「『飛斬』!『夕月』!『簡易領域』!『抜刀』!『飛斬』!」
フハハハハハハ!どうしたどうした、さっきまでの威勢が嘘みたいじゃないか!ずっと俺のターン!親玉は術を切らさないために配下の呪霊を盾にしてるが、それで今度は視界が塞がれて慌ててる。支配下にある呪霊の視界をジャックするような真似はできないらしい。後は、適度に周りの呪霊をシバきつつ、親玉が顔を出した瞬間に、「飛斬」!
「グゴォォオォォ!」
「三体目、撃破!」
これで残りは親玉含め10体!対してこっちはまだ余裕がある、呪力操作を鍛えた甲斐があった。技を連発してるが、あと30分はいけるぜ!
「『抜刀』!セイ、ハッ、ヤッ!『抜刀』!シッ、セイ!……『飛斬』!」
「イカヤン、グォォ!」
決まった!術も乱れ、ゲッ!
「「「「「「「「「グオオオオオ!」」」」」」」」」
「うおおおおおお!」
ヤバッ、敵の術が乱れて、「怨心通」の対象が増えた!こちとら聖徳太子じゃねえから、全10体分の悪意はわかっても読めない!連携は無茶苦茶になってるが、俺にとっちゃこっちのほうがキツイ!まさか術を発動させたままのほうが良かったとは!お願いだ、早く術を再発動して!
「ンゾソクニ?…ヨヤカルザラナ!ナバカルベ!」
あの、なんで術式を使わないんですか?なんで陣から離れてるんですか?なんで呪力砲の用意なんかしてるんですか?なんd
チュドン!
「おわッ!」
危ない!混線してる「怨心通」で辛うじてタイミングを読めたから避けられたが、これを続けられたらどうなるやら。
どっちも相手の術式について知ってる状態になったが、取り巻きの差で押されてる。畜生、あいつとタイマンなら負けないのに!この役立たず術師ども!
「カズチヤクルベ!ト、ヤサ、ソ、ナスマソ!」
「なんだ!?」
なんかの詠唱らしき声とともに呪力が集中していく。くそ、言葉がわからないのがもどかしい。チッ!考える余裕もないか!『抜刀』!
おかしい、何も起こらない?そんなわけがあるか。ここまでの時間で呪力砲でも撃たれてた方が俺は追い込まれてただろう。そして、それがわからない奴でもあるまい。
…動かないし、手出しできない奴に思考を割く余裕はない、か。目の前を片付けてから考えよう。
「『念送』…ダメか、『簡易領域』、だあっ!『虚心暗k』、くそっ!『覆意』!」
「念送」は通じない、いつものことだ。簡易領域はすぐに引っかかって一瞬で消えた。待ち伏せ型の技は多数を相手にすると弱い。「虚心暗鬼」は発動すらできなかった。練度不足。リカバリで「覆意」使わされたのが痛い。コケ脅しが通用するのは一回までだ。
なんかないかなんかないか、術式起動、落ち着いて考え
ズルッ
「へ?げっ」
足を滑らせた、すぐ体勢を立て直さないと!
「キキュノ、リレイ!」
「「「「グォオッ」」」
「あっ…」
死んだ。連続攻撃で刀を弾かれた。反射的な腕だけのガードも間に合うかどうか、間に合っても防ぎきれない。視界がスローだ。これが走馬灯ってやつか。視界の端には俺が足を滑らせた血だまり。おのれ湯崎、死んでからも足を引っ張りやがって。…最後の連携攻撃、やけに冴えてたなあ。親玉のあれは術式の発動待機だったのか。儀式は省略できなくても先に済ませるのはいいのかよ。聞いてねえぞ。ああくそ、そろそろだ。ナレ死以下とは、嫌だなあ。
「ゴグォ!?」
「ナジョッ!?」
「は?」
首振り確認。右:呪霊×3、左:呪霊×4、前:呪霊×2、後ろ:呪霊×1、上:何もなし。
状態確認。呪力操作:絶好調、ガードした腕:無傷、攻撃してきた呪霊:大ダメージ。
どうやら、黒閃を出したらしい。ガードしたときに。繰り返す。ガードしたときに。
……マジで??
黒閃回です。できるだけオリ主のスペックはあげたくなかったけどさすがにこれ抜きで五条を相手するのはなかなか厳しい。次回、主人公覚醒。