Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
「ほらぁ、どうぞ、千束特性珈琲をぉ」
2人の戦いが終わり、そのまま喫茶リコリコへと戻った。
親子の仲が戻った最中で、千束が用意してくれた珈琲が巧の前に出されていた。
「珈琲か」
「えっと、たっくん、大丈夫なの?」
それと共に、巧が猫舌である事を知っている他の面々は、熱々の珈琲を出された事に対して、少しだけ不安になっていた。
だが、そんな面々とは裏腹に、巧は、その出された珈琲を見つめながら。
「・・・まぁ、大丈夫だ」
ゆっくりと珈琲を飲んだ。
何時、猫舌で悶えるか、オロオロする面々だが、それに対して、疑問に思う喫茶リコリコの面子。
だが、その珈琲に対して、巧は笑みを浮かべる。
「・・・美味しいな」
「でしょ!先生のを頑張って覚えたんだからぁ」
そう、巧は懐かしむように、笑みを浮かべる。
千束もまた、腕を組みながら、自信に満ち溢れた笑みを浮かべる。
「あんたが、その千束を育ててくれた先生なんだな。ありがとうな」
「いや、気にしないでくれ。私も千束と一緒に過ごせて、楽しかったのだから」
巧は、そのままミカの方へと頭を下げる。
巧が死んでから、父親代わりを務めてくれたミカ。
それに対して、巧は深い感謝があった。
「それにしても、巧。お前蘇ってから、猫舌も治ったのか?」
「あっ、そう言えば!」
海堂の一言。
それに対して、思い出したように、千束は思わず目を見開く。
「別に治った訳じゃねぇよ、ただな、喫茶店の珈琲はそのまま飲みたいと思っただけなんだよ」
巧は、そう懐かしむように言う。
「ふふっ、だったら、お父さんにはもっと色々な所に付き合って貰わないとね。散々放っておいたから」
「別に放っておいた訳じゃないし、付き合うつもりはないぞ」
「えぇ、良いじゃないのぉ」
「良い歳をして、我が儘言うんじゃない、たく、少し、外の空気吸ってくる」
「ぶぅぶぅ」「もぅ、千束」
そう、巧は、そのまま喫茶店から少しだけ出る。
「・・・私も少し風に当たってくる」「僕も」
巧に続くように、ミカも、木場もその場から出て行く。
「あら、先生が珍しい」
「おいおい、一応はまだ政府から狙われているのを忘れているんじゃないぞ」
「分かっているっての」
そう、店内では騒がしさがあった。
だが、少し離れた場所。
そこで、巧は壁に持たれた。
「・・・バディ」
「はぁ、たく、別に気にする事じゃねぇよ」
そうしながら、彼は、その手を見つめる。
ゆっくりと、崩壊が始まりかけている手。
「巧君、それは」
「・・・分かっているだろ、蘇生は不完全だって」
「やはり、そうなのか」
その言葉に対して、木場もミカもなんとなく察してしまった。
「王の力は不完全に発動した。それで蘇った君の身体は、おそらくはその時の寿命までも再現してしまったんだ」
「再現って」
「オルフェノクの寿命は人間よりも短い。俺達もまた何時死ぬのか分からない。巧君の場合は、あの時、無理に戦い続けて」
「・・・別に気にする事はねぇよ、何よりも、俺はとっくに死んでいたんだ」
「だとしても、なんとかないのか、方法は」
「まぁ、あるけどな」
「それは」
「千束を完全に王にする」
「っ」
それは、つまり、政府に、草加に千束を引き渡す事。
「まぁ、そんな事、するつもりはサラサラないけどな」
「怖くないのか?」
巧は。
「怖いに決まっているだろ、馬鹿なのか」
そう変わらない言葉で言う。
「けどな、それ以上に、俺はあいつの幸せの為に戦いたい。だから、それを止めるつもりはない」
「それが、君のやりたい事なんだな」
「あぁ」
そう、巧は頷く。
「・・・分かった、この事は、我々だけの秘密とする」
「けど、巧君」
「あぁ、分かっているよ」