Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
「ここだったら、誰も来ないだろ」
そうしながら、バディ達が向かった場所。
そこは、あまり人が寄りつかない広場。
周囲には、人もオルフェノクもいない事は既に調べている。
だからこそ、これから行われる事に関しても、邪魔をする者はいない。
「千束、本当にやるんですか、その、せっかくのお父さんと再会したのでに、戦うなんて」
そして、これから行われるだろう戦いに対して、たきなは少し心配そうに呟く。
「そうだよ、たっくんだってさ、本当は千束ちゃんんと戦いたくなんてないはずだよ」
啓太郎もまた、久し振りに再会した巧を止めようと声をかける。
だが。
「ごめんね、たきな、それはたぶん無理」
「悪いが、こればかりは止めるつもりはない」
そう、2人は同時に喋りながら、既に起動している。
今回の戦いにおいて、私は両者、どちらにも加勢をするつもりはない。
2人のバディである私にとって、両者の意見は理解出来る。
「それに、これは戦いなんかじゃねぇよ」『5・5・5』
「うん、その通りだよ」『STANDING BY』
両者のファイズギアが既に起動の準備を終えていた。
「「ただの、親子喧嘩だから」」『COMPLETE』
鳴り響く音声と同時に、2人の身体は赤いフォトンブラッドの光に包まれる。
赤い光が晴れると同時に、そこに立っていたのは2人のファイズ。
歴戦の戦いを潜り抜け、夢の守り人と呼ばれる程に有名となったファイズ。
そして、ファイズの力を継承し、次世代の存在と呼ばれたネクストファイズ。
2人のファイズが正面に向き合う。
ファイズは、そのまま手首をスナップし、構える・
ネクストファイズは、瞬時に腰にあるネクストファイズフォンを取りだし、銃を構える動作を行う。
静寂が僅かに支配し。
「っ」
戦いが始まる。
最初に仕掛けたのは、ファイズだった。
巧自身が得意とするインファイトに持ち込む為に、接近する。
それに気づいたネクストファイズは、既に引き金を引いた。
「っ!」
ネクストファイズから放たれたビーム。
それに対して、ファイズはすぐに避けた。
次々と放たれたビームを避けながら、徐々にその距離を詰める。
「千束の、銃を避けている」
その光景を、千束の相棒であるたきなは驚きを隠せなかった。
リコリスの中でも最強と呼ばれており、何よりも多くの戦いを共に潜り抜けたからこそ、千束の銃の腕前は知っている。
そんな、千束の銃を避けている巧の動きに、驚きを隠せなかった。
そうしている間にも、ファイズは既にネクストファイズに眼前まで迫る。
「おらぁ!」「っ!」
ファイズは、そのまま大振りな拳でネクストファイズに向けて、殴りかかる。
その拳には、娘だからといって、手加減をするつもりはまるでなく、容赦なく放たれていた。
紙一重で、ネクストファイズは避けながら。ファイズは、そのままチンピラを思わせるような戦い方で、ネクストファイズの顔面目掛けてストレートを放つ。
ネクストファイズはそれを腕でガードし、同時にカウンター気味に拳を叩き込む。だがその一撃も空を切る。
それと共に、フェイントを交えた回し蹴りを繰り出すが、それも読まれていたのか避けられてしまう。
「なっ」
「へへぇ、お父さんってば、動きが見え見えだよぉっと!」
そのまま、ネクストファイズは、そのままネクストファイズフォンをファイズの腹部に当てると共に引き金を引く。
「ぐっ!」
さすがに至近距離からの攻撃を避ける事が出来ずに、次々と放たれるレーザーが、ファイズに当たる。
赤いレーザーの光が、ファイズの装甲に当て、そのまま飛び散る。
そうして、後ろに下がっていくファイズ。
「戦いの才能だけで言えば、既に千束ちゃんの方が上だ」
天性の才能。殺しの天才と言える程の、戦いの才能を持つ。
だからこそ、歴戦の戦士である千束は、父親である巧を越えている。
それは、誰の目から見ても明らかだった。
だが。
「はあっぁぁ!!」
「っ!!」
それに食らいつくのは、巧自身の泥臭い戦い方。
それが、皮肉にも、千束の才能に食らいついている。
ファイズとネクストファイズ。
性能でも才能でも、ネクストファイズの方が上だった。
だが、ファイズは、そんなネクストファイズに食らいつき、追い詰めている。
「ぐぅうぅ!! があああ!!」
そして遂に、その拳が、ネクストファイズの頬を捉え、吹き飛ばす。
「ぐぅう!?」
「どうした、お前の力はその程度か?」
ネクストファイズが地面に着地し体勢を立て直す間に、ファイズはゆっくりと歩み寄る。
「まだだよ」
そう、ネクストファイズは、そのままファイズを見つめる。
「だって、私はね、まだやりたい事が沢山あるんだ」
ネクストファイズの言葉を、ファイズに向けて、叫ぶ。
「だから、私はお父さんと一緒に過ごしたい! だから、お父さんを1人だけに戦わせないから!」
その言葉に、ネクストファイズが放った事に、ファイズは。
「だとしても、お前を戦わせる訳にはいくかよ」『EXCEED CHARGE』
それと共に、ファイズは必殺の一撃を放とうとした。
それは、必殺の一撃だとしても、それはこの戦いの決着をつける為の。
「だけどね」『EXCEED CHARGE』
それに対抗するように、ネクストファイズもまた構えていた。
互いに必殺技を放つために力を溜めていく。そして。
「「はあああぁぁぁぁ!!!」」
2人は、同時に必殺の一撃であるクリムゾンスマッシュが炸裂した。そして互いの技がぶつかり合い、爆発が巻き起こった。
爆煙の中、それでもお互いの姿を捉え続ける。
「はぁはぁはぁ」
そうして、ゆっくりと2人は向き合う。
「……はぁ、たく」
すると、巧は頭を掻く。
「本当にお前は、真理に似ているな」
「お父さん」
すると、巧は、そのまま変身を解除する。
「負けだよ」
そう、巧は、それを宣言した。
「お父さん」
それと共に、千束もまた変身を解除する。
そのまま千束は、そのまま巧に抱きついた。
本来だったら、出会う事はなかっただろう親子。
その再開に対して、周囲も少し和やかになっていた。
だけど、私は、それを確かに見てしまった。
「っ」
千束を抱き締める巧の、その手が僅かに灰になっていた事に。