ノブリス・オブリージュ?なんですのそれ? 作:一般お嬢様
皆様、GW。たのしみましたこと?それなら良かったですわ!私?私は社畜ですのでGWなんてのはありませんわ〜〜!!10連勤でしたわ〜〜〜!!!!
「……へえ、自警団……自警団ね」
ミカは乱入者へ視線を向けるが、此れと言ってなにか思い当たることはない。自警団といえば、正義実現委員会とは別の自発的にトリニティの治安維持をしている変わり者。それぐらいだ、ただどこの勢力下でも無い故に。大規模な活動はしていないはず
「で、その自警団がなんで此処にいるのかなな?」
トリニティには今戒厳令が敷かれている。それは組織だけではない、一般の生徒にも適応される。ミられると不味いことが多々あるというのもあるのだが、それ以前に無用な傷を負わせる必要もないためというのが最大の理由だ。流れ弾に当たって昏倒でもされた日にはすべて無意味になってしまうのだから
「理由ですか?」
「うん、理由」
ミカの疑問は不思議なものではなかった。それはそうだ、戒厳令が敷かれている明らかに普通ではないこの状況、爆発音が響いているところに普通の生徒が来るわけがない。ましてやティーパーティー絡みであろうことは否応なしにわかるはずなのにだ。それなのに外ではなく内にまで入ってきて、ティーパーティーのトップに銃を突きつけるのにはそれ相応の理由が必要だ
ただ、守月スズミは首を傾げるだけだった
「特にありませんけれど?」
「………は?」
スズミの一言に、場に似つかわしくない素の声をミカが上げる。じゃあ何のためにこんな危険地帯に突っ込んできたのだろう。そう疑問を持つのは当たり前のことであった
「強いてあげるのであれば…自警団の活動と…あとは」
間抜けな顔をしているミカを尻目に、スズミは膝をついているヒトミに手を差し伸べる
「……知人を助けに来ただけですよ」
───時間は昨夜に遡る
「……スズミさん?」
「こんばんわ、ヒトミさん」
ベンチに座っていたヒトミに声をかけたのはスズミだった。おそらくは夜間の自警団としての見回り活動だろう、スズミはヒトミに断りを入れること無く隣に座る。ヒトミはそれに対して特に何も言うことはなかった。
「珍しいですね、ヒトミさんがこんな時間に出歩いているなんて」
「そう、ですわね。珍しいかもしれませんわ…スズミさんは自警団活動ですか?」
「その帰り、ですね」
「相変わらずですわね」
「ヒトミさんも相変わらずそうです」
ヒトミが軽口を叩くと、スズミも同じように軽口で返す。この二人の関係性は友人、というわけではない。特段仲がいいというわけでもないが。険悪というわけでもない。互いが互いの行動に干渉することはない、ただ顔を合わせるとこうして会話することは有る。ヒトミの人間関係で唯一拗れた気配のない関係と言っても良いかもしれない
「………悩み事、ですか?」
一頻り取り留めのない会話をしたあと、スズミが唐突に切り出す。ヒトミが饒舌に話すときは、何かしら道に迷っている、或いは判断を迷っているというタイミングであることを。スズミは理解していた
「ええ、まあ……いつも通り……いつも通り、であれば。良かったのですけれど」
悩みごとがあるのか?と問いかけられたヒトミは、歯切れの悪い言葉を述べる。いつも通り名用で、いつも通りではない此処数週間。本来ならほとんど悩む必要性がなかった事柄で悩んでいるのだ
「人と関わるべきか、否か。ですね」
「…ヒトミさんらしい悩みですね?」
「馬鹿にしてますの?普段は関係ないだろうっていう意味ですのそれ???」
湿っぽい雰囲気で切り出したヒトミに対して。スズミはらしい悩みですねと返せば、若干キレたような口調でヒトミが言い返す。勿論、スズミが馬鹿にしている意図がないことはヒトミも理解しているし、スズミもまた理解している。
「はぁ……スズミさんも、他人の評価なんてどうでもいいタイプでしたわね」
「ヒトミさんには言われたくはありませんけれど」
そう、スズミも自分のやりたいことをひたすらストイックにこなす側の人間だ、他者からの評価なんて知ったことではない。自警団、などと仰々しく呼ばれて入るものの。本人からすると
『へぇー、そうなんですか』
……というような、あっさりした感じである。ぶっちゃけ連帯意識とかは全くと言っていいほどなかったりする。そのため周りから浮いていようとあまり気にしないのだ。そんなスズミから見て、同じように他人の評価を気にしないヒトミが思い悩んでいるのは珍しいのだろう
「……自分の行動で、人を誤った方向に進ませたかもしれない。そんな事が最近ありましたので」
ポツリ、言葉が溢れる。普段のヒトミとは違う、素の側面。本来であれば、ヒトミはそういうのを気にするような性格なのだ。自分はどう有るべきか、どう見せていくべきか…と。今はやることが多すぎておざなりになっているだけで、アズサやコハルに接したあの姿勢が本来の彼女だ
ヒトミにも、悩むことは有る。のだが
「それはその人の選択の結果ですよ、ヒトミさん」
スズミはバッサリと切り捨てる
「たとえ、どれだけ高潔な姿を見せても変わらない人は変わりませんし。逆にどれだけ悪辣なものを見ても変わることのない人も居ます。それだけの話です……だから、ヒトミさんはヒトミさんのやりたいことをやればいいと思いますよ」
どう行動するかは当の本人次第。どういう結果になっても、その人の裁量で決まったことなのだから。気に病む必要もないよと。突き放すような言い方ではあったが、同時に全部が全部自分のせいだと抱え込まないでくださいね、という優しさもあった。
「……それもそうですわね、気に病むだけ無駄、ということにしておきましょうか」
そう言うと、ヒトミがベンチから立ち上がる。もうそろそろ戻らないと夜間の警戒に当たっている正義実現委員会に見つかってしまうから。いやその正義実現委員会がどか食いしているのに遭遇したことも有るのだが、それはそれ此れは此れである
「では、おやすみなさいませスズミさん」
「おやすみなさい、ヒトミさん……ああ、そうでした。一つ、良い忘れていたことが」
「……何でしょうか?」
「もし、もしも。自分の姿を見て変わってしまった人が悩んでいたら」
────手を、差し伸べて上げてくださいね?
───そして時間は現在に戻る
「……自分が今、何をしているのか理解していますの?」
助けに来たスズミに対して、助けられたとは思えないような冷たい声でヒトミが問いかける。この状況下は最悪理解しなくてもいい、だがティーパーティーの戒厳令を無視したあげくあまつさえ銃を向けたのだ。この意味はトリニティそのものに弓をひくのと同義である
「ええ、理解していますよ」
「ティーパーティーに敵対することも?」
「はい」
「退学処分にされる可能性が高いことも?」
「ええ」
「……相手が、格上の存在であることも?」
「勿論」
「そうですか……」
矢継ぎ早に繰り返される問答。ヒトミの問いかけに、短いながらも淀みなく答えていくスズミ。これはてこでも動かないことは明白である。伊達に正義実現委員会に必要性があれば喧嘩を売るメンタルをしているわけではない
「……相変わらず、ですわね」
そう言うと、ヒトミは差し出されたスズミの手を取って立ち上がる
「そういうヒトミさんも、ですよ」
立ち上がらせたスズミはくすっと笑いつつ、ミカの方を向く。あっけにとられていたミカは。ようやく復帰したようだった。まあ自警団が突っ込んでくるなんてのは想像の範囲外であることは間違いないので仕方がないとも言える
「………自警団、ね」
ミカの自警団に対する評価は。悪く思っているようでそうでもない、手が回らないところを自主的にやってくれているのはありがたいことでは有る。ヒトミの仕事を増やすことさえしなければ、の話では有るのだが
「でも良いの?ヒトミちゃんの言う通り、このあとのトリニティでの生活、大変になっちゃうよ?」
「構いませんよそれでも。今私がやるべきことは、トリニティを守ることであり……そして」
ミカの問いかけに、ヒトミに返したように即座にスズミは肯定する。スズミにとっては、あまり関係のないことであるのだろうか。トリニティを守ることは、いつもどおりのことである。ただ、今回は少し違うようだった
「……ヒトミさんを
「……スズミさん」
ヒトミからの視線にスズミは目配せしつつも。銃を構える、スズミにとって。ヒトミは或る意味同じ穴の狢、と言うやつである。お互いが意識し合うことはないが、その姿勢にはなにか思うところはあると。そんな相手に、初めてだろうか。寄り添ってどうにかしてあげようとしている相手がいることをスズミは風のうわさで聞いていたのだ。ミカだけではなくナギサのことも
───ジプシーが、ティーパーティーに胡麻をすっていると
いや、そんな事する性格ではないとスズミは知っていた、知っていたが周りはそうではないことも知っていた。だからこそ、今度はミカが狂ったことをしたならば、ヒトミだけではなくミカも。
「……というわけですから、手伝いますよ。ヒトミさん」
「……ええ、わかりました」
体力が尽きかけているヒトミをフォローするように斜め後ろに陣取りながら銃を構えるスズミに、ため息を付くこと無く。ヒトミが応じる
…………戦いの終わりは近い
守月様、限界社畜お嬢様と一番フラットな関係ですのよね。そういう意味で結構交流があったり仲たりしますわ、感のいいお嬢様ならわかっていたと思いますけれど。本編、正義実現委員会のIF、夢オチ。この3つに全部出てるの守月様だけなのですわ
次は決着……か、守月様を此処に呼んだナギサ様のお話。どちらにするべきでしょうか、悩みますわね
番外編について
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同じ作品で投稿して欲しいですわ〜!
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別作品として投稿して欲しいですわ〜〜!!
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ェ駄死もいいですわ〜〜!!!