イアソン先生   作:這いよる混沌

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アスクレピオスのエミュが難しすぎる……


幕間2
聖遺物の意思と大人の会議


トリニティ総合学園救護騎士団本部にてイアソンはアスクレピオスとセリナから数日前に行った再検査の結果を聞いていた。

 

「……本当に問題がありませんね。奇跡としか言いようがありません」

 

「こいつはそういう男だ。一回ぐらい奇病に罹って欲しいものだ」

 

「相変わらずの言いようだな。そう簡単に罹ってたまるものか」

 

「医神であるアスクレピオス様がそういったことを患者さんに言うのは良くないのでは……?」

 

「どれだけふざけた奇病であっても技術と正しい治療法がなければ治すことができないものだ。そういった事態を防ぐためにも未確認の疾患を見つける必要があるのだ」

 

「な、なるほど。確かにその通りですね。勉強になります」

 

「というかなんでアスクレピオスのことを知っているんだ?」

 

「アスクレピオス様は医学の祖として伝わっているんです。救護騎士団の定期座学会でもよく扱われていて、私たち救護騎士団の目指すべき姿なんです」

 

「そういや現代だと医療機関のマークにお前の杖が使われていたな」

 

「そうか、勝手にしてくれ。僕には関係ないことだからな。さて僕はコイツと話すことがあるから席を外してくれ」

 

「わかりました。……あ、あの」

 

「どうした? 君もまだコイツに何か用があるのか?」

 

「い、いえ。その、お時間があるときにまた医療のことについて質問させてください」

 

「ああ、その程度なら構わない」

 

「ありがとうございます。それでは失礼しますね」

 

セリナが病室から出て行くのを見届けてからイアソンとアスクレピオスは向き合う。そこには先ほどまでの緩さは無く、張り付いた空気が流れていた。

 

「さて、それじゃなぜお前だけが退去していないのか教えてもらおうか」

 

「ああ、構わない。あの場所には僕たちを観測している変な奴が居たからな。一応聞いておくが知り合いか?」

 

「知り合いなわけあるか。あいつは……俺たちの神秘に夢中になってるだけのよく分からん奴だ」

 

「そうか。さてなぜ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()にも関らず現界しているのかだが、理由に関してはある程度予想はついている」

「だが、その全てが断言できるわけではないことを理解しておけ」

 

「ああ。まずはお前はどうやって現界を維持できるほどの魔力を集めた?」

 

「それに関してはお前が僕たちを呼ぶために使用した大人のカード(聖遺物)から供給されている」

「5つのピラミッドを完成させた僕たちは退去を始めた。お前の宝具は魔力をとにかく喰うタイプのものだからな、さすがに僕の個人的な目的のために負担を掛けるわけにはいかない」

「しかし僕が完全に退去する直前にその大人のカード(聖遺物)が僕に現界するだけの魔力を与えてきたわけだ」

 

「そうか。次にお前はなぜ退去しなかった?」

 

「魔力を供給されて自由に行動できるようになったのだからこの世界の医療体制やこの世界だけの疾患があるのか気になったというのも事実だが、実際には退()()()()()()()()()()()()()()()()という方が正しいな」

 

「おいまて、どういうことだ? 退去することが出来なくなっていただと? 俺は宝具をそんな風に弄ってないぞ」

 

「わかっている。第一もし仮に自分の宝具がそんな風になっていたらお前は僕に頼るだろうからな」

「話を戻すぞ。僕はただ退去することが出来なくなったわけではなく、大人のカード(聖遺物)に条件を付けられたのだろう」

 

「……なぜ断言できない?」

 

大人のカード(聖遺物)から魔力を与えられたときに【トリニティで先生と生徒の縁を紡げ】といった幻聴のようなものが聞こえた。それに加えて今の僕はトリニティから離れることを考えられなくなっている」

 

「……2日前に()()()()()()()()()()()()()もそれが関係しているのか?」

 

「恐らくだがな。それから僕にそういった類のスキルはないが数日以内に最後のイベント(役目)が起きると予感している、気を抜くなよ」

 

「……ああ、分かっている」

 

二人はお互いの疑問を解消させるべく会話を続けたのだった。

 

 


 

 

とある会議室にて5人の男女がある一つの話題を取り上げて話し合っていた。しかし彼らの姿は一般的な人間とは異なっている。

 

「―――といったのがシャーレのイアソン先生です」

 

「……黒服よ、今の話は本当か?」

 

「ええ、この目でしっかりと観測いたしました」

 

「肉体が神秘で構成されているだけでなく、他の神秘を呼び出すことが出来るとは……にわかには信じがたいですね」

「そういうこった!」

 

「後ほど映像を送りますので、ぜひご自身の目で確かめてください」

 

「だがキヴォトスの神秘を誰の手助け無く独自で解釈しピラミッド(王の墓)に新たな役割を与えるとは……是非とも先生とは語り合いたいものだ」

 

「……何とも厄介な相手ですね。彼に邪魔をされるわけには……」

 

タキシードを身に纏った双頭のマネキン人形のような姿の【マエストロ】、コートを纏い、ステッキを持った首のない男性【デカルコマニー】と彼が持つ写真に写っている後ろ向きのシルクハットを被った男性【ゴルコンダ】、目のついた翼で埋め尽くされた頭部に、長身、黒の長髪、赤い肌、白のドレスを身に纏っている特徴的な女性【ベアトリーチェ】が黒服が話したイアソン先生について各々の考えを話している

 

「黒服よ、イアソン先生はギリシャ神話に登場するあのイアソンで合っているのか?」

 

「ええ、間違いありません。彼が宝具と呼ばれる必殺技で呼び寄せたメンバーにはアスクレピオスやヘラクレス、テセウスなどアルゴナウタイの船員と同じ名前で呼ばれており、その姿は神話で描かれた特徴と合致していました」

 

「彼ならば……私の【崇高】を理解してくれるに違いない!」

「黒服よ! 彼をすぐにでもゲマトリアに勧誘すべきだ!」

 

「私も先生をゲマトリアに勧誘すべきだと思います」

「そういうこった!」

 

「私もそう思い勧誘したのですが、残念ながら先生には一度断られてしまいました」

 

「……私は反対です。あの謎めいた神秘など我々の脅威でしかありえません」

 

「なぜでしょうか、マダム」

 

「彼が持つ神秘であれば我々を簡単に殺すことが出来るはずです。仮にゲマトリアへ加入させたとして、彼が裏切った場合我々は抵抗できずにやられてしまうでしょう」

「何より彼は神話に刻まれた大人です。他者の命を奪うことが必要であるのならば躊躇うことなく実行する可能性もあり得ます」

「これらの可能性が存在する限り私はシャーレの先生を勧誘することに反対です」

「……エデン条約に向けて準備しなければならないことがありますので失礼します」

 

「……相変わらずといった感じだな」

 

「ですが、少しばかり変わったような気もします。今回の会議では彼女が感情的に声を荒げることはありませんでしたから」

「そういうこった!」

 

「やはり先生は我々に必要な存在です。時間をかけて勧誘していきましょう」

 

ベアトリーチェが帰宅した後も彼らはイアソン先生について話し合っていたのだった。

 

 

 

 

 

「シャーレのイアソン先生……あの宝具とやらを見る限り何かしらの法則の基に成り立っているに違いありません。ギリシャ神話における彼の情報について一度しっかりと調査し、確実にエデン条約で仕留めてみせましょう」




ミレニアム関連で1話、エデン条約関連で1話幕間をやってゲーム部に入ります

イベストと恋愛要素は必要?

  • イベストだけ
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  • どっちも必要
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