Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
「・・・」
ゆっくりと千束は息を吸う。
それを、巧は見守る。
千束の、その行動次第で、この戦況は大きく変わる。
「君だって、せっかく再会する事が出来た父親を、またここで殺したいのか」
それは、悪魔の誘惑だろう。
だが、それはある意味、再開する事すらできなかったはずの父親である巧。
その命を選択しろと言われているような物だ。
「・・・うん、確かに嫌だね、このまま別れるのは」
「そうだろ、俺は、それを防ぐ為に行動していた」
タイガーオルフェノクこと、勇介の本音だった。
「このまま、放置すれば、母さんは、他の人間よりも早く死んでしまう。
そんな事を、俺は嫌だ!」
「だからこそ、王の力を」
巧のその言葉に、勇介は頷いた。
「だから、王となれ!そうなれば!!」
そう、彼は千束を見つめる。
その答えは。
「でも、お父さんも結花さんも、まだ何時死ぬのか、分からないよね」
「何を」
千束は、そう呟いた。
「確かに、私は、お父さんと再会出来て嬉しかった。これからもっと沢山したい事がある。それが、どれぐらい出来るのか分からない」
それと共に千束は、自分の心臓の鼓動を確認するように目を閉じた。
「けど、人間って、そういうもんだよ。オルフェノクだろうと、人間だろうとね。だから、正直な事を言うよ」
そのまま千束は、見つめる。
「私は、こんな下らない戦いをさっさと終わらせて、皆と一緒にパーティをしたい」
「何を」
千束の言葉に対して、勇介は後ろに下がる。
「お父さんにはホットコーヒーはあまり合わなかった。だからアイスコーヒーで美味しいのを飲んで貰いたい!先生の美味しい和菓子も!それにたきなを紹介していなかったからね」
「お前は、分かっているのか!それすら出来ないかもしれないんだぞ!」
そう、勇介は叫ぶ。
「君がお母さんを大切に気持ちは分かる。けど、それと同じぐらいに、今の私は、お父さんと一緒に過ごす時間を大切にしたい」
千束は、そう、構えた。
「永遠じゃない。限られたこの時間を沢山、楽しむ為に」
「限られた時間を」
その言葉を聞いた瞬間、勇介は、オルフェノクではなく人間の姿へと戻る。
「帰って、親孝行しないとね」
それを呟いた瞬間。
「どうやら、無理矢理にでも、やるしかないようだな」『Exceed Charge』
それを聞いた瞬間、草加は既にライダーキックを放つ準備を行っていた。
「あぁ、こっちだってすぐにでも終わらせる!」『Exceed Charge』
「うん、一緒に合わせて!」『Exceed Charge』
千束も巧も、同時に走り出す。
草加は、そのまま私を狙って攻撃を行う。
変身を無理矢理解除させる為に。
それに対して、2人は同時に跳び上がる。
草加は、既に脚から放ったポインター。
それは黄色いXを。
対して、千束と巧。
2人のポインターは一つに。
「っ」
「「はあぁぁぁぁ!!!」」
同じファイズ同士。
それ故に、共鳴するように、ポインターは通常よりも巨大になる。
それと共に放たれたクリムゾンスマッシュ。
その技の範囲は、周囲を吹き飛ばす。
スマートブレインの社内を、周辺を破壊するように。
「ぐっ」
「「はああぁぁぁ!!!」」
2人の雄叫びが共鳴する。
それは、戦いの終わりを告げるように。
「っ!」
草加が見えた光景。
それは、彼にとって、希望の象徴が光の中に消えた瞬間でもあった。