そんな駄作でよろしければ読み飛ばして、どうぞ。
◯月✕日
暗く、昏く、どこまでも広がる闇の中、最初に立っていた空間に似た所に俺はポツンと立っていた。
しかし、あそこにいたときのような気持ち悪さはない。
ここはどこだろうか。
記憶を探れば意識を失い倒れたとこまで覚えている。
あぁ、そう言えば声が聞こえたような
『思い出してくれたようで嬉しいよ、我らが代表』
「!?」
真後ろから声をかけられ慌てて振り返るとそこには、濡羽色の髪を膝裏まで伸ばした靭やかで綺麗な肉体の女性が立っていた。
雰囲気はどこかのほほんとした、俗に言う癒し系というやつだろうか。
だが、どれだけ目を凝らしても顔だけは判別できなかった。
仮面を被ってるわけでも、髪で隠れてるわけでもないのにだ。
『初めまして、我らが代表。まずは自己紹介をしよう。私は‐‐‐‐。ふむ、やはりだめか。ひとまず私のことはナナシとでも呼んでくれたまえ。』
「は…はあ。初めまして…。あの、ここは一体…?それにその声、貴女、俺が気絶する前に声掛けてきた…?
いや、そもそもあんた何者だ…!?
そう、そうだ、さっきも訳わからん魔法陣の上にいたり知らない知識があったり…」
『まあ、待ちなさい。まずは説明が先だ。君は一度、真実を知るべきだ。私達を背負っていく代表としてね。』
「…は?待ってくれ、真実?いや、それよりさっきもそうだ!?代表って何なんだよ!?」
『だから落ち着きたまえ。ふむ、人間がずっとこの暗闇にいるのはあまり良くないな。まずは景観を変えよう。』
女性、ナナシがそう言うと景色が切り替わり暗闇から夜明け前の野原へと変わった。
「なん…は?え…?ど、どういうことだ!?何をした!?」
『あぁもう煩いなぁ、落ち着けと言ってるだろう。』
『ガンド』
あまりの非現実的な現象を目にしてナナシに食って掛かると鬱陶しそうに指をこちらに向け呟いた。
途端、俺の肉体は動かなくなった。
『さて、立ち話も何だ。お茶でも飲みながら話そうじゃないか。』
瞬きをした一瞬のうちに先程までなかったはずのおしゃれな椅子とテーブル、ティーセットが存在した。
『いつまで突っ立ってるつもりだい?君も座りたまえ。』
ナナシが指を鳴らせば、俺の体は勝手に席につきティーポットから2人分の紅茶を入れていた。
さっきからわけがわからないことが起きてるが人間、混乱が一周すると落ち着くらしい。
『ふむ、だいぶ冷静さを取り戻したね。もう、体は自由に動くはずだよ。』
「……あ、その、ありがとうございます。」
『なに、本来であればただの一般人である君が世間一般から見て非現実的なことに連続して直面すればテンパるのも別におかしくはない。ただ、話をするときは頭が冷えているに限る。』
だからって落ち着かせる方法が些か強引ではないだろうか。
まあ、落ち着けと言われてるのにずっと錯乱してる俺が悪いのだが…
「あの、それで…ナナシさん、真実って?」
『別に敬称とかはいらないよ、呼び捨てでいい。とはいってもがナナシは仮称というか偽名というかとりあえずの名前なんだけどね。』
「いえ、でも…」
『慌ててる時は勝手に呼び捨てにしてたのだから今更では?』
「うっ、その、それは、その」
『それで?私のことはなんと呼ぶんだい?』
カップを傾けながらこちらを見るその目は楽しそうに細められていた。
「はぁ…からかわないでくださいよ、ナナシさん。」
『ふむ、残念。まあ、いずれ呼び捨てにしてもらえる時を楽しみにしてるよ。』
「あの、それで…」
『わかっている、ちゃんと説明はするとも。まずはじめにここは君の夢の中だ。』
「夢、ですか…。」
『そ、夢だ。試しにティーポットの中身を補充してごらん、思う通りになるから。』
言われたとおりにしてみれば先程まで軽かったティーポットはみるみる重くなった。
『さて、ここからはひたすら説明パートだ。耳の穴をかっぽじってよ〜く聞きなさい。質問はあとで受け付けよう。』
『まず、君は死んだ。カルデアで説明されただろう?世界が漂白されたと。君も私も世界から消されたということさ。』
『そして君はカルデアにサーヴァントとして召喚された。サーヴァントというものについて簡単に話すと世界─人理が認めた英雄、あるいは人理と契約した者の複製体と思ってくれていい。』
『人理は霊長と共にある、故に人理は一般人を守るために優秀な人材を漁り、魔術師が勝手にそれを複製・使役してるというわけだ。』
『では、君は英雄なのかと言えばそんなわけがない。座に登録されるのは本来ありえないことだ。』
『だが実際に召喚された。これはイレギュラーなことだ。これでも私は魔術師だ。智慧を総動員してある仮説を立てた。』
『答えはあの橙色の髪の少女、君の幼馴染だ。彼女は人類最後のマスターだ。わかるかい?焼却、そして漂白された人理からすれば彼女が行動しなければ問答無用で詰みだ。』
『故に君だ、君という人質を使って彼女を働かせようという魂胆なのだろう。』
『さて理由は解ったがまだ方法がわからない。ここを考える際のヒントは私が君の夢の中にいることだ。』
『話は変わるが君は最初、私のことを疑問に思ったはずだ。何故、私の顔が認識できないのか。』
それは確かに思った。
『答えは単純、私は顔のない一般人だからだ。人理からすれば守るべきだが正直小さすぎて区別がついてないのさ。』
『君を座に登録するために漂白で消える直前の世界の一般人を転写、君にぶち込んだのさ。これで君の霊基を登録可能まで持ち込み、一般人代表として座に登録したという寸法だ。』
『故に君は私達を背負うもの、一般人である我らが代表なのさ。』
『君は、人理から最後のマスターに向けての贈り物ならぬ贈り者なんだよ。』
情報量が多すぎてわけがわからない。
状況を飲み込むなんてできなくて完全に質問どころじゃない。
夢であったらと願わずにはいられない、そんな混沌とした話だった。
『ついでに言うとみんな邪魔になるからと遠慮しているが、君の中には私以外にも顔のない一般人がたくさんいるから』
お願いだから………勘弁してくれ…!
つまり───何を意味する?
・ぐだ子に確実に仕事させたい人理が一般人(幼馴染)を送りつけたよ、責任感もって働いてね?
・幼馴染を送りつけたいけどコイツはちと弱すぎる、せや!余ってるゴミども(現代人)を全部ぶち込んだろ!
・サーヴァント共にもちゃんと働いて欲しいな、この前焼却されたときに勢い余って修復しすぎたやつあるじゃん!ゴミども(過去の一般人)もついでに全部ぶち込むか!
・ゴミどもの塊なんだから登録名もゴミの代表でええやろ、とりあえずお前は死ななきゃええ。(ガッツ付与)
・幼馴染はちゃんとデータとして取っといてるが他はゴミデータなので保存するときに少しばかり削ってあるよ(顔や名前)、データ管理できて偉い!
うーん、この