クラネル・クエスト   作:暁海斗

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店番と錬金術師

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に、ヘスティア・ファミリアの団員になったベルは・・・ミアハ・ファミリアのお店の奥で、回復アイテムを作っていた・・・

 

 

 

ベル

「錬金窯に、薬草とお水を沢山ぶち込んで~」

 

「あっという間に、ポーションの出来上がり~」

 

ナァーザ

「何それ・・・」

 

ベル

「錬金術師の特権です」

 

ナァーザ

「材料費、いくら?」

 

ベル

「幾らも掛かってませんよ?」

 

「ダンジョンに生えてる薬草を採取してきて、お水は井戸から汲んできたのを一回沸かしてから、冷ましたのを使ってるだけなんで」

 

「実質、材料費は無料です」

 

ナァーザ

「ベル・・・その、ポーションの効力ってどれくらい?」

 

ベル

「ハイポーションくらいだと思いますよ」

 

「もっと高価なポーションを作るなら、薬草の量を増やさないと駄目ですね」

 

ナァーザ

「ほぼ材料費が無料で、ハイポーションが作れるなんて・・・儲かるじゃん」

 

ベル

「でも、作ったポーションは・・・ミアハ様が無料配布に持って行くので、実質儲かりませんけど」

 

ナァーザ

「そうだった・・・」

 

ベル

「他にも、解毒剤とか麻痺消しとか作っておきますね」

 

「値段設定とかは、良く分からないので・・・ナァーザさんにお任せしますね」

 

ナァーザ

「ありがとう」

 

 

ある程度の量のポーション・解毒剤・麻痺消しの薬を作った後は・・・ダンジョンに、ポーションの材料を取りに行く・・・

 

 

 

 

 

ダンジョン・・・

 

 

ベル

「薬草・毒消し草・まんげつ草・きつけ草・ネズミ避けのお団子に使う唐辛子」

 

「採取出来るだけ、採取しておこうかな」

 

 

ベルが、一生懸命薬草を採取しているのを・・・多くの冒険者が笑っているが・・・ベルは、全然気にしない

 

 

ベル

「くだらない自尊心に塗り固められて、他者を見下す事に快感を感じてるなんて・・・可哀そうな人達だ」

 

「僕は、あんな人達を助けるのは嫌だな」

 

「ヤンガスさんは、困っている人を助けるのは・・・自分に必ず良い事になって、帰って来るって教えてくれたけど・・・」

 

「あんなゴミクズ以下の冒険者なんて、助ける気すら起きないよね~」

 

 

ベルは、大量に材料を採取した後は・・・適当に、鉱石を採取して戻った・・・

 

 

 

因みに、ベルを嘲笑っていた冒険者達は・・・アルミラージに囲まれて、ボコボコにされたらしい

 

 

大怪我をした挙句、ディアンケヒト・ファミリアに桁外れな治療費を請求されて、破産しているらしい・・・

 

 

 

 

 

 

 

材料採取から戻ると・・・

 

 

ナァーザ

「ベル、ポーションをもっと作って」

 

ベル

「良いですけど・・・そんなに売れたんですか?」

 

ナァーザ

「ベルが作るポーションは、飲みやすくて美味しいらしい・・・」

 

「午前中で、全部売り切れた・・・」

 

ベル

「普通のポーションって、マズいんですか?」

 

ナァーザ

「・・・不味いよ」

 

「物によるけど、強烈な匂いが有るやつとかも有るし・・・ポーションを、好んで飲む冒険者は居ない」

 

「使い方は、効果は弱くなるけど、傷に掛けるのが一般的だし・・・」

 

ベル

「え~・・・」

 

ナァーザ

「とりあえず、100本作れる?」

 

ベル

「良いですけど・・・僕だって、タダ働きするつもりは有りませんよ・・・」

 

ナァーザ

「バイト代は払うよ・・・」

 

ベル

「とりあえず、回復ポーションだけで良いんですね?」

 

ナァーザ

「全部のポーション作って」

 

ベル

「全部ですか・・・」

 

「とりあえず、今回のポーションを作ったら・・・ダンジョンに暫く、材料採取に行きますから」

 

「折角、材料取って来たのに・・・コレで、全部無くなりました」

 

ナァーザ

「今度から、販売制限を設けるね」

 

ベル

「そうして下さい」

 

 

ベルは、大急ぎでポーションを量産していく・・・

 

 

 

ナァーザ

「ベル、ありがとう」

 

ベル

「今日は、もう寝ます・・・明日から、1週間くらい帰って来ませんので」

 

ナァーザ

「・・・添い寝する?」

 

ベル

「しなくて良いですよ!!」

 

 

ベルは、ベットに入って・・・スグに、眠りについた・・・

 

 

ナァーザ

「・・・無理させてゴメンね・・・」

 

「いつも、助けてくれてありがとう」

 

「良い子良い子・・・」

 

 

寝ているベルを、愛おしそうに頭を撫でるナァーザだった・・・

 

 

 

 

 

 

翌日・・・

 

 

ベル

「神様、1週間くらいダンジョンで材料を集めてきますね」

 

ヘスティア

「1週間もベル君に会えないのかい!?」

 

ベル

「仕方ありませんよ・・・材料集めてこないと、ポーション作れないんですから」

 

ミアハ

「すまんな・・・無理をさせてしまって」

 

ナァーザ

「・・・いってらっしゃい」

 

ギュ~

 

ベル

「ナァーザさん・・・当たってるんですけど・・・」

 

ナァーザ

「・・・当ててるの」

 

ヘスティア

「コラ~!!」

 

「ボクのベル君に何をしてるんだい!?」

 

ナァーザ

「いってらっしゃいのハグ・・・愛情表現」

 

ヘスティア

「ベル君!!気をつけて行ってくるんだよ!!」

 

ギュ~!!

 

ベル

「く、首が・・・締まる・・・」

 

ミアハ

「その位にしないと、ベルが死んでしまうぞ」

 

ヘスティア

「わ~!!!!ベル君!!しっかりするんだ!!」

 

 

ヘスティアの抱き着きから解放されたベルは・・・ダンジョンに入っていく・・・

 

 

 

 

 

ダンジョン・・・

 

ベル

「ココでは、当分の間は採取は出来そうにないかな・・・」

 

「下の階層に下りてみるかな・・・あまり下の階層に行くと、エイナさんに怒られるんだよね・・・」

 

「まぁ、3階層までなら行っても良いって言われてるし・・・材料の為なら、冒険しないとね」

 

 

ベルは、2階層・3階層と材料を採取しながら、階層を下りていく・・・

 

 

 

 

 

3階層・・・

 

ベル

「こんなに、薬草が生えてるなんて・・・取り放題だね」

 

「毒消し草・まんげつ草・薬草・きつけ草が採取出来るなんてね・・・ダンジョンのお陰だね」

 

 

ベルが、ポーションの材料を採取していると・・・奥の方から、悲鳴が聞こえて来た・・・

 

 

ベル

「悲鳴!?」

 

 

 

冒険者

「何で・・・何で、3階層にミノタウロスが居るんだよ!?」

 

ミノタウロス

「ブモォオオオオ!!」

 

ベル

「目の前で、誰かの命を奪わせはしない!!」

 

 

ベルは、道具袋の中から・・・はぐれメタルの剣を装備すると・・・一気に、ミノタウロスの前に立ち塞がる・・・

 

 

ベル

「ココは、僕が食止めます!!」

 

「アナタは、他に怪我をしている人が居るなら、連れて逃げてください!!」

 

冒険者

「お、お前はどうするんだよ!?」

 

ベル

「ココで、ミノタウロスを倒します!」

 

冒険者

「まだ、向こうに大怪我をしている奴らが居るんだ・・・千草の出血が止まらないんだ!!」

 

ベル

「このポーションを使ってください!」

 

「恐らく、このミノタウロスはロキ・ファミリアが逃がした個体です!」

 

「3週間前から、ギルドでロキ・ファミリアの遠征について知らせていました・・・」

 

「速く、この事をギルドに伝えてください!!」

 

冒険者

「わ、分かった!!」

 

 

冒険者は、ベルが渡したポーションを使うが・・・怪我の程度が酷く、スグには治らない・・・

 

 

冒険者

「駄目だ!!傷が完全に塞がらない!!」

 

 

ベル

「急いで治さないと・・・ベホマズン!!」

 

 

ベホマズンは、多くの人の傷や欠損すら完全に治せる・・・チートレベルの回復魔法だ・・・

 

 

冒険者

「酷かった傷が・・・一瞬で・・・」

 

ベル

「今です!!速く、逃げてください!!」

 

冒険者

「あぁ!!」

 

「俺は、タケミカヅチ・ファミリアの冒険者・・・桜花だ!」

 

「ギルドで待ってるぞ!!」

 

 

桜花と名乗った冒険者は、負傷してた仲間を担いで逃げて行った・・・

 

 

ベル

「・・・コレで、周りを気にせずに戦えるかな・・・」

 

 

ベルは、一瞬だけ本気を出すと・・・ミノタウロスを、はやぶさ斬りで切り捨てた・・・

 

 

ベル

「ミノタウロスの魔石をゲットしたけど・・・エイナさんに、絶対怒られるよね・・・」

 

「まぁ、今回は僕悪くないし・・・上目遣いで、許してもらえるように交渉してみようかな」

 

 

ベルは、魔石を仕舞って・・・リレミトを唱えて、ダンジョンを後にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド・・・

 

 

ベルが、使わない余分な素材の買い取りをお願いする為に、ギルドに向かうと・・・随分と慌ただしい・・・

 

 

エイナ

「ベル君!!3階層で、ミノタウロスが出たらしいの!!」

 

「暫くの間は、ダンジョンに行っちゃ駄目だからね!!」

 

ベル

「エイナさん・・・その事なんですけど、ミノタウロス倒してきちゃいました・・・」

 

エイナ

「・・・もう一回、言ってくれるかな??」

 

ベル

「ミノタウロス、倒しちゃいました」

 

桜花

「おい、大丈夫だったか!?」

 

ベル

「あ、さっきの人・・・」

 

桜花

「お前のお陰で、千草は助かった・・・本当にありがとう」

 

ベル

「お気になさらずに・・・」

 

エイナ

「ベル君、お姉さんとお話ししようか♪」

 

ベル

「・・・エイナさん・・・僕の事を怒るんですか?」

 

エイナ

「うぐっ・・・ベル君の上目遣いの破壊力が凄い・・・でも、ギルドの職員としてお仕事はしないといけないの!」

 

ベル

「駄目だった・・・まぁ、お説教は甘んじて受け入れますよ」

 

 

 

 

応接室・・・

 

エイナ

「ベル君・・・君の本当のレベルって幾つなのかな?」

 

ベル

「レベル1ですよ?」

 

エイナ

「普通は、ミノタウロスを倒すには・・・レベル3は必要なのよ?」

 

ベル

「僕、難しい事分かりません」

 

エイナ

「ベル君・・・本当に、ミノタウロスを1人で倒したんだね?」

 

ベル

「確かに倒しましたよ。証拠の魔石です」

 

エイナ

「・・・本物のミノタウロスの魔石だね・・・」

 

「ねぇ、少しだけで良いから教えてくれないかな?」

 

ベル

「何をですか?」

 

エイナ

「ベル君、戦闘自体は初めてじゃないよね?」

 

ベル

「初めて、では有りませんね」

 

エイナ

「小さい頃から、ダンジョンに入っていたの?」

 

ベル

「入っている訳ないじゃないですか・・・僕は、小さな村の出身ですよ?」

 

「ダンジョンなんて、オラリオに来てから、初めて入りましたから」

 

エイナ

「なら、何でレベル1で回復魔法を使えたのかな?」

 

ベル

「知りません。恩恵を刻んだ影響じゃないですか?」

 

エイナ

「ギルドの義務として、問題が起きた時には色々と聞かないといけないの・・・」

 

「全部を教えてくれなくても良い・・・少しだけ、質問に答えてくれないかな?」

 

ベル

「・・・確かに、僕はステイタスとレベルを改ざんしています」

 

「他人に見られても、疑われないようなレベルにね・・・」

 

「今、答えられるのはコレだけです・・・まだ不満ですか?」

 

エイナ

「・・・何か、事情が有るんだよね?」

 

ベル

「大アリですね」

 

エイナ

「コレで、お話は終わりだよ」

 

「時間を取らせちゃって、ゴメンね」

 

ベル

「大丈夫ですよ。それと、色々と不要な鉱石とか素材が有るんで、買い取って貰いたいんですけど・・・」

 

エイナ

「なら、受付と査定をしちゃうね」

 

 

 

応接室を出ると・・・ギルドの偉い人が、凄い剣幕でエルフの人に怒っていた・・・

 

 

ベル

「エイナさん、あの怒ってる人って誰ですか?」

 

エイナ

「あの人は、ピサロ局長だよ」

 

「去年までは、ロイマンって言う意地汚いのがギルド長だったんだけどね・・・汚職がバレて、クビになっちゃったんだ♪」

 

ベル

「・・・凄く笑顔ですね」

 

エイナ

「セクハラ親父だったし、お金に汚いし・・・居なくなって、スッキリしちゃった♪」

 

ベル

「そうですか・・・」

 

「あの、怒られてる人は誰ですか?」

 

エイナ

「リヴェリア様だね」

 

「ロキ・ファミリアの第一級冒険者だよ」

 

ベル

「ロキ・ファミリアですか・・・関わりたくないな」

 

 

 

 

 

 

桜花

「話しは終わったか?」

 

ベル

「まぁ、一通りは」

 

桜花

「千草を助けて貰った礼がしたい・・・所属しているファミリアを教えてくれ」

 

ベル

「ヘスティア・ファミリアに所属している、ベル・クラネルです」

 

「今は、青の薬舗の店番とかをしています」

 

桜花

「そうか・・・事が落ち着き次第、顔を出しに行く」

 

「なるべく、店に居る様にしてくれると助かる」

 

ベル

「今日、結構な量の材料の採取は出来たので・・・今週は、お店の近くに居ると思いますよ」

 

桜花

「分かった。・・・またな」

 

 

 

 

エイナ

「それじゃあ、コレが今回の買い取った素材のお金だよ」

 

ベル

「ありがとうございます、エイナさん」

 

エイナ

「ベル君、無理はしちゃダメだよ?」

 

ベル

「大丈夫ですよ・・・自分の限界は、自分が良く知っていますから」

 

 

 

ベルは、ギルド会館を後にした・・・

 

 

 

青の薬舗・・・

 

ベル

「戻りました~」

 

ナァーザ

「・・・おかえり」

 

「・・・ハグする?」

 

ベル

「・・・しませんよ」

 

ミアハ

「戻っていたか・・・ダンジョンは、問題無かったかな?」

 

ベル

「僕自身は、問題無かったですけど・・・他は問題アリですね」

 

「ロキ・ファミリアがミノタウロスを逃がしたのが、大問題になっていましたよ」

 

ナァーザ

「・・・ベルは、大丈夫だった?」

 

ベル

「襲われてる人は助けましたよ?」

 

「ミノタウロスも、倒して来たし・・・臨時収入も手に入れました」

 

「今月の家賃と、ナァーザさんご所望のマナ鉱石も手に入れましたよ」

 

ナァーザ

「・・・良く手に入ったね」

 

ベル

「適当に、採掘してたら出てきました」

 

「全部で、5個ですね」

 

ナァーザ

「ありがとう・・・」

 

なでなで・・・

 

 

ベル

「恥ずかしいんですけど・・・」

 

ナァーザ

「良い事をした子は、褒めてあげないと・・・」

 

 

 

 

なんやかんやで、ベルを甘やかしたいナァーザさんでした・・・

 

 

 

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