魔法少女まどかマギカ  間(はざま)の物語   作:Mt.モロー

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第十話 【浅古小糸】

 美樹さやか失踪事件の数か月前

  美国織莉子:魔法少女14日目

 

 時刻は夜の8時を超えていた。

 浅古小糸は、姉である浅古小巻の部屋をノックする。

 

「お姉ちゃん」

 

 返事がなかった。学校ではいつも半ギレの怖い人物とされているが、小糸には怒鳴ったりすることは一切なかった。確かにルールや作法には厳しかったが、頼りになる良い姉であった。

 その彼女が返事をしないということは、今、小巻は部屋にはいないのだ。

 

(まただ……でも、どうやって外に出たの?)

 

 小巻は、部活もやっていないのに最近帰宅が遅くなっていた。しかも、夜に無断で外出することもあった。どのような手段なのか親はまったく気が付いていない。

 

(また美国さんのところかな?)

 

 小糸は、週二回苦手科目である英語の学習塾に通っていた。そして先日、小巻が、仲が悪いはずの美国織莉子と歩いているのを目撃した。それだけではない。そこには変人と噂される呉キリカも同行していた。あとをつけてみたが、すぐに三人を見失った。

 

(明日……晶さんに相談してみよう)

 

 小巻の友人である行方晶(なめかたあきら)とは同じ学習塾仲間だ。彼女も最近の小巻に違和感を覚えていると言っていた。大切な姉のことなので、ほったらかしにはできない。小巻がなにをしているのかを確かめる必要がある。

 

 

 翌日 学習塾前ファミリーレストラン 

 

 浅古小糸と行方晶はゼミが始まる前に近くにあるファミリーレストランで軽食をとっていた。講義にしてもゼミにしても驚くほど脳を使う。それ相応の糖分は補充しておかねばならない。

 

「小糸っち……本当に家の中では小巻は変わらない?」

「うん。少しは優しくなったかなとは思うけど……もともと優しかったから」

「それは信じられないけど……小巻が怒らなくなったのは事実だよ。私は気持ち悪いけどね」

 

 晶が糖分たっぷりのドリンクをストローですする。飲みきってしまったようで「ズズズ」とノイズをたてている。

 

「私、今日ゼミをさぼろうと思っています」

「小糸っち……まさか、小巻のあとをつけるつもりじゃないよね?」

「私はお姉ちゃんが心配なんです」

「……そう、じゃあ私も」

「晶さん……」

「小巻には助けてもらってばかりだからね。たまには恩返しするよ」

「でも、塾から家に連絡されますよ」

「小糸っちはそれでもいいんでしょう? だったら私もそれでいい」

 

 会計を済ませて晶と二人で、前回小巻を目撃した場所まで移動する。

 

「お姉ちゃんと美国さんは仲がいいですか?」

 

 小糸は、姉と一緒に歩いていた二人の情報を晶に求めた。

 

「それがね、ちょっと変なんだよ。前は、すれ違っただけでも突っかかっていたんだけど、最近は無視してるんだよね」

「呉さんは?」

「呉? だれ?」

 

 同じクラスの美国織莉子とは違い、呉キリカのことは晶も知らぬ様子だ。小糸は容姿の特徴を晶に教えた。

 

「ああー、F組の変な子ね。小巻があの子とつるんでいるっての? 普段、話してるのを見たことがないんだけど?」

「でも確かに呉さんでした」

「うーん」

 

 晶が腕組みをして考え込んでしまった。それほど、姉とキリカの組み合わせは意外だということだろうか?

 

「!」

 

 前回とは違う場所ではあるが、小糸は姉のグループを発見した。気付かれてはならない。姉たちがなにをしているのかを見極める。

 

「晶さん……ゆっくりと自然に、銀行の辺りを見てください」

 

 白羽地区の中心街である大通りには小糸たちの通う学習塾や銀行、スーパーなどの施設が密集していた。その銀行の手前を美国織莉子が先頭になり、呉キリカ、浅古小巻の順番で歩いていた。

 

「本当に美国さんと呉さんだ……でも、どこに行くんだろう」

「晶さん、気付かれないように尾行しましょう」

 

 姉たちに十分な距離をとってから晶と二人であとを追った。

 

「薬局の角を曲がったね」

「そうですね、あそこは公園につながる道です。見失っては困るので急ぎましょう」

「なんだか面白くなってきた」

「……晶さん」

 

 冗談ではない。こちらは必死の思いなのだ。真剣な顔で晶を注意するとばつの悪そうな顔をしている。

 

「……そういうところは小巻にそっくりだよね」

「……」

 

 小巻たちが消えた薬局の角を曲がった。100mほどの直線道路で突き当りには自然公園の駐車場があった。ただ、小巻たちの姿はどこにも見当たらない。

 

「いませんね」

「公園の中かもだよ。小糸っち、行ってみよう」

 

 晶に手を引っ張られる。姉の友人とはいえ、ここまで積極的に付き合ってくれる晶に感謝していた。もともと引っ込み思案な小糸だけならば、途中であきらめていたと思う。

 

 ――ふと隣を見ると、真っ白な猫のような動物が歩いている。その真っ赤な目は小糸に照準を合わせているようだ。

 

「晶さん、猫がいますよ」

「猫? どこに?」

「ほら、そこです」

 

 晶が小糸の指差す方向に目を向ける。

 

「なに言ってんの小糸っち。なんにもいないじゃん」

「え?」

 

 そんなはずはない。だって、その猫は目の前にいて小糸を見つめているのだから。

 

「君は浅古小糸だね? 小巻を探しているのかい?」

「お姉ちゃんをしっているの?」

「もちろんさ。でも、ここにはいないよ。もしも、僕と契約してくれるのなら。小巻のいる所に連れて行ってあげるよ」

「契約?」

 

 常軌(じょうき)()した出来事に、小糸は冷静ではなくなっていた。そもそも猫が話しかけてくるなんてありえないことで、しかも意味不明な契約の話までもちかけられている。

 

「小糸っち……だれと話しているの?」

 

 晶が立ち止まり、小糸を怪訝(けげん)そうに見ている。あの猫の姿が見えていないのならば当然の反応だ。

 

「晶さん。ありがとうございました。ここからは私が一人で行きます」

「ち、ちょっと! 小糸っち」

 

 なぜかは分からないが、ここからは晶を巻き込んではいけないような気がした。

 

「お姉ちゃんの所につれてって! 話はそれからだよ」

「いいよ小糸。僕についてきてよ」

 

 猫がそう言うと、なにもないただの空間に裂け目が現れた。現実とは思えない光景だが、小糸は猫に続いて裂け目に進入した。

 

「待って! 小糸っち」

 

 晶にも空間の裂け目は見えていたのかもしれない。小糸を追いかけるように飛び込んできた。

 

「なに……ここ?」

「おやおや、君もついてきたのかい? ここは危ないからおとなしくしたほうがいいね」

「猫がしゃべってる!」

 

 外にいた時は晶には猫が見えていなかった。それが見えるようになったということは、ここは普通の場所ではないのだろう。

 

「この場所は魔獣が作った異空間だよ。普通の人間が入りこんでしまうと、大抵は死んでしまうね」

 

 恐怖を(あお)る言いかただが、不思議なことに小糸はさほど怖さを感じなかった。しかし、晶は違っていた。いや、それこそ普通の人間ならば、死ぬと言われたら怖がるのは当たり前だ。

 

「私たち死ぬの?」

「大丈夫さ! この異空間には魔法少女がいるからね」

「魔法少女?」

「魔獣を狩る少女を僕たちは魔法少女と呼んでいるんだ」

 

 小糸は、だんだんこの猫のことが嫌いになってきた。詐欺同然にこんな所に連れ込んで、命を取引材料にしている。そして、回りくどい言いようだ。

 

「あなただれなの? なんのためにこんなことをするの?」

「自己紹介がまだだったね。僕はキュウべえ。君にも小巻のように魔法少女になって欲しいんだ」

「お姉ちゃんが魔法少女?」

「そうだよ。君は小巻以上に才能がありそうだね」

「それが契約ってことなのね」

「そうさ。魔法少女になってくれたら、僕は君の願いをなんでもかなえてあげるよ」

 

 空気が震えるような轟音が響いた。晶がしゃがみ込んで頭を抱えている。

 

「すぐに決めなくてもいいよ。まずは魔法少女の闘いを観ることだね」

 

 こっちだと言うように猫が歩き出した。

 

「晶さんはここで待っていてください」

「いやだよ。私は小巻の親友だから知る権利があるよ」

 

 意外なことに、晶はすっくと立ちあがり。強い意志を示した。

 

「キュウべえが危険だと言っていましたよ」

「それなら小糸っちも一緒でしょ? だから大丈夫」

「……」 

 

 それにしても奇妙な空間だった。見覚えのある場所だが、人っ子一人いない。それに、まったく匂いのない濃厚な空気。地面も土の上を歩いているようだ。

 そして、かなり遠くはあるが、小糸は信じられないものを見た。

 

「あれが……魔獣?」

「大きいだろう? だから魔法少女が必要なんだ」

 

 巨大な僧侶のような魔獣の手が光って、だれかに向かって光線を発した。だが、それは、突然現れた大きな盾によって弾かれた。

 

「あれが小巻の魔法だよ。最強の防御魔法を持つ浅古小巻はどんな攻撃も防ぐことができるんだ」

「キュウべえ……小巻は……いつ魔法少女になったの?」

 

 その質問は晶の口から発せられた。小糸もその質問をしようと思っていた。林間学校の火災事故。晶ともう一人の友人である長月美幸(ながつきみゆき)は姉の小巻に助けられたと言っていた。だとすると、小巻がキュウべえと契約したのはその時だろう。

 

「魔法少女にもプライバシーはあるよ。だから、教えることはできないね」

 

 突然の地震が発生した。いや、それは地震ではなかった。小糸たちからわずか数十メートルの公園駐車場脇に10メートルはあろうかという魔獣が出現したのだ。

 

「ばかな! そんな前兆はなかった!」

 

 キュウべえが慌てている。とはいっても表情がまるでないので機敏な動きからそう判断しただけだ。

 

「小糸、晶! 逃げるんだ! あいつに見つかるとまずい」

「まずいって……」

「いいから逃げるんだ晶! 走って元の場所に戻ろう」

 

 その言葉につられるように小糸と晶は走った。しかし、魔獣はそれを見逃さなかった。先頭を走っていた晶に光線を発射し、左腕に命中させた。 

 絶叫を上げて晶が倒れる。その左腕は切断こそしていないが動脈が切れた様子で激しく血を吹き出している。

 小糸は自分の上着を脱いで、袖の部分で晶の左腋を縛った。止血しなければ晶は出血多量で死んでしまう。

 

「小糸! 僕と契約するんだ! 契約して小巻を呼ぶんだ!」

「お姉ちゃん!」

「ダメだよ。ここからだと遠すぎる。でも、魔法少女なら距離は関係ない」

「……」

 

 魔獣が止めを刺そうと近づいてくる。小糸は初めて恐怖というものを体験していた。こんな状況では正常な判断などできない。

 

「願いを言うんだ!」

「お姉ちゃん! 私の声を聞いて!」

 

 小糸たちを攻撃しようとしていた魔獣が振り返った。そこには群青色(ぐんじょういろ)の光が空から降下していた。

 

「お姉ちゃん!」

 

 大きな斧を振りかぶった蒼き甲冑を(まと)った魔法少女が魔獣を一刀両断にした。ブロックノイズと小さな断片を残して消滅する魔獣。魔法少女がその断片を空中でキャッチしてこちらに歩いてくる。

 

「小糸……」

「お姉ちゃん」

 

 小巻の表情は怒りに満ちていた。小糸はこんな顔の姉を見るのは初めてであった。

 

「小糸!」

「怒るのは後だよ。今は晶さんを助けなきゃ」

 

 小巻の表情が怒りから焦りに変わった。

 

「美国! 急げ!」

 

 白い光と黒い光も降下してきた。それぞれ美国織莉子と呉キリカの象徴色だ。小巻が小糸をチラ見してから晶を抱きかかえる。

 

「傷を見せてみろ」

「小巻……また、ドジふんじゃったね」

「いいから……見せな」

 

 圧迫していた右手を離すと、再び血が(あふ)れだした。

 

「美国!」

「大丈夫よ、小巻さんどいて」

 

 小巻と入れ替わり、織莉子が晶の(かたわ)らに座る。その純白の装束が赤色に染まっていく。

 

「骨は折れていないけど動脈が切れている」

「治せるか?」

「ええ、魔法少女の奇跡を見せてあげる」

 

 それは小巻に対して言ったのか小糸へのものなのかは分からないが、織莉子の右手が白く輝いた。すると、溢れ出ていた晶の血が止まり、徐々にではあるが腕の傷も小さくなっていった。

 

「美国さん……これは奇跡なの」

「ちがうわよ行方さん。これは魔法よ、だって、私たちは魔法少女だから」

 

 小糸の意見は晶に近かった。人間の治癒能力だけではこんなことはできない。切断された動脈を繋ぎ、分断された筋肉細胞をこんな短時間で元に戻せる事象は奇跡と呼ぶべきだ。

 なんということだ。織莉子の治癒が終わった晶が立ち上がった。顔色も悪く、服も血まみれだが、普通の笑顔になっていた。

 

「私たちももう引き上げるわ。行方さん、家に寄って、着替えと食事をしていって」

「食事?」

「傷や怪我は治せるけど、血は作れない。それは食べ物で補うしかないわ」

「そういえば……結構フラフラするね」

 

 呑気な会話をする晶に、小巻にも笑顔が戻っている。

 

「晶はいつだって無茶ばっかりだ。心配するこっちの身にもなりなよ」

「やっと小巻らしくなったね。なんというか、ファイナル・ジャイア――」

 

 ――のどかな雰囲気が急変した。理由は、小糸の前に現れた薄紫(うすむらさき)に光り輝く宝石にあるようだ。

 

「小糸。それが君のソウルジェムだよ。手に取って」

 

 姿が見えなくなっていたキュウべえがひょっこりと現れる。ソウルジェムとは何のことだ? この宝石が自分のものだと言うのだろうか?

 小糸は助けを求めるように姉を見た。すると、小巻は口を半開きにして涙を流していた。

 

「お姉ちゃん?」

 

 小糸は、小巻の泣く顔も初めて見た。

 

「小糸……お前、こいつと契約していたのか?」

「え? 私はただ、お姉ちゃんに助けを求めただけだよ」

「キュウべえ!」

「あんな距離で小糸の声が届くわけないだろう。だからこそ、小糸も晶も助かったんだよ。逆に褒めてもいいと思うよ」

 

 小巻が斧の柄を強く握っている。今にもキュウべえに叩きつけそうだ。

 

「キュウべえ。しばらくどこかに行っていて」

 

 機転を利かせた織莉子が厳しい顔でキュウべえに忠告する。

 

「分かったよ織莉子」

 

 怒りの感情が解けたのか、小巻が悲しそうに小糸を抱き締める。

 

「なんてことを……お前……どんなことをしたのか分かっているのか?」

「でも……お姉ちゃんも」

「私はいい! ……私は、いいんだ」

 

 姉が肩を震わせて泣いている。なぜだろう。なぜか、小巻も悲しくなり、姉と抱き合って泣いた。

 

「小糸ちゃんだっけ?」

「え?」

 

 眼帯を付けた黒ずくめの魔法少女が話しかけてきた。

 

「ぶしつけで申しわけないけど……変身してみてもらえないかな」

 

 姉がその言葉に反応した。そして、小糸をじっと見つめている。

 

「なんだって……」

 

 姉の発した『なんだって』には絶望感が漂っていた。

 

「小巻だって……もしかしたらと思ってるんじゃない?」

 

 小巻がキリカと織莉子を見比べている。こちらとしてはあたふたするしかなかった。

 

「お姉ちゃん……どうやって変身するの?」

「想えばいいのさ、君の願いを想えばいい」

 

 答えたのはキリカだった。小巻は呆然と自分を見ているだけだ。

 小糸は意を決した。荒唐無稽(こうとうむけい)な魔法少女という存在。自分がそうだと言うのならば、現実かどうかを確かめるだけだ。

 

(私の願いは……お姉ちゃんを呼ぶことじゃなかった。なにもかもが分からない状態……そう、私の願いは……すべてを知ること)

 

 持っていたソウルジェムが強烈に輝き、小糸を光で包んだ。めまいのような浮遊感に意識を失いそうだ。

 

(これが……変身なの?)

 

 小糸は正気を保つように必死に抵抗した。やがて、その感覚が薄れ、(まばゆ)い光も収まっていく。

 

「鳥の……魔法少女」

 

 小巻が苦悩の表情で呻いた。その表現に相当する装束を小糸は纏っていた。鶏冠(とさか)のような大きな帽子、白色のマントの裾には羽があしらわれていた。まさに鳥の魔法少女だろう。

 

 小巻が表情を一変させて、織莉子に詰め寄り、彼女を平手で張った。バチーンという大きな音をたてて、織莉子はその場に倒れた。

 

「お姉ちゃん」

「小巻」

 

 小糸と晶が同時に声を上げた。なぜ小巻がそんなに怒っているのかが分からないからだ。

 

「美国……お前、知っていたな? 小糸が4人目の魔法少女だと知っていたな!」

「小巻」

 

 キリカが織莉子を被ように二人の間に入る。

 

「いいのよキリカ。私はそれだけのことをしたのだから」

 

 織莉子はすぐに立ち上がり、キリカを手でよけた。

 

「ええ、知っていたわ」

 

 キリカが心配そうに織莉子を見ている。色白の織莉子の左頬が真っ赤になっている。

 

「なぜだ。なぜ、私に隠した」

「私の願いのためよ」

「なに?」

「私の願いは、私の生きる意味を知ること。だれにも……その邪魔はさせない」

「狂っている……狂っているぞ美国ぃ!」

 

 姉の激怒を美国織莉子は正面から受け止める。なにもかもを悟ったような静けさが、小巻や小糸。キリカや晶をも圧倒していた。

 

「そうね、私は狂っているのかもしれない。でもね、狂わなければ、破滅を、暁美ほむらを止められない」

「教えてくれ……」

 

 小巻が懇願(こんがん)するように織莉子に語りかける。おそらく小巻も混乱しているのだ。なにが正しくてなにが正しくないかの切り分けができないのだろう。

 

「お前の予知を信じたい。だがな、それには根拠が必要だ」

「ええ」

「なぜ……小糸が必要なんだ? 小糸はどんな力を持っている?」

 

 それは自分も知りたい。魔法少女にはなってみたものの、果たしてどんな力があるのかは、小糸にも分からない。

 

「小糸ちゃんは、暁美ほむらを倒せる力を持っている」

「……」

「暁美ほむらの記憶操作を打ち負かすには……小糸ちゃんの幻影魔法を使うしかない」

 




次話:【佐倉杏子Ⅱ】
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