存在しないパラドックスポケモン   作:いちごの入った大福

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No.??? マホウノアメ

 

 

 

わたしの趣味はスケッチである。

 

 

この洞窟探検を始めてから、出会った出来事を全部記録している【オレンジブック】。時々絵日記のように使っていて、絵を描いたページも存在するしている。オレンジブックはわたしの集大成であり、わたしの宝物だ。

 

そんなわたしの夢は、ドーブルのように自由自在に絵を描ける画家になること。画家と言えば芸術。芸術と言えば、「花と芸術の町」とも称されるボウルタウンだ。

 

そう、わたしは将来、学園で勉強してからボウルタウンに滞在して、芸術の勉強をしたいのである!!

 

 

「ギュッ」

 

地に伏せたまま、呆れたようにわたしを見上げるピカチュウ。

ピカチュウに対して「しーっ」と静かにする仕草をして、今日のスケッチ対象に目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

「ガアアァァァ!!」

 

図鑑No.??? 【ナミウツカゲ】 Lv74

 

 

 

「グオオオオオ!!」

 

図鑑No.??? 【タツノミズチ】 Lv74

 

 

 

 

 

ここは洞窟の各地に点在している地下の湖。そのひとつで見つけたのは、ガブリアス(ナミウツカゲ)ギャラドス(タツノミズチ)の縄張り争いである。

 

 

「(すごいすごい! 大迫力っ!)」

 

 

わたしは興奮を隠せないまま、岩陰に隠れてスケッチしている。こんな大怪獣バトル、滅多に見れるものじゃない!

 

 

実力は完全に拮抗している。

ガブリアスはドラゴン・じめんタイプで、ギャラドスはみず・ひこうタイプ。一見ギャラドスの方がタイプ相性が有利に見える。

 

だが、互いにタイプ一致技が有効打ではない。時折ガブリアスが放ついわ技(恐らくストーンエッジ)と、ギャラドスが放つこおり技(たぶんこおりのキバ)が有効打のはずなのだが、あまり通じているようには見えない。

 

わたしがタイプ相性を間違えて覚えちゃっているのかもしれない。どうやら互いに有効技を持っていないらしく、激しく攻撃しあっているものの、決着がついていない。

 

こう、心を揺さぶられる強い衝動。こういうのを何って言うんだっけ。

 

えっと……確か、偉大なるコルサ先生はこう仰っていたはずだ。

 

 

 

あばんぎゃるどー!

 

 

 

「グル?」

「ガア?」

「ギュ……」

「あっ」

 

 

 

to be continued...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てへっ」

 

「ガアアァァァ!!」

 

 

「グオオオオオオ!!」

 

 

息ぴったりに咆哮するガブリアスとギャラドス。明らかに先ほどより怒り狂っている。

当たり前だ。あばんぎゃるどーな縄張り争いを邪魔されてしまったのだから。

 

 

「ギュッ」

 

仕方ないな、という仕草で前に出るピカチュウ。ピカチュウならギャラドスを倒せるかもしれないが、ガブリアスはでんき技が効かない。圧倒的に不利だ。

あちらは2体。こちらももう一体出さないといけないだろう。

 

 

「えっと……キミに決めた!」

 

 

懐のモンスターボールからひとつ取り出して、目一杯ぶん投げる。

 

 

 

 

「いけー! マホイップ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドロリ

 

 

天井からオレンジ色の液体が垂れ落ちる。

 

その液体は強い粘性があり、熱を持っている。ドロドロとゆっくり滴り落ちたのはまるで、マグマのようであった。

 

 

「ドロロー!」

 

 

滴り落ちた後のマグマだまりから、液体で構成された身体が形作られる。

変幻自在の身体を持つポケモン。これがわたしのマホイップだ。

 

 

 

 

図鑑No.??? 【マホウノアメ】 Lv82

(ニックネーム:マホイップ)

 

 

 

 

 

ナミウツカゲ Lv74

タツノミズチ Lv74

 

 vs

 

ヒカルケモノ(ニックネーム:ピカチュウ) Lv84

マホウノアメ(ニックネーム:マホイップ) Lv82

 

 

 

 

 

わたしのマホイップは一見、マグマのように見える。よって、野生のポケモンであるガブリアスとギャラドスは集中してみず技を放ってくるだろう。

 

 

「ガアアァァァ!!」

「グオオオオオ!!」

 

 

ナミウツカゲ > アクアブレイク

タツノミズチ > アクアテール

 

 

「マホイップ、かたくなる!」

「ドロロー!」

 

マホウノアメ > とける

 

 

しかし、放たれたみず技はマホイップの弱点を突いた様子がない。液体の体で自由自在に形を変えて、相手の物理技を受け流す。

 

一見マグマのようにも見えるマホイップの身体。あれはオレンジ色のアメ細工であり、ほのおタイプのポケモンではない。よってみず技は弱点となり得ないのである。

 

躍起になって攻撃するガブリアスとギャラドス。その隙を逃すピカチュウではない。

 

 

「ピカチュウ、しっぽをふる!」

「ギュッ!」

 

 

ヒカルケモノ > はたきおとす

 

 

まずはギャラドスをしっぽで叩きつけて、地面に伏せさせる。マホイップから引き離した後、思い切り電気技を放つ!

 

 

「10まんボルトー!!」

「ギュッギュー!!」

 

 

ヒカルケモノ > スーパーセル

 

 

「グオオオオオ!?」

 

 

マホイップに気を取られていたギャラドスは10まんボルトが直撃!

痺れて目を回して、ギャラドスが戦闘不能となる。

 

 

「ガアッ!?」

「チャーンス!マホイップ、ようせいのかぜ!」

 

 

マホウノアメ > めいそう

 

 

「ドロロー」

 

 

マホイップは弱点として、素早さが低い。こんな時、のんびりした性格ですぐさま攻撃に移れない仕草はとても愛らしい。

 

 

「ガアアァァァ!!」

 

ナミウツカゲ > アクアブレイク

 

 

ガブリアスが必死にみず技を放つが、マホイップは平然としている。とは言え、何度も殴られたら流石に怪我をしてしまうかもしれない。

 

そのサポートはピカチュウがやってくれる。

 

 

「ピカチュウ、ずつき!」

「ギュー!」

「ガアッ!?」

 

 

ヒカルケモノ > アイアンヘッド

 

ナミウツカゲ > アクアブレイクひるみ

 

マホウノアメ > めいそう

 

 

横から飛び出したピカチュウがずつきを放ち、相手を怯ませる。ずつきにはそういう効果があるのだ。

 

 

「ドロロー!」

 

ようやく攻撃する仕草になるマホイップ。それをさせまいと、立て直したガブリアスは技を放つ。

 

 

「ガアアァァァ!!」

 

ナミウツカゲ > じしん

 

 

「ギュッ」

 

それに合わせてピカチュウはひらりとジャンプ。当然のように回避する。一方、マホイップは動きが遅い。この攻撃は受けることになるのだが…

 

 

「ドロロー」

 

弱点ではない物理技なので耐えてくれる。カウンターとして、頭上に貯めた光を放った。

 

 

「ドロロー!」

 

マホウノアメ > ムーンフォース

 

 

「ガアアァァァ!?!?」

 

 

凄まじい威力で放たれたフェアリータイプの技。ガブリアスは思いきり吹き飛ばされ、目を回して気絶した。

 

「やったー!」

「ギュッ」

「ドロロー」

 

思わずガッツポーズをするわたし。そんなわたしを真似するマホイップ。ピカチュウは呆れて「発端はお前じゃい」という視線を向けていた。

 

 

 

 

 

 

なお、この後ハピナスレスキューを呼んで、みんなを治療してもらった。

大人しくなったガブリアスとギャラドスにポージングをお願いして、スケッチを完成させたことをここに記す。

 

 

完成物どうだったかって? うーん、あばんぎゃるどー!

 

 

 

 

 

 

 

 

【マホウノアメ】

図鑑No.???

パラドックスポケモン

タイプ:みず/フェアリー

とくせい:こだいかっせい

生息地:アンダーワールド

 

マホイップの祖先と予測されるが、懐疑的な意見が多い。

マグマのような見た目だが、正体は飴細工。苦手なくさタイプを退けるための擬態とされている。

プテラが琥珀に封じ込められていた原因はマホウノアメによる捕食ではないかという説が浮上した。

 

 





Q.命令とは別の技を使ってない?
A.バッジ0個なので命令無視されてます。

Q.なんで技名間違えてるのに通じてるの?
A.バッジ0個なので命令無視されてます。

Q.なんで命中100のじしん避けてるの?
A.ひ か り の こ な


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