ー 東方呪血譚 ー   作:クロウト

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初投稿でやんす♡


〜序章〜 初めての幻想郷 編
不倶戴天【壱】


 

 

[ 才能 ]と言う言葉をご存知だろうか 。

この日本の現代社会では 良く耳にするであろう単語だからか

言葉の意味も何と無く分かるだろう。

才能 と言うのは、その言葉の通り [生まれ以って身に付いた能力]

と言う意味合いであり くどい言い方だと 天賦とも言う。

 

才能とは残酷でありながらも、美しい存在だ 。

才能に恵まれた者は 何かしらの秀でた能力を持って社会に

貢献するだろうし、少なくとも 社会の歯車の隷属に属す事は

無いだろう 。

しかし 、才能に恵まれなかった者は世界に淘汰され 歯車の

隷属にされてしまう。

これが どれほどの苦痛と地獄を齎すのかを才能に恵まれた者は

知らない。

 

____ 誰かが言った 。 [好きな事で生きて行けば良いと]

 

_____誰かが言った。[ 何者になる必要なんて無いと]

 

 

だが、そんな甘い言葉は全て 何かを成し遂げた者達の戯言に

過ぎない 。突きつけられる現実は 好きな事では生きて行けない

常に何者で有らなければいけないのだ。

その才能に対する歪な想いはやがて 負の感情となって人々に

降り掛かる 。

それはまるで 持たざる者を肯定するかのように 、はたまた

持つ者を否定するように 、その呪詛は絶え間なく 苗床の

ように 蠢き のたうち廻る呪いと成る 。

 

しかし 呪いを振りかける者あらば祓う者もそこには有る。

呪いを祓う才能を持った特異の人間達は 自らの呪いを以て

降り掛かる火の粉のような呪いを祓い続ける 。

 

これは 、そんな 呪いを祓う才能を以て生まれた あなた自身の

幻想入りの物語でもある ____ 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識を醒ました貴方が視界に捉えるのは 、赤と青の線が

入り混じったかのような 絶え間無く続くような空間であった。

地面と天井すらの区別も付かない中、あなたはふと自分が

フワリと “ 宙に浮いている事 “ に気付く 。

 

フワフワと あなたは その空間をホバリングするように浮かんでおり

これがどう言う事なのかを理解するには 今この時では理解するのが

遅かった 。

 

だが 、あなたの宙に浮く感覚は 自然とあなたの身に付いている

かのように 不思議と違和感は感じさせず、それどころか

自分の手足を扱っているかのように、前へ後へ右左へと

自身の身体を飛ばす事だって出来た。

その不自然なほどの浮遊感への慣れが頭を更に混乱させて行く。

 

そして、あなたは 自然と歩くようにして 自分の身体を前へと

突き出して 前進する 。

前進しても その赤と青の無機物の空間に変化は無く 。ただただ

静かな静寂が あなたを包み込む 。

そうして 浮遊を繰り返して行く後に 、その浮遊感に自然と高揚を

覚えつつある時だろうか 、その空間に嫌な彩りが一つ三つと

湧き上がってくる 。

 

それは灰色の火の玉のような形をしており、その火の中には

薄いが目を凝らして見てみると 、顔が映し出されているのが

認識できる。

その火の玉は一つだけでは無く 、三つの群れを成して

あなたを眼下に据えているのが分かる。

そして 同時に 、あなたの本能はその火の玉が此方に

敵意を持っている事も 理解する 。

 

これが夢ならばと 、あなたは考えるが その火の玉からは微かに

炎が持つ熱気が肌に感じる事で この現象が夢では無い事が、

はっきりする 。

 

夢の中の戦闘 、とは言ったものの 。あなたは 自身でも

この火の玉に対抗する術は無い と嫌な考えが頭を過ぎる。

素手や蹴りと言ったものが 通用するのならば、もしかしたら

ストレート一発で霧散しそうだが その前に自分の手のひらが

火傷するのがオチだ 。

 

さて、どうしたものかと あなたが考えに耽ろうとした時

火の玉の一つが あなたに向けて 体当たりの特攻を仕掛けて来る。

その体当たりは火の玉にしては 速く 、確実に自身の胴体を

狙ってきている事が明らかになるほど単純だった。

 

あなたは その火の玉をみて 、どうしようかと 迫り来る時の間

対策を練ろうとする 。

今一番 、有効なのは回避が最善だろう 。幸い火の玉の動きは

単純明快 。群れを成すと言う事は 火の玉一つ一つには

あまり強さが無い証拠となる為、火の玉側の手札は体当たり

や 精々火の粉を振り撒くしか無いだろう 。

火の玉達の攻撃をいなし続ければ、或いは隙を付いて拳打を

お見舞いする事が出来るかもしれない。

火傷するかもしれないが 、実体も持つ相手ならば 有効打でも

あるだろう。

 

その瞬間 、あなたは 自身の身体に流れている “ 何か “ の存在に

気付く。

頭の頂点から足のつま先まで流れている、この奔流。

力の奔流とも呼ぶべきだろうソレは青く 絶え間無く 流れ続けている。

感じた事も無いその力の奔流はあの謎の浮遊と同じく

あなたの脳を混乱させるばかりだ 。

しかし 、この火の玉に対抗出来るのならばと 藁にもすがる思いで

その奔流を あなたは何の躊躇も無く 、全身に流れている力を

拳にへと “ 流す “ 。

力の奔流を身体全体から力の5割を拳にへと流し続ける。

素の拳から流れを帯びた拳にへと変化させる。

これならば火の玉を殴っても 火傷せずに済むだろうと

確信を持つ。

 

 

_______ と、言う訳で 火の玉の突進を 持ち前の浮遊を活かし

右に回避 。浮遊の速度が勝り、火の玉の突進は前方の虚を

貫く。

そして、あなたは その隙を見逃さず 。浮遊の前進で火の玉の

距離を一瞬にして詰め 、すかさず 左ストレート のパンチを

火の玉に打つ 。

だが 、あなたのパンチはいつものパンチとは違うものがあった。

あなたの瞳には 今正に火の玉にへと打ち出されている左拳が、

何やら “ 黒い閃光 “ を浴びている事に気付く。

しかし その黒い閃光は 刹那にして あなたの瞳から消え失せる。

そしてその黒い閃光の終わりは 火の玉の身体を穿ち抜いた事に

よる事実の証明にもなった。

 

ゴパァンッッ!!!!!!

 

 

その蹴りは黒い閃光を放ちながら、火の玉へと直撃する 。

カウンターをモロに喰らった火の玉は 一瞬にしてその身を

霧散させ 空に散る。

 

同時に あなたはその蹴りをキメた直後 。身体から

凄まじいほどの 変化を得る。

黒い閃光の蹴りを放った後、あなたの身体は 万能感に満ち溢れる。

身体が軽い 、脳がフラットになり 冷静に頭を回せる。

四肢の筋肉は いつも以上に熱を帯び 筋力がいつもより二段上への

ステップにへと向上している事が分かる。

そして、あなたは 自身に流れている 力の奔流 ____ 、呪力への

理解が急激に深まるのを感じ取る 。

 

そうだ 。あなたはこの感覚に身に覚えがあった 。

何故 、今までこの力の事を忘れていたのだろうと 思うほど

腐るほど この力に覚えがあった。

 

打撃との誤差 0.000001秒以内に呪力が衝突した際に

生じる空間の歪み、威力は平均で通常の2.5乗。

そしてこの0.0000001秒以内の呪力が衝突した時に

煌めく黒い閃光 。

 

_______ 『 黒閃 』

 

黒閃を経た者は 呪力への核心への距離 が天と地ほどの差がある。

そしてあなたはこの黒閃を経て思い出した 。

この空間に来る前の自分の姿を 鮮明に脳が捉えた 。

 

 

 

あなたは ______ 《 呪術師 》だった。

 

 

 

 

人間の負の感情から産み落とされた呪いを祓う者 、それが

あなただったと言う事を思い出す。

そして 呪術師であった自分に刻まれた “ 術式 “ の存在もまた

あなたの脳内に鮮明に 映し出された。

 

 

火の玉の群れが突進を仕掛けて来る 。

その突進は心なしか先程の火の玉よりも速く力強い印象を

持つ。

 

黒閃の全能感に包まれ、この一瞬のやりとりの中で自身の

消えかけた記憶の一部を掘り返したあなたは その火の玉らに

向けて 自身の “ 術式 “ を放たんとする。

 

 

その術式は 自身の血を使い呪力で 物体•形状化 させ、

相手に放つ 術式 。

.... 嫌 、ここでは 『 血を操る程度の能力 』 と讃えた方が

正しいのかもしれない 。

掌に血液を限界にまで、圧縮させ 迫り来る火の玉達に向けて

その圧縮血液をブチ込む _____ ッ !!! 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____ 赤血操術 『 穿血 』 !!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビィィンッ !!!!!!

 

凄まじく甲高い音から放たれた穿血は、圧縮させた血液を

ビームとして射出させる事で高圧縮させた水圧レーザーの

ように 、敵を穿抜ける事も出来るし 横に薙ぐ事で

雑魚敵の処理も可能だ 。

あなたが放ったのは横に薙ぐ穿血 であり、横一文字に

放たれた穿血により、火の玉達は 自身の身体を

真っ二つに切断され そのまま灰燼と伏した 。

 

戦闘終了 、謎の火の玉に打ち勝ったのは 呪術師であるあなた

であり この無機物の世界に来てからは 初めて収めた

勝利であろう。

だが 勝利を収めたあなたは ある疑問を一つだけ残していた。

 

それは “ この世界に来た経緯がどうしても思い出せない “

と言う事 。

死んだか生きているかすらも良くわからず 、気絶しているのか

はたまた黄泉の国にへと連れ込まれたのか。

 

そんな事を考えて居ると 、あなたが立っていた空間には

眩い光が 差し込める 。

その光は 太陽のように明るく 、天井に空いた穴に刺す光

のような モノのように 酷く 安心するような物だった。

 

そしてその光は やがて空間全体へと蝕んでいき 、

あなたの意識もまた その光に引き摺り込まれるように

薄くなって行く。

薄れ行く意識の中、あなたの耳には 微かだが 確かに聞こえる

声が 入ってくる。

 

 

ーー 『 幻想郷は全てを受け入れるわ 』

 

 

 

 

その声と共にあなたの意識はまた仄暗い意識の底にへと

取り込まれてしまった。_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





初投稿です。(事実無根)
おまたせしました待望の二作品目です。
次回からは幻想郷の描写をなるべく積極的に書いていきたいと思ってます。ストーリー的には基本原作通りに進んでいく予定ではありますが
どっかでロストワードの要素をブチ込む恐れもあるんで、
ロストワードのタグも入れときます。

ではメリークリスマスあけましておめでとうございました(早とちり)
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