「先生セリカちゃんが誘拐されたって!?」
「セリカちゃんの行方は分かっているんですか!?」
「セリカを早く助けに行かないと!」
「セリカちゃんは無事なのでしょうか!?」
「いいから一旦落ち着けお前ら!元々セリカが誘拐される可能性が高かったから既に手は打ってある!今俺たちがやるべきことは慌てふためくことではない!冷静に対処しセリカを救出することだ!」
クソッ……こいつらは五人で寄り添いながら成り立ってる集団だ。それが一人でも欠けてしまえば崩れ落ちていくことは分かり切っていたがここまで影響が大きいとはな。こうなってしまうほど周りの大人はこいつらに無関心だったということか。どうなってるんだ現代は!神代のような自分からは基本関わらず巻き込まれないように立ち回るしかない時代ならまだしも、キヴォトスはマスターが生きてきた時代に近いはずだ。あいつのような善人は殆どいないっていうのか!?
「セリカを誘拐したのはヘルメット団の連中だ。シャーレの部員が追跡を行い俺に位置情報を送信している。この位置情報をを基にセリカを救出する!分かったかお前ら!!」
「……うん、ごめんね先生。おじさんセリカちゃんが誘拐されたって先生から連絡が来たときにびっくりして取り乱しちゃったや」
「すみません先生、私も取り乱してしまいました……」
「……ごめん、先生」
「すみません……」
「落ち着いたのならそれでいい!校庭に停めてある車にさっさと乗り込め!こいつで追いかける!」
「う、うーん……。……へ?」
「……!?こ、ここは!?私、さらわれた!?」
「あ、う……頭が……。ここ……トラックの荷台……?」
「ヘルメット団め……私をどこに連れて行くつもりなの……」
「暗い……けど、隙間から少し光が漏れてる」
「外……見えるかな、……砂漠……線路!?」
「線路がある場所って……ま、まさかここ、アビドス郊外の砂漠!?」
「……そ、そんな。ここからじゃ、どこにも連絡が取れない!もし脱出できたとしても、先生や対策委員会のみんなにどうやって知らせれば……」
「どうしよう、みんな心配してるだろうな……」
「…………このままどこかに埋められちゃうのかな。誰にも気づかれないように……」
「連絡も途絶えて……私も他の子たちみたいに、街を去ったって思われるんだろうな……」
「裏切ったって思われるかな……」
「誤解されたまま、みんなに会えないまま死ぬなんて……」
「そんなの……ヤダよ……」
「……う……うぐぅ……うっ、ううっ……」
「う、うわあああっ!?」
「カハッ、ケホッ……ケホッ……」
「な、何っ!?爆発!?トラックが爆発した!?」
「砲弾にでもあたったのかな……一体どこから?」
『セリカちゃん発見!生存確認しました!』
「よくやったアヤネ!こんな作戦をお前らが言い出した時はドン引きしたが無事ならそれでいい!」
「……あっ、アヤネちゃん?!先生?!」
「こちらも確認した、半泣きのセリカ発見!」
「!?」
「なにぃー!?うちの可愛いセリカちゃんが泣いてただと!そんなに寂しかったの?ママが悪かったわ、ごめんねー!!」
「う、うわああ!?う、うるさいっ!!な、泣いてなんか!!」
「嘘!この目でしっかり見た!」
「泣かないでください、セリカちゃん!私たちが、その涙を拭いて差し上げますから!」
「あーもう、うるさいってば!!違うったら違うのっ!!黙れーっ!!」
「お前らそこまでにしておけ。少しメンタルにきているんじゃないかと考えていたが元気そうで何よりだ」
「みんなどうやってここまで来たの!?」
「(誘拐するなら間違いなくお前以上の適任はいないというか誘拐されるならお前って分かりきってたから、ワカモにバイト終わりを監視させていたって馬鹿正直に言ったら絞められるよな……)お前らからヘルメット団のしつこさを聞いていたからな」
「ちょっとちょっと先生?そこはさらわれたお姫様を助けるのは勇者の役目だからってかっこつけるところでしょ?」
「な、何を言ってるのよホシノ先輩!!だ、誰がお姫様よ!!冗談止めて!!ぶ、ぶん殴られたいの!?」
「うへ、元気そうじゃーん?無事確保完了~」
『よかった……セリカちゃん……私、セリカちゃんともう会えなくなっちゃうんじゃないかって……」
「アヤネちゃん……」
「水を差すようで悪いがお前ら油断するなよ。トラックを制圧したが、ここは敵陣のど真ん中だ。警戒を怠るなよ」
「ん、先生の言う通り」
「だねー。人質を乗せた車両が破壊されたって知ったら、敵さん怒り狂って攻撃してくるよー」
『前方にカタカタヘルメット団の兵力、多数確認!!さらに巨大な重火器も多数確認しました!徐々に包囲網を……ってあれ?』
「どうしたのアヤネ?」
『そ、それが先ほどまで確認していたカタカタヘルメット団の兵力全てが鎮圧されています』
『こ、これは一体……』
「……(ワカモが掃除してくれたわけか、面倒ごとが減って助かる……ん?ワカモからメール?内容は……ご褒美が欲しいってとこか。……見なきゃよかった。いや見なかったら見なかったで面倒ごとになりそうだな)」
「……………………」
「先生何か知ってる?」
「あー、シャーレの部員が片づけてくれたんだよ」
「それはありがたいけど、そもそもどうしてアビドスにシャーレの部員が来てるわけ?先生が始めてアビドスに来た時には一緒にいなかったのに」
「じつはセリカちゃんを見つけることができたのは先生とそのシャーレの部員さんのおかげなんだよ」
「そうなの先生?」
「まぁそういうことだな」
「さっき先生が教えてくれたんだけど、セリカちゃんが狙われる可能性が高いから大将さんとシャーレの部員さんにセリカちゃんのことを見守るように頼み込ん出たんだって」
「……そ、そうなの先生?」
「あー、まぁ……そうだな(嘘は!!嘘は言ってないからな!!)」
「そっか……その……ありがとう」
「別に気にしなくていい。お前がいなくなると困るからな(信頼ガタ落ちとか恨まれて殺されかねない)」
「なっ!?きゅ、急に何恥ずかしいこと言ってるのよ!!」
「そんなことよりお前らは疲れもたまっているだろうし、先にアビドスに戻れ。俺はあいつらの装備品を回収してくる」
「あ、危ないわよ!先生!」
「いいからお前らは戻って休んでろ。特にセリカ、お前救出の際に砲弾を食らったのだから早急に休むべきだ」
「そ、それはそうだけど!私たちがアビドスに戻ってるときにもし伏兵が現れたら先生死んじゃうかもしれないじゃない!」
「セリカちゃんの言う通りです先生。だれか一人でも連れて行くべきです」
「私が先生と残る」
「その必要はない。さっきあいつから合流して諸々の確認をしたいと連絡が入ってな。あいつに護衛を任せることにする」
「それならいいのですが……」
「いいからさっさと戻ってやすめ。お前ら全員満足な休息が取れていないのだから少しでも体を休ませるべきだ」
「分かった、それじゃその言葉に甘えさせてもらうね」
「でもホシノ先輩……」
「先生が何度もこういってるわけだし。それに件のシャーレの部員さんはあれだけの兵力を一瞬で片づけられる実力者みたいだしね」
「でも先生、これだけは約束して。ちゃんと戻ってくるって」
「……分かった。必ず果たそう」
「うん……それじゃみんな戻って休もうー!」
「先生……気を付けてね」
「わかってるっての」
「どうした小鳥遊ホシノ?お前だけ残って、お前がさっき音頭を取っていたというのに」
「先生に一つ聞きたいことがあるんだけどさ」
「なんだ?何が気になるんだ」
「そのシャーレの部員さんってさ、なにか危険な人じゃないよね」
「……安心しろ、あいつはそういうやつではない」
「…………そっか、その言葉信じるね。でも、もしあの子たちに危害を加えたのなら……私は一切容赦しないからね」
「…………はあああぁ、疲れた。なんだよさっきの威圧感、まるで
「お疲れ様ですあなた様」
「っ!?ワ、ワカモか。さっきは助かった。お前も体を休めるように」
「あぁ、あなた様が私のことを思ってくださるなんて。その言葉だけで体の疲れが取れていきます」
「そ、そうか。それならよかった。ではさっさとヘルメット団の装備を回収しに行くぞ」
「それでご褒美の件なのですが」
「あ、あぁそうだったな。それでワカモは一体何が欲しいのだ?私に用意できるものなら何でも用意するぞ」
「私が欲しいのはそういったものではございません」
「その……私は……あなた様に頭を撫でて欲しいのです」
「そんなものでいいのか?」
「ええ、それが私にとって一番のご褒美なのです」
「……そういうものなのか」
「そろそろ装備品を回収してアビドスに戻らないとあいつらに疑わるからもう終わりでいいか?」
「仕方ありませんね……もう少し撫でていただきたかったのですが」
「また今度撫でてやるからそれで勘弁してくれ」
「!!えぇ!!楽しみにしておきます!!」
「戻ったぞお前ら」
「お帰りなさい先生」
「セリカは?」
「倒れてしまったので保健室で休ませています」
「Flak41の対空砲を食らったんだもん、歩ける方がおかしいって。先生の言う通りゆっくり休ませてあげるべきだよ」
「本当に大変なことになるところでした。もし先生がいなかったら……」
「うんうん。先生のおかげでセリカちゃんの居場所を逃さず追跡できました。やっぱりすごいです☆」
「はいはい、どうも」
「……皆さんこれを見てください」
「先生が回収した散らばった戦車の部品を確認したところ、キヴォトスでは使用が禁止されている違法機種と判明しました」
「もう少し調べる必要がありますが……ヘルメット団は、先生が以前仰ったようにカイザーから支援を受けているようです」
「…………格下のチンピラごときでは、あの程度か。主力戦車まで送り出したというのに、このザマとは」
「ふむ……となると、目には目を、生徒には生徒を……か。専門家に依頼するとしよう」
「はい、どんなことでも解決します。便利屋68です」
「依頼を頼みたい、便利屋」
「…………」
「……しかしながら昼間の蹂躙はいったい何だったのか」
「はあ……はあ……」
「うわああっ!!」
「あーあー、こっちは終わったよー」
「こっちも制圧完了だ、ボス」
「う、うう……何者だ、貴様らは……」
「……ふふふ」
「うあああっ!!ま、まさか、アビドスの!?よくも我々を……」
「はあ、こんな不潔で変な匂いのする場所がアジトだなんて。あなたたちも冴えないわね」
「……いいわ。あなたたちを、労働から解放してあげる」
「なっ、何だって!?」
「要するにクビってこと。現時刻をもって、アビドスを私たちが引き受けるわ」
「ふっ、ふざけた真似を!貴様らは一体……」
「うわああっ!!」
「…………私たちは、便利屋68」
「金さえもらえれば、何でもする……なんでも屋よ」
「…………ふふ、決まったかしら!」
「くふふ、アルちゃんは相変わらずだね~」
「はあ……それよりもこの間の依頼どう思う?」
「え、えっとアビドス地区内に拠点を持つヘルメット団の殲滅ですよね」
「報酬金も内容にしてはちょっと多すぎるし、なにより……」
「依頼者名ジェイソン、いったい誰なんだろうねアルちゃん?」
「ふふふ、私たちは便利屋。金さえもらえれば全ての依頼を引き受けるわ」
「(それにどこかアウトローのような名前でかっこいいし!)」
「はあ……本当に社長ってば」
「はあ……あ、れ……?先生!?ど、どうしたの?」
「お見舞いに来たんだよ」
「……ああ、私なら大丈夫。いつまでもこうしちゃいられないし」
「アヤネちゃんや他のみんなも心配してるし……バイトにも行かなきゃだし」
「だ、だから、お見舞いとかいいから!ほら見て、元気だし」
「ならいいが、決して無理をして倒れるなよ?」
「……あ、あの!!今まで酷いこと言っちゃってごめんなさい」
「そ、それと……色々とありがとう」
「それじゃあまた明日ね!」
「ぐおおおお!!!!!」
『イアソン様あれはさすがにないです……」
「やめろメディア!!人間の体はこれ以上曲がらない!!!」
『女の子を助けに行ってかっこつけた言葉が言えないなんて信じられません!』
「言ったら言ったでお前キレるだろ!!!」
『関係ありません!反省してください!!』
「ぎゃああああ!!!!」
『……先生、いったいどんな壮絶な夢を見てらっしゃるんでしょうか?』
春休みに入ったので今週中に続きを投稿して見せます
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