Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's!   作:ボルメテウスさん

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No one knows how long you can live. That's why

「ようやく、全部が終わったよ」

 

そうしながら、その墓の前で、千束は手を合わせていた。

そこには、今はもう、ここにはいない人物に対してだろう。

機械である私もまた、そのまま手を合わせた。

 

「あの後、草加さんは、生きているよ、一応は。けど、心が死んじゃったみたい」

 

あれから、草加雅人は、既に病院へとかつぎ込まれた。

戦いによるダメージなのか、それともこれまで支えていた希望が無くなったのか。

だが、彼は既に元に戻る事は難しいだろう。

彼にとって、真理が全てであり、それを取り戻す為ならば、どんな事でもしただろう。

復讐する相手がいるならば、まだ良かっただろう。

だが、その復讐する相手はもういない。

故に、もう出てくる事はないだろう。

 

「それと、勇介君達は家に戻ったよ。あんなに怒った啓太郎さんは見た事ないけど、それ以上に凄いビンタをした結花さんは皆、驚いたよ」

 

それでも、元通りの家族の光景を見られて、やる意味はあったと思えた。

 

「他の皆も、元気にやっているよ。政府に関しても量産型カイザがあまりにも危険という事で、量産型カイザはそのまま破棄されたよ。

オルフェノクに関しては、今も動いているよ」

 

苦笑いをしながらも言う。

 

「けど、オルフェノクが進化した人種と言っても、人である事は変わりない。

それでも人間は難しいよね。肌の色が違うだけでも争いが起きるのに、それ以上の変化だからね。けど、それを含めても進まなきゃいけないよね」

 

同時に千束の脳裏にあったのは喫茶リコリコで新しく常連となった人達。

最初は悲劇的だったかもしれない。

けど、そこから乗り越えた。

多くの事を乗り越えて、今はオルフェノクも人間も関係ない場所。

そうなった事に。

 

「だから、向こうでも元気でね、お母さん」

 

それと共に千束は、そのまま乾家の墓を見つめる。

千束自身、王の力はもう捨てた。

オルフェノクとして蘇る為の心臓がない以上、彼女がオルフェノクとして蘇る事はない。

今、彼女を動かしている機械の心臓も。

私が、その代用を生成出来るようになった。

 

『元々、ネクストファイズのマテリアイズは試験用に造られた物だったからね。

ファイズ自身の凡庸性と共に管理を行いながら、彼女の心臓の代わりを造る為のね』

 

それこそ、ネクストファイズが造られた訳。

戦闘ではなく、千束を守る為に造られた次世代機。

 

「・・・お父さん」

 

それと共に、千束は、少し寂しそうに呟く。

そして。

 

「おい、ここで合っているのか」

 

そこには、花束を持った巧が来た。

それと同時に。

 

「遅い!花を買いに行くのに、どんだけかかっているのよ!」

「仕方ないだろ、ここら辺の地形、変わっているんだからよ!」

「ファイズで調べれば良いでしょうが!何の為の携帯なんですか!」

「電話する為だろうが!というよりも、お前はそれになんでも頼りすぎだ!」

「最近の人間では当たり前ですよぉ!」

 

そして、2人はまた下らない事で喧嘩を始める。

 

「まったく、お父さんが死ぬって聞いた時は寂しいと思ったけど、全然死にそうにないじゃない」

「そうだな、まぁよく考えれば、当たり前だけどな」

 

そうしながら、巧はそのまま手に持った花束をそのまま墓前に飾った。

 

「人間なんて、何時死ぬのなんて分からないよ。100歳まで健康に生きられると言った人間がある日ぽっくりと死ぬ事もあれば、すぐに死んでしまうような病気にかかりながらも、長く生きる人間がいる。結局は、人間、何時死ぬのかなんて、本当は誰も分からないんだよ」

「・・・そうだね、私も実際にそうだったから。この心臓も」

 

そう呟きながらも、千束は笑みを浮かべる。

 

「だからね、生きるのはせっかくだから楽しくね!!それにお父さんには私のやりたい事!夢を沢山叶えて貰うからね!」

 

その言葉に対して、巧はため息を吐く。

 

「あぁ、そうだな。とりあえずは、珈琲飲みに行くか」

「おっ、それじゃ、先生の熱々の珈琲飲む?」

「馬鹿、アイスコーヒーに決まっているだろ」

 

そうして、立ち上がった2人は、そのまま進む。

私もまた、その肩に乗りながら、ふと隣を見る。

機械かもしれないけど、ふと見えたのは女性。

そして、その人物の笑みに、私も笑みを浮かべた。

丁度、千束の隣に一緒に歩くように

 

「ファイズ?どうかしたの?」

「んっ、いや、なに、隣に幽霊がいたような気がした。それだけだ」

「・・・機械の癖に何とんでもない事を言うんだよ」

「えぇ嘘!気になる気になる!どこにいるの!」

 

そんな日常が、これからゆっくりと。




今回で、無事にですが、最終回を迎えました。
ラストはどうするべきか、悩みましたが、やはり明るめのエンディングで終わりを迎えたく思いました。
本来ならば、戦いが終わった後に灰となる前の会話も良いかもしれませんが、人間はどこまで生きれるか分からないという事で、今回のエンディングにさせて貰いました。
そして、活動報告にて、別のお知らせを行っています。
興味がある方はぜひ。
そして、ここまで応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=315239&uid=45956
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