金獅子の舞 〜運命の誓い〜   作:ZJapan

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聖杯戦争

「さて、行くか」

 

和服の建物の縁側で学生服を着た巨漢がタバコの火を消して立ち上がる。

 

「お、(わか)。もうそんな時間で?」

 

そう言って顔に古傷のある強面男が話しかける。

 

「おう、総司(そうじ)今日はもう帰って大丈夫だ。ココ最近は平和だからな」

 

「へい」

 

強面の男が頭を下げると、その男は玄関から荷物を持って出る。

 

「今日は金曜か」

 

巨漢が学生のバッグを持って、革靴を履いて外に出る。そこの家の標識には、千石(せんごく)と書かれていた。

彼の名は千石龍二(りゅうじ)

 

東方会(とうほうかい)直系千石組組長、千石龍二。

学生でありながらこの都市を牛耳る千石組の組長となった。

彼が15の時、とある事件に巻き込まれ、解決をした手柄と、その事件で殉職した父親を継いで組長となった若き伝説。その生き様はまさに伝説と呼ぶに相応しく、裏社会で東方の金獅子とまで言わしめた漢。

 

そんな漢は、今…都内の高校に通う高校2年生だ。

 

「よ、龍ちゃん!」

 

「おうカケル」

 

「龍ちゃんおはよー」

 

「和泉、転ぶなよ」

 

彼の交友関係は広く彼の人柄もあり、かなり周りからの評価は高く、信頼されていた。

 

そしてこの物語は、そんな彼が運命に弄ばれながらも…彼が更なる伝説へとなる話。

 

「龍ちゃん、この後暇?」

 

放課後のチャイムが鳴り、朝に挨拶をしてきたカケルがそう龍二に話しかける。

 

「悪いな、この後予定があんだ」

 

「まじかァ、カラオケでも誘おうかと思ったのに」

 

「ふっ、また今度誘ってくれ」

 

「おうよ」

 

そして彼は真っ直ぐ家に帰る。

家に帰ると事務の仕事の相談を部下と始めた。

 

「そっちのシノギはどうだ?問題は?」

 

「問題は無いです。けど少し売上は落ちてるみたいですね」

 

「人手不足か?」

 

「えぇ、不動産業はどうも独立が多くて…」

 

「なら人員確保だな。給料少し上げろ、それで人員が確保出来りゃ売上も見込めんだろ。3ヶ月後の上納金には間に合うはずだ」

 

「へい」

 

激務を終えて、組員が帰った後…彼は縁側に座りタバコに火を付けた。

 

「ふぅ、ヤクザってのも大変だな」

 

そうポツリと呟いた。

しかし、彼の休息は長くはなかった。

 

「よぉ、あんたが千石龍二さんかい?」

 

「ん?誰だあんた?」

 

全身青いタイツを着て、鎧を付けた様な男が家の塀の上に座っていた。

その男は赤い槍を持ち、優雅に夜風を浴びていた。

 

「あんたに恨みは無えが…悪いけど死んでもらう」

 

そう言いながら青い男は塀から飛び降りて槍を構えた。

 

「穏やかじゃねえな」

 

龍二はその威勢を汲み取り、タバコを捨てて構える。

そしてその男は躊躇無く龍二の心臓を狙って一突きする。

 

「なっ!?」

 

しかし、その槍が龍二に当たる事は無かった。青い男は槍を避けられた事に表情を歪ませた。

 

「チッ…」

 

そして龍二も、その槍の速さにこの男が只者では無いと判断した。

この一瞬で、両者に緊張が走る。

 

「てめぇ、本当に人間か?」

 

「悪いがただの極道だ…お前こそ何者だ?」

 

「ふっ、本当に何も知らねぇんだな」

 

「あ?」

 

そう言って青い男が構え直す。

 

「最初はガキの殺しなんて気が進まなかったが…気が変わったぜ」

 

「チッ、しょうがねえな…死ぬ気でかかって来い!」

 

そう言うと青い男が槍を突き刺す。そして青い男の槍を捕まえて、龍二はその男の脇腹に一撃、拳をめり込ませる。

 

「ガッ…!」

 

そして倒れた青い男の頭を掴み、地面に思い切り投げつける。

 

「オラァ!」

 

その男は10mほど吹き飛ばされ、苦しんでいた。

 

「…まだ意識があんのか…タフな奴だな」

 

「お前…なんで俺に攻撃が出来る!?」

 

「あ?何言ってやがる?」

 

「魔術じゃねえ…まだマスターでも無いはずだろ!?」

 

「さっきから何をブツブツ言ってやがる…」

 

魔術だの、マスターだの、この男は意味の分からないことを言っていた。

 

「クソッ…うちのマスターが警戒するわけだ…この俺と同等かそれ以上の神秘を持っているとはな…」

 

「意味の分からねぇ事をブツブツと」

 

すると青い男が立ち上がり、塀の上に飛び上がる。

 

「今日は一旦下がるぜ…次に会う時は油断しねぇ」

 

「待ちやがれ!」

 

そしてその男は姿を消す。

 

「な…ッ!?何なんだ…一体」

 

龍二は疲れて、その場に座る…そして先程青い男から受けた傷から血が滴り落ちた。すると座った場所から光が現れ…そこは魔法陣の様に光って龍二の目を刺激した。

 

「今度は何が起きてやがる…?」

 

急いでその場から離れるも、右手に激痛が走る。

 

「ぬっ!?なんだこれは…?紋様…?」

 

手の甲に刻まれたのは赤い紋様。そして目の前の光が強くなり、そして。

 

「クソッ…!?」

 

「うわぁああ!」

 

どうやら上から人が降って来た様だ。

 

「今度は…誰だ?」

 

「いてて…もー乱暴だなぁ…」

 

龍二は構える…しかしその人物を見た瞬間、拳を下ろした。

 

「お、女?」

 

「へ、あ…けほんけほん」

 

その女はスカートの汚れを払い落とし、腰に手を当てて胸を張る。

 

「君が私のマスターか?」

 

「…は?」

 

突如として現れた女は綺麗な銀髪を揺らし、自信ありげにそう言った。

しかし龍二はそのまま女の頭を鷲掴みして、宙に浮かす。

 

「痛い痛い!なんで!離して!」

 

「誰だお前、人の庭に入って来やがって…さっきの青い男の仲間か?」

 

「分かった!事情を説明するからとにかく離して!」

 

閑話休題。

 

「んでお前は何者だ?」

 

「私はセイバーだ!そしてあなたがマスターだ!」

 

もう一度、龍二は女の頭を鷲掴みにする。

 

「ごめんなさい!一から説明するから離して!」

 

「チッ、何がどうなってやがる…」

 

こうして龍二はその少女の話を聞く事にした。

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