Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
「お父さんが戻ってきて、とっても良い事だけど」
「結局、この戦いをどうやったら勝てるのか、全然分からないので」
そうたきなは呟く。
その最中で。
「まぁ、無くはないがな」
すると、巧が、そう口に出した。
「えっ、それは一体」
「面倒だけど、ようするに千束の心臓を完全に破壊するという事だ」
「あっ、そうか」
巧の一言に対して、千束は納得するように頷く。
「いや、それは確かに解決案として、良いかもしれないが」
「まぁまぁ、先生もそんなに思い詰めなくても、元々、私の心臓は機械だからね。何よりもその心臓のせいで争う事になるなんて、嫌だから」
「それは」
そう、千束は呟く。
だけど、その先で起きる出来事を知ってか、ミカはどこか悲しそうに呟く。
それは、木場も同じだった。
「悪いな、こんな事を背負わせて」
「お父さんは気にしなくて良いよ、病気だったのは運が悪かったし、心臓を壊されるってのは少し驚きだけど、元々は無くなっていた物だから」
「……そうか」
そう、巧は千束に対して謝る。
これは、自分を、これから殺すのと同じ事を背負わせてしまう事。
それに対する謝罪だと、千束は気づかない。
「……まぁ、とにかく、問題は」
「どうやって、スマートブレインにある千束の心臓を壊すかだよな」
巧は言う。
それに対して千束は呟く。
巧の言う通り、このスマートブレインにある千束の心臓を壊すという事は、難しい。
何せスマートブレインの本体であり、オルフェノクを復活する要。
「向こうからしたら、千束に心臓を与えて、すぐにでもオルフェノクの王として覚醒させたいと思うけど」
千束の言葉に巧が同意するように話す。
実際、巧の予想が正しければスマートブレインの連中は千束をオルフェノクの王として覚醒させる。
そして。
「雅人の奴は、真理の奴を蘇らせようとする。けどな、そんなのは」
「お母さんは望まない」
「あぁ」
「……うん、そうだよね、せっかくだから、お母さんも会ってみたかったけど」
巧と千束は雅人が千束の母、真理を蘇らせようとする事。
真理を生き返らせるためにどれだけの悲劇があるのか。
だからこそ、雅人の願いを叶えてはいけない。
「それならば、良い手がある」
その言葉と共に、木場が口に出した。
「何かあるのか?」
「本当だったら、千束ちゃんが攫われた時に、行おうとした手だけどね」
「相変わらず、抜け目がないな、お前は」
そう言うと木場は笑った。
それはまるで悪戯を思い付いたような子供の笑みだ。
「ならば、最後の戦いが始まるか」