木のある世界の小さな配信者 作:こんこんВерныйカワイイヤッター
「取り敢えずTシャツとジーンズを買ってきたからこれ着といて。私はこれから身体検査の予約取りに行ってくる」
黒いTシャツとジーンズを買ってきた私は紅さんに服を渡したあとギルドのカウンターへ向かう。ギルドで受けられるのは簡易的なものでしかないけどまあ無いよりかはマシだ。
「白野様ですね。本日はどういたしましたか?」
「ちょっと説明が難しいんだけど…新入りが来たから簡易的な身体能力と検査をしてほしい」
「午前の診察になりますがよろしいですか?」
「はい。では午前10時からでお願いします」
取り敢えずこれで診察の予約は完了。スマホを取り出してホノさんに電話する。
「もしもし、白野だけど」
「こちら穂香。どうしたの?」
「診察は午前10時からになるってさ。あとそれまで時間あるし紅さんの日用品とか買いに行く?」
「あーそれなんだけど…私の備品分けようかなってなってる」
「ありがとね。じゃあ取り敢えずギルドのカウンター前で待っててくれる?」
「分かった」
電話を切る。その間に購買で全員分のサンドウィッチを買いに行く。今日は卵サンドとサラダサンド。卵って完全食だよね。帰ってくるとホノさん達が居たので買ってきたサンドウィッチをみんなで食べる。たまに食べるこういうサンドウィッチはおいしい。そうこうしているうちに診察の順番が回ってきた。
「今回はどんなご用件ですか?」
「この人の全体的な検査と身体測定をしたい」
そう言いながら紅さんを指した。
「分かりました。さあこちらへ」
そう言って先生は奥の主に身体能力を検査する機械が置いてある部屋へ案内してきた。ここからは結構な量の検査を行ったので重要なところだけ言うと瞬発力が滅茶苦茶凄くて殴打はコンクリートブロックを1枚貫通、2枚目半壊させた。速度は並程度だがスタミナも重量挙げも素晴らしいの一言に尽きた。
「素晴らしいですね。まるでベテランの中のエリートのようだ」
そう先生はこぼした。確かに私の見たなかで一番近い身体能力を持ったのはアルバトロスのかぎ爪部隊の奴らだ。あいつら紅さんみたいなイレギュラーじゃなくて果実食べていった結果人間の身で化け物みたいな強さしてるし。
そのあとの血液検査などでは特に悪いところは見られなかったが少し特異なことがあった。花粉に耐性があるらしい。具体的にはほぼ完全な耐性で向こう50年間は感染しないらしい。ところで今何をしているかというと紅さんの武器探しだ。紅さんはフィジカルが強いから銃よりも剣や槍などの近接武器を握った方がいい。まあ牽制のためにセカンダリで銃を持っていた方がいいのだが。そんな訳で職人街を歩いている。奥のほうに行きつけの店があるのでそこまで行く。やっぱりどう見ても誰も入らなそうな見た目してる。全体的に黒くて薄暗い。しかも所々ショーケースが割れてたり適当に立て掛けられているだけの武器もある。
「誰だ?…あぁ、あんたか」
そう言って出てきたのはこの武器屋の職人。身長こそ他の男性と比べると少し小さめだが体は鍛え抜かれていて右腕は赤く左腕も刃物などで切った痕がある。
「あー…右に居るのはホノだっけ?で合ってるか?」
「はい。ホノっていう名前で活動してる穂香って言います」
「左に居るのは…知らないな、誰だ?」
「紅よ」
「紅か、変な名前してるな。で白野、今日は何の用だ?」
「紅の武器を見繕ってほしい」
「あいよ、紅、ちょっとこっち来い」
そう言って紅を近くに呼び突然腕を触り始める。
「ちょっと勝手に触らないでよ」
「大人しくしてろ、お前の筋肉の質を測ってる」
そう、このおっさん。決して痴漢ではないのだ。彼の工房の特徴は体格と筋肉の量と質を一番に考えて肉体に最もあった武器を作っていることだ。
「筋肉量はアルバトロスの野郎と同格ぐらいか?質はかなり良い。タッパも十分か」
そう言って立て掛けてある武器をさっと見ていく。
「一番向いているのは刀。次に向いてるのがパルチザンとか大身槍などの斬れるタイプの武器だな」
そう言われた紅さんは立て掛けてある武器を順に持って品定めをしている。そして数分が経った。
「これが一番良いわ」
そう言って選んだのは大身槍。
「刀じゃなくていいのか?」
「だって面白くないもの」
紅さんがそう言うとおっさんはため息をつく。
「じゃあ2万な」
「ちょっと安すぎないですか?」
余りにも安い値段だったのでホノさんがびっくりして聞く。
「それは失敗作だ。うちで作ってるから十分使えるとは思うがそんな高値が付くものじゃあない。銘も入れてないしそいつはそれぐらいが丁度いい」
彼の考え方は傑作以外は要らない。だからこそ使えるものであっても満足いくものじゃなかったら銘を入れずに安価で売る。下手すればタダ同然で売る時もあるぐらいだ。
「おっさん…そんなことやってるからショーケースとかボロボロなんだよ」
「知らん。俺は武器にしか興味ない。店が壊れようと知ったことか」
彼に忠告するといつもこういう風に反論してくる。まあこちらとしてはかなりありがたいが。
武器屋を去ったあと消耗品を買い集めていく。ちなみに今回買った食料はMRE。別に吹き溜まりに行くわけでもないのでこういう温食が食べられる。そしてそのあと紅さんの冒険者登録と移住届を出して解散した。ちなみに今日は紅さんは私の部屋で寝た。
「ヨッパ居る?」
そう言って訪問したのはヨッパの部屋。するとコーヒーを片手に持ちながら出てくる。
「白野か。どうしたんだ?」
「京都のほうに用事ができたから行ってくる。もしかするとこっちに帰ってくるのは遅くなるかもしれない」
「あいよ。絶対に死ぬなよ?まだ酒を飲ませてないからな」
「うん」
「あと長くなるようだったら定期的に手紙を送ること。あんまり心配させるなよ」
「うん。それじゃ」
「ああ。またな」
紅さんは身長が高くて黒いTシャツ着てる。あと目が釣り目だし割と言い方もきつめ。ちなみに紅さんはマスクもゴーグルもしてない。
あっ次過去の回想入ります。
クソマウス許すまじ。お前のせいで文章滅茶苦茶になるんだよ!