存在しないパラドックスポケモン   作:いちごの入った大福

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No.??? カラスノホシ

 

 

今日も今日とて探検日和。

いつもの洞窟の中をピカチュウと一緒に歩いている。

 

 

 

この洞窟の内部は相当に広い。最初はディグダの穴のように入り組んだ道が続いているが、途中から様子が変わって特殊な地形が増えてくる。先日大きなワタッコがいた広い空間なんかが一例だ。

 

これだけ入り組んでいると迷う危険もあるが、そこはピカチュウがサポートしてくれる。ピカチュウは鼻がよく、通ってきた道をよく覚えているのだ。

 

 

今日の私がたどり着いたのは、大穴の外周に螺旋状の道ができた不思議な空間だった。

 

 

「見てピカチュウ! ここすごい!」

「ギュ」

 

 

恐る恐る見下ろすと、地底深くまで続いているようだ。ピカチュウの放つ光だけでは奥底が見えない。螺旋状の道には遠目からでもわかるキラキラが見えていて、暗いのに明るい幻想的な風景を作っていた。

この洞窟は広い。まだまだ冒険しきれない場所が残されているようだ。

 

 

この道の先を進むには、穴を降りていくことになるだろう。この穴の下まで行くには螺旋状の道を降りていくのが安全だが、それではとても時間がかかりそうだ。普通に行っては夕飯の時間に間に合わなくなってしまう。

 

 

この高い場所を一気に降りられるとすれば、飛べるライドポケモンが必要だ。残念ながら私の手持ちには居ないので、またいつか新しいポケモンを仲間にしてからがいいだろう。

 

 

「ここはまたいつか来ようね、ピカチュウ」

「ギュッ」

 

 

次は別の道を探して、いつかまたここに来よう。

私はこっそりと再戦を誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな新しい地形を見つけた帰り道、わたしは野生のポケモンと対峙していた。

 

 

「あれはプリン!」

 

「ぷりぃぃぃあ!!」

 

 

図鑑No.377【サケブシッポ】 Lv.72

 

 

 

この洞窟にはプリンも生息している。ただ、外で見かける普通のプリンよりも身体が大きくて凶暴である。

もしかしたら進化系のプクリンかもしれない。図鑑で見たプクリンとは全然違うけれど、そういうものかもしれない。

 

 

「ぷりぃあ!」

「わっ!?」

「ギュッ!」

 

 

サケブシッポ > じゃれつく

ヒカルケモノ > アイアンヘッド

 

 

すぐさま襲いかかってきたプリンにピカチュウが「ずつき」を放つ。威力はピカチュウの方が上のようで、プリンを一気に吹き飛ばす。

ふわふわボディなプリンは吹き飛ばされてもすぐに衝撃を吸収して立て直した。

 

 

実力はピカチュウが上。このまま戦えばピカチュウが勝てるだろう。

ただ、今日はピカチュウに戦わせ過ぎている。ピカチュウは強いが、一匹に負担が集中するのは良くない。今回は別の手持ちポケモンに頑張ってもらおう。

 

 

「ピカチュウ下がって!」

「ギュッ!」

 

 

「お願い、()()()()()!」

 

 

「ギュララララッ!!」

 

 

 

図鑑No.???【カラスノホシ】 Lv.80

(ニックネーム:スターミー)

 

 

 

 

 

モンスターボールを投げると、黒い菱形を重ねたような姿をしたポケモン、スターミーが現れる。

 

スターミーは洞窟内で見つけて捕まえたポケモンだ。進化前のヒトデマンも含めて、パルデアには一般的に生息していないポケモンである。初めて見た時は何のポケモンか分からなくて驚いたのを覚えている。

 

以前、親切な旅のお兄さんがカントー地方の図鑑を見せてくれた事で、なんのポケモンか判明した経緯がある。この洞窟に迷い込んだ特殊な固体なのだろう。

 

そしてスターミーはみずタイプのポケモンなので、みず技が得意である。

 

 

「みずてっぽう!」

 

「ギュラララ!!」

 

 

カラスノホシ > ハイドロポンプ

 

 

「ぷりぃ!?」

 

 

スターミーの特徴は高い特殊攻撃力。普通のみずてっぽうより激しい威力が放たれる。

鉄砲水が相手のプリンを吹き飛ばして、完全に距離をとった。遠距離攻撃はスターミーの得意とするレンジだ。

 

とはいえ、プリンもまた耐久に自信があるポケモンだ。流石のスターミーでも弱点をつかなければ簡単には倒せない相手だろう。

プリンはノーマル・フェアリータイプだった気がする。弱点ははがねタイプか、どくタイプだったような…

 

 

「スターミー、どくタイプのわざとかできる?」

「ギュラ……」

 

 

ダメかあ。スターミーはみず・エスパータイプ。どく技は専門外なのである。

 

 

「……ギュラッ!」

 

 

カラスノホシ > シャドーボール

 

 

「ぷりぃぃぃ!?」

 

 

そうして困っている時、なんとスターミーが黒い塊のようなものを放った!

それはプリンに直撃し、先ほどまでの攻撃よりも格段に手応えのあるダメージを与え、プリンはそのまま目を回す。わたし達の勝ちだ。

 

 

 

「すごいすごい! 今のはぜったいどくわざだよスターミー!」

 

「ギュラッ!?」

 

「なんのわざかなー? ヘドロこうげきかな!」

 

「ギュラ……」

 

 

 

いつの間にか新しいわざを覚えていたスターミー。確かな成長を感じて、抱きついて喜ぶのだった。

どうしてか困った様子のスターミー。どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【カラスノホシ】

図鑑No.??? 

パラドックスポケモン

タイプ:あく/エスパー

とくせい:こだいかっせい

生息地:アンダーワールド

 

スターミーの古代種と想定されるが、進化前も確認されておらず類似種である証拠はない。

原種が星型なのに対して、こちらは菱形が重なった姿をしている。

遊泳速度こそ遅いものの、黒曜石を思わせるような頑強さを誇る。

 

 





少女のカラスノホシは勘違いにより、中々タイプ一致技を撃たせてくれない。哀れな……

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