今さらながらペルソナ5Rにドハマりして無限に時間が溶けています
今回短めです
エンジニア部から光の剣を譲り受けたゲーム開発部一行は部室へと戻り、アリスにとある書類を書かせていた
「……うん、あとはこれを提出すればアリスは正式にゲーム開発部の部員だよ」
「パンパカパーン! アリスはパーティーに正式加入しました!!」
「それじゃ、テイルズ・サガ・クロニクル2の構想を練ろう!」
モモイの言葉に目を見開くミドリとユズ。
「お姉ちゃんのことだから「これで部員が揃ったからゲームし放題だー!!」って言うんじゃないかと思ってたんだけど……」
ミドリの発言を受けて少し目を逸らすモモイ。先ほどの発言を聞く限りちゃんと活動する予定だな、と安堵するイアソン。
「それも一瞬考えたんだけど、せっかくアリスが入部してくれたんだからさ」
「アリスにもゲームを作る楽しさを知って欲しいなって思って」
「それに、謝ったとはいえユウカに私たちの宝物をガラクタ扱いされたのは悔しいじゃん?」
「万が一大コケしてもアリスが入部してくれたおかげで廃部にはならないしね」
モモイの発言に再び目を見開くミドリとユズ。2人の反応を見て普段の生活がどれほど堕落的なのかが容易に想像できてしまう。
「これから案を出していくんだけど……」
「ここは先生の海賊話と魔王の話を聞いてみよう!」
「お姉ちゃん、G-Bibleはどうするの?」
「それも大事だけどやっぱり生の声も聞いておきたいじゃん?」
「そういうわけで先生! よろしくね!」
実際にゲームを作れると聞いて目を輝かせていたアリスがさらに目を輝かせて自身の方を見てくることに、変な懐かれ方をされたとため息を吐くイアソン。それと同時にこの世界でアルゴノーツのことをまともに話した経験がなかったことに気付き、こいつらなら楽しく聞くだろと考え、得意げに話し始めるイアソン。
先生が自分たちのために作り話をしてくれていると考えて申し訳なさそうに聞いていたミドリとユズも今では一言一句聞き逃さぬように集中して聞いている。アリスはイアソンの話にコロコロと表情を変えており、そのしぐさがイアソンの調子を上げさせていく。モモイはゲームのシナリオに活かせそうなところをメモしながら続きをせがんでいる。その結果、ここにアルゴノーツメンバーがいれば調子に乗るなと指摘するほどにイアソンの気分は上がっていた。
「所々省略したがこれが俺の誇りであるアルゴノーツだ」
「すっごいよ先生!! 私もそんな経験してみたいー!!」
「すごかった……創造意欲がどんどん湧いてくる」
「あ、あの噂は本当だったんだ。一騎当千の英雄たちが集まって旅をしたアルゴノーツ……夢が詰まってる……!!」
「とってもおもしろかったです!! アリスたちも名を轟かせたいです!! どうすればいいのか先代勇者である先生に教えてもらいたいです!!」
「俺はどちらかというと冒険者だ。勇者なんていう使命に翻弄される人生を送っていたわけでは無い」
「それにこれから話す魔王も俺が討伐したわけでは無いからな」
「そうなの?」
「魔王を討伐したのはただの人間さ。俺は他の連中と共に援護をしてただけだ」
「まず、お前らにとって【魔王】ってのはどんな存在だ?」
イアソンからの質問に各々の答えを口にするゲーム開発部
「倒すべき悪とか?」
「うーん……やっかいな存在?」
「ゲームのラスボス……かな」
「勇者が倒す最大の敵です!」
「まぁ基本そうだよな。魔王ってのは基本的に悪であり邪悪な敵ってイメージがあるよな」
「だが、その魔王は
「
「人間を愛するが故に……? それって矛盾してない? 愛してるなら滅ぼさないんじゃ?」
「そう思うよな。でもそいつは人間をよくしたいが故に滅ぼすしかなかった獣だ」
ゲマトリアの気配がないことを確認したイアソンは全ての始まりとも言える獣の名を口にする。
「人類への愛が暴走した獣、
「憐憫の獣、魔神王ゲーティア」
「それが俺の知っている魔王だ」
「憐憫の獣……」
「そして俺はその魔王に……」
「先生? どうしたの?」
「いや、この話はまた今度にする」
「ええー!? なんで!?」
「(オケアノスの話はこいつらにはまだ必要じゃない)」
「(もう少しアリスの情緒が育ってから話すべきだ)」
あの愚かな男の話は最悪の事態を迎えたときにこそ役立つと考え、中断するイアソン。
モモイからしてみれば約束を破られたようなものであり、納得がいかないようであるが。
「そうだ、ユズ。お前に話しておきたいことがある」
突然の指名に飛び上がってしまうユズ。プラスの行動とマイナスの行動を繰り返しているせいでモモイが疑いの目を向けてくる。
「(俺が裏で罵倒でもすると思ってんのかこいつ?)」
「はぁ……お前らがシャーレに依頼を送ったことで話しておかなきゃならないことがあるんだよ」
「ふーん……」
「だ、大丈夫だよモモイ」
「(こいつはこいつで警戒してるんだろうが、根深いもんだな)」
部室から出ていくイアソンについて行くユズ。すぐそこで話すものと考えていたが、思った以上に進み続ける状況に不安になり始める。それから2分ほど歩いてようやくイアソンは申請式の相談室の前で足を止めた。
想像以上に大きな話をするかもしれないと慄いている彼女をよそに椅子に座るイアソン。こちらに目を向けることも声をかけることをせずにただ座っているイアソンが本格的に怖くなり備え付けのロッカーに駆け込みたくなる感情を何とか抑えながらゆっくりと向かいの椅子に座るユズ。
そこから数分間、一切会話をすることなく向き合って座っている状況に限界を迎えそうになったところでイアソンがようやく口を開く。
「本当ならこの話はモモイにしようと思っていた」
「……え?」
「お前らの行動を見る限り、モモイが色んな意味で支柱になってる」
「だが、あいつはお前らの中でも特に感情的になりやすい」
「感情で動くこと自体は別に悪いことじゃない。自分の心に正直な証だ」
「仲間をバカにされたり、友達を傷つけられた時にあいつはきっとそいつにとって心強い味方になるだろう」
「その分重要な場面で冷静に物事や周りを見れなくなるデメリットもある」
呼び出されたと思ったら元々は自分ではなく友達に話す予定だったことや、その友達の評価を聞かされ頭が混乱するユズ。
「だから、突然の状況に陥った際にゲーム開発部の中で1番冷静に動けるであろうお前が適任だと俺は判断した」
「え、えっと……一体、何の話をしてるんですか?」
「天童アリスの危険性から目を背けるな。あいつが暴走しないと断言できるほど俺たちはあいつのことを知らない」
「あ、アリスちゃんはそんなことしません……!!」
「どうして言いきれる? あの場に居なかったお前は天童アリスが誰に何の目的で作られたのか知っているのか?」
「そ、それは……」
「常にアリスを疑えって言ってるわけじゃない。ただ最悪の事態を想定しておかなければ、実際にそうなった時に後悔だけが残るぞ」
「幸い悪い知らせは今のところ1つも来ていない。俺から見てもこの状態なら普通に学生生活を送って卒業していくことになるだろう」
「なら……!!」
「だが、この世に絶対なんてものはない。アリスが他者との交流を深めたくさんの友達ができた時に取り返しのつかない事が起きてしまったら、あいつ自身が死ぬよりも辛い思いをすることになる」
「あまりにも純粋で無垢な心を持つアリスにとって、匿名という盾を装備した部外者からの偏見と暴言は大きな傷となる」
「匿名メッセージの恐ろしさを知っているお前なら理解出来るはずだ」
「だ、だからって……」
「……要は分岐ルートのフラグを立てろってことだ」
「万が一暴走しても被害を身内だけに留めることが出来れば、俺の方でなんとでもなる」
「お前らはお前らが納得できる方法を見つけて、ルート分岐を発生させろ」
「せ、先生はアリスちゃんの味方何ですか? 敵なんですか?」
涙を必死に堪えながら睨んでくる少女から無意識に目をそらしてしまう。
「……正直な話、俺はこの問題に対してどちらか一方の味方になることは出来ない」
「生徒のためにと設立されたシャーレの権限が強すぎるあまり、俺が味方した陣営と敵対する陣営は生徒の敵という対応をされかねない」
「だから俺はアリスの敵でもあり、味方でもある」
「……分かりました。私たちの方でルート開拓をします」
「ああ、それでいい」
「俺の方でも方法を探しておく。だから諦めるなよ」
「……そろそろ戻るぞ」
そういって部室へと歩いていく2人。
「……先生って不器用ですよね」
「……あの会話をしたあとに出てくる感想とは思えねぇな」
「言葉はきつかったですけど、アリスちゃんのことを心配しているのは伝わってきましたから」
優しく笑う少女に肩をすくめるイアソン。他愛ない会話をしながら歩き続け、部室の扉を開ける。
「先生! ユズ! もう一回廃墟に向かうよ!!」
イアソンは頭を抱えながらバックレようかと真剣に考えたのであった。
イベストと恋愛要素は必要?
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イベストだけ
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恋愛だけ
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どっちも必要
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どっちもいらない