Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
「千束」
千束が誘拐されてから、一日が経過した。
DAの襲撃が行われ、リコリスの1人である千束が誘拐された。
その事もあり、DAは大きく騒いでいた。
すぐに対応を行おうとした。
だが、それを行う事は出来なかった。
「それで、組織の方針は」
「・・・動くなと言われたらしい」
そう、DAには命令されていた。
DAは、元々は日本の治安を守る為の組織。
そして、政府に従う事を義務としている。
だからこそ、政府直轄の草加雅人が率いる行動も、政府は容認している。
「だけど、このままじゃ千束はっ」
「あぁ、おそらくは王にされるだろう」
そんな千束を取り戻す為に、どうするか。
そこには、木場勇治を始めとしたメンバー。
そして、千束の仲間である喫茶リコリコのメンバーが集まっていた。
襲撃があっても、対応出来るようにと、喫茶リコリコで行われているが、その空気は重い。
「クルミ、ハッキングで、何か」
「そんな一日で分かる訳ないだろ。何よりも、向こうのファイヤウォールを突破するのなんて、無理だろ」
「っ」
そう、未だに安否が確認出来ない事に、僅かに顔を曇らせる。
そんな最中だった。
「っ」
木場を始めとしたメンバーが立ち上がった。
「どうしたんですか?」
「近づく、これは」
「ジェットスライガーっ」
「ジェットスライガーって」
その単語と共に、たきなは思い出す。
それは、千束がオートバジンと共に見つけた巨大なエアバイク。
なぜ、それがここに。
「まさか草加の奴が襲撃をっ」
「いや、だとしても、ここまで派手に」
「とにかく、外に」
そうしながら、彼らは外へと向かう。
それは、空を飛ぶジェットスライガーであった。
上空で、かなり派手に動いていた。
そして、真っ直ぐと、リコリコに向かっており、そのまま消えた。
「あれって」
そうしていると、ジェットスライガーから墜ちてくる人影。
それが何か、構えている時だった。
それは、そのまま地面に激突する。
周囲に土煙を舞い上がる。
同時に、土煙から僅かに見えたのは赤いライン。
それには見覚えがあった。
「あれって、まさかっ」
その正体を、その場にいる全員が知っている。
「ファイズ、ネクストファイズだ」
「それに抱えているのは、千束っ!」
それに驚きを隠せなかった。
なぜ、変身者であるはずの千束が、ネクストファイズに抱えられているのか。
たきなは、混乱していた。
「木場、一応聞くけど、ネクストファイズに変身出来るのは」
「ファイズが認める以外は不可能だ。だからこそ」
木場は、そのファイズの正体が誰なのか分からない。
「おい、本当にここが安全なのかよ」
『問題ない、ここならば、確実に味方はいる。というよりも既に来ているだろ』
そのやり取りに、リコリコのメンバーは首を傾げる。
聞こえて来た声は、確かにファイズだ。
だが、一方の声の正体は。
その疑問は。
「乾君」
「えっ」
木場の呟き。
それは、そこにいる全員が驚きを隠せなかった。
同時に、ネクストファイズの変身が解かれる。
その土煙の中から現れたのは。
「どうやら、間違いはなかったようだな」
「マジかよ」
それは、死んだはずの乾巧だった。
その登場に、全員が驚きを隠せなかった。
「いやいや、待て待て!こいつがアンドロイドっていう可能性はあるだろ」
「いきなり人をロボット扱いとはどういうつもりだよ」
「いや、だってなぁ」
さすがに信じられない事に、思わず海堂が怪しむ。
「それにしても、ここまで来たけど、このガキは結局何なんだ?」
「んっ、巧?」
それと共に、巧の言葉に、海堂は疑問に首を傾げる。
「もしかして、知らないのか」
「知らないって、何がだよ?というよりも、お前達に会ったら聞きたかったけど、千束はどこにいるんだ?」
「・・・あぁ、これは」
それと同時に、どうすれば良いのか分からず、一同は互いに目を見合わせる。
「その聞きたいけど、お前、今、何年か分かるか?」
「はぁ?知らないけど」
巧の言葉に対して、一同は頷いた。
「お前が死んでから、既に17年程経ったんだ」
「17年だと!」「痛っ」
同時に、巧が抱えていた千束をそのまま落としてしまう。
「もぅ、何をするのよぉ!!というよりも、誰!!」
「あぁ!人が助けたのに、いきなりなんだ、その態度は!」
そう巧と千束は互いに思わず叫んでしまう。
「あぁ、そのなんだ」
「あぁ、なんだ?」
それに対して、海堂も、木場もどう言えば良いのか分からなかった。
その時。
「千束!無事でしたか!!」
「おぉ、たきな!」
そのまま、千束を心配していたたきなが声をかける。
それに反応するように千束は手を振る。
「・・・千束」
その名前を聞いて、巧は固まる。
「それで、あれ、これってどういう状況?」
「あぁ、なんだ、千束」
「なに、先生?」
それを見ていたミカから声をかけられ、返答する。
「そこにいる彼は、おそらくだが、乾巧。つまりは、君の父親」
「・・・へっ?」
それに対して、千束もまた、巧を見る。
「・・・これは一体、どういう事なんだ?」
そう、思わずミズキが呟く。
「ふむ、ならば、私が説明しよう」
そう、ファイズがそのまま立ち上がる。
「とりあえず、中に入ってから説明だな、にしても」
呆然と巧と千束は互いに見ていた。
それは、驚きだろう。
同時に。
「何時の間に、デカくなったんだ」「なんというか聞いていた人物像とは違うような」