イアソン先生   作:這いよる混沌

12 / 37
お久しぶりです。合同誌に載せる小説の執筆や大学の課題等で更新が遅れました。
イアソンならこういうことするだろうなーって思いながら書いたのですが、ヘイト的な印象を感じるセリフがあるので事前に謝罪させていただきます


頼むから穏便に済ませる手段を脳内に用意しろ!!!

「あ、先生。おはようございます」

「ああ、おはよう。今日が利息の返済日であってるよな?」

「はい。色々と準備があるので早めに登校する必要がありまして」

「あ、そういえば。昨日の方々の情報が見つかりました。後ほど学校で詳細をご確認いただけますか?」

「ゲヘナ学園の生徒だったのですが、「あっ、先生じゃん! おっはよー!」

「な、ななっ!?」

「じゃじゃーん! どもどもー! こんなところで会うなんて、偶然だね!」

「偶然ねぇ……って重い重い!! 苦しいから離れろ!」

「あははー! ちょっとだけガマンだよー、先生」

「な、何してるんですか! 離れてください!」

「おっと、引っ張らないでよー」

「いいから離れろ!!」

「……誰かと思いきや、アビドスのメガネっ娘ちゃんじゃーん? おっはよー、昨日ラーメン屋であったよね?」

「その後の学校の襲撃でもお会いしました! どういうことですか? いきなりなれなれしく振舞って……」

「それにメガネっ娘じゃなくて、アヤネです!」

「ん? だって私たち、別にメガネっ娘ちゃんたちのことが嫌いなわけじゃないし」

「ただ、部活で請け負っている仕事だからさ。仕事以外の時は仲良くしたっていいじゃん?」

「いっ、今さら公私を区別しようってことですか!?」

「……諦めろアヤネ、こういう考えのやつは案外どこにでもいるぞ」

「ほらほら、先生もこう言ってるんだし別にいいじゃん。それに【シャーレ】の先生は、あんたたちだけのモンじゃないでしょ? だよね、先生?」

「喧嘩せずに仲良くしておけ。というより面倒ごとを引き起こして俺の仕事を増やすような真似はするなよ」

「あはは、それはムリかなー。こっちも仕事だからね。アルちゃんがモチベ高くてさ、てきとうにやると怒られちゃうから」

「仲良くしろっていうのが俺からの依頼だとしてもか?」

「へぇ? 本気にしちゃうよ?」

「俺としてはそれでも構わんが?」

「うーん……今回はやめとこうかな。今の依頼は結構大手からのものだしねー。ま、いつかうちの便利屋に遊びにおいでよ、先生。アルちゃんもみんなも、きっと喜ぶからさ」

「そんじゃ、バイバ~イ。アヤネちゃんもまた今度ね」

「また今度なんてありません!! 今度会ったらその場で撃ちます!」

「はいはーい」

「はあ……はあ……何ですか、あの人は……!」

「……ああいう奴はある種の無敵な存在だ、変に理解しようとせずにそういう奴だと割り切る方が楽だ」

「先生も先ほどのようなご経験が?」

「あんな感じの奴がごろごろいたんだよ地元に」

「それは、中々大変ですね」

「そら、さっさと学校に行くぞ」

 

 


 

 

「……お待たせしました。変動金利等を諸々適応し、利息は788万3250円ですね」

「全て現金でお支払いいただきました、以上となります」

「カイザーローンとお取引いただき、毎度ありがとうございます。来月もよろしくお願いいたします」

 

 

ブロロロ……

 

 

「…………」

「…………」

「はぁ、今月も何とか乗り切ったねー」

「……完済まであとどれぐらい?」

「309年返済なので……今までの分を入れると……」

「言わなくてもいいわよ、正確な数字で言われるとさらにストレス溜まりそう……。それにこれからはそうじゃなくなるかもしれないじゃない」

「……一応言っておくが、今日俺たちがカイザーローンを襲撃するのはお前たちが返済した金がヘルメット団に横流しにされている可能性を確かめるためだ。借金をチャラにできるわけじゃないからな」

「わ、分かってるわよ。ん? じゃあなんでそんな証拠が必要なの?」

「ヴァルキューレに知り合いがいてな。カイザーローンがかなりの悪事を働いているならばヴァルキューレを動かすことが出来るかもしれん。ただ、ヴァルキューレも余程の証拠がなければ動くことはないことを理解しておけ」

「でも、カイザーローンはなぜ現金でしか受け付けないのでしょうね? わざわざ現金輸送車まで手配して」

「現金取引はある意味ではセキュリティー性が高いんだよ」

「どうしてですか?」

「キャッシュレス等のデータ取引だとウイルス感染やハッキング等で簡単にやり取りが持ってかれるんだよ。それに対して現金取引は書類に取引内容を記入する形式だ。書類が盗まれたり内部の者が外部に漏らさない限り安全性を確保できるわけだ。何しろミレニアムにはヴェリタスというハッカー集団がいるからな」

「ま、とりあえず先に解決するべきは、目の前の問題の方でしょ」

「とにかく教室に戻ろう―」

 

「全員揃ったようなので始めます。まずは、2つの事案についてお話したいと思います」

「最初に、昨晩の襲撃の件です」

「私たちを襲ったのは【便利屋68】という部活です」

「ゲヘナでは、かなり危険で素行の悪い生徒たちとして知られています」

 

便利屋より、凶悪で面倒ごとばかり生み出す問題児グループが二つあるが今は関係ないから話さなくてもいいか……。あいつらマジでこれ以上俺の仕事を増やすなよ……

 

「便利屋とは頼まれたことは何でもこなすサービス業者で……」

「部活のリーダーの名前はアルさん。自らを【社長】と称しているようです」

「彼女の下には3人の部下がいて、それぞれ室長、課長、平社員の肩書があるとのことです」

「いやぁー、本格的だねー」

「昨日先生が仰っていたように社長さんだったんですね☆ すごいです!」

「いえ、あくまで【自称】なので……それで今はアビドスのどこかのエリアに入り込んでいるようです。今朝も会いましたし……」

「ゲヘナ学園では、企業が許可されているの?」

「ゲヘナの校則にそういうものはないぞ。あくまであいつらが勝手に起業しているだけだ」

「あら……校則違反ってことですね。悪い子たちには見えませんでしたが……」

「いえ、それが今までかなり非行の限りを尽くしたようで、ゲヘナでも問題児扱いされているようです」

「そんな危険な組織がカイザーの依頼で私たちの学校を狙っているのです! もっと気を引き締めないといけません!」

「次は取っ捕まえて取り調べでもするかー」

「はい、機会があればぜひ……」

「ところでアヤネちゃん、何かあったの? 並々ならぬ恨みを感じるんだけど……」

「……いえ、特にn「おちょくられたんだよ」……コホン。続きまして、セリカちゃんを襲ったヘルメット団についてです」

「先日シャーレの部員さんのおかげで手に入れた戦略兵器の破片を分析した結果……現在は取引されていない型番だということが判明しました」

「もう生産していないってこと?」

「それをどうやって手に入れたのかしら」

「生産が中止された型番を手に入れる方法は……キヴォトスでは【ブラックマーケット】しかありません」

「ブラックマーケット……とっても危ないところじゃないですか」

「そうです。あそこでは中退、休学、退学……様々な理由で学校を辞めた生徒たちが集団を形成しており、連邦生徒会の許可を得ていない非認可の部活もたくさん活動していると聞きました」

「便利屋68みたいに?」

「はい。それから便利屋68も、ブラックマーケットで何度か騒ぎを起こしていると聞きました」

「それにカイザーローンがある場所だ」

「では、そこが重要ポイントですね!」

「はい。このふたつの出来事の背景にはカイザーが絡んでいます。調べる価値は十分にあるかと」

「よし、じゃあ決まりだねー。ブラックマーケットを調べてみよう」

 

 


 

 

ガヤガヤ

 

 

「ここがブラックマーケット……」

「わあ☆ すっごい賑わってますね?」

「本当に。小さな市場を想像していたけど、街ひとつぐらいの規模だなんて」

「連邦生徒会の手が及ばないエリアが、ここまで巨大化しているとは思わなかった。先生はこういう所を取り締まったりしているの?」

「こんなバカ広いエリアなんぞ一度首を突っ込んだらしばらく離れられんから放置してるぞ」

「うへ~普段私たちはアビドスにばっかりいるからねー。学区外は結構変な場所が多いんだよー」

「ホシノ先輩、ここに来たことあるの?」

「いんやー、私も初めてだねー。でも他の学区には、へんちくりんなものがたくさんあるんだってさー」

「ちょーデカい水族館もあるんだって。アクアリウムっていうの!」

「今度行ってみたいなー。うへ、魚……お刺身……」

「よくわかんないけど、アクアリウムってそういうのじゃないような……」

『皆さん、油断しないでください。そこは違法な武器や兵器が取引される場所です。何が起こるかわからないんですよ』

『何かあったら私が……きゃあっ!?』

 

 

タタタタタタタタタ!

 

 

「銃声だ」

「おいおい……早速面倒ごとかよ……」

「待て!!」

「う、うわああ! まずっ、まずいですー!! つ、ついてこないでくださいー!!」

「そうはいくか!」

『あれ……あの制服は……』

「トリニティのだな」

「わわわっ、そこどいてくださいー!!」

 

 

ドンッ

 

 

「い、いたた……ご、ごめんなさい!」

「大丈夫? なわけないか、追われてるみたいだし」

「そ……それが……」

「何だお前らは。どけ! アタシたちはそこのトリニティの生徒に用がある」

「あ、あうう……私の方は特に用は何のですけど……」

『……!! 先生のおっしゃる通りです。その制服……キヴォトスいちのマンモス校のひとつ、トリニティ総合学園です!』

「そう、そしてキヴォトスで一番金を持っている学校でもある! だから拉致って身代金をたんまり頂こうってわけさ!」

「拉致って交渉! なかなかの財テクだろう? くくくくっ」

「まぁ考え自体は間違っていないな。金持ちの所の奴を誘拐して身代金を要求するのは手っ取り早いしな」

「ちょっと先生!? 何言ってるのよ!?」

「おまえらも興味があるようだな。どうだ、計画に乗るか? 身代金の分け前は……」

「最も、こいつがトリニティのティーパーティーに深く関係している立場であるのならば成立する話だがな」

「は? なに言ってるんだアンタ?」

「トリニティが末端の生徒ですら助けるような優しいお嬢様学校だと思っているのか? あそこは中々にひどいぞ? 上っ面だけは仲良く振舞って、裏では常に気に食わない相手や分派の奴を蹴落とそうとしている奴が大半の学園だ。俺が事前に調べたところ、こいつはティーパーティーとは一切関係のない普通の生徒だ。精々正義実現委員会や救護騎士団が動くぐらいだ」

「そうなの?」

「私個人のことは間違っていませんが、あうう……学校の実態に関してはあまり否定できません……」

「な!? 冷たい奴らだな!?」

「その通りだ。こんなあからさまな時間稼ぎの為の話をちゃんと聞いてくれるお前らとは違って冷たい奴らだ。と言うことでシロコ、ノノミ」

「へ? 時間か……」

 

 

バスッバスッ!

 

 

「うぎゃあっ!」

「悪人は懲らしめないとです☆」

「うん。でも先生も後で懲らしめないと」

「はあ!? 俺は事実を言っただけなんだが!?」

「だとしてもあんまり本人の前でそういうことは言わない方が良いと思う」

「……お前に正論で殴られる時が来るとは」

「先生、中々口が悪いからねー」

「あ……えっ? えっ?」

「あ、ありがとうございました。みなさんがいなかったら、学校に迷惑をかけちゃうところでした……」

「それに、こっそり抜け出してきたので、何か問題を起こしたら……あうう……想像しただけでも……」

「勝手に抜け出した時点ですでに迷惑かけているぞ」

「あうう……」

「えっとー、ヒフミちゃんだっけ? それにしても、トリニティのお嬢様が何でこんな危ない場所に来たの?」

「あ、あはは……それはですね……実は、探し物がありまして……」

「もう販売されていないので買うこともできない物なのですが、ブラックマーケットでは密かに取引されているらしくて……」

「もしかして……戦車?」

「もしくは違法な火器?」

「化学兵器とかですか?」

「お前ら思考が物騒すぎるだろ……」

「えっ!? い、いいえ……えっとですね、ペロロ様の限定グッズなんです?」

「ペロロ?」

「限定グッズ?」

「はい! これです。ペロロ様とアイス屋さんがコラボした、限定のぬいぐるみ!」

「限定生産で100体しか作られていないグッズなんですよ。ね? 可愛いでしょう?」

「…………」

「キッッッッモ!!!」

「き、気持ち悪くなんかありません!!」

「……先生、ちょっと直球すぎ」

「もう! 先生、なんてことを言うんですか! ペロロちゃんはモモフレンズと言って私も大好きなんです! ペロロちゃん可愛いですよね! 私はミスター・ニコライが好きなんです」

「分かります! ニコライさんも哲学的なところがカッコ良くて。最近出たニコライさんの本『善悪の彼方』も買いましたよ! それも初版で!」

「……いやぁー何の話だか。おじさんにはさっぱりだなー」

「ホシノ先輩はこういうファンシー系にまったく興味ないでしょ」

「ふむ、最近の若いやつにはついていけん」

「歳の差、ほぼないじゃん……」

「……クマの方のオリオンに近いものと考えれば、可愛い方……なの……か?」

『こいつらより俺の方がまだ可愛いだろー!』

「いや、クマの方のオリオンも可愛くはないな」

「先生は先生で、何を言ってるのよ……」

「というわけで、グッズを買いに来たのですが、先ほどの人たちに絡まれて……みなさんがいなかったら今頃どうなっていたことやら」

「……ところで、アビドスのみなさんは、なぜこちらへ?」

「私たちも似たようなもんだよ。探し物があるんだー」

「そう。今は生産されていなくて手に入れにくい物なんだけど、ここにあるって話を聞いて」

「そうなんですか、似たような感じなんですね」

「お前らそろそろ移動するぞ。ここだとあと少しで……」

『皆さん、先生の指示通り移動してください! 四方から武装した人たちが向かってきています!』

「何っ!?」

「あいつらだ!!」

「よくもやってくれたな! 痛い目にあわせてやるぜ!」

「先ほど撃退したチンピラの仲間のようです! 完全に敵対モードです!」

「望むところ」

「まったく、なんでこんなのばっかり絡んでくるんだろうね? 私たち、何か悪いことした?」

 

 

これからするんだよ……、というかここで戦闘はまずい!!

 

 

『愚痴は後にして……応戦しましょう、皆さん!』

「バカ言うな! ここで戦闘なんか行って騒ぎになったら面倒なことになる!!」

「大丈夫よ先生。ちゃっちゃと片づけるから」

「そういう問題ではなくてだな……!! あぁもう仕方がない!!」

 

 


 

 

『敵、後退しています! だけどこのままでは……』

「仲間を呼ぶつもり? いくらでも相手してあげる。それに今の先生の指揮はこれまでで一番高いから問題ない」

「問題だらけだ!! さっさと移動するぞ!!」

「せ、先生の言う通りです! それ以上戦っちゃダメです!」

「ん? どうして?」

「騒ぎを起こせばマーケットガードに見つかって厄介なことになる!!」

「あうう……そうなったら本当に大ごとです……先生の言う通りにまずはこの場から離れ……」

「ふむ……わかった。ここのことはヒフミちゃんとなぜか先生のほうが詳しいだろうから、従おう」

「ちぇっ、運のいいやつらめ! というよりなんで先生はトリニティやブラックマーケットに詳しいのよ!?」

「シャーレの業務で調べまくったんだよ! 実際の地形に関してはヒフミの方が詳しいはずだ! 案内のほうは頼むぞ!」

「こっちです!」




イアソンはペロロ様を見たらこういう気がするんだ……
これからは更新頻度上げていきます

イベストと恋愛要素は必要?

  • イベストだけ
  • 恋愛だけ
  • どっちも必要
  • どっちもいらない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。