更新分読みました……アビドス3章もしかしてファラオレベルの案件???
流石にあの内容で取り組まないわけにはいかないので百鬼夜行1章を終えたらはじめます
アスクレピオスから忠告を受けた翌日、キヴォトスにおける神秘の歴史について調査するべきと判断したイアソンは古書館へ向かい、
丸1日利用していても一切ルールを破らないイアソンに満足していた古関ウイだったが、それが3日も続けばさすがに目的の子を探してあげるべきかと考え始め、本日4日目に勇気を出して声をかけた。
「……どんな子を探しているのか教えてくだされば、わ、私が探しますよ?」
「いや、問題ない。知りたい情報、気になっていた情報はあらかた調べがついた」
「そ、そうですか……それにしてもシスターフッドの歴史が気になるなんて、先生はかなり珍しい人ですね」
「……一応聞いておくがどういう意味だ?」
この4日間で古関ウイがどんな人間か把握しつつあるイアソンは、ジト目で彼女を見る。
「シスターフッドと言えば秘密主義者の集まりですから。下手に探れば消されてしまうかもしれません……」
「……お前もうちょっと世の中の情報を取り入れろよ。間違った認識で接して取り返しのつかないことになるとかザラにあるからな」
「さ、さすがの私もそこまで世間に疎い訳じゃありません……」
「嘘つけ、お前さっきシスターフッドに対してめちゃくちゃ偏見言ってたじゃねぇか」
「うっ……は、話を戻しますが、どうしてシスターフッドの歴史が気になったんですか?」
古書を読み続けながらイアソンはウイからの質問に答えていく。
「この間のアビドスでの仕事と知り合いとの話し合いでキヴォトスの神秘について知っておく必要があると判断した」
「神秘ってのは一般的に神聖なものや場所に宿ってるっていうイメージがあるだろ? トリニティの古書館ならキヴォトスで1番神聖的なイメージと信仰の歴史があるシスターフッドに関係する古書があると思ってな」
「な、なるほど……それにしても先生はこの子たちを丁寧に扱ってくださって嬉しいです。最初は丁寧に扱っていても次第に適当に扱うようになる人がほとんどですから……」
「こういう貴重なものを丁重に扱うのは基本だろ。適当に扱って壊れたとか(生命の危機的なアレで)考えたくもないからな」
「多くの人が先生みたくこの子たちを丁寧に扱ってくださると嬉しいんですが……期待するだけ無駄かもしれませんね……」
「顔も名前も知らんやつに過度に期待するのは無駄であることは間違ってないがな」
「……それにしてもトリニティには黒い歴史が多すぎるな。反対意見を続けた結果弾圧され姿を消した【アリウス分派】、シスターフッドの前身にしてアリウス分派を激しく弾圧した【
「この2つ以外にも色々とあるが……検閲してこの内容の濃さだったら禁書には何が書かれているんだか」
「さ、さあ……禁書に関しては私も取り扱ったことがありませんので……」
「まぁ俺としては禁書なんかよりも【
「ユスティナ聖徒会で最も偉大と謳われた聖女……キヴォトスと汎人類史の伝承的にも厄介な性質を持ちかねないな。頭の片隅にでも置いておくか」
つぶやきながら片付けを始めるイアソンと、作業を中止し移動するウイ。
「今日は随分と早く帰宅するんですね……だからといって別にどうということはありませんが……」
「今日は午後からティーパーティーに呼ばれてるんだよ」
「ティ、ティーパーティーにですか……先生、何かやらかしたんですか…?」
「なんで俺がやらかした前提なんだよ……内容は知らされてないがアスクレピオスと共に来てくれって言われてな」
「まぁアスクレピオスが呼ばれてるあたり医療関係だろうな」
「そうですか……明日は何時にいらっしゃいますか?」
「そういや俺明日退院するんだよ。そんでさっさとシャーレに戻って溜まってる仕事片付けなきゃならん」
「……そうですか」
「あー……またお前の力が必要になる時があるだろうから、その時はまた連絡するわ」
「ええ、お待ちしてますね」
古書館から戻ったイアソンはアスクレピオスと共に
「僕たちに用があると聞いたがいったい何の用だ。もしくだらない理由だったら僕はとっとと救護騎士団の本部へ戻るぞ」
「……まずは私のお願いに応えていただきありがとうございます。本日お呼びしたのはアスクレピオスさんのお力をお借りしたかったからなのです」
「……だとしたら俺呼ぶ必要あったか?」
「先生はアスクレピオスさんの上司に当たる方だとお聞きしました。ですので先生に黙ってお願いするわけにはいきませんので」
「一つ訂正させてもらうが、別にこいつは僕の上司というわけではない。こいつは船長であっただけで僕は尊敬していないからな」
「そ、そうなのですか……」
「それにしてもイアソンが言っていたことがようやくわかった。確かに彼女はアタランテと声帯が似ているな」
「だろ? この声で敬語を使われると寒気がすんだよ」
「あ、あの……お話を進めてもよろしいでしょうか?」
「ああ、悪いな。それでアスクレピオスに何の用なんだ?」
「……救護騎士団の座学で扱われているアスクレピオスさんは蘇生薬で人を蘇らせたことがあるとされています」
「そして先生が呼び出したアスクレピオスさんもその蘇生薬を造れるはずだと、とある生徒さんから助言していただきました」
「私にできる事なら何でも致します……!! ですからどうか……!! 私の友人である百合園セイアさんを蘇らせてください……!!」
「……………………」
「必要なものがございましたらしたらすぐにでも手配します……!! お願いします……!!」
「……そうだな、たしかにキヴォトスなら汎人類史よりもあの蘇生薬を造れるだろう」
「……!! でしたら……!!」
「だが、この世界においてその材料を集めることを僕は許容できない」
残酷な一言がナギサに突き刺さる。声を震わせながらナギサはアスクレピオスに問う。
「……どうしてなのかお聞きしても?」
「あの蘇生薬を造るためには高濃度の女神アテナと女神アルテミスの神秘が必要だ。この世界の子どもは汎人類史における神々の神秘を保有しているが、子どもたちにとって神秘は生きていく上で必要不可欠なものだ」
「小鳥遊ホシノ並みの神秘量であれば問題ないが、彼女ほどの神秘量を持つ子どもなどそうそういない。間違いなく寿命の半分を奪うことになる。いや、半分で済めばいい方かもしれない」
「……それでは、セイアさんは……」
「……すまないが、僕には助けることが出来ない」
「そんな……いや……いや……セイアさん……!!」
アスクレピオスの言葉に崩れ落ちてしまうナギサ。イアソンは先生として駆け寄るべきなのだろう。だが彼女が崩れ落ちている理由が理由であるため、生半可な考えで駆け寄ってはならない。
「イアソン、お前の
「無理だな。
「……お見苦しい姿をお見せしてしまいましたね。私の我儘を聞いてくださってありがとうございます」
「……少しばかり一人の時間が欲しいので失礼いたしますね」
そういって
数日後彼女から謝罪の電話が届いたのだが、その際に百合園セイアが亡くなったのがイアソンがキヴォトスに着任する少し前だったことが判明した。
翌日、退院したイアソンをセリナが見送りしていた。
「アスクレピオス先生、短い間でしたが本当にありがとうございました」
「……ああ、別に構わない。僕としても後進が育つのは嬉しいからな」
「イアソン先生、今回は奇跡的に何もありませんでしたが、これが何回も続くわけではありません。無茶をしないでくださいね」
「……ああ、分かってるよ」
「その……大丈夫ですか? お辛そうな顔をしてらっしゃいますが……」
救護騎士団として奮闘する彼女にはイアソンが抱えてる悩みが分かってしまうらしい。
「気にすんな、ただの寝不足だ。診断書を連邦生徒会に持ち込んで健康的な生活を送ってやるさ!!」
「……そういうことにしておきますね。お気をつけて、先生」
そういってセリナは救護騎士団本部に戻っていった。子どもに気を遣われたことに苦笑いしながらイアソンはアスクレピオスと向き合う。何を話すこともなく数秒が経ってアスクレピオスの身体が光に包まれ始めた。
「……キヴォトスでの僕の役目はこれで終了か。怪我人が出たら迷わず僕を呼べ」
「それから……いつも通り取り繕って普段のお前でいろ。子どもというのはそういうのに機敏だからな」
「……そのつもりだ。ビナー討伐時の生徒の治療助かった、さすがは我がアルゴー号が誇る船医だ」
「ふん、僕は医者としての役目を果たしただけさ。……イアソン、負けるなよ」
「……ああ、じゃあな」
アスクレピオスが退去し、一人になったイアソンはゆっくりとシャーレに向かって歩き始める。嘲笑う現実に立ち向かうために気を引き締めながら。
最初はこんな湿ったオチになるはずじゃなかったのに……どうして?
神話においてアスクレピオスは蘇生薬で数名を生き返らせたので、キヴォトスの神秘特性的にクズノハが語った絶対的ルールすら超越すると思うんです。
何よりキヴォトスにはあらゆる神々の神秘を内包する生徒がいるので、探せばアルテミスとアテナをモチーフにした生徒だっているはずですから、彼女たちの助力があれば蘇生薬自体は作れると思います(助力後の生徒たちがどうなるかは分かりませんが……)。
ちなみにセイアは原作通り生きています。ミネ団長が不在なのもそれが理由です
次回からゲーム開発部1章に入ります!
イベストと恋愛要素は必要?
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