ノブリス・オブリージュ?なんですのそれ? 作:一般お嬢様
「政治の勉強難しすぎ……」
机の上に突っ伏してそううめいてしまう。幼馴染であるナギちゃんに政治のことを教えてもらうことになったんだけれど……これがまたハードワークなんだよね。よくこんなのできるなぁ……なんてことを思いながら。やろうとした理由について考える。きっかけは…まあ明白じゃんね。天上ヒトミちゃんが理由
今の今まで、大抵のことは全部ナギちゃんがやってるんだろうなって。そんな風に思ってたんだけれど……そうじゃなかったみたい。ずーっとヒトミちゃんが一人でやってたみたい…まあ、今まで無関心だった私が言うのもあれなんだけど
今まで、ナギちゃん含め何してたの?3年生。関わり合いが薄くても、色々と方法はあるじゃん?例えば、派閥を締め上げて大人しくさせるとか。あらかじめちゃんとした書類用意するとか、やれることまだまだいっぱいあるじゃんね。
……って、私は最初は思ってたんだ。でもさ、いざ実際自分の派閥の子と話してみると…まあ、酷いものだったよ。
やれる人がやればいいとか。別に私達は頼んでないとか、勝手にやってるだけとか…そもそも。ヒトミちゃんのこと。知らない人がほとんどだったのも有るかな…知ってる人でも。『サボり魔』なんて言ってるじゃんね………
「どーりで、ナギちゃん此処のところずーっと不機嫌そうにしてたんだ」
ナギちゃんとは幼馴染。昔からよく知ってるけど、あんなふうに苛立つタイプじゃなかったんだよね〜って気になってたんだ。なんとなーく会話してるうちに。時折天上ヒトミって名前が出てきて。それとなーく調べてみたら。あんな感じだったのはびっくりした。正直、トリニティの生徒じゃないって一瞬思っちゃったんだよね。多分ナギちゃんにそれ言ったら絶縁されそうだけど
「…………はぁ」
思い出すだけで、ため息しか出ない。昏い目元、淀んではいなかったのが余計に怖かったよ。髪も投げっぱなし、ナギちゃんが何回か無理矢理切らせてるらしいけれど。それもかなり適当っぽいのが寂しいじゃんね。女の子なんだから、もう少しオシャレとかしてほしいじゃん。お洋服だって、ちゃんとしたのを着てないし……。ご飯だって、ほとんどマトモに食べられないって聞いた時は。もうそれ人間の生活じゃないって思っちゃった。ナギちゃんもソレについてはすごく気にしてるらしくて。どうにかこうにかしたいんだけど…って愚痴ってた
「……会いに行くしかないよね」
そう思ったらすぐ行動。もう遅い?そんなの百も承知じゃんね、でも手遅れでも動かない理由にはならないし。動かなくてもいい理由にもならないじゃんね。ヒトミちゃんのお部屋の前に来る。ちょっと緊張しちゃうけど……ビビったらそこで終わりだから。行くしか無い
「……ヒトミちゃん☆遊びに来たよー☆」
いつも通り、ドアをノックしながら普段通りの聖園ミカとして話しかける。ちょっとしても、返事がない。おっかしいな……ナギちゃんから聞いてる話だと。こういう時は必ず出てきてくれるっていうんだけれど。
「………ヒトミちゃん?」
コンコンと再度ノックする、扉に耳をつけて物音を耳を澄ませて聞いてみる…物音がしない。寝てるのかな?…まだ寝るには随分と早い時間だし、お仕事してるんだろうから寝てるわけ無いだろうし。少しだけ不安になってくると。部屋の中から何かが砕ける音が聞こえる
「ヒトミちゃん!?」
ドアノブに手をかけると、ガチャ…ドアが開く。その事実に、私は冷や汗をかいてしまった。もしかして……誰かに侵入されて襲われた?襲撃?ヒトミちゃんをよく思わない派閥の仕業?……そう思いながら。一応のために持ってきておいた銃に手をかける。最悪戦闘があるかもしれない。そう考えつつ、ゆっくり…ドアを開けて部屋の中へ
そうして中へ入ると……
「……………」
「──────」
何が起こっているのか、理解したくなかった。ヒトミちゃんが襲撃された?部屋は荒らされていない、弾丸の痕跡も見られない…となると、襲撃したのは神秘を持ってる相手で、それを直接攻撃できる相手?でもなんで?ヒトミちゃんの重要性を知ってるトリニティ生徒なんて、ほとんど居ないじゃんね。それこそ……それこそ………
……………………
違う違う違う違う、ナギちゃんな訳がない。ナギちゃんがそういう事するわけがない、ナギちゃんはそもそも戦闘力が低い。直接ダメージを入れることなんて多分無理、というかナギちゃんがヒトミちゃんを襲う理由がないじゃんね。そうすると、誰が?サンクトゥス派?いや、セイアちゃんの派閥はヒトミちゃんと関わり合いがほぼ無いって調べてあるからそれはない……じゃあ誰じゃんね。ヒトミちゃんを襲ったのは
「……そんなこと、今はどうでもいいよね」
そうだ、ヒトミちゃんを襲った相手なんて今だけはどうでもいい、後でしばき上げるにしても。今だけは、どうでもいいじゃんね。震える指先でヒトミちゃんに触ると、息はある。口から出てる血液を拭き取り。呼吸しやすくする……体温が、低い気がする。温めないと
「あー、もう!救護騎士団に繋がらないんだけど!」
直轄の組織でないとは言え、救護騎士団へ連絡を取ろうとしたんだけれど。何故か繋がらない、こうなったら自分でなんとかするしか無いじゃんね。……ええと、とりあえず。体を密着させて温めて上げるぐらいしかわかんないよ。
でもそれしか分かんないならそれをやるしか無いじゃんね。
そこからしばらく体を温めて上げると、薄っすらとヒトミちゃんが目を覚ました。
「………聖園様?」
「ヒトミちゃん起きた?大丈夫じゃないだろうけど、聞こえる?私が誰だかは分かるみたいだけど、呼吸とか苦しくない?」
「……聞こえていますわ、あまり大きな声を出さないでくださいまし。響きますから…」
「ご、ごめん………」
思わず詰め寄るように顔を近づけながら問いかけると、億劫そうなヒトミちゃんの声を聞いてバツが悪くなっちゃう、ごめんね……でも心配だったんだから。
「ヒトミちゃん、口から血を吐いて倒れてたんだけれど。心当たり有る?」
「口から……ああ、それは。多分、ちょっと胃がやられてるせいですわね……聖園様。お願いがあるのですけれど、机の引き出しにお薬が入っていますの。それと…水を、お願いしますわ」
「う、うん……わかった。ちょっとまってて?」
言われた通り、錠剤と水を持ってきて。ふらついて座位を保てないヒトミちゃんを支えながらお薬と水をゆっくり飲ませると。途中噎せこんでしまうこともあって背中を擦れば
「……ありがとうございます、聖園様」
そう、小さくだけれど。いつもとはちょっと違う顔でお礼を言ってくれた…本当は、笑えるじゃんね。無理してボロボロにならなければ。ちゃんとした女の子じゃんね?
「………なら、別に襲撃されたわけじゃないってこと?」
「お恥ずかしながら……不摂生が原因ですわ。申し訳ありませんでしたわ」
「そうじゃないなら、私はオッケーだから☆」
全然オッケーじゃない、この状態は非常に不味いと思う。けど、これは救護騎士団には内密にしてほしいって言われた。どうして?と聞くと、知られたら良くないからって。……全然信用されてないじゃんね。
「……ところで、聖園様はどうなされましたか?私に何か御用でしょうか?」
あ、いつものヒトミちゃんの雰囲気に戻った。まあ。しょうが無いじゃんね。今更では有るんだから、私が心配しても、あんまり嬉しくないだろうけれど。まあ……やっぱり心配じゃんね
「何って……ヒトミちゃんが心配なだけだよ?」
「………そうですか、ですが必要は「必要かどうかは私が決めるじゃんね」……はい?」
「だから、それは私が決めることじゃんね。ヒトミちゃんはそうは思わないんだろうけど、私がそう思ったからやるだけ。……だから、勝手にやるよ」
「……お好きにどうぞ」
「そうする」
それだけ言うと、やっぱりダメージが抜けきってないのか気絶するように寝ちゃった。ベッドの上だったから問題ないけど、急に寝ちゃうのはびっくりしたよ……そう言えば。あの何かが砕ける音、何だったんだろうと思いつつ、周りを見ると
「……ティーカップ?」
ヒトミちゃんも紅茶飲むんだ…なんて思いながら、片付けてあげる。まあお節介は厚かましくやるもんじゃんね?そう思いながら、何飲んでるんだろう…と思いながら。ちょっとティーポットを開け………
開け…………………これナギちゃんがいっつも飲んでるのと一緒だけれど
…………………………あんな変な色してないし……なんだか薬の匂いがするなぁ……?
「ヒトミちゃん、私そろそろ帰るよ?」
寝ているヒトミちゃんにそう言いつつ。戸締まりどうしようかと思いながら。うーんと考えると、しょうが無いから、ヒトミちゃんが寝ている間待つことにしたよ
その後めちゃくちゃ急いでる救護騎士団が来てちょっと笑っちゃった
トリニティ、存在する価値ないじゃんね
じみーに限界社畜お嬢様からの好感度を掠め取っていく聖園様、さすがメインヒロインじゃんね☆という感じではありますけれど、不穏ですわね?
でもご安心を。最後の最後で限界社畜お嬢様がスーパーアルティメット社畜お嬢様になってひっくり返しますわ〜〜!!
番外編について
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同じ作品で投稿して欲しいですわ〜!
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別作品として投稿して欲しいですわ〜〜!!
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ェ駄死もいいですわ〜〜!!!