Lycoris Recoil Open your eyes for the next Φ's! 作:ボルメテウスさん
ファイズからの言葉を聞いた千束達。
その言葉はあまりにも衝撃的であった。
それを、二人だけでは整理出来ない事もあり、リコリコで、その話を行う事になった。
「乾巧って、この男か?」
そう、クルミが見つけた画像を確認するようにプロジェクターによって出てきた画像を見せる。
それは、画像の粗さもあり、少し昔の画像だと予想出来る。
「・・・まさか、千束の本当の父親が関係しているとはな」
それに対して、ミカは、どこか悲しそうに見ていた。
「先生、そう暗い顔をしないの。それに私も本当のお父さんって言われても、少しね。けど、うん」
そう、千束は少しだけ照れ臭そうに笑いながらも、乾巧の顔を見る。
「なんだか、お父さんが二人いるみたいで、嬉しいなとは思うよ」
「・・・私も少し分かります」
それはリコリス故だった。
彼女達は孤児であり、本当の父親も母親も知らない。
そんな環境の最中、本当の肉親の存在を知れるのは、嬉しい事であった。
「その、お父さんとお母さんは」
「・・・亡くなっている。それは、私がここで目覚める前に最後に見た光景だから」
そうファイズは、本当に悔しそうに手を握り締めていた。
機械であるはずのファイズだが、その声は本物だと感じた。
「それで、現状だとどういう状況なのか、僕達には分からない事ばかりだ」
「えぇ、ファイズが千束の元へと送られた理由も分かりましたが、スマートブレインはなぜ、わざわざ狙うんでしょうか」
「それが、私にも分からない。というよりも、謎があまりにも多すぎるんだ」
そのまま出したのは、千束達と戦闘を行ったオルフェノク。
「うわぁ、本当にいるんだ。というよりもこいつは?」
「センチピードオルフェノク、かつて、私達が倒したはずのオルフェノクのはずだ」
「なんだって?」
それに対して、ファイズが次に出したのは、眼鏡の男性だった。
「オルフェノクは以前にも説明したが、人間が一度死に、蘇る事によって誕生する人類の進化形だ」
「それじゃ、こいつもまた蘇ったと言う事なのか?」
「いいや、オルフェノクもまた一度死ねば蘇る事はないはずだ。おそらく同じ種類のオルフェノクが再度生まれたと考えるべきだが、能力がここまで酷似する事があるのか」
「まるでSFですね、本当にいたとは」
「というよりも、まさかリコリコに入って来たのもオルフェノクという事か?」
「あぁ、彼はスネークオルフェノクこと、海堂直也だ」
それと共に出てきたのは、かなり巫山戯た表情をした男であった。
「・・・本当にこんな奴に侵入されたのか」
「なにせ、17年前だからな。今はさすがに成長しているだろう」
「17年前か、それって、私が生まれた時か」
そう黄昏れるように言う。
「だが、それによって、推測は出来た」
「推測?」
そう、ファイズの呟きと共に画面が切り替える。
そこから流れるのは映像だった。
「2003年、人類とオルフェノクの争いがあった」
「2003年に」
そうして、流れた映像に映ったのは、千束が変身していたファイズとは異なる姿のファイズ。
「オルフェノクが急速にその数を増やしていた。そんな中で開発されたライダーズギアによって戦況が変わった」
「ライダーズギア」
次に映し出されたのは、7つのベルト。
「・・・お父さんは、ファイズと一緒に、オルフェノクを、人を殺したの」
「・・・あぁ、人を守る為に」
それに対して、千束は俯いていた。
「『迷っている内に、人が死ぬならば、戦う事が罪ならば、俺が背負う』それが、バディの言葉だった。そうした戦いを乗り越えた」
「オルフェノクを倒してか」
「いいや、オルフェノクを倒す事が目的じゃない」
「どういう事なの?」
「バディが望んでいたのは、人間とオルフェノクの共存だからな」
それを聞いた千束は、少しだけ嬉しそうに笑みを浮かべた。
「そっか、うん、少しだけ安心した」
「ならば、千束を狙うのは、その象徴だった巧さんの娘だったからでしょうか?」
「おそらくは、そうかもしれないが」
同時にファイズは腕を組んで、考えていた。
「・・・未だに謎が多すぎるのは事実だ。何よりも、今のスマートブレインがどうなっているのか、私にも分からない」
「その、お父さんの知り合いと会う事は出来ないのかな?」
「それが、一番かもしれないが、果たして会えるのか、そして」
それと共に千束を見つめたファイズはさらに頭を抱えた。
「会わせた方が良いのかどうか」
「どういう事なの」
「下手したら、修羅場になるから、色々と」
「機械から修羅場なんて単語が出たら、別の意味で気になるんだけど、あんたのお父さん、何をしたの!!」
「いや、私に振らないでよ!」
今回の話にて、毎日連載は終了となります。
次回は1月14日より毎週日曜日での連載となっていきます。