ノブリス・オブリージュ?なんですのそれ? 作:一般お嬢様
「………では、やることをやるとしましょうか」
「やること…ですか?」
「ええ、此方をどうぞ」
ヒフミさんの言葉にそう返しつつ、ヒフミさん達が作ったのとは違うテストを配布していく
「……試験範囲とは違わないか」
「ええ、違いますわ。ですが……」
「……なるほど、そういう事ですか」
アズサさんが首を傾げながらそう言うと、ハナコさんは私の意図を理解したようですね。その辺りの頭の回転の速さは相変わらずのようですわ、説明する手間が幾分省かれます。
「提示されているテスト範囲と違う可能性を考慮しているということであっていますか?ヒトミさん」
「ええ、それで間違いないですわ……時間もありません、効率的に。なおかつ覚える方法で行きましょうか。その範囲内の勉強を今からしてもらいますが……もう一枚、紙をお渡ししていますよね?それはカンニングペーパーとなります、私の作ったテストの際のみ、ソレを見ながら書くことを許可します」
「それじゃあテストにならなくない?」
「”……なるほど、テストを出すなら自分ならこうする。そう考えながら勉強してほしい。ということかな?”」
「そのとおりですわ」
コハルさんの疑問に先生が答えるように私に質問を投げかけてきたので此方も肯定しておきましょうか、実際有効な手段なのです。自らが出題者の立場に立ち。自分ならどうするかを明確に持って勉強に望むと結果も変わってくるというものですから
「貴方方に足りないものは客観視と悪辣さです。後者については必要のないものですので美点として捉えてください、約一名兼ね備えている方がおりますけれど」
「うふふ……誰のことでしょうね?」
そういったものとは無縁な方々が殆ですがハナコさんはそういった物は得意でしょう。ですので、その辺りのことを遠回しにそういう事になったら貴女がやるようにという風に言うと意図を把握したかのような笑みを浮かべていましたわ、察しが良いのは良いことですけれど。あまりにも手抜きのし過ぎで皆様のことを不安がらせるような真似をするなら容赦はしませんわよ
「予め皆様に話しておきましょうか。この場に限りティーパーティーを信用することはしないように忠告しておきますわ。私も試験が終わるまでは、ティーパーティーとの接触はしないことにします」
『………』
雰囲気がより重苦しいものになりましたわね、まあソレもそうでしょう。ナギサ様からある程度の情報は与えられているでしょう。先生も同上に、ハナコさんあたりはなんとなく察しているのか。それとも二人から教えられて気づいたのか、まあどちらでもいいですわね。知らないのは……まあいいでしょう。今はどうでもいいことですので
「”監査役である君のことは?”」
「当然の疑問ですわね」
それはそうですわね、私はティーパーティーから派遣されている監視役。ともなれば、疑うのは必定。というよりは疑ってもらわないと逆に心配になりますわよ色々と。
「私はティーパーティーから派遣されてはいます。ですがティーパーティー傘下でもありませんし。どの派閥の人間でもありません、そして。皆様勘違いされていますが監査役としての役目は
「なるほど……つまり」
「………ええ、私はティーパーティーの味方では有りませんわ。勿論皆様の味方でもありません。私は皆様が合格しようと不合格しようと。極論どうでもいいことですので、合格したのであればそれは皆様の努力の結果ですし、そうでなければ皆様の実力不足ということです…ですが」
そう、それはあくまでも。あくまでも
「この試験は試験の体裁を保っているとは言い難いので、私も私の好きにさせてもらうことにしますの」
正攻法で来ない相手に正攻法で行く必要はない。だが自分の立場として監査役、試験を受ける側ではないから打てる手はあまり多くはない。となれば、此方の学力を上げて真正面から叩き潰すしかない
「……第二次試験は恐らく。より悪辣な方法で来るでしょう、例えば試験会場がトリニティでなかったりする可能性もなきにしも有らずかと」
「そこまでする……のか?」
アズサさんが困惑したような顔をする、たかが試験だと。それだけで自治区以外のところで試験をする意味もないし、下手をすると外交問題にも発展する行為では有る。そんな事は知っている
「しますよ、トリニティとはそういうところです」
仮に別の自治区でやったとしよう。自分の自治区外ということであれば、例えば
「…あと1日しかありません、範囲はあってないようなものだとお考え頂いて。さっそく勉強に入りますわよ」
そこからは、ひたすら参考書と向き合うような時間が流れた。先生だけではなく私も教える方にまわる、アズサさんはまだいいかもしれないので、問題はコハルさんですわね。彼女、メンタル的な問題が有ると恐らく実力を出しきれなかったりと、一人だけ1年生というのも大きいでしょうか。その辺りはしっかりカバーして差し上げるのが当たり前の行為ですのよ。
────深夜帯
そして夜になり、明日に備えて寝静まった頃。まだ明かりがついていることに気がついてそちらの方へ脚を進めることにしましたわ。明日は試験ですので早めに休んでいただかないと困りますのよ、一体誰でしょうか。寝てない人は
「……むっ……ぅ………」
ああ、コハルさんでしたのね……すこし眠そうにしながらも。参考書と向かい合っている様子ですわね、集中力も続いているようですし。今声をかけるのはあまり良くありませんけれど。…早めに寝ていただかないと困りますから
「……コハルさん?」
「はぃっ!?!??!?」
「……大声を出すと皆さん起きてしまいますわよ」
声をかけると椅子から飛び上がるような勢いで驚いて机に脚をぶつけて悶えていますわね。そんなに驚かないでもいいでしょうに、まあ……びっくりするのは仕方がありませんけれど。
「早く休むように言ったはずですけれど?」
「それは、その………眠れなくて」
じっと視線を向けると、目をそらしながらそう答えましたわ。眠る方が良いけど眠れないというのは誰しも有ると思いますし、大目に見ることにしましょうか
「……そうですか、では少しお話でもしましょうか」
「え?」
「眠れない相手を無理矢理寝かせるようなことはしませんし、逆に勉強をしろとも言いませんわ。今はリラックスすることが大事でしてよ」
意外そうな顔をしながら此方を見てくるコハルさんにそう言いつつ、自分で飲むように持ってきていた紅茶を入れて。カップを差し出す、一応用意していた来客用の相手に使うのがあってよかったですわね。
「あの……ヒトミ先輩」
「なんですの?」
「あの……その……ごめんなさい」
「いきなり謝られても意図が図りかねますわ。理由を述べてから、謝る方が良いですわね」
どこかしどろもどろになりながら唐突に謝ってくるコハルさんに首をかしげる、謝罪というのは何に対して謝るのかが一番大事なことですので。その辺りわからないと仕方がないですわよ?
「勉強とか、教えてもらって……それと、その……前の車両のこと。あれ……私の、ミス。だから」
「そうですか………。ソレだけですの?」
「え?」
「………はい?」
なんだか一世一代の勇気を振り絞って告白したけどカスリもしなかったみたいな顔してますわねコハルさん。
「えっと、その。お、怒ったりは……?」
「はあ………怒る理由が特に見当たらないので怒りませんけれど?」
恐る恐る尋ねてくるコハルさんにもう一度首を傾げる。前者に関しては私がやるべきだと思ってやっただけなので問題なし、後者については怒ったところで何かが変わるわけでも有りませんし、そもそもとして責任を問うのであれば当時の担当者であるイチカさんですわね怒るとするのであれば。
「で、でも理由は私だから……」
「理由にもよりますが、部下の失態をカバーするために上の者が居ますのよ。イチカさんは既に謝罪済みですので、コハルさんが謝る必要もありませんわね。一つだけ言うのであれば、実力に見合った行動するほうが嫌な思いをしなくてもいいと思いますわ」
「は、はい……」
なんだかすごく素直にものを聞きますわねこの子、本当にトリニティの生徒ですの?絶対反発くらうと思っていましたわ、そういう意味で想定外ですわね……ふむ。理由を問うて見るのも良いかもしれませんわね。
「そう言えばですけれど、コハルさんは私のこと。見下したりしないのですね」
「えっ!?」
「いえ、他の2年生の方々に食って掛かっているのを最初に見ましたので」
ふとしたように問いかけると、急に顔色が悪くなりましたわね。あれ、これ聞かないほうが良かったりしました?ちょっと悪手を撃った可能性がありますわね。
「その……あの………」
「自分のペースで良いですわよ」
しどろもどろになり、言葉を詰まらせながら話そうとして失敗しているコハルさんにそう告げつつ。一度紅茶を飲ませて落ち着かせてから。言葉を待つとしましょうか
「……私はその。ヒトミ先輩が正義実現委員会に入れるような人だからって言うので……」
「まあはい、一応勧誘はされてましたけど……誰から教えて貰ったりしましたの?」
正義実現委員会に入れる…とするならば、1年前のあれのことでしょうね。1年生であるコハルさんが知ることはまず無いような出来事だと思いますけれど。誰かから教えてもらったのか?と聞けば頷きましたわね。イチカさん辺りでしょうか、変なのがいると言うような感じで
「ツルギ先輩から」
「あの人マトモにコミュニケーション取れましたの??」
めちゃくちゃ失礼なことを言った気がしますけれど、私は悪くねえですわ。だってこう、奇声しか上げてないイメージありますし。その辺りはコハルさんも思うところがあるのか、スルーしましたわ。いえまあ、私はその奇声聞いたこと殆どないのですけれど
「前に資料の整理してたら。たまたまヒトミ先輩のことが書いてあって…ソレを見てたらツルギ先輩が『惜しい人材。だがあれはあれで良いのかもしれない……』って。ヒトミ先輩のことになると。ツルギ先輩普通に話してくれるから。凄い人なんだろうなって」
「意訳ツールではありませんが……そうですの、剣先様が」
前から剣先様、割と私に関してはそれなりの好感度が有るみたいで。面倒事がその後幾つかあったのですけれど。その度に乱入という形でなぎ倒してとっちめてくれましたわね。その辺りの感謝も有るから、正義実現委員会には少しだけ。甘いのかもしれませんわ
「話を聞いてると、その。ヒトミ先輩は、本当は凄く強くて。ちゃんとしてて……私とは全然違う世界の人なんだなっていうのもあって……」
「コハルさん」
「はい……?」
「力がなければ正義は不可能だと思いますか?」
「それはその…力がないと、ハスミ先輩とかと。並んで戦えないです」
なるほどなるほど、コハルさんを縛り付けてるのはそれでしたか。ふむ、まあ。手助けでもしておきましょうか
「羽川様は、貴女の実力をご存知なのですよね?」
「は、はい」
「では、何故その実力である貴女と一緒に戦いたいと仰られるのか、理由はお分かりですか?」
「……わかんない」
「……最も大切なものは『在り方』、ですよ」
「………?」
「……さ、そろそろ寝ますわよ。でないと試験に遅れてしまいますし……それとも。子守唄でも歌いましょうか?」
「そ、そこまで子供じゃないし!!」
からかうように言ってみれば。いつものコハルさんに戻ったようですわね。……この手の話は、コハルさんには少しだけ。まだ早いのかもしれませんけれどね。ですがコハルさん
貴女は、正義実現委員会の中で今最も。『正義』に近い存在なのかもしれませんよ?
どんな立場であろうと、良くないものは良くないと言えるその姿勢、大変素晴らしいと思いますわ。その在り方、失わせるにはとても惜しい人材ではありますわね。
………少しばかり、本気を出すとしましょうか
ちなみに正義実現委員会に限界社畜お嬢様が入っていた場合。コハルさんのことを猫可愛がりすると思いますわね。実力云々は限界社畜お嬢様一人れば良いとか思ってそうですし、なんなら鍛え上げてスーパーアルティメットコハルさんになるかもしれませんわね。具体的に言うと聖園様の例のダイナミック戦闘入りするあの戦いを一人で千切っては投げ、蹴り飛ばしては殴り飛ばすなんかも
そしてとうとうエ駄死書きましたわ〜〜!!近いうちに投稿しますわ〜〜〜!!!
Q.仮にコハルさんがトリニティから本当に追い出されたり。仮にもし亡くなったりしたら限界社畜お嬢様はどうしますの?
A。限界社畜お嬢様が「本性」を表します。その上でトリニティを消滅させます
番外編について
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同じ作品で投稿して欲しいですわ〜!
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別作品として投稿して欲しいですわ〜〜!!
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ェ駄死もいいですわ〜〜!!!