Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
「んっ」
その声が聞こえると共に、私は再起動した。
周囲を見渡すと、そこは何かの実験施設のように見えた。
周囲には、機械の残骸が多くあり、その中には、かつての私のボディであるファイズフォンとベルトがあった。
目の前にはバディが拘束されており、その近くには見覚えがある姿があった。
「草加雅人」
「やぁ、久しぶりと言っておこうか、ファイズ」
そう悪辣な笑みを、私に向ける。
「お前と話をするのは、本当に久しぶりだ。
そして、これはどういうつもりだ」
「どういうつもりも何も、俺の目的は既に知っているはずだ」
「それは、まさか、園田真理を復活させるという意味なのか」
それに対して、彼は頷いた。
「お前も既に知っていると思うが、真理は既に死んでいる。
彼女が死んだ事に悲しんでいた俺は、彼女をどうにか生き返らせる方法はないか探っていた」
「既に結婚していた彼女に対してか」
「俺がそれで、諦めると思うか?
とにかく、俺はその方法を探り続けた。そんな時に出会ったのが、アラン機関だ」
「アラン機関」
確か、少し前にバディから聞いた事がある。
あらゆる分野の天才を探し出し、無償の支援を行っている。
支援した才能が別の支援に活用されることもあり、まだ世に出回っていない先進技術による支援が行われることもある。
バディもまた、才能を持っていると聞く。
「彼らの調査と共に、彼女の心臓が機械の心臓へと変わった事を知った。
同時に、摘出された彼女の心臓も、そのまま破棄される予定だった」
「だった?」
それに対して、疑問に思った。
「なんと、完全に止まったはずの心臓が、また息を吹き返したのだよ。それこそ、オルフェノクの再生のようにね」
「まさか、その心臓が、王の心臓」
「あぁ、そうだ、最も、心臓の持ち主である彼女は勿論、機械の心臓で今も生きている。だからこそ、彼女は今もオルフェノクとはなっていない」
そうしながら、見せたのは、ケースに入っている心臓。
だが、その形は、オルフェノクを思わせる形だった。
「そして、この心臓を研究していると共に、過去に、王と呼ばれたオルフェノク達と同じ反応をしている事が分かった。それだけじゃない!人間とオルフェノクの間に生まれた子供達にある特殊能力もまた確認された!それこそが!」
「オルフェノクの再生」
それに対して、彼は頷く。
「オルフェノクの再生、それはつまりは真理の中に刻まれたオルフェノクの記号に反応するかもしれない。その為に、俺はここまで準備をした」
そう言い、草加は、見せる。
「真理が少しでも生き返らせる可能性の為に、真理の蘇生の間に邪魔が入らないように!全て入念に計画してきた」
「そこまで」
「俺にとっては、それだけの価値はあるからな。まぁ、その計画に邪魔だったカイザのデータは消させて貰ったよ」
そう、奴は言った。
それと共にケースにある心臓を千束に近づける。
すると、心臓の鼓動が強くなるのを観測した。
同時に。
「うっぐぅ」
バディが、苦しみ始めた。
すると、近くにあったケースの灰が変化していた。
バディと心臓が共鳴した。
それは、オルフェノクの王としての力が発揮された影響だろう。
近くにあった灰が、徐々に人の形へと変わっていく。
「はははぁ、凄いぞ!これだったら、蘇らせる事が出来る!真理!待っていてくれ!」
それは狂気の笑みだった。
彼は、愛する人の為に修羅となった。
もう、彼を止める者はここにはいない。
「くそっ」
苦しんでいるバディを、このまま助ける事が出来ないのか。
奴は、このまま実験を繰り返し、その内に、園田真理を生き返らせたら、きっとバディを殺す。
そんな事を。
「ちっ、よく分からないけど」
その時だった。
ふと、誰かが私を掴んだ。
それは、かつての私の身体があった場所。
破棄されたライダーズギアから現れた人。
それが、私を掴んで、そのまま草加の前に出てきた。
「・・・なんで、君が最初に蘇るのかなぁ」
それは、心底嫌になったのか、その人物を睨み付ける。
「俺だって知らねぇよ、けどな、聞こえちまったんだよ」
そうしながら、私を、腰に巻く。
「苦しんでいる声が、助けを呼ぶ声が」
そうしながら、私を操作する。
「だから、ここがどこで、てめぇがなんでこんな事をしているのか、さっぱり分からないけど」『5・5・5』
同時に、私に入力する手つき。
それには、確信した。
「そこにいる奴を助ける、変身!」『COMPLETE』
鳴り響く音声。
同時に、私は、彼に装甲を身に纏う。
この感覚を、私は忘れていない。
どんなに変わっても、私の記憶領域ではない。
人間で言う所の魂に、彼を刻んでいるから。
「君は、本当にどこまでも、俺の邪魔をするなぁ、乾巧!!」
そう、皮肉にも、草加が行おうとした計画の実験。
それで最初に蘇ったのは、私の最初のバディ、乾巧だった。