魔法世界の実力者になりたくて!   作:Assassss

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新イベントの導入です。


『陰の実力者』は今後の方針を検討したい!

 

フリーレン一行にザインという僧侶のおっさんが仲間になった。実力もフリーレン達に見合うほどに高いようで、特に治癒などの女神関係の魔法に長けるようだった。これで、フリーレンのパーティは完成なんだろう。男女比的にちょうどいいしね。それにしてもかなり魔法に偏ったパーティだね。ヒンメルパーティは物理主体だったらしいからその反動かな?

まあそれはともかく。実は、彼女たちをストーカーするのは割と久しぶりなのだ。なんでかというと、アウラが魔族の居場所に関する情報を収集してくれるようになったのだ。つまりそれは、人間vs魔族のバトルがどの場所で発生するかという情報を得られるということ。この世界は前世と比べて人口密度が低いので、適当に魔族がいるところを歩いていてもバトルに出くわすことが少ないのだ。僕にもモブとしての生活があるから、それを探すことにあまり時間を割けない。修行もしなきゃいけないしね。でもアウラのお陰で、ついに僕は『戦場で魔族に負けそうになると突如として現れ魔族を一掃する系陰の実力者』もできるようになったのだ。北部高原で、まだ回数は少ないけどそういう機会を得られるようになり、ついに僕はフリーレンストーカー疑惑を解消するに至ったのだ。彼女たちの耳にこのことが入っているかは疑問だけど、まあ時間の問題だろう。

しかし、アウラに調査させてみた結果、別の問題も浮上した。どうも昔僕が魔族を殺しまくったせいで、今ガチで魔族が絶滅に向かっているらしい。困ったな。魔族は僕が心置きなく攻撃できる存在だったから、魔族が消えると僕は『陰の実力者』として活躍できる場面を一つ失うことになる。……まあ、魔族という共通敵がいなくなったらどうせ人間同士で争うことになるだろう。その時のために、どんな人間の味方になるかはじっくり吟味しておかないとね。……しかしこの世界、本当に人間同士の争いに出くわすことが少ないな。特にフリーレン一行はそういうことに出くわした様子がほぼ無いのだ。魔族という共通敵が居るから人間同士の結束が強いのか?

あ、ちなみにこれはアウラに捜索をさせたときについでに報告された話なんだけど、あの現状最強らしいゼーリエというエルフさん、最近修練に力を入れているのか、誰もいないところで大規模魔法を連発しているそうだ。知る限り一番強くて、僕の一つの目標となっている存在なので、その動向は注目してるんだけど、これはどうなんだろう。見た感じあのエルフさん誰彼構わず暴力を振るったりする人じゃないっぽかったし。イライラしてるのかな?

 

 

さて、僕はしばらくフリーレン一行を追跡してみたんだけど、全くバトル展開が無かった。フェルンとシュタルクが喧嘩してるっぽい場面があったけど、そのくらいだ。普通に仲直りしたし。……これは困ったな。ならばもう、やるしかない。

 

「というわけでアウラ。これから僕は彼らに魔族や魔物をけしかけて戦闘を発生させたいと思う。だけど、ただ戦闘を発生させるだけだと僕はただ迷惑をかけるだけなので、何らかの形で彼らに利益をもたらさないといけないんだけど、何かいいアイデアある?」

「……『ただ迷惑をかけるだけ』という発言ははっきり言ってシドが言えたことじゃないと思うんだけど。……まあ、彼らと同等の魔族をけしかければ、その分戦闘慣れするだろうからそれが利益じゃないわけ?」

「いーや、それだけじゃだめだ。単純に戦うだけならそもそも彼女たちが自分から戦闘訓練するのと何も変わらない。もっとこう、物語が進展するような、精神的成長を促せる戦いがベストだ。」

「……意味不明すぎて今すぐ理解を放棄したくなるわ。そもそも私に聞くのが間違いよ。人間と魔族は精神構造が全然違うのよ。お前ほどじゃないけど。」

「えー、でも、500年生きてるんだし、人生の先輩的なアドバイスとかないの?」

「…………私が試してきた中で言うと、仲間や家族を殺された人間はひどく感情的になるわよ。」

「なるほどなあ。まあ確かに彼らは『絆の力で強くなる系主人公』だし、仲間から攻める観点もアリかもしれない。僕にはない発想だったよ、ありがとうアウラ。」

「……これを言われて不快にならない人間は今までいなかったんだけど。怒らないの?」

「なんでさ。アウラは僕の課題に一つのアイデアをくれたんだ。むしろ報酬を受け取るに値する。」

「…………そ、そう。でも嫌な予感がするから報酬はいらないわ。」

「そう?まあいいや。うーむここは、『あえて悪の道へ誘惑し仲間が連れ戻すことで仲間の重要性を再認識させる系陰の実力者』か?うーん、なんかしっくりこないなあ……。そもそも元から普通に仲良さそうだし。」

「……ねえ。あれ。」

 

僕が考えていると、アウラはある方向を指さした。フリーレンたちが入った森の先だ。……なんか沢山魔族がいるな?しかも結構強そうなのがいる。

 

「……あれ、フリーレン達を狙ってるのかな?」

「恐らくそうじゃない?」

 

しばらくすると、案の定接触して戦闘が開始された。フリーレンたちは4人でうまく連携を取っているけれど、なかなかに魔族側の数が多くて苦戦しているようだった。

それに、魔族の質も高い。特に、4本の腕を持った魔族と、普通の少女っぽい見た目の魔族が強そうで、フリーレンでもその少女側を相手取るので精いっぱいのようだった。

 

「結構強い魔族さんたちだね。アウラは知ってる?」

「……あっちの四本腕は『神技のレヴォルテ』。武闘派の大魔族ね。性格も人間の戦士に似ているわ。確か持っている武器は『神技の砕剣』で、魔法で重さが変化する剣よ。もう一方の人間の女性型の方は……え、あれソリテールじゃない。人間の前に中々姿を現さない慎重派の変わり者よ。珍しいわね、自分からこんなに大規模に襲撃なんて。あとは……まあ、見たことある気がするけど名前は知らないわ。」

「なるほど。これは……登場の仕方を考えなければ。」

 

といっても、この魔族の構成を見る限り、多分突発的な事故ではないんだろう。僕はしばらく状況把握に努めることにした。

 

 

今日はあまりにもツイていない。

 

それは、フリーレンと協力して、とある村の魔力を吸い取っていた混沌花の亜種の魔物を討伐したときだった。とりあえず眠っているシュタルクとフェルンを起こそうと、その場を後にしようとしたその時。

 

「……こんばんわ。突然ごめんなさい。道に迷ってしまったの。」

 

という女性の声が聞こえてきた。突然どうしたんだと声の方向を向こうとしたとき。

 

「!ザイン、防御魔法!」

 

とフリーレンが叫んだ。俺は何も感知できなかったが、直感的に危機を感じ取った俺は防御魔法を張った。といっても、どの方向に貼ればいいのか分からないので方向は適当だ。フリーレンは、俺に合わせて別の方向に防御魔法を張ってくれた。

直後、魔法で生成されたらしき剣が飛んできた。しかもかなりの高威力。フリーレンが叫んでくれなければ危なかった。

 

「……大変!まわりに魔族がいるのね!一緒に撃退しましょう!」

「バカ言わないで。魔族であるお前がやったんだ。ザイン、逃げるよ。」

「まって。せっかく出会えたんだもの。少しお話ししましょう?」

 

そう言う女性型の魔族を無視して、俺たちはシュタルクとフェルンのいる方へ走った。俺でもわかる。あいつはかなりヤバい魔族だ。死臭がとんでもなかったからだ。それに、なんとなくだが魔族の仲間がいるように感じられた。おそらくは部下なのだろう。

そうして俺たちはフェルンとシュタルクのところに合流し、急いで二人を起こした。少し魔力が吸われているが、まあ何とかなる範囲だ。それよりも。

 

「フリーレン。この後どうする?」

「見たところ複数いたね。それにザインが接近に気づけなかった。相当な手練れがいる。ここは逃げ……あっ!」

「うん?逃げるのか?」

「……私たちが逃げると、村の人たちが。」

「!……そうだな。何とか撃退できないか?」

「うーん……なんだよフリーレン。いったいどうしたんだ?」

「……あの、何かあったんですか?」

 

二人とも起きたばかりで少し寝ぼけているようだが、今はとっとと起きて欲しい。でないと……!

 

「そうよ、眠いならもう少し眠っていても私は構わないわ。夜だもの。」

「……もう追いついてきやがったのか!」

「……ふむ。彼女がフリーレンなのか。……む、お前はなかなかの戦士と見える。これほどの戦力過剰で退屈しそうだと思っていたが、少しは楽しめそうだ。」

 

そういって現れたのは4本腕の魔族。手には大きな剣を持っており、明らかに戦士として強そうだ。そして、その後ろにはそこそこの強さの魔族が複数控えている。くそ、なんでこんな……!

 

「……何しに来たの。魔族の部隊か何か?ここは北部じゃないのに、どうしてこんな目立つことを。」

「フフフ……改めて、私の名前はソリテール。見つからないようにここまで来るのに苦労したわ。私たちは、フリーレン、あなた達に会いに来たのよ。」

「……何?」

「いや、正確には、シャドウに。」

「……」

 

シャドウ。話は聞いている。なんでも馬鹿みたいに強いうえに何を考えているか分からない危険人物らしい。……でもそれが俺達と何の関係があるっていうんだ。

 

「……勝手に探せばいい。別にシャドウは私たちの仲間じゃない。私たちに構う理由なんてないでしょ。」

「理由ならあるわ。フリーレン、あなた達って……」

 

そういうと、ソリテールという魔族は胸の前で手を合わせ、何かを楽しみにするように言った。

 

「あなた達は、シャドウに魔法の発展の未来を託されたのでしょう?羨ましいわ。だから、あなた達に死なない程度に痛めつければ、いつかは私たちの前にシャドウは来てくれるわよね?」




フリーレン&シュタルク&フェルン&ザイン

vs

ソリテール&レヴォルテと愉快な魔族たち

レイド戦の始まりです。ファイッ!
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