Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
「いやぁ、たきなも手に入れちゃったねぇ」
「手に入れたというよりも、貰ったというよりも」
そうしながら、たきなはその手にあるミューズフォンを見つめる。
海堂から渡された次世代のライダーズギアに関しては、私も未だに情報がない。
それは、開発して、完成したのが本当にごく最近という事も関係しているらしい。
「ですが、ファイズのようなAIは組み込まれていないんですね」
「それに関しては私も分からないが、おそらくは理由があるのだろう」
おそらくは、このミューズフォンに組み込まれているシステムに影響をしているか、それとも別の理由なのか。
「……ですが、私は千束のように戦えるのでしょうか」
「というと?」
それに対して、バディは首を傾げながらたきなに問いかける。
「例え、私自身がファイズのようなスーツを身に纏ったとしても、オルフェノクと対抗して戦えるのかどうか分かりません。
なので、それが不安で」
「うぅん、別に良いンじゃないのかな」
たきなが悩む最中、バディはそうたきなに向けて言う。
「それは、私が役に立たないという事でしょうか」
たきなは、そう言いながら、少しばかり落ち込むような様子を見せる。
その言葉に対して、バディは首を振りながらも口を開く。
「違うよ、たきなはたきなのままで良いと思うってことだよ」
「どういう意味ですか?」
たきなは、そのまま千束のバディの言葉の意味を聞く。
そして、バディはそのまま言葉を続ける。
その言葉とは、こうだ。
「人は人、自分は自分」
それを体現するのが、バディであるならば、たきなはたきなりの戦い方を見つければ良いのではないか。
そういった考えであった。
だが、それは、たきなにとっては納得できる答えではなかった。
「私は、自分が何のために戦うべきなのか知りたいのです」
そう言いながら、たきなはバディの方を見る。
その視線を受け止めるかのように、バディはたきなの事を見ながら答える。
「じゃあ、たきなはどうして戦うんだい?」
「それは、千束とリコリコの皆と一緒にいる日常を過ごしたい。
けど」
「だったら、それで良いじゃない。私もファイズの事はもうリコリコの一員だと思っているよ。
きっとたきなもそう思っていたら、その子も答えてくれるんじゃないかな」
そう、たきなの持つミューズフォンに目を向ける。たきな自身も、自分の持つこのスマートフォンが自分の相棒なのだと感じていた。
「……そうですね、ありがとうございます」
そうして、たきなは頭を下げる。
その表情は少しでも晴れたようであり、先ほどまでの悩みが無くなったように見えた。
「うん、それなら良かった」
バディもまた、安心したように微笑む。
それと同時だった。
「バディ」
「もぅ、こういう時に限って」
そう、バディの言葉と共に周囲を見る。
こちらに近づく影。
それらは、私にとっても見覚えがあった。
「ロブスターオルフェノク、クロコダイルオルフェノク、それにっドラゴンオルフェノクっ」
それだけではなく、多くのオルフェノクがこちらに向かってきている。
まるで、私たちを逃さないように包囲しているかのようだ。
そんな状況でも、バディは冷静さを保ちつつ。
「たきな」
「……えぇ」
それと共にミューズフォンをたきなは構える。
そして、バディと共にコードを入力する。
『Standing by』
同時に私とミューズフォン。
二つが同時に鳴り響く。
そして、バディとたきなが同時に構える。
「「変身!!」」
『COMPLETE』
鳴り響くと同時だった。
バディは、そのままネクストファイズへと変身する。
そして、たきなもまた同時に姿が変わる。
頭部の構造は私を想起させており、メインカラーは青と黒。上半身に装甲が集中し、胸部アーマーと両肩アーマーにはギリシア文字の『Μ』を模した白いラインが走っている。
下半身と腕周りのデザインはネクストファイズのほぼ色違いとなっている。
「これが、ミューズ」
『へぇ、これが俺のバディか、よろしく頼むぜ!』
「……この声は」
『まさか、君がミューズか』
そう、私はたきなの腰にあるミューズだった。
『それではこれからよろしく頼むぜ、相棒に先輩!』
なんというか、色々とマイペースな性格な気がする。