ノブリス・オブリージュ?なんですのそれ?   作:一般お嬢様

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社畜お嬢様には年末年始なんてものもバレンタインもおGWも盆も夏休みもありませんのよ


え、また壊したんですの?またですの??……うぅん(気絶)(気絶できるとは言っていない)

「…………」

 

ごきげんよう皆様。天井……いえ、天上ヒトミですわ。家の天井ではありませんわ。ええ、ちょっと動揺していましてよ。あとついでに目も死んでいますわ……え?いつも目は死んでいる……?まだ死んだ魚の方が生力が有る……?………否定できませんわ。実際死んでるのよりも酷い顔をしていると思いましてよ。……それはさておき今此処がどこかは教えて差し上げましょう。

 

トリニティの車両施設ですわ。今日新しい車両が到着いたしましたので、ナンバーの確認と配属先の取り決め。不備がないかの整備チェックしようとしてましたわ、ええ。私とは真逆の新品のような車両を見ているはずでしたの。無駄に眩しいですわねとか言おうとしましたの

 

「…………………………」

 

でも目の前にあるのはスクラップになりかけの使い古されたようなオンボロですわ。なんかこう自分を見ているようで大変嫌ですわ……あちこち凹んだり、装甲が破損していたり。ライトなんて片側潰れてますわよ。どういうことですの、どういうことですの?新車期間1日とか憐れすぎましてよ?まるで高校生デビューなるものに失敗した残骸みたいなことになっておりますわね。メンタルの損傷度として考えれば私といい勝負してましてよ

 

まあやらかした主犯は目の前に居るのですけれど………

 

「あはは……ごめん、やっちゃったッす」

 

仲正イチカさん、正義実現委員会の2年生。割りと暴走しがちな正義実現委員会のストッパー……というのは表向き、というよりは平時だけ、本当は手がすぐに出るトリニティらしいアレな性格を抑えているだけなのですわ。申し訳無さそうと言うか、気まずそうな顔をしているのですわ。別にどうでもいいのですけれど

 

「……そうですか」

 

怒る気力?そんなものは生まれてこの方残っていないですわ、そんなものに使うぐらいなら書類を一枚でも片付ける方に使うのが賢明で良い判断ですわ……はー……これどうするんですの?修理できるんですの?仮に修理をするとしてどれぐらいの値段になるかわからないですわ。フレームが歪んでいた場合はその時点で使い物になりませんし、あと内部の電気機器がおかしくなってることもありますわ。車は精密機械なんですわよホントは。雑に扱わないで欲しいですわ……はー……………またナギサ様からお小言でも言われそうで憂鬱ですわ。セリナさんに癒やして欲しいですわ。でもセリナさんも忙しいのですからそうは行きませんことよ。あの人は皆の天使、私の天使ではありませんわ……え?愚痴を言い合える友達は居ないのか?ぶち飛ばしますわよ、居るわけ無いでしょう。忙殺されてそれどころではありませんわ、大体部屋と教室を行き来するだけの生活ですわ。

 

「あ〜………その、理由とかは」

 

「要りませんわ。聴いたところで治るわけでも有りませんし、その場に居なかった私には詳細を把握しきれませんので」

 

「…そう、っすか」

 

仲正イチカさんが弁解しようとしたので丁重にお断りしておきましょう。どうせ正義実現委員会としての仕事が途中で舞い込んだか。不良とかに絡まれたんでしょう、ゲヘナに狙われた可能性もございますが。…私はゲヘナについてはどうとも思ってませんわ。どうでもいいです、というよりはそんな事を気にしている余裕がないと言うべきですわ。トリニティの内部だけで手一杯でその上でそれ以外の学園のことなんて考える余裕は無くてよ。ゲヘナについてどうこう言う前に。まずはトリニティの内情をどうにかしやがれですわ

 

「ですので、早く持ち場にお戻りを。正義実現委員会としての仕事が山積みでしょうし……それに、先程から視線が背後から刺さって作業に集中できませんの。連れて帰ってくださいまし」

 

さっきから視線が背中に刺さりまくりで気が散りますわ。大方正義実現委員会の一般部員が見に来たんでしょう。まあ怒ったりする元気なんて持ち合わせてはおりませんので。別に見に来ても何も問題はありませんのですが。めんどくさいですわ、手でさっさと帰れ。そう促しますわ、来客用じゃないマグカップで紅茶でも出したい気分ではありますけれど、生憎と来客用のマグカップは用意してませんの。理由?来客が基本来ないからですわ、それ以外何か理由が?

 

「なら……今日は帰るっす」

 

「お気をつけて、お疲れでしょうし。ゆっくり休んでくださいまし……それと、貴女は貴女の役割を全うしただけですので。あまり気負わないように。良いですわね?」

 

見送りなんて言う時間はないので、適当に挨拶して返しましたわ。足音が遠ざかっていくのを聞きながら。破損箇所のチェックと、修理費用と新車を買うのがどちらが安いかの算出をしておかなくてはなりませんのよ。治すより買い直した方がいい、車両ではよくあることですわ。

 

〜1時間後〜

 

「やーっと終わりやがりましたわ」

 

私の素人目線での鑑定は………ギリギリ直したほうが安いという結論に達しましたわ。骨組みの部分の歪みは特にありませんでしたし。エンジンも破損してない様子。ただ、電子機器部分は専門外なのでその辺りはちょっとお高く着いてしまうことも有るかも知れませんの。なら新車のほうがいいのでは?そう思われますでしょうけど……また新しい車を買って、即オンボロにされては私のメンタルが持ちませんことよ、ソレだけは避けたいのですわ。

 

「………ナギサ様に提出するの、くっそ面倒ですわ」

 

いや、まじで面倒ですわ。面倒ですわ……代わりに誰か行ってくださいません?嫌?そうですわね、絶対に嫌だと思いますわ、私もそう思いますのよ

 

「脚は重いですが「やっほーヒトミちゃん☆」えぇ………」

 

帰ろうとしたら声がかかりましたわ、聞きたくないか聞きたいかと言われたら絶対に聞きたくない側の声ですわ。でも此処でスルーしたらとんでもねえことになるの間違いないんですわ、おクソですわよ。

 

「…………ごきげんよう聖園様」

 

「えー堅苦しいなぁ、ナギちゃんのことはナギサ様って呼んでるんだから。私のことも下の名前で呼んでほしいな☆」

 

聖園ミカ、ティーパーティーの一角を担う人ですわ……とは言いますが。この人、政治的なことはからっきしな気がしますのよね。ナギサ様が私に仕事を押し付けてくる理由の7割はこの人のせいだと思ってますわ。残りの3割?単に嫌がらせとかそういうのだと思いますわよ、或いは自分の派閥に引き入れようとしているのか

 

「あれは仕事でお会いする頻度が高いので、そう呼ぶようにと言われただけですわ。元々桐藤様と呼んでいましたし」

 

「そっかー……」

 

そもそも聖園様とはほとんど面識がありませんのよ。ティーパーティーへ書類を提出する時に何度かすれ違っているぐらいで。こうして会話すること自体は2,3回目程度でしょう。百合園様はもっと関わりがないですわ。会話はおろか、姿も見たことがない気がしますの。いえ、私が会わないようにしているだけですけれど。

 

「………それで、何か御用でしょうか?生憎と見ての通り満身創痍かつ仕事が山積みですので、なるべく手短に」

 

「満身創痍?確かに眠そうだけど、ただの夜更か「5徹ですわ」………ん?」

 

「ですので、5徹ですわ。聖園様にわかりやすく言うと。5日ほど寝ずに仕事をしていますわ、でないと仕事が終わりませんもの………」

 

セリナさんに寝かしつけて頂いてから寝ていませんわ。あれで大分回復したにはしましたが。それでも3徹までしか普通に仕事できませんでしたわ。4徹、5徹目ともなれば、やはり動きに精彩を欠いて来ますのよね。何も無いところで転びそうになったり、無意識に熱い紅茶を飲んで火傷しそうになったりなど。情けないですわね、それでも社畜ですの?7徹してからですわよそういうのは

 

「………どうかなさいましたか?聖園様」

 

なんだかさっきからフリーズしてますわよ、あれですの?そんなので満身創痍なんて弱ーい☆なんて思って内心大爆笑でもしてますの?まあ、私もそう思いますわ。最長徹夜記録11日を体験してる身としては、まだあの時ほど死にかけては居ませんので。セリナさんに看病されるようになってから随分と軟な体になりましたわね。やはりあまり受けるものではないですわ

 

「えっと………5日休んでないってこと?」

 

「そうですわよ?」

 

「放課後は?」

 

「仕事ですわ」

 

「そ、早朝は?」

 

「仕事してますわ」

 

「…きゅ、休日とかは?」

 

「休日?そんなものはありませんわね、ずっと部屋で仕事してますわ」

 

「買い物、とかは?」

 

「しないですわね、時間が惜しいので。基本部屋の中にいる時は運動着ですわ。誰かが尋ねてくる時はほとんど有りませんし。外出に誘うお方も恥ずかしながら居りませんので」

 

「……ご飯は?それか、お茶の時間とかは…?」

 

「ご飯は……基本あまり食べませんわね。お恥ずかしながら、消化が上手く行かず戻してしまうので。お茶の時間は……時折紅茶だけ。偶にですわ」

 

なんだか、また固まってしまいましたわね。社畜に休日なんてものはありませんし、形式上の休みはありますけれどソレも仕事に当てていますの。まあ、仕方ないですわ、やらないと終わりませんしやっても終わりませんけど。

 

「……聖園様?」

 

少し待ってもフリーズから回復しなかったので、申し訳ありませんがこれで失礼しておきましょうか。まだやることが山積みですので。時間が惜しいですわよ……そう言えば。最後に外出したの、いつか忘れてしまっていますわね……何てことを思いつつ。フリーズした聖園様を後にして。ナギサ様に書類を提出しにいきましょう。早めに終わらせないと日が暮れましてよ

 

 

 

───ティーパーティー本部

 

「ええと……ヒトミさん?」

 

「何か不備が御座いましたか?ナギサ様、早急に修正いたしますので」

 

ティーパーティーに付くなりさっそく書類をナギサ様に提出しましたわ。ナギサ様はティータイム中でしたが、聖園様と話した時間のロスを鑑みれば、申し訳ありませんが。僅かに時間をいただく他無いのですわ……書類にミスでもありました?不覚ですわ、報告書、契約書の不備は一度たりとも起こしたことがないのがほとんど自慢することがない私の数少ない自慢できるポイントですのに……失態ですわ。ちょっと気が緩みすぎましてよ。慢心を殺さねば

 

「いえ……書類の方は問題ありません。破損してしまっていることについては、ヒトミさんの責任ではありませんし。査定費用が大幅に抑えられると思いますから」

 

「そうでしたか、それは一安心出来ましたわ」

 

あっぶねえですわ……まじで心臓止まるかと思いましたわ……此処で不備でやり直しともなれば、大幅なロスタイムになりますわよ。一応仮眠を取れる予定だったのですけれど、それはもう無くなっているので良いのですが。より時間を押すことになるのだけは避けたいのですわ……そうでないなら、なんですのかしら?ティータイムを邪魔したことに腹を立ててる……というような雰囲気ではありませんわね。多分違いますわ

 

「……ヒトミさん、いつ。休まれましたか?」

 

「休憩時間なら「そうではありませんよ」……と言いますと?」

 

「いつ、お休みになられたのか。というのは、ベッドに横になり。安定した睡眠を取ったのかという問いかけです」

 

「それなら最近セリナさんに「それはヒトミさんが気絶したと聞きましたよ?」………そこから5日連続で徹夜を」

 

セリナさん、そこは黙っていて欲しかったですわ………!!此処でのロスタイムは計算外でしてよ……出席日数と単位に予めある程度の猶予は持たせてありますから問題ないのですが、明日は登校せずに丸一日ぶっ続けでお仕事をするしかなくなるかも知れませんのよ、とほほ……あとナギサ様。気絶は実質睡眠と変わらないと思うのですけれど。違いますの?寝るには寝ましたわよ?そこがだめでしたのだけど。

 

「……となれば、ここ1ヶ月。まとまった休息は取られていないと」

 

「1ヶ月、というよりは。ここ数ヶ月になるかと、まあ問題は「ヒトミさん?」………はい、何でしょうかナギサ様?」

 

「………後で、ゆっくりとお話する必要が────」

 

「では、失礼させて頂きます。仕事がまだ残っていますので」

 

危ない雰囲気を感じたので早々に撤退することにしましたわ。あの流れ不味いですわよ多分、こんな仕事にどれだけ時間を掛けているんだっていうお説教、もといイビリが来るに違いありませんわ、きっとそうですわ。ただでさえ時間がないというのにソレも来るのは想定していませんよ!!書類に不備が無いのは分かりましたので。そそくさ逃走ですわ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────貴女は、私達のことがそんなに信用できませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく部屋に戻ってこれましたわ〜………」

 

ティーパーティーの二人をなんとか撒いて部屋に戻れば、椅子にもたれかかりますわ。あまりにもロスタイムですわよ……そんな事を思いつつ。シャワーを浴びて。スムージーを作って。机に向かうことにしましたわ…いざ尋常にお仕事耐久レースですわ!!!…なんて思っていると。スマホがなりましたわ。おかしいですわね、私のモモトーク、登録人数0ですし。ろくに電話番号も登録していません……というか、私の電話番号。ほぼ知ってる人居ない筈ですわ。遊びのお誘いもこの方受けたことがありませんし………誰ですの?と画面を見れば

 

『桐藤ナギサ様』

 

無言でスマホを置いてサイレントモードにしつつ、お仕事開始ですわ!!今のは見なかったことにするのが良いのですわ!!というか、ナギサ様に電話をしたことは無いはずですのに。何故私の番号を……?私の方は、一応登録しておいてくださいと登録しただけで。掛けたことありませんのに

 

 

 

 

どういうことですのかしらね、なんて思いつつ。ひたすら書類を片付けていきましょう。時間は有限、提出期限は有限、お仕事の量は無限。クソゲー攻略の始まりでしてよ!!!!

 

 

 

 

 

 




ちなみにこの社畜お嬢様。トリニティに入ってから誰とも外出をともにしたことはありませんし、ほぼ行事にも出席せずに仕事しかしていませんの。ですので、他の一部のトリカスお嬢様方からはサボり魔とか言われていますわ

なおその呼ばれ方を知ってるのは。ナギサ様、ハナコ様ですわね。聖園様はそういう子がいるんだ〜、ふーん。というご様子で今の今まで社畜お嬢様のことは興味が御座いませんでしたわ

ここでワンポイントレッスンですわ






社畜お嬢様こと天上ヒトミお嬢様。自分は基本仕事を除けばぼっちという認識かつ、いざとなったら頼れる人は居ないと思っていますわよ。辛うじてナギサ様に事後報告するか、セリナさんに迷惑を掛けないようにする位しか思いませんわ。知人以下はがほとんどの認識でナギサ様、セリナさんだけ知人以上知り合い未満みたいな認識ですわ。ちなみによく知人が〜というのは顔と名前が一致してるだけであり、知り合いは友達未満の事を差しますわ。ですので知人がそこで働いている、という場合はほんとに名前と顔が一致する程度の人物に言うのが適切ですわね、一つ賢くなったと思いますの。常識ですが

番外編について

  • 同じ作品で投稿して欲しいですわ〜!
  • 別作品として投稿して欲しいですわ〜〜!!
  • ェ駄死もいいですわ〜〜!!!
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