Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
今作は、新年記念作品として、書かせて貰います。
仮面ライダー555の映画も、今年公開され、リコリスリコイルもまだまだ盛り上がると思います。
そんな記念という事の作品ですが、いきなり鬱な話となりますが、よろしくお願いします。
雨は土地に浸み入り、地表を湿っぽい冷ややかさで被った。そして地底を甘味のある地下水で満たしている。
既に、夜の帳に支配されており、路地裏では、ほとんどの光はなかった。
そんな路地裏にて、まさしく、戦いは行われていた。
「はあぁぁ!!」
夜の闇を引き裂くような赤い光。それを身体に身に纏いながら、彼、仮面ライダー555は眼前にいるオルフェノクと戦っていた。路地裏に潜んでいたと思われるオルフェノクの、その数は異常。10体以上もいるだろう。しかし、彼は臆することなく立ち向かう。何故なら、彼に守るべき者達がいるから。
「うおぉぉぉ!」
555が雄叫びをあげながら、敵へと突っ込んでいく。オルフェノクは拳を振り上げ、迎え撃つ体勢をとった。振り下ろされる拳に対して、555はその拳を掴み、勢いよく背負い投げをした。地面へと叩きつけられたオルフェノクに向かって、そのまま蹴りを叩き込む。腹部を貫かれたオルフェノクは悲鳴をあげる暇もなく灰と化した。
だが、まだ戦いは終わっていない。仲間が倒されてもなお、オルフェノクは次々と襲ってくる。今度は2体のオルフェノクが現れて、左右から同時に攻撃を仕掛けてきた。右からは爪による攻撃。左からは牙による噛みつき攻撃だ。555は両腕を使って防ぎつつ、敵の腹を思いっきり蹴飛ばす。吹き飛ばされた2体は互いにぶつかり合い、その場で倒れた。その間に555は瞬時に構える。
『COMPLETE』
電子音が鳴り響くと同時に、彼の身体は紅い炎に包まれていく。それは、彼が装着している強化スーツの機能だった。555の強化スーツには様々な機能が備わっている。例えば、今のようにファイズショットと呼ばれるアイテムを装着することで、必殺技を発動することが可能なのだ。555は走り出すと、右足にエネルギーを集中させ、思い切り飛び上がった。空中で一回転し、そのまま跳び蹴りを放った。
技名と共に放たれた一撃により、残りのオルフェノク達は全て倒された。555は着地すると、すぐに辺りを見渡した。周囲にもう敵はいないか確認する為である。
しかし、安心はできない。555は、すぐにとある場所へと向かう。
「おぃっ、まっ」
そう、555が問いかけた相手。
その問いかけた相手は、既に事切れていた。
その人物の胸は穴が開いており、それを行ったと思われるオルフェノクがすぐ近くにいた。
同時に、その相手の腕の中には幼児が泣いていた。
その幼児に向けて、オルフェノクが手を伸ばそうとした。
「そいつにっ、手を出すな!!」
そんなオルフェノクに対して、555は叫んだ。彼は急いで駆け寄ると、力任せに殴りつけた。攻撃を受けたオルフェノクは怯み、その隙に555は幼児を抱きかかえる。そして、安全な場所にまで避難させた後、再びオルフェノクの方へ視線を向けた。
そこには、先ほどよりも多くのオルフェノクが集まっている光景があった。どうやら、この場所が彼等の集合地点になっていたらしい。その数は100体以上。とてもではないが、1人で相手にできるか分からない。
だが、555の腕の中にいる幼児を見る。
「……大丈夫だ」
そう、子供に安心させるように呟く。
同時に、555は、その手には最強の武器であるファイズブラスターを構える。
「……お前は、絶対に守る、命に代えてもな」
それと同時に、彼は戦った。
1時間後。
「巧!!」「真理っ!!」
その現場となった場所に、複数の人影が見える。
雨の中で、必死に走る。
そこには、555と同じ戦士だけではなく、オルフェノクもいた。
彼らは周囲に、雨で固まっている灰を見ながらも、仲間の、555の元へと向かう。
「たっくんっどこにっ」
そう、言いながら、彼が目撃したのは一つ。
それは、他の灰に紛れて、分かりづらかった。
だが、その灰が、死ぬまで装着していたと思われる物、ファイズドライバーがあった。
ファイズドライバーもまた、既に損傷しており、再び使う事が出来ない程に。
「そんな嘘だろ、巧っ、真理!!」
同時に目にした死体となった少女、真理の姿を見て、頭を抱えるカイザ。
「なんでっ、こんな事にっ」
そんな状況に混乱している仲間達、周囲を見て、何かを見つける。
そして、それを慌てて拾う。
それは、巧だった灰。
その灰が、まるで、それを守るように覆っていた。
ゆっくりと、それを拾う。
「生きているっ」
それは、555が、最後まで守った命。
二人が命懸けで守った子供であった。
「とにかくっ、この子だけでもっ絶対に死なせないっ」「あぁ!」
それと共に、雨の中で彼らは走る。
《2006年、乾巧と乾真理死去。同時にファイズドライバー及びファイズフォンは再起不能な程に損傷。
2006年、彼らの子供は施設へと預かる事に。だが、その後の詳細な居場所を見つける事が出来ず、行方不明。
2013、電波塔事件発生。その際、彼らの子供だと思われる少女を目撃。その後、捜索するが発見されず。
2023年、新たな電波塔にて、似た少女の目撃。その後、病院にて治療している所を発見。それによって、生存を確認》
それらの報告書を見ていた、一人の青年は、そのままゆっくりとある物に目を向ける。
「……まさか、この時になって分かるなんて」
そうしながらも、そのトランクケースを持って、歩く。
「どうか、彼女を守ってやってくれ、巧君、真理さん。そして、頼むよ、ファイズ」