【呪術廻戦外伝】特別1級呪術師 禪院将宗    作:まぜこみごはん

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はいこんばんは、マヌケです。


年末休みを満喫しているわけですが、来週からはですね、流石にペース減りますはい、社会人の性ですね。


今回は東堂戦(後編)ですね。
呪術廻戦で誰が一番好きなキャラって実は東堂だったりするんです。だからちょっといつも気合入れてますけど、いつもよりめちゃくちゃ力入れてます。

それではどうぞ


イケメンとゴリラの衝突(後編)

三輪 真依 メカ丸side

 

 

 

『こ……これ本当にだ、大丈夫なんですか?』

 

 

 

 

 

『……仕方なイ、流石にこれは異常事態ダ。誰かは来ると思うガ……人を呼んでこよウ、逃げるなら今だゾ』

 

 

 

『あのゴリラの術式初めてみたわ、あんなシンプルな術式なんてね』

 

 

 

二人の戦いをおとなしく見ているしかない3人は、小言も吐くも、心の中ではその次元の違う戦いにただ驚愕していた。

 

メカ丸がその中でも驚いていた、あの東堂とあそこまで張り合う人間はそうはいない。

 

おそらく東堂とやりあえるのは特級呪術師だけだと思っていたが、将宗の戦いをみて更に感じてしまった。

 

 

 

 

 

あの男からはまだ余裕を感じる、そう思った途端だった。

 

 

 

 

 

『『『!?』』』

 

 

 

 

 

将宗が東堂に吹っ飛ばされた直後、尋常ではない呪力を感じた。

 

呪力の先は将宗本人から流れており、何か言葉を吐いたのが、遠くからでもわかる。

 

広場周辺の天気が荒れ始め、雨が降り始める。

 

あくまで雨は広場周辺だけであり、そのほか周辺は晴天で晴れている、言い方を変えれば通り雨のように、雨が降り注いでいく。

 

 

 

『これは……雨?』

 

 

 

 

 

真依がそう呟いた途端、将宗の方をみると大量の呪力を纏っており、拳を構え東堂を見つめているのが、目にうつる。

 

 

 

 

 

『あのアホ、術式をとうとう使ったのね……!!』

 

 

 

禪院真依は知っていた、禪院家の禪院甚壱の養子として連れてこられた一人の男、術式を決して禪院家では見せようとしない禪院将宗を。

 

 

 

 

 

禪院家に非ずんば呪術師に非ず 呪術師に非ずんば人に非ず

 

 

 

 

 

それが禪院家の家訓の一つであり、術式を引き継げない人は人間扱いすらされない生活を送ることになる、禪院真依、禪院真希もそのような扱いをされていた。

 

 

 

しかし禪院将宗という男が違った人生を送っているのも、真依は知っていた。

 

 

 

 

 

禪院家の養子として特例を認められて、禪院という苗字を預かり、禪院直毘人の一言で特別1級呪術師となった例外中の例外。

 

差別的な環境に置かず、ただただご当主様のお気に入り――最初は憎かった。

 

 

 

ただ酷く憎かった、嫌いだった、大嫌いだった。

 

私や真希があのような扱いをされて、何故禪院将宗は特別扱いを受けているのかと。

 

憎しみしか覚えなかった。

 

 

 

でも、禪院将宗は私が思うような憎い男ではなかった。

 

私と真希は直哉という、ご当主様の息子ということを利用して、女性を尻でしか見ない最低クソ野郎に、酷い仕打ちを受けていた――絶望しかなかった、なぜこのような扱いを受けなければならないのか。

 

 

 

アイツは私たちの前に立ち、当時はガリガリヘボ青年だったけど、そんな姿でも性格だけは昔と今も変わらない。私たちを守ってくれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

HAHAHA気にするな、禪院家のイケメンこと禪院将宗、この程度の傷で心配されるほどヤワではないわ! あやっぱヤバいかも……肩貸して

 

 

 

直哉ちゃんはサンドバックがほしいだけさ、ならばこの俺が受け持つッ!

 

 

 

大丈夫だ、真依。 お前はこの禪院将宗が守る

 

 

 

 

 

素性が全く知らないような青年だったのに、私の瞳にはその姿はカッコよくうつった。

 

本人には決していわないけれど、だんだんと希望の存在へと変わっていったのだ。

 

 

 

 

 

『やるんなら勝ちなさいよアホ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

東堂 禪院side

 

 

 

 

 

『……!』

 

 

 

 

 

東堂は降り注ぐ雨を浴び、空を見る。

 

この広場周辺だけ雨が降り注いでいるのがわかる、通り雨のようなものだが、これは雨ではない。

 

 

 

呪力の流れを感じる――見た目は雨の雫ではあるが、一粒一粒が呪力によって作られた呪力の塊のようなもの、広場周辺とはいえ、この広範囲で呪力を放出しているなんて、呪力量がないとできない芸当だ。

 

領域展開のようなものでもない――これはおそらく師匠が出した術式。

 

東堂は将宗に目線を向けるも、その姿に驚愕する。

 

 

 

 

 

将宗の髪は青色へと変わり、瞳の色も赤から青色へと変化している。

 

呪力のオーラでその姿はさきほどの男とは別人、東堂はさらに警戒心を強める。どのような術式かわかっていない以上、見極めるしかない、師匠の動きを。

 

 

 

 

 

『そう警戒するな、雨も滴るいい男という言葉があるだろう?』

 

 

 

 

 

雨で濡れている禪院将宗は、上の服をすべて脱ぎ始め、細見の筋肉質の体を披露し、再び拳を構える。

 

そのまま濡れている地面を蹴り上げ、一気に東堂へと距離を詰め、拳をぶつける。

 

 

 

 

 

『(早いッ―――!?)』

 

 

 

 

 

その人間離れした速さに東堂は対応しきれず、不義遊戯を使う暇がなく、右拳が東堂の腹筋に入り、後ろに下がる。

 

先ほどよりも威力は強い、東堂の表情は変わらず笑っているが、ダメージが入ったのは明白だ。

 

 

 

 

 

『流石は師匠、スピード勝負と来たか。だがこの程度では俺を倒せんぞ』

 

 

 

 

 

『この程度ではそうか、しかし……美霊術式『雫』の真骨頂を見せてやろう』

 

 

 

 

 

『見せてみろ師匠!!』

 

 

 

 

 

さらにそこから追い詰めようとする禪院将宗は、右拳を東堂の顔をめがけて放とうとする。

 

そのタイミングを見切った東堂は拍手をしようとするも、する前に禪院将宗の姿が消える。

 

いや消えるという表現は間違っている――液体になって消えたのだ。

 

 

 

 

 

その時東堂の脳内にあることがよぎる。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

高田ちゃん 東堂side【脳内】

 

 

 

 

 

『これは本当にただ呪力で作られた雨なのかしら?』

 

 

 

 

 

『たっ高田ちゃん!?』

 

 

 

 

 

とある教室の夕方、東堂は突然と現れた制服姿の高田ちゃんを見て驚いている。

 

 

 

 

 

 

 

『この雨は本来禪院将宗の内部で作られた呪力が、外部に放出したもの。彼が術式を発動する前のとんでもない呪力量を見たでしょう? そのすべての呪力量を外部に放出しているのよ、何故か見た目は変わっているけれどね。』

 

 

 

 

 

『そんなことが……しかし、何故だ? 何故師匠は消えたんだ高田ちゃん!?』

 

 

 

 

 

『この雨自体禪院将宗から生まれた呪力……彼は術式名を雫といっていたわ、つまり?』

 

 

 

 

 

『…ハッ!! 己自身も雫となることができる……! つまり自らもこの雨の雫の一部になることができるということ…!』

 

 

 

 

 

『正解よ、東堂君』

 

 

 

 

 

この間、0.01秒

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『ありがとう高田ちゃん……』

 

 

 

 

 

今度の握手会も必ずや向かうことを心に決めた東堂は、消えた禪院将宗の姿を探す。

 

この雫の一部になっているということは、人型に変えることもこの場では変幻自在ということ。本体を探し出せない限り、俺の術式は意味を為さなくなる。

 

雫自体に呪力があり、おそらくは俺の術式も適用されるだろうが、不確定要素が多すぎて、位置替えも簡単にはできない、下手をすればこちらが足元を救われる。

 

 

 

 

 

まさに術式潰し、流石は師匠だ。

 

 

 

 

 

『(呪力の流れが不規則すぎる――中々本体の流れを探り出せないか…しかし、不可能ではない)』

 

 

 

俺に攻撃する際は、形を出さなくてはいけないはず。

 

その際本体の呪力の流れを感じることができるはずだ、反応速度でおそらく負けることはない、本体が形を出せば必ず俺の攻撃は当たる。

 

 

 

 

 

感じろ東堂葵、感じるんだ、師匠の気配を探せ。

 

 

 

 

 

目を瞑り、意識を集中させる。

 

 

 

 

 

 

 

呪力の流れは不規則だが、この雫の中には師匠がいることは確実だ、おそらくは近距離にいる。

 

その呪力を探り出せれば俺の勝ち―――――。

 

 

 

 

 

 

 

集中した東堂葵は、一筋のわずかな本体の呪力を感じる。

 

 

 

 

 

目を見開き、上に向けて右拳を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

『そこだッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

振るった瞬間に、本体が、禪院将宗の姿が現れて見事に腹部にクリーンヒットしている。

 

その瞬間を見た東堂葵はニヤリと笑い、勝ちを確信した。

 

 

 

 

 

『俺の勝ちだ、師匠―――!?』

 

 

 

 

 

いやなんだこの手ごたえのない感触は、確かに本体の呪力の流れのはず。

 

師匠の気配を俺が間違えるわけはない。いやこれは――本人の呪力であることには間違いはない、しかし純度100%ではない!?

 

 

 

クリーンヒットした禪院将宗の姿は水分へと変わり、弾け飛ぶ。

 

これは本体の呪力の一部に過ぎない、分身体……!?

 

東堂葵がそれに気づいたときにはもう遅い、上に振り上げたおかげで、下ががら開き状態の東堂葵は、しゃがんで拳に呪力を込めている師匠をみて、一瞬驚くも、悟ったのか笑顔へと変わる。

 

 

 

 

 

 

 

『見事ッ!!!』

 

 

 

 

 

『ハァアアアアアアアアアアアア!!』

 

 

 

 

 

下から上へと振り上げた、右拳は見事に東堂葵の顎にクリーンヒットして、倒れこんでしまう。

 

このわずかな隙を作った禪院将宗が、見事に東堂葵を勝ったのだ。

 

 

 

しかし俺も傷だらけのいう状況には変わりはない、ここまでダメージを食らったのはいつぶりか。

 

呼吸も少し荒く、立っているのが正直限界だ。

 

術式を安定させるのもやっとな状況だった、髪色も金髪に、瞳の色も赤へと元に戻し、太陽の光が少しずつ入ってゆく。

 

 

 

その状況であっても、倒れこんでいる東堂葵の傍までゆき、右手を差し出す。

 

 

 

 

 

 

 

『この禪院家のイケメン、禪院将宗に術式を出させたんだ、誇れ、君は強い。これからも強くなるだろう。』

 

 

 

 

 

 

 

『……流石は師匠だ―――かなわんな、本当に。』

 

 

 

 

 

 

 

東堂葵はその右手を掴み、禪院将宗と東堂葵の決戦は禪院将宗に軍配が上がった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

楽巌寺side

 

 

 

 

 

二人が戦っている様子を森の影から見ている楽巌寺は、おもむろに携帯電話を取り出し誰かに連絡をしている。

 

 

 

 

 

『すまんの、連絡が遅れた』

 

 

 

 

 

『構わんよ、どうだ将宗は…期待通りか?』

 

 

 

 

 

電話で話しているのは禪院直毘人だ。

 

 

 

 

 

『あれは逸材じゃな、まさかあれを倒すとは……術式も中々のものだ。本当に禪院家では隠しておるのか?術式を』

 

 

 

 

 

『まぁアイツの性分だ、だがこれからバレてはいくだろうな、バレないように隠してはきたが……。隠すにも限界はある。即にこっちでは勝手に調査も始まってる始末だ』

 

 

 

 

 

『……跡継ぎの話か?』

 

 

 

 

 

『だろうな。血は繋がっていないし、あれは養子だが――禪院という苗字が入っている以上、可能性はないとはいい切れんのだろうな、早いうちに芽を摘むか、摘まないか、決めているのではないか? クク』

 

 

 

 

 

『人ごとのように話すの』

 

 

 

 

 

『もう俺は跡継ぎに関しては決めてあるからな……荒れ狂う環境も時として、悪くはないだろう?』

 

 

 

 

 

『………』

 

 

 

 

 

やはり禪院家の当主はまともな思考をしとらん、と思った楽巌寺は黙ってその話を聞く。

 

 

 

 

 

『楽巌寺、お前に預けたのは俺が知らない禪院将宗の力と中身を報告してほしいからだ。禪院でいたのでは、中々本性を現さんからな。呪術界もいつ荒れ狂うかわからん――もし混沌の世界になった時、禪院将宗はおそらく、俺の知らない本性を出すだろう。そうなれば、奴の本心が見える』

 

 

 

 

 

『いっていたな、だがまだわからんの。あの男に一体どこに未知の部分がある?』

 

 

 

 

 

 

 

『……そのうちわかる。さて、俺はもう切る、精々長生きしろ、楽巌寺』

 

 

 

 

 

そういって一方的に切られてしまった。

 

しかしまだわからない、確かに術式は強力だ、しかし奴からは五条悟や乙骨憂太などの特級呪術師から感じるものを感じられん。

 

どこに注目しているのかがわからない、ここから関わればわかっていくことなのだろうか、と。

 

 

 

 

 

『――注意するべき、か』

 

 

 

 

 

そんなことを考えていると、また電話がかかってくる。

 

電話は匿名からだ、禪院家の当主ではないだろう――――電話をとると、そこからは聞きたくもない声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

『もしも―し! 聞こえてるおじいちゃ――ん、聞こえてるよね? ね?』

 

 

 

 

 

『……なぜ番号を知っている?』

 

 

 

 

 

『そんなこといいじゃ―ん?  気にするなって、おじいちゃんはまったく気が短いんだからまったくも―!』

 

 

 

 

 

 

 

『……切るぞ』

 

 

 

 

 

『ちょいタンマタンマ! 待てってせっかちだな~おじいちゃんは。話があって電話かけたにきまってるじゃん? わかれよ』

 

 

 

 

 

声の主はこの呪術界では誰もが知っている

 

 

 

 

 

五条悟

 

 

 

 

 

 

 

特級呪術師の一人であり、この現代呪術界において最強と呼ばれる人物だ。

 

楽巌寺は五条悟をはっきりいって嫌っている――その理由は保守派の楽巌寺と、改革派の五条悟では折り合いが悪く、仲が悪いことで知られているからだ。

 

楽巌寺の表情も険しく、今すぐにでも電話を切りたいという意志が伝わってくる。

 

 

 

 

 

『将宗の奴が教師になったんだって? アイツ上手くやれてんの? な―んでいってくれないかなぁ? 泣いちゃうぞ~?』

 

 

 

 

 

『いう必要があると思うか?』

 

 

 

 

 

『そんなこというなっておじいちゃん~、で、話ってのさ、やるでしょ、あれ』

 

 

 

 

 

『何をだ?』

 

 

 

 

 

『何って本当おじいちゃんはわかってないんだから困るよね~やっぱ察しが悪いな、病院いく? ついてくよ?』

 

 

 

 

 

『切るぞ』

 

 

 

 

 

『待ってって! まったく冗談だっての、わかってないんだから、だ・か・らやるでしょ』

 

 

 

 

 

 

 

『歓迎会!』

 

 

 

 

 

 

 

『は?』

 

 

 

 

 

 

 

かくして、歓迎会編へと続く。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい東堂葵戦終了しました。

個人的には満足した出来にはなったと思います。
次回は歓迎会編です。

とうとう五条悟と禪院将宗との絡みですね、実はすごく楽しみにしてました。
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