Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
いつもは和やかな雰囲気がある喫茶リコリコ。
しかし、それは私を中心に重かった。
「ファイズ、あなたは一体何を隠しているんですか」
正面にいるたきなは、そう問いかける。
あの時に草加雅人が放った言葉を確かめるように。
「隠している事はある。だが、これは私自身もまだ確証を持って話す訳ではない。
そして、約束をして欲しい。その事実を悲観しないで聞いて欲しいと」
「今更、お前が敵とは考えないよ。第一、その隠し事はどうせ、千束の事だろ」
既にここまでの事で察したようにクルミは言う。
同時に私は頷くと共に、バディを見つめる。
「ならば、話そう。バディの父親、私の最初のバディである乾巧の事を」
「ここで、彼が出てくるという事はまさか」
「そうだ、バディ。君の父はオルフェノクだ」
そう、私は伝えた。
不安ではあった。
彼女にとって、もしかしたら重い事実かもしれない。
「ファイズ、聞きたい事が一つあるの」
「なんだ」
バディは、そのままこちらを見る。
「お父さんは、人を殺した事はあるの」
その事を確かめるように。
それについては、私の答えは決まっている。
「人を襲っているオルフェノクを相手に殺した事はある。だが、バディ自身は人を襲った事はない。
彼は、自分の中にあるオルフェノクの力が人を襲う事を恐れて、人から離れていたぐらいだ」
「そっかぁ、それじゃ、少し安心した。うん」
「千束」
バディは、どこか安堵したように笑みを浮かべる。
「お父さんが、誰かの為に戦った。オルフェノクだろうと人間だろうと関係なく。それが知れただけで、私は自分の事を誇れるよ」
「だけど、千束がオルフェノクだとしたら、今までなんで、オルフェノクの姿にはなれなかった訳?というよりも、あんたなれるの?」
「えぇ、分からないよ。というよりも、お父さんって、どんなオルフェノクだったの?」
「ウルフオルフェノクだ、このような感じだ」
そう、私は画像を見せると、おぉとバディは驚いた。
「格好良い、だったら」
バディは、そのまま構えた。
しかし。
「あれ?」
「なりませんね」
「えぇ、少し期待していたのにぃ」
「遺伝するとは限らないからな。それにバディ、確か、君には心臓がなかったと聞く」
「えっうん、そうだよ」
バディの心臓は、いわゆる人工心臓。
幼い頃に病気で、心臓に病があり、それを手術で変えたらしい。
「オルフェノクの力の源は、心臓にある。
彼らが仲間を増やす際には、そのエネルギーを心臓に送る事でオルフェノクに変える」
「なるほど。だけど、それだけではないんだろ」
「あぁ、大抵の人間は、エネルギーに耐えきれず、オルフェノクになれずに灰になる」
「それを聞くと、少し残念なような」
その会話ではあるが、なぜか私は引っ掛かった。
なんでこの、話題で疑問に思ったのか。
しかし、それは今は関係ないだろう。
「だが、バディにも、僅かにだが、オルフェノクの力が受け継がれている」
「んっ、もしかして」
「千束の動体視力」
それに頷く。
「バディは、私達のライダースギアの中でも最速の力であるアクセルフォームを十全に使える程の動体視力があった。
それらを考えれば、バディにも、それを可能って」
その言葉の途中で、バディは私を掴む。
「なに、そのアクセルフォームって!むちゃ格好良い奴はぁ!なんで隠していたの!」
「いや、これはかなり扱いが難しく10秒間だけ1000倍に加速するから「やりたい!やりたい!」えぇ」
「ファイズ、これはもう少し、隠しておくべきではなかったんでしょうか!
そのたきなの言葉に私は頷くしかなかった。