ノブリス・オブリージュ?なんですのそれ?   作:一般お嬢様

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思わず書いてしまいましたわ。これは、2年生になった直後からミカさんの監視下に入った場合のお話ですのよ。甘め要素たっぷり。脳破壊(?)少々でお届けしますわ〜〜


【IF(GL要素強、脳破壊?)】私に名前を呼ばれたい?なんですのそれ? 上

朝の日差しを浴びて、鬱屈な思いを抱えながら。意識を覚醒させていく、眠りに落ちることは稀であり、その殆どが電池が切れてしまった電子製品のように。ぷつりと音を立てて、途切れてしまう

 

汚泥のような、疲れ切った体を───上げることは有りませんでした

 

 

隣にいる……いえ、隣で寝ていらっしゃっていたのは。聖園ミカ様、ティーパーティーのパテル派のトップにいらっしゃるお方。そんな人が何故私の部屋に居るのか。何故、一緒に寝ているのか……まあ、もうお分かりと思います。

 

完全に監視下にいれられましたわ……失態ですわ……

 

「………おはよう、御座います。聖園───」

 

返事を返そうとすると、人差し指で。言葉を封じられましたわ、まるで。その回答をすると今日一日不機嫌になって。仕事の邪魔しちゃうよ−?というような、緩やかな笑みを見せながら

 

「……み、みそ………い、いえ……ミカさん」

 

そう述べると、緩やかに体を起こしながら。朝焼けの空に溶けてしまいそうな。緩やかな笑み、にんまりと小憎たらしくも。柔らかな日差しのような視線のまま。目尻を下げ

 

「おはよ、ヒトミちゃん。今日も一緒にお仕事しよ?」

 

そう、仰有るのでした

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

「ヒトミちゃーん、それ取って〜」

 

「それぐらい……はあ、分かりましたわ」

 

寝ぼけている聖園様の身支度をしながら、朝の準備をするのが。最近のルーティンになってまいりました。先にシャワーを浴びてもらい(私が先に入ると高確率で、背中を流そうと乱入してくるので…そもそも私が先に入ること自体あまり良くないと思いますし)。お互いにシャワーを浴びてから。服を着替え、聖園様の髪を丁寧に乾かしていくことにしますわ

 

「んふふ〜……やっぱりヒトミちゃん上手だよね〜……」

 

「……………」

 

最近の困りごとの一つに、聖園様は好きあらば私のことを褒めに来るようになりました。ゆらゆらと、脚を揺らし。リラックスしている聖園様に。溜息を堪えながら、櫛で丁寧にスキンケアを施して……

 

「じゃあ、次はヒトミちゃんの方だね」

 

「………はぁ」

 

ゆっくりと立ち上がり。私を席につかせる聖園様、緩やかでは有り。それほど力は入ってないものの。逃げられることもなく、席に座らされる私でした

 

「………ヒトミちゃんの髪の毛、大分良くなってきたね?」

 

「…………別に、スキンケアは───」

 

聖園様の言葉に、何時ものように返そうとすると。緩く、後ろから抱きしめられました。こうやって言ってしまうと、暫くの間。離してくれないので、時間のロスがとんでもないことになりますのよ〜??離してくださいまし〜〜????

 

 

───それから、数分後

 

「いただきまーす」

 

「……頂きます」

 

朝食が始まりました、殺風景な部屋に。2つの食器、本来使うことも無く。その一生を終えるであろう来客用のお皿2つは。私と聖園様が毎日使うものとなりました

 

「……どう?食べれる?」

 

「………ええ、まあ」

 

私が食べているのは、ポタージュスープ。栄養価が高いものをポタージュにして、パンを浸したものを。ゆっくりと時間をかけて。食べ進めていきます……ちなみにこれは。聖園様が作ってくださいました。最初はそれはもうこの世の終わりのようなへたっっっっっぴな物で。塩辛すぎて、疲労の疲れからかノックアウトされたことが一度ありましたわ。

 

……その後、猛練習して。今に至ります、私にはかくしていたようですが。指先には、ほんのりと火傷の跡、小さな切り傷。そして、私が食べてる間は聖園様が何も食べてなかったところを見ると、自分で失敗作を食べていたと思われます。……最初は余程美味しくなかったのか、涙目になっていたのを覚えています

 

「そっか……ふふ、良かった」

 

そう言って、顔を綻ばせながら。聖園様もポタージュスープを口にします、最初は別々のものでしたが。私と一緒の食べたほうが良いよね−という謎の理論により。聖園様も同じものを食べることにしました

 

そうして食事を終えて、制服に身を包み。玄関まで赴くと

 

「……それじゃ、学校行こっか」

 

「………はい」

 

聖園様に、手を引かれて。登校することに。これももう慣れましたわ、最初は嫌がりましたけれど。ずーっと私が行くまで玄関で此方を見ながら待っているんですもの。一度ボイコットできる日数でしたのでボイコットしようとしたら。聖園様が

 

『じゃあ私もいかなーい☆』

 

と言い出し、制服を脱ぎ始めたので急いで登校することになりましたわ、元々早めに起きていたので。全然余裕で登校できたわけですが

 

 

「───じゃ、また放課後ねー☆」

 

登校中は、余計なトラブルもなく。一目もなく、穏やかな朝日に照らされながら。自分の教室へと向い、いつも通り授業の準備をし、日程を確認しつつ。補充作業を行うこと数十分。ちらほらと生徒が入ってくる前に、いつもの自分の席───壁際の、隅の席に座って。作業に取り掛かることにします

 

そうこうしていると……

 

「おはよう御座います。ヒトミさん」

 

「ええ、おはよう御座います」

 

隣の席のセリナさんが、登校してきましたわ。救護騎士団ということも有り、この方も多忙なのですわ。何時も何時もお疲れ様でした。そんな言葉をかけてしまいたくなるようなお方です

 

「ヒトミさん、最近お顔の色。良くなりましたね」

 

「ええ、まあ………」

 

そんな風に、自分のことのように喜んでくださってるセリナさんに。頬をかきながら、お答えいたします。まあ、色々とご心配をかけていましたので。その辺りは、申し訳ないと思っておりますわ

 

「また体調が優れない時は、何時でも言ってくださいねっ!」

 

「……ありがとう、ございますわ」

 

そんな会話を終え、授業の鐘がなる

 

 

────そして、放課後。

 

ささっと掃除を済ませ、明日のプログラムの確認をし。足りていないもののリストを作成し、明日の朝持ってくるようにしてから。教室を出て暫くすると……

 

「やっほー☆」

 

「……迎えに来なくても、ちゃんと行きますわよ」

 

聖園様が、廊下に備え付けられている椅子から立ち上がり。こちらのほうへと、駆け寄ってきます……登校した際は、ちゃんとティーパーティーの方に顔を出していますのに。どうしてこう、迎えに来るのでしょうか……まあ、最初は。授業が終わって少しすると、聖園様が2年生の教室の廊下までやってくることが有り、なんとか追い返したりなど有りましたから。譲歩してくださってるのだと思います

 

「お昼はちゃんと食べた?」

 

「ええ、まあ……はい」

 

「ならよかったー、ちゃんと食べないと駄目だからねー?」

 

「……聖園様もですよ?」

 

「もっちろん、じゃないと説得力無くなっちゃうし。ヒトミちゃんが食べない口実になっちゃうもんね〜?」

 

そんな他愛のない会話をしていると、ティーパーティーの会議室に到着すると……

 

 

 

「……相変わらずですね、ミカさん」

 

「やっほーナギちゃん☆」

 

「お疲れ様です、ナギサ様」

 

若干……いえ、本心から呆れ顔のナギサ様に相変わらずの聖園様。そういうのであれば、助けてくださいとアイコンタクトを図るも、目を自然に逸らされました。もしかして、元々はナギサ様が被害者だった可能性が……?

 

「さ、今日もお仕事お仕事」

 

「……ふぅ」

 

「どうしましたナギサ様?」

 

「いえ、何も」

 

「ナギちゃん言いたいことが有るならいおー?」

 

「………ナギサ様、こうなった聖園様を放って置くと、回答するまでしつこいですよ?」

 

「ええ、それは重々把握していますよヒトミさん」

 

「あ〜!!二人して私のこと何だと思ってるの!?」

 

「「仕事中にちょっかい出してくる困った同僚(上司)ですが?(ですけれども?)」」

 

「ひどーい!!??」

 

……などと、軽快な(?)軽口を交えながら、仕事に取り掛かっております。聖園様もナギサ様も、どちらも口は動かしているものの。作業に支障をきたす事もなく、緩慢無く処理されていきます

 

「……ナギサ様、此方の予算の組み方。一度見直すべきかと」

 

「どれどれー?……うーん、主要派閥じゃないところのを弄るのはちょっと大変そうかも?」

 

「ですが、それでは他の方々に反感を抱くかと」

 

「……私が、お話をつけに」

 

「「ヒトミさん(ちゃん)は事務仕事に専念してください(ほしーな☆)」」

 

「………分かりましたわ」

 

私の元々やっていた折衝については。お二人のどちらかが、またはお二人の信用のおける方々に回されることが多くなりましたわ。ただでさえ、目をつけられやすいんだから、そういうのはしちゃ駄目…とのことですわ

 

「んー………この備品、ちょっとこう。嵩張るよね−」

 

「そうですね……どうしても、外注となると。値段が張ってしまいます」

 

「……それでしたら、私にツテがありますので。そちらの方に手を回しておきましょうか?」

 

「え、いいの?」

 

「はい、こういったものは適材適所ですから。聖園様」

 

「お願いいたしますねヒトミさん」

 

「承りましたわ、ナギサ様………おや、どうなされましたか?聖園様」

 

ナギサ様と会話してると何故か膨れっ面になっている聖園様が、私とナギサ様を見つめていますわ。まるで仲の良い姉妹の姉と妹を羨んでいるような視線を乗せて

 

「ぶーぶー」

 

「……何でしょうか、ミカさん。このお仕事はヒトミさんの方が適任ですよ?」

 

「ちがうー、ちーがーうー。そーうーいーうことじゃないー!!」

 

不貞腐れたような顔をしながら、ナギサ様に猛講義する聖園様。流石のナギサ様も、どういう理由なのか察することも出来ずに。困り果ててしまっているようですわね?

 

「私もちゃんと名前で呼んでほしいーー!!」

 

「そんなことですか……」

 

「そんなことぉ………??」

 

ぶーたれていたミカさんに、ナギサ様が嘆息すると。聖園様が、胡乱げな視線を向けましたわ。あ、やばいですわっこれ。面倒くさいモードに突入するかもしれませんわ!?

 

「へー、ヒトミちゃんから名前呼びされてるのってそんなことで済ませるんだー。ふーん、へー………ナギちゃん以外の上級生は全員基本的に苗字呼びなんだけどなー???そして頻繁に顔を合わせてる子だとナギちゃんだけなんだけどなー????なー?????」

 

「…………」

 

ものすごーいウザ絡みされてますねナギサ様、此方にアイコンタクトで助けを求めてきますが。因果応報、私は自然と目を逸らして。別の仕事に取り掛かることに致します

 

「私のことも名前で呼んでほしいっていっても、ほんとに渋々でしか呼んでくれないんだけどな〜??」

 

………………

 

「それなのに、ナギちゃんはちゃんと名前呼びしてもらってるじゃんね?」

 

………………

 

「……それは、付き合いが皆様よりも長いのが理由かと」

 

………………

 

「それだと、正実の委員長とかはもっと長いんじゃないの?」

 

………………

 

「いえ、それは………」

 

………………

 

「だったらそれが理由じゃないじゃんね〜〜???」

 

煩くて仕事に集中できねえですわ

 

もう、たかだか名前の呼び方ぐらいで……こうなったら。いつもの集中モードで仕事を進めるしか無いですわ

 

では、やりますわよー

 

……………

 

……………

 

「────────」

 

「────────」

 

……………………

 

「───────」

 

「───────」

 

 

…………

 

………………………

 

…………………………………

 

「───じゃ、ヒトミちゃんにやってもらうじゃんね?」

 

「はい?」

 

ようやく収まったかと思ったら、私の名前が出てびっくりしましたわ。なんですのいきなり、まだお仕事中ですわよ?

 

「ヒトミちゃん、ナギちゃんのこと。桐藤さんでも、桐藤様でもいいから。呼んでみて?」

 

「はぁ………………」

 

「出来れば、本当に初対面の感じで!!」

 

なんですのそれ。そんなくだらないこと、ほら。ナギサ様も心底下らなさそうな顔で此方を見ていますのよ?ほんとにどうでも良さそうですわ、私もどうでもいいと思いますの

 

「では……ご要望とあれば」

 

「うんうん、お願いお願い」

 

聖園様から、何故か拝まれましたわ。別にそういうことをしなくても良いと思いますが……

 

「……全く、ミカさん。そんな呼び方一つで────」

 

「桐藤家の次期当主様」

 

「─────」

 

おや?

 

「いま、何といい「桐藤家の次期当主様」───────」

 

口を開いたナギサ様……いえ、桐藤家の次期当主様のお声を遮って、再度名前を口に出すと。硬直してしまいましたわ、目を瞑り。ティーカップを口元につけたまま、硬直なさってしまいましたわ

 

「ひ、ヒトミちゃん?えっと、初対面の感じでって……」

 

「いえ、初対面であれば。学区外で合うということですので。そう呼ぶのが正当化と」

 

「わーお………」

 

おっかなびっくりに聞いてきた聖園様にそう言うと、コイツマジか……みたいなドン引きをされてしまいましたわ。え?何かおかしな事を申し上げましたでしょうか?普通の対応だと思いますが

 

「……この空気で言うのも何だけど、私のこと。ナギちゃんみたいな感じで呼んでもらって良い?」

 

「はぁ…………」

 

物言わぬ美しい天使の彫刻(桐藤家の次期投手様)を一旦横に置いておくのか。そう聖園様にそう言われて。なんのことだか分からずに。それぐらいであればまあ、仕事に差し支えてますし。仕方が有りませんわね

 

「……心の準備はいいですか?」

 

「う、うん」

 

「では……ミカ様」

 

「────────」

 

おや?

 

「あの、ミカ様?大丈夫でしょうか、お仕事の疲労が溜まっていますの?でしたら、しっかり休まれるべきかと」

 

此方も硬直なさってしまいましたわ。いえ、此方は処理が追いついてないみたいな感じでしたけれど。

 

「あの、ミカ様?」

 

「────」

 

「あの、ええと…ミカ様「ヒトミちゃん!!!!」な、何でしょうか………」

 

ようやく復帰したミカ様が、ガバっと此方を向いて。大きな声で言いましたわ、声量が大きいですわよ????

 

「大好き〜〜!!」

 

「はい??????????」

 

「大好き〜〜!!!」

 

わーー!!わーーー!!なんですの!?なんですの!?何でございますの!!??どうして急に抱きついて私の頭撫で回したりしてきますの!!??!?!?お、落ち着いてくださいまし!!??落ち着いてくださいまし!!??

 

「よーしよしよしよし…!!」

 

「み、ミカ様??お気を確かに??」

 

「私は正気だよ!!」

 

「そ、そうですか……」

 

「……もしかして、触られるの嫌だった?」

 

「……………いえ、別に」

 

「わーーーい!!」

 

機嫌が乱高下しすぎですわよ!?聖園様!!??そんなに揉みくちゃに撫で回さないでくださいまし!?服が、服が乱れますわ!?よくないですわよ!!はしたないですわ!!あー!!困ります!!困ります聖園様ーー???聖園様ーーーー!!!????!?!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、カラン……と。何かが落ちる音がしました

 

そうしてみると……

 

 

 

「ふ、ふふ…………き、桐藤家の次期当主様………」

 

ようやく再起動なったようで、口の端から。紅茶が少し出ていますわよ。みっともありません。とハンカチで拭き拭きしつつ

 

「お目覚めになりましたか?桐藤家の次期当主様」

 

と、お声がけすると

 

 

「──────────────」

 

 

「あーー!?またナギちゃんが失神したぁ!?!?」

 

 

どうしてですの………???

 

 

◇◇◇◇

 

「ふ、ふふ………ご心配をかけていました」

 

なんとか、ナギサ様が復活致しましたわ。聖園様が必死に、揺すってようやくでしたわ。あれ、揺するスピードが早すぎて、起きていたらその時点で失神してましたわよ????

 

「な、なんとか戻せた」

 

「…申し訳御座いませんでしたわ?」

 

「ヒトミちゃん」

 

「……はい?」

 

「もう少し、自分の立場かんがえよ……?」

 

「はぁ…………」

 

そんなことも有りつつ。お仕事は滞り無く進んでいき………

 

「これで、本日の業務は終わりですね……さ、先に帰らせていただきます」

 

「お疲れ様でした、ナギサ様」

 

ナギサ様が何故かお疲れのようだったので、そうお声がけすると。肩を跳ねさせた後、暫く震えてから。スタスタと歩き去ってしまいました。失礼なこと、してしまったのでしょうか……

 

「……まあ、ナギちゃんの自業自得じゃんね」

 

「はい?」

 

「な~んでもない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、部屋に戻ろっか☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天上ヒトミ………普通に名前を読んでいたのは、そっちのほうが自然だと思ったのか。それとも何かしらの理由があったからなのかは一切不明。自分が名前で呼ぶことになんの価値があるのか?と本気で悩んだ

 

聖園ミカ………名前呼びしてるのが実は凄く羨ましかったのでやってみたら。想像以上に破壊力がすごかったとのこと。ただナギサに対するあれはドン引きした様子。流石に私もそれ言われたら失神しちゃうじゃんね☆じゃんね……ごめん、想像したらちょっと泣きたくなっちゃう

 

 

桐藤家の次期当主………精々フィリウス派の方と呼ばれると思ったら、完全に部外者としての呼ばれ方をして失神した。最後に名前を呼んでもらえて、どうにかなりそうだったのでスタスタ歩き去った。我慢できなかったらミカのような事をやりかねない

 




此方も上中下で書きますので、不定期でお待ちくださいませ!!!
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