五条悟を泣かす   作:部屋猫

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また時間が飛びます。主人公は高専を卒業しました。


16:二人目の呪詛師未遂

「んなわけねぇだろ!」

 

普段静かな呪術高専に、この日は罵声が響き渡った。

それが常に余裕の態度を崩さないかの「最強」のものなのだから、ますます異常さが際立っていた。

 

「悟、俺も……何が何だかわからんのだ」

     っ!!」

 

 

 

五条悟が言いようのない怒りを抱いて歩いている。おーおー荒れてるねえ。これが「最強」かい?

 

「やあ五条クン、どうしたんだい?」

「……何の用だよ、雑魚が」

 

最強様は大変お苛立ちにあらせられるご様子。

 

「雑魚、とは毎度毎度ひどいなあ」

「だから何の用だって言ってんだ!」

「おっと、確かにそうだ」

 

いやー愉悦愉悦。人が冷静さを失ってるのはおもしれえ。

 

「困るなあ、と言いたかったんだ」

「は?」

「だから、困るな、と言ってるんだ。駄目じゃないか、バケモノを野放しにしちゃあ。あんなのがうろついてちゃあ、善良な術師は枕を高くして寝られやしない。さっさと始末して…うおっ」

 

五条が発射した呪力砲を、すんでのところで避ける。とはいっても、術式をいちいち発動しなくても感情が分かるようになってるから、実態としては割と余裕がある。呪力砲の先を見れば、校舎に大穴が空いていた。あーあ。

 

「今、なんつった」

「何回も言わせないでくれ。バケモノを野放しにされちゃ困る、と言ってるんだ……っと、と、と」

 

感情の動きを頼りにノーモーションで繰り出される無下限呪術を避ける、かわす、見切る、左、右、跳躍、伏せ、ブリッジ、回転、ちょちょちょちょちょ、「蒼」はやめろ!

 

「待った待った待った待った、ストッププリーズ!」

「うっせえ、黙れ」

「夏油を探す助けになってやるから!」

 

五条の攻撃はひとまず止んだ。……その右手に待機してる蒼いものは引っ込めてくれないのかい?

 

「嘘つくんじゃねえ、お前に何ができると?あいつは残穢を残しながら行動する間抜けじゃねえぞ」

「術式がちょっと特殊だからそのお目目にはわからないことだって……待ってくれ、悪かった。嘘つかないから攻撃しないで!」

 

黒閃を経験しても俺は「蒼」一発すら耐えられない……ああ無情。

 

「信用ならねえ、縛れ」

「条件:大場篤士は五条悟に嘘をつかない、五条悟は話を聞き終えるまで大場篤士を攻撃しない!これでよろしいでしょうか!」

「いいだろう」

 

ふう。とりあえず身の安全が確保できた。さっきはさすがに煽りすぎたか。

 

「さっさと話せ、下らねえ話だったら分かってんな?」

「あー、その前に」

「あ?」

 

怖い怖い怖いやめて!

 

「後ろ、後ろ」

「後ろぉ?あ、夜蛾セン」

「悟、…苛立つのはわかるが人にあたるのはやめろ。…いや、校舎にあたるのも勘弁してくれ」

「いやこれは、ああもういいや。後で来い」

「はい」

 

救いの神来たる。夜蛾先生に感謝。五条も時間がたてば少しは落ち着いてるだろう。

 

 

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