回ってくる仕事にチンピラや傭兵仕事を行った生徒が起こした問題が大半でな。それの対処をするためにほとんどの傭兵の実力は調べてあるんだよ」

「それじゃ便利屋の方はどうするの?」

「便利屋は破壊力が売りの組織だ。無理に突っ込んでこっちの陣形が崩れてしまえばそこを狙い撃ちされるわけだが、こっちには耐久戦に向いた奴がいるからな」

「耐久戦に向いてる人と言うと……」

「ホシノ先輩ですね☆」

「うへー、先生直々のご指名とは大変だなあ」

「お願いねホシノ先輩!」

「頼りにしてるよ、ホシノ先輩」

「みんなからの期待が重いよおー」

「そらさっさと迎撃するぞ」

 

「ぐ、ぐぐっ……」

「よく来たわね!! この恩知らず!!」

「あれ? 私たちが襲撃することわかってたんだ。ラーメンの件はありがと。でもそれはそれ、これはこれ。こっちも仕事でさ」

「残念だけど、公私はハッキリ区別しないと。受けた仕事はきっちりこなす」

「……なるほど。それが便利屋なんだね」

「もう! 学生なら、他にもっと健全なアルバイトがあるでしょう? それなのに便利屋だなんて!」

「……ノノミ、こいつらは一応起業してるぞ」

「ちょっ、アルバイトじゃないわ! 先生の言う通りれっきとしたビジネスなの! 肩書だってあるんだから!」

「私は社長! あっちが室長で、こっちが課長……」

「はあ……社長。ここでそういう風に言っちゃうと、余計に薄っぺらさが際立つ……」

「それにしても、私たちが誰の差し金で襲撃したのか気にならないのかしら」

「正直言って興味がない」

「ええっ!? あ、あなた先生なのよね!? なのに気にならないの!?」

「どーでもいいわ」

「それは先生としてどうなの!? ま、まあいいわ。総員! 攻撃!」

 

「ホシノは前方でしっかり構えろ! 特にショットガンのやつは絶対に通すなよ!」

「うへー、りょーかい」

「ノノミは傭兵の方を優先しろ!」

「分かりました~♪」

「シロコとセリカはノノミの打ち漏らしの処理と便利屋への牽制! 焦らず対処しろよ!」

「了解!」

「ん、分かった」

「アヤネはドローンで戦場を上空から確認しながら俺のサポート!」

「分かりました!」

 

アビドスの指揮官的立ち位置にいるホシノが盾持ちってのは面倒な事この上ない! アビドスの精神的支柱であることに加えて、戦略的にも外すことのできない存在を最前線に送り出すのは愚策になることだってあり得るんだぞ! というかこいつ最近コソコソ隠れて何をやってんだよ! 身売りとかマジで勘弁してくれよ!?

 

「お掃除の時間です~☆」

「うわああっ!!」

「う、うう……」

「ちょ、ちょっと! こんなに強いだなんて聞いてないわよ!?」

「あはは、これは想定外かな」

「……どうするの社長?」

「ど、どうするって……」

「うわあああ!!!」

「ちょ、ハルカ!?」

「おっと、ごめんねー。先生から君を止める様に言われたからねえ」

「ハルカ落ち着いて! 一旦体制を……ッッッ!!」

「させないわよ!」

「こっちに集中するべき」

「アルちゃん、どうするの?」

「と、とりあえず! 集中攻撃よ!」

 


 

戦闘からだいたい40分……時刻はもうじき16時ってとこか。17時までに一度便利屋が撤退してくれるとありがたいんだが……

 

キーンコーンカーンコーン

 

「……あ、定時だ」

「今日の日当だとここまでね。あとは自分たちで何とかして。みんな、帰るわよ」

「は、はあ!? ちょ、ちょっと待ってよ!!」

「終わったってさ」

「帰りにそば屋でも寄ってく?」

「こらー!! ちょっ、どういうことよ!? ちょっと! 帰っちゃダメ!!」

「…………」

「こりゃヤバいね。まさかこの時間まで決着がつかないなんて……アルちゃん? どうする? 逃げる?」

「あ……うう……」

「……耐久戦を指示した俺が言うのもあれだが、お前ら傭兵を雇うには時間が短すぎるだろ……」

「あはは……」

「普通傭兵なんて長期戦になることも考えて少なくとも数日は雇うだろ……」

「……うう……。こ、これで終わったと思わないことね! アビドス!!」

「あはは、アルちゃん、完全に三流悪役のセリフじゃんそれ」

「うるさい! 逃げ……じゃなくて、退却するわよ!」

「待って! ……あ、行っちゃいましたね」

「うへ~逃げ足速いね、あの子たち」

「……詳しいことはわかりませんが、敵兵力の退勤……いえ、退却を確認」

「困りましたね……妙な便利屋にまで狙われるとは、先が思いやられます……一体カイザーは何を企んでいるのでしょうか……」

「まあ、少しずつ調べるとしよう。まずは社長のアルって子の身元から洗ってみたら。いろいろ出てくるよ、きっと」

「はい。皆さん、お疲れさまでした。一旦、帰還してください」

イベストと恋愛要素は必要?

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