雷神、上鳴電気   作:一般通過呪術師

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肝試しステージ第1ラウンド開始です。


ep.55 宵祭 -弍-

 

 

頭が真っ白になる、という慣用句がある。

あまりの衝撃に物事を考えられなくなる様を表す表現だが、正しく耳郎響香は今その状況にあった。

 

 

───落ち着け。

 

 

状況を整理しなくてはならない。

 

 

耳郎と葉隠は肝試しでA組の3番手としてスタート。道中にあったB組の仕掛けに全て驚きながら中間地点を突破した。負ければ間違いなく戦犯であるが、それはさて置く。

 

 

問題は中間地点を越えて直ぐ。

葉隠が森の中に漂う焦げ臭い匂いと、それとは別の異臭に気がついた。

 

 

直ぐにそれがヴィランの襲撃であると気付けたのは、耳郎が即座に森全域に索敵を仕掛け、聞き覚えのない心音を複数捉えた事に始まる。

 

 

そしてラグドールの心拍数の低下と、その側にある見知らぬ心音が一緒に動き始めたのを感知した耳郎は、その方向へとゆっくり歩を進めたのだ。

 

 

何かあっても自分たちの直ぐ後ろには上鳴がいる。一先ず可能な限り情報を手に入れる事が重要だと、そう判断した。

 

 

耳郎の索敵と葉隠の隠密を組み合わせれば不可能な話ではなかった。ただ、相手が悪かった。普通、疚しい感情を抱いている人間はそれがバレそうになれば逃げるか、偽るか、隠す。

しかし、2人が知らずの内に追っていたヴィランはその3つに『見せびらかす』が選択肢に入るタイプの、狂人だった。

 

 

そして2人はラグドールを襲ったのだろう男と会敵。

 

 

男は咽せ返るような血の匂いを纏い、左目の義眼をぐるりと不気味に動かしながら言った。

 

 

『お前、上鳴の女だな?』

 

 

 

 

 

「響香ちゃんしっかり!」

 

 

「………はっ!?」

 

 

葉隠に肩口を小突かれた耳郎は正気に戻った。

敵の前で余りにも無防備な時間を晒していた事を認識した耳郎の背筋を、冷たい汗が流れていく。

しかし、驚いていたのは敵も同じだった。

 

 

「……随分とタマが据わった嬢ちゃん達だな」

 

 

マスキュラーは「あ、違ったんだ」と心底驚いた様子で目を見開いていた。体育祭の熱烈な一戦は何だったのか。これじゃあ殺しても効果薄いんじゃないか。そんな取り留めのない感想がマスキュラーの脳裏を埋め尽くす。

 

 

お互いに仕切り直しが必要だった。

 

 

「……肝を略さないでくれる? あと上鳴とはそういうんじゃないから」と耳郎。

 

 

ロックとはあまり結びつかないが意外と清純派の耳郎は、下ネタには人一倍厳しい。

逆に葉隠はというと。

 

 

「そうだよ! タマなんてないよ! 女の子だもん!」

 

 

「葉隠!?」

 

 

下品になり過ぎない程度には、乗ってあげる優しさと余裕があった。

 

 

「はっはっはっ! そうか! 悪かったな!」

 

 

コントめいたやり取りに、マスキュラーが豪快に笑い、空気が僅かに弛緩する。

仕切り直しとは何だったのか。

取り敢えず葉隠が「目的は何なの」と口を開こうとした、その刹那。

 

 

「じゃ! 場も程よく温まったところで……先ず1人、殺すわ」

 

 

殺気を叩きつけられた。

途端に2人の両肩へ伸し掛かる凄まじい重圧。呼吸を忘れてしまいそうになる程の緊張が広がる。USJで自分たちが会敵したヴィランなど、今眼前に立つ巨漢と比べれば蟻に等しいと、そう確信する。

 

 

「……っ!」

 

 

息を呑んだ2人が戦闘態勢に移った。

だが、それでは致命的に遅い。殺すと宣言する頃には既に、マスキュラーは弾丸の如く飛び出し始めており、振りかざされた丸太の様な腕からは筋繊維が皮膚を突き破っていた。

 

───速い!?

 

 

葉隠は補習でも圧縮訓練でも上鳴の事をずっと見てきた。個性を使っている時とそうでない時の速度の差も把握しているし、そのギャップが生み出す速力の違いにも慣れていた。

だからこそ、マスキュラーの動きを目で追うことだけは出来た。しかし、幾ら目がそれに付いていけても、身体がピクリとも反応できないのでは意味がない。

 

 

───動け。

 

 

振り抜かれた拳が自分に向かってくるのを見て、葉隠は死を予感した。

 

 

───動け。

 

 

まだ死にたくない。

脳が解決策を見出そうと、葉隠の脳裏にこれまでの記憶を思い起こさせる。

 

 

───動いてよ……!

 

 

だが、それではどうにもできない隔絶した力の差が両者にはあった。

 

 

「血ィ見せろ!」

 

 

マスキュラーの拳が振り抜かれ、空気が爆ぜる。

標的を見失ったそれは葉隠の背後にあった木々を粉砕。それでも勢いは止まらず、地面を強く打ち辺りに衝撃波と砂埃を広げていく。

 

 

「ああ?」

 

 

───何で避けられた?

 

 

砂塵を振り払い、マスキュラーは標的を探した。

もしかすると逃げられたのかもしれない。

しかし、その心配は必要なかった。葉隠を抱えたまま立つ耳郎の姿を視界に捉えたからだ。

 

 

───何をしたのか知らねぇが、少しは楽しめそうだな。

 

 

舌舐めずりをするマスキュラーの身体を“ドクン”と心音が駆けていく。

 

 

自分の物ではない。

 

 

大気を震わせ、大地に染み込む様に響きながら木々を揺らす音の出所は───

 

 

「耳郎、ちゃん?」

 

 

「上鳴呼んできて……まだ未完成で、長くは保たない」

 

 

そう言う耳郎の姿は普段からかけ離れていた。

白磁の様な肌は茹で上がったように赤く染まり、目元や腕の血管がはっきりと浮かび上がっている。

 

 

「へぇ……まぐれかどうか試してやるよ!」

 

 

マスキュラーが足の筋肉を膨張させ、駆け出す。先程葉隠に向かって拳を振り翳した時とは異なり、筋繊維が飛び出る様なことはなかったが、それでも耳郎が相対してきた人間の中では上鳴とほぼ同じか、やや劣る程度の速力は出ていた。

 

 

耳郎は一応、異形型に分類される個性の持ち主ではあるが、身体能力に秀でているタイプではない。

 

 

入学時はヒーロー科として並以下。

その評価は決して覆せない。

 

 

このままではだめだ。そう強く感じたのは、体育祭もそうだが職場体験の時だろう。上鳴から体質の話を聞いて、何の為に頑張ったのかを聞こうとして───本音を隠された。

 

 

それが悔しくて、悲しくて。

 

 

だから───上鳴と同じ速度で歩ける様になる為に、耳郎は1つの技を編み出した。

 

 

高周波治療という物がある。

古くは19世紀後半、周波数を伴った電流を流すと生じる作用に注目が集まり研究が始まった。それ以降、多種多様なアプローチと様々な分野での研究が折り重なり、1990年には一定以上の効果を見込める所にまで発達した。

 

 

その主な効能というのが、細胞の活性化である。

 

 

高周波を用いた医療機器では肩こりの改善などが精々ではあるが、個性を用いたより出力の高い物であれば話は別。

 

 

耳郎はプラグを自身の左胸と右肩に差し込み、変音と増幅を行った超高周波の心音で自身を包むことで細胞を活性化させた。

この状態の耳郎の動きは、その全てが1段階も2段階も向上した状態となる。

 

 

───制限時間は30秒。

 

 

それ以上は肉体が耐え切れない。

 

 

───その時間、逃げに徹して時間を稼いで、上鳴が来るまで耐えきれればウチの勝ち。

 

 

葉隠は既に上鳴を呼びに走り出している。

今頃、葉隠の声に上鳴が反応している頃だろう。

この新技があったとしても彼我の実力差は未だ圧倒的で、30秒でどうにかできる相手ではない事も理解している。

しかし、それを理由に尻込みしていて成りたい者になれる筈がなく。

何より。

 

 

───でも、それは。

 

 

「ロックじゃないよね」

 

 

己が魂に反する。

 

 

耳郎が足を前へと踏み出す。

 

 

転瞬、マスキュラーと耳郎の間にあった地面が波打ちながら吹き飛んでいく。マスキュラーは思わず攻撃を中断し、退避した。

 

 

ドクン、ドクンと鳴り続ける耳郎の心音にマスキュラーは目をぎらつかせながら言った。

 

 

「クハッ! この鳴り響いている謎のビートといい、何もかもが面白え……!」

 

 

再びマスキュラーが筋繊維を膨張させた。

今度は先程よりも密度と量が増し、肉体が一回り大きくなる。それにより、先程まで隠されていた実力が一挙に表面化した。

 

 

暴風の如く自身へと叩きつけられた隔絶した力の差に、耳郎の全身から嫌な汗がぶわりと噴き出す。

 

 

「今筋剛斗だ。巷じゃ“血狂い”マスキュラーだなんて言われてる」

 

 

───血狂いマスキュラー。超大物じゃん。

 

 

それでも、考えは何1つ変わらない。

 

 

「……ウチが勝ったら、目的を教えてよ」

 

 

「ああ? 別に今言ってやってもいいが……まあせっかくだ。いいぜ。勝てたら教えてやるよ。そん時お前が生きてればな」

 

 

「言ったね。なら……この30秒で、ウチがアンタをぶちのめす」

 

 

中指を立てて挑発する耳郎にマスキュラーは口角を吊り上げ、地面を踏みしめて割りながら叫んだ。

 

 

「音量上げろ! 生前葬だ!」

 

 

「パクんなよ……! それは上鳴のセリフだろうが!」

 

 

転瞬、耳郎の肉体から周囲の木々が塵に変わる程の音圧が放たれる。

アメリカで黒漆死が操る蜚蠊の群れの一団を死滅させた一撃にこそ劣るが、人間1人を跡形もなく消し去るには十分過ぎる威力がある。

 

 

───どうせ当たったって死にやしない! ウチの一撃で死ぬ程度の奴なら有名人になんてなっちゃいない!

 

 

突っ込んで殴りかかってくるという耳郎の予想に反し、マスキュラーは堅実にそれを防御する構えを見せた。

 

 

「ハッハー! いいねぇ!」

 

 

膨張した腕の一振りで大気が裂け、そこに真空が生じる。音は空気の振動。それを伝える媒介が無ければ存在できない。

 

 

力業にも程があるが、攻撃を緩める時間が耳郎にはない。次なる一撃を放とうと溜めを作る。

 

 

しかし、そんな露骨な隙をマスキュラーが見逃す訳が無かった。

 

 

「こいつはどうする!?」

 

 

剛脚を振り上げて足元に散らばる土塊を散弾の如く撃ち出す。

 

 

遠距離攻撃は耳郎には極めて有効だ───音の鎧を身に纏う前ならば。

 

 

元々の強度が低い土塊がどれほどの勢いで飛んでこようとも、届く前に砂粒未満になってしまえば痛くも痒くもない。

 

 

耳郎はサイズが大き過ぎて砕けない物にのみ意識を割き、それ以外の全てを無視してマスキュラーとの距離を強引に詰めていく。

 

───おかしい。

 

 

マスキュラーの戦い方に違和感を覚える。

 

 

───見るからに増強系。それも砂藤とか緑谷みたいなピーキー性能じゃないのに、何でもっと得意な間合いで勝負しようとしない?

 

 

「近接戦闘! いいね! 命知らずは大好きだ!」

 

 

耳郎はマスキュラーの間合いに入り込んだ刹那、その股下に滑り込んで背中を取る。

 

 

瞬時にマスキュラーが右足を軸に身体を回転させて裏拳を放つ。

 

 

「見えてんだよね」

 

 

防ぐ必要はない。

打撃は当たらなければ意味がない。

耳郎は自身を殴りつけようとしたマスキュラーの腕に軽く手を添えて、風に揺れる柳が如くふわりとそれを飛び越える。

 

 

至近距離。

 

 

マスキュラーが反応できないタイミング。

 

 

耳郎は瞬時に肩に差し込んでいたプラグを引き抜き、マスキュラーへ突き刺そうとする。

 

 

───勝てる。今、ウチを相手に油断している隙に無力化する!

 

 

多重増幅した心音を体内に直接流し込めば、幾らマスキュラーと言えどたちまち意識を失う。

 

 

もし体育祭までにこの技を編み出していれば、上鳴の余裕につけ込む形ではあるが、勝てる可能性もゼロではなかっただろう。

 

 

必殺を期す耳郎のプラグがマスキュラーに突き刺さる。

 

 

「ハートビート……!」

 

 

だが───マスキュラーの喜悦に歪んだ顔を見て、耳郎は自分の失策に気付かされた。

プラグが突き刺さった部位の筋繊維が剥がれ落ち、更にプラグの向きを明後日に逸らされてしまって音撃は不発。無防備な姿を晒してしまう。

 

 

───ああ。やっちゃったな。

 

 

肩口からプラグを抜いた事で細胞の活性化が終わる。全身に重しを乗せられたかのような倦怠感が耳郎を襲う。

 

 

ゆっくりと、時間が流れる様な感覚。

 

 

乱暴に振り払われ、無様に尻餅をついて。

 

 

マスキュラーが両手を握り合わせた状態で、それを高く振り上げる。

 

 

「出来もしねぇ事をやりたがった、自分の頭の悪さを恨むんだなァ!」

 

 

流れるような逆転劇。

否、最初から耳郎はマスキュラーの掌の上だったのかもしれない。

 

───それでも、まだ!

 

 

「っぐ、ァァァァァア!」

 

 

一撃だけでも与えなくては。このまま何も出来ずに死ぬなんてごめんだと、耳郎が喉が張り裂けんばかりに声を上げながらプラグを伸ばす。

 

 

しかし、マスキュラーが振り下ろす鉄槌の方が遥かに速い。

 

 

───ごめん、上鳴。言ったこと守れなくて。ごめんなさいお父さん。お母さん。ウチ……

 

 

だが。

 

 

耳郎の目に、暗い森の中で光る一筋の青い光が映った。

 

 

「………ぁ」

 

 

風が吹く。

木々を薙ぎ倒し、雷鳴を響かせながら。

 

「そこを───どけッ!!!」

 

 

今まで見た事のない鬼神が如き形相を浮かべた上鳴が、マスキュラーを撥ね飛ばした。

 

 

「ごめん……助けられちゃった」

 

 

「何でお前が謝るんだよ。別にいいよ」

 

 

座り込む耳郎の手を取って立ち上がらせて、上鳴は笑った。耳郎に怪我らしい怪我はなく、周囲の戦闘跡からも短い時間ながら派手にやり合っていた事は見て分かる。

 

 

───また腕を上げたな。

 

 

成長である。

身も、心も伸びている。

体育祭の頃から成長が無ければ、ただ蹂躙されて終わっていただろう。職場体験に始まり期末試験を乗り切るまで、休みなく鍛えていたからこその成果だ。

 

 

「よく頑張った。後は俺に任せろ」

 

 

善院が自分にしてくれたように、上鳴は何気なく耳郎の頭を撫でてからマスキュラーへと向き直った。

 

 

「よォ───久しぶりだな。元気だったか?」

 

 

殺気を隠そうともしない上鳴にマスキュラーは目をぎらつかせた。

 

 

「あぁ、元気ピンピンだったよ」

 

 

しかし、マスキュラーの身体がドロリと液状化し始め上鳴は目を見開いた。

 

 

「本体はウッキウキでお前を探してる。早く戦いてぇ。殺し合いてぇ。その肉を引きちぎって、溢れる血を啜ってやりてぇってな」

 

 

「何だよそのキショ過ぎるワードセンスは。イカれてんのか……」

 

 

上鳴は思わず一歩後ずさった。

崩れていく身体を引き摺る様にマスキュラーは立ち上がり、拳を握り締める。しかし、握りしめたそばから原型を失って地に落ちていくそれに、ハァと大きく溜息。

 

 

「残念だぜ……本当に」

 

 

その言葉を最後にマスキュラーの偽者は完全に泥の様な物へと姿を変えた。

 

 

───偽者を生み出す個性。そんなんありか? ありならオールマイトを量産してもらって………いや、性格引き継ぎっぽいし本気ではやりあってくんねーか。耐久性にも難がありそうだし。何にせよ。

 

 

「やべぇな」

 

 

遠くから「響香ちゃーん!」「上鳴くーん!」と葉隠の声が聞こえてくる。

一先ず合宿先に来ているマスキュラーを片っ端から倒していく事が自分の使命だと理解した上鳴は、息を切らしながら合流した葉隠に「耳郎と一緒に広場へ行け」と指示を出し、自分はマスキュラーを探すために動き出すことにした。

 

 

その時、上鳴のみならず葉隠と耳郎にも電流が走るかの様に声が聞こえてきた。

 

 

『A組、B組に通達! この場にいるヒーローの名において戦闘を許可する! 繰り返す! この場にいるヒーローの名において、戦闘を許可する!』

 

 

それは事態の悪さを端的に表すのと同時に、卵達の躍進の切掛となり得る指示だった。

 

 

上鳴が思わず口元を三日月の様に歪めると、葉隠が「不謹慎だよ上鳴くん!」と腕を振って抗議。

 

 

それに「まあそう言うなよ」と上鳴が切り返そうと口を開くと、そこにテレパスが割り込んでくる。

 

 

『敵の狙いはA組の上鳴電気! 上鳴くん! お願い! 暫くこっちは君の援護に入る余裕無さそう! 何とか捌いて!』

 

 

「うそ……何で上鳴が?」と耳郎。

「どういうこと?」葉隠が首を傾げる。

 

 

「まァ、まァ……いいんじゃない?」

 

 

そう言う上鳴の顔はとてもヒーローには見えない物で。

 

 

これが理由かと2人が納得するまで、時間は必要なかった。

 

 

 

 

 

 

同時期、マンダレイのテレパスを受け取っていた常闇たちは───

 

 

「改めて聞いてもやっぱ問題児だねェ! 上鳴くぅん!?」

 

 

()()()()()()上鳴きらい?』

 

 

「別に嫌ってはいないさ! むしろ尊敬しているよ! これだけトラブルを引き寄せながら、それでも彼は獰猛に笑っているだろうからねェ!」

 

 

常闇のダークシャドウとは違い、やや幼さと不気味さを持った単眼のダークシャドウに乗って森を駆け抜けながら、物間がいつもの様に皮肉混じりに叫ぶ。

 

「修羅故に、か」

『然モアリナン』

 

 

その動きに合わせるのはオリジナル達だ。

2人と2体でマスキュラーを挟み込み、的確な連携で攻撃を重ねていく。

ダークシャドウズの一挙一動で森が揺れ、マスキュラーが巧みにその攻撃を受け流す中。俊敏な動きでついて回る障子が言う。

 

 

「あれでいて友想いの良い男だ。靡くことはないと思うが……っ、来るぞ!」

 

 

障子は複製腕により増やした耳で“キリキリ”というバネが撓む様な音を聞き取り、瞬時にそれを伝える。

転瞬───マスキュラーの肉体が不自然に加速。対応が間に合わなかった物間のダークシャドウが殴り飛ばされ、物間が一瞬無防備になる。

 

 

「この手の個性はかなり珍しいが、共通してることがある! 戦いを他人に任せる奴は、正面戦闘が弱い!」

 

 

物間への追撃が飛ぶ。

常闇達のカバーは間に合わない。

しかし、物間は全く動じる事なく余裕すら見せていた。

 

 

「残念」

 

 

物間の身体が18分割され、四方八方に勢いよく飛び散る。取蔭の個性による緊急回避だ。マスキュラーの剛腕は獲物を見失い、物間の背後にあった木々を薙ぎ倒すだけに留まった。

 

 

「複数個性……じゃねぇな。コピーか」

 

 

「正解」

 

 

肉体を再構築した物間が再びダークシャドウを顕現させる。

 

 

「恐ろしい男だな、物間」と常闇。

 

 

『不快』不機嫌そうにオリジナルのダークシャドウ。

 

 

「上鳴が注目するのも頷ける」感心した様に障子が頷く。

 

 

───とはいえ。

 

 

物間は顔色を変えず、内心の焦りを押し殺した。

 

 

何せ、この均衡は長く保たない。

マスキュラーは未だ底を見せておらず。コピーした取蔭の個性は残り3分を切っている。肝試し用にコピーした個性はダークシャドウで1つ上書きし、残る1つは強力無比ではあるが下手を打てば自陣の瓦解を招く。

更に、皮膚を突き破るほど筋繊維を増幅させる個性と、障子が聞き取っているバネが撓む様な音が物間の中で繋がらない。

そして自分の個性がコピーだという事は今しがたバレた訳だが、その前にマスキュラーが言った言葉。

 

 

“複数個性”

 

 

それが嫌に気になった。

複合個性ならばまだ分かる。轟などがそうだし、両親から授かった個性が混ざった結果どちらも使える子供が産まれるというのは珍しい話ではない。

しかし、それを指して複数個性とは言わない。言うとしたらそれは複合個性だ。

 

 

───僕の個性を見て、コピーではなく複数個性という単語が先に出た………保須やUSJなんかに現れた脳無と呼ばれたヴィランは確か、全く異なる複数の個性を持っていたとかなんとか。ネットニュースで取り上げられていただけに眉唾だと断じていたけど、本当なのかな?

 

 

もし、そうだとすれば……目の前のヴィランもまた、複数個性持ちなのではないか?

 

 

物間はヘラヘラと笑いながら言った。

 

 

「随分と器用なんですねェ、お兄さん。個性を使い分けるコツを聞いても?」

 

 

ヴィランはニヤリと笑い、返した。

 

 

「知りたいなら教えてやるよ。身体に直接なァ!」

 

 

「そう言わず教えてくださいよ先輩! 興味あるんですよ、2つの個性を同時に扱う感覚ってヤツに!」

 

 

成長の機会はいつだって窮地の中に存在する。

 

 

吠え立てる物間を見て、障子と常闇はこの戦いで物間が何かを掴もうとしている事を悟った。

 

 

そしてそれが───この戦いの鍵を握っているという事も。

 

 

「障子」

 

 

「分かっている。あの異音を聞きつけたら直ぐに言う」

 

 

「頼んだ」

 

 

常闇が黒影を纏う。

パワーリソースの分散による自己強化と制御力の向上により、先程までとは比較にならない速度で常闇が動き出す。

 

 

「物間! 上鳴は言っていたぞ! 個性の応用とは即ち、解釈の拡大であると!」

 

 

『常識ハ敵ダ! 踏ミ潰セ!』

 

 

「随分簡単に言ってくれるねェ!?」

 

 

マスキュラーとダークシャドウの戦いに常闇達が割り込む。物間はダークシャドウを下がらせながら、その戦い方を注意深く見つめた。

 

 

黒影(ダークシャドウ)は俺たちの影であり、俺自身の写し身だ」

 

 

伸縮する影の巨腕が、挟み込む様にマスキュラーを襲う。

 

 

「俺とお前の姿形が違う様に、ダークシャドウ達もまた、異なるんだ」

 

 

物間に戦い方を見せる。

それだけでいい。少しの切掛で人は進化する。

上鳴に関わったA組の生徒たちが飛躍的に力を伸ばしているように───

 

 

「……僕らも行こうか」

 

 

物間寧人の強みはコピーではない。

コピーを操れる様に鍛えてきた観察眼であり、思考力であり、常人ならば出来ない経験だ。

 

 

たっぷりと常闇とダークシャドウの戦い方を見た物間は、見様見真似ではあるが影を纏い駆け出した。

 

 

荒削りではあるが形にはなっている。

 

 

桁違いの速力に振り回される事なく走れるのは、宍田の個性をコピーした事があるから。

 

 

伸縮自在の影を任意の形に伸ばすのは、拳藤の大拳や鉄哲のスティール、塩崎のイバラを扱った経験が役に立った。

 

 

影を纏う物間の拳打がマスキュラー目掛けて振り抜かれる。

 

 

「いいねぇ!」

 

 

そう溢しながらマスキュラーが物間の打撃を緩めた筋繊維で受け、同時にそれを器用に剥がしながら衝撃を逸らした。

 

 

───勝機はここだ。

 

 

剥がれ落ちた筋繊維を継ぎ足すまでの僅かなタイムラグ。そこを突ければ均衡を崩し、状況を有利に変えられる。

 

 

物間が常闇と障子に目配せすると2人は瞬時に意図を見抜き、頷いた。

 

 

これまでサポートに徹していた障子も前へ出る。

 

 

「ほらほら!その立派な筋肉は飾りなのかい!?」

 

 

物間が煽る。

マスキュラーは見え透いた挑発に

 

 

「んだと?」

 

 

───乗った! 頭が軽過ぎやしないか!?

 

 

マスキュラーが額に青筋を浮かべながら筋繊維を更に継ぎ足し、速力と膂力を一気に向上させる。

踏み込みだけで天地が揺らぐ。ただ前に出ただけで、風圧により生木が音を立ててへし折れ、倒れていく。

 

「化物め……!」と物間。

 

 

上鳴と同格。

常闇と障子の脳裏にも、理不尽の塊の様な級友の顔が浮かんでは消える。

だが、それでも。

 

 

「負けてられん!」

 

 

常闇がダークシャドウの力を右手に集約させ、振り抜く。

 

 

マスキュラーがそれに拳を合わせる。

 

 

次の瞬間、衝突の余波が森の一角を吹き飛ばした。

 

 

鬱蒼とした木々が薙ぎ倒され、顕になった夜空から戦場へと月光が降り注ぐ。

 

 

パワーは完全に互角。だが。

 

 

『掴ンダゾ、悪党!』

 

 

「マジか」

 

 

ダークシャドウがマスキュラーの右腕に絡みつき、両腕を大地に突き立てて、その身動きを止めた。

 

 

そこへ月光を遮るように複製腕を広げ、グライダーの様にした障子が空からマスキュラーを強襲する。

 

 

「この一撃で終わらせる!」

 

 

障子が宙空で一度腕を畳み、そのまま幾重にも束ね、マスキュラーの腕にも劣らない巨腕を練り上げる。

 

 

「離せ!」

 

 

初めて焦燥を見せるマスキュラーに、常闇はニヤリと笑った。

 

 

「断る」

 

 

障子が拳を振り抜く。

大気を裂く鈍い音。

それがマスキュラーを捉えるまで幾許の距離もない。

 

 

「なら引き千切っても構わねぇなァ!?」

 

 

「くっ!」

 

 

しかし、マスキュラーが四肢から更に筋繊維を継ぎ足し、自分を拘束するダークシャドウを引き裂いて障子の拳を受けた。

 

 

そして先程と同様に筋繊維で打撃を受け、それと同時に剥がすことで衝撃を逸らす。

 

 

「待ってたんだよねェ───この時を!」

 

 

マスキュラーが防御に移るその瞬間、僅かな間隙を縫う様に物間が飛び出す。

 

 

右腕にダークシャドウの力を集約させたそれは、常闇よりもずっと不安定だが、破壊力は十分。

 

 

必殺を期した一撃。

通ったという確信。

 

 

「やるなァ────なら、もうちょい上げるか」

 

 

それらを打ち砕く様に、バネが撓む様な音が響く。

 

 

障子にしか聞き取れなかった今までとは違い、ハッキリと物間達の耳にも届いた。

 

 

同時に物間はマスキュラーの左腕が縮んでいるのを目にした。

 

 

「ダークシャドウ! 物間を!」

 

 

「オラァ!」

 

 

左腕が振り抜かれたのと同時に、腕は元の大きさへと戻る。弾性、あるいは反発力とでも言うべき物が加わった拳打によって大気が押し出され、空気の砲弾が物間を強烈に吹き飛ばした。

 

 

───まずい、意識が。

 

 

物間は頭から血を流しながら、朦朧とする意識の中で何とか起き上がって前を見た。

 

 

地面にはとてつもなく巨大で重たい物でも引き摺ったかの様な抉れた跡が刻まれ、その傍には常闇と障子がうつ伏せになって倒れている。

 

 

「耐えやがったか」

 

 

ズシン、ズシンと足音を立ててマスキュラーが物間に近付く。

 

 

───どうすればいい。

 

 

「中々楽しめたぜ。まさか二つ目をこうもハッキリ使わされるとは思わなかったわ」

 

 

マスキュラーの言葉は物間に届いていなかった。

消え行く意識の中、彼の脳が見せたのはこれまでの軌跡。死中に活を見出す為の記憶。

 

 

『凄い個性だけど、何でも出来るスーパーヒーローにはなれないね』

 

 

誰がそれを言ったのかは、今ではもう思い出せない。ただそれが幼い自分の心を深く抉った言葉だったという事だけを、物間は覚えていた。

 

 

周りに人が居なければ無個性同然の個性。

 

 

陰でそう言われた事だって、一度や二度ではない。

 

 

───それでも、ヒーローになりたかった。

 

 

人を助け、悪を挫き、皆を笑顔にする。

誰もがそう在れる訳では無いのは分かっている。

だが、己がそこから1番遠い。

1人では何もできない。

だから他人を欺き、煽った。

そうしなければ同じ土俵に上がる事さえままならない。ヒーローになりたいのに、ヒーローらしからぬ行動を求められる。

 

 

雄英に入って、A組ばかりが世間の注目を集めて。それでお門違いな不満を抱いて、小賢しくも策を弄し、クラスメイトを巻き込んで完膚なきまでに敗北した。

 

───誰も、お前のせいだと、言わなかった。

 

 

それどころか背中を押された。

こんな何者にも成れない半端者に、自分自身(こせい)を託してくれた。

 

 

───個性はその人を表すアイデンティティだ。それを奪う様な個性の自分に、B組は誰1人として嫌な目を向けなかった。

 

 

それはA組も同じ。

 

 

「じゃあな。今度は他人を頼らなくてもいい個性に生まれればいいな」

 

 

マスキュラーが拳を上げる。

呆然とそれを見つめる物間の前に、黒い影が入り込む。

 

 

「健気だねぇ! まだそんな腑抜けを庇ってんのか!?」

 

 

物間の黒影は猛然と雄叫びを上げ、マスキュラーへと掴み掛かる。

 

 

マスキュラーはそれを単純な膂力で上回り、踏みつけ、引きずり倒した。

 

 

黒影(ダークシャドウ)は俺たちの影であり、俺自身の写し身だ』

 

 

ドクン、と物間の心臓が跳ねる。

 

 

「物、間………諦めるな………」

 

 

常闇の掠れた声が物間の耳朶を打つ。

 

 

「こいつを、野放しにすれば、皆に危険が及ぶ!」

 

 

膝を突き、血反吐を溢しながら障子が立ちあがろうとする。

 

 

“彼らの様になりたかった”

 

 

誰かが物間の耳元で囁く。

 

 

“唯一無二の個性があれば、ああなれたんだろうか”

 

 

誰かではない。

その声は物間の心に巣くう劣等感その物だ。

どう足掻いても他人と同じ物にしか成れない自分の、醜い本性。

 

 

───でも。

 

 

いつかの昼休み。

急にやってきた上鳴に引っぱられ、訓練場に投げ込まれて戦わされた。酷いボロ負けだった。碌に個性をコピーしない状態では足掻く事さえできなかった。

 

 

───上鳴は、それでも。

 

 

“お前は原石だ”

 

 

そう言って上鳴は自分に色々と教えてくれた。

時折、B組に顔を出してはアニメや漫画の話をし、その後「で、どうなんだ」と話を振ってくる。物間寧人という男が強くなることを本人よりも切望していた。

 

 

───彼の様になりたかった。1人でヒーローを張れる、そんな存在に。

 

 

「物間……!」

 

 

───だけどここに彼はいない。必要とされているのは、立ち上がらなければならないのは、他ならぬ僕自身だ。

 

 

物間の中で欠けていた物が埋まるような、噛み合っていなかった歯車が噛み合うような、そんな感覚がした。

 

 

「───やめだ!」

 

 

物間は血で赤く染まる視界を手で乱雑に拭い、髪が汚れる事も厭わずそのまま前髪を掻き上げた。

 

 

「憧れるのも、羨むのも」

 

 

スーパーヒーローへの羨望も、そうなれない自分への嫌悪も───等しく塵だと言い切れ。

 

 

「そうしている間は一生、僕は前に進めない」

 

 

もっと自由に広げろ。

個性の解釈を。

そしてイメージしろ。自由に、限界を超えた未来の自分を───!

 

「ダークシャドウが僕の影なら、当然僕の個性を使えて然るべきだ!」

 

 

ダークシャドウのサイズが更に一回り大きくなり、赤い眼光が鋭さを増す。

 

 

「変幻自在の個性因子! 変幻自在の影! ははっ! 相性抜群! 当然だよねェ!」

 

 

先程触れた際にコピーしておいたマスキュラーの個性、筋力増大。ダークシャドウの影の肉体から人間に近い筋繊維が迫り出し、その体躯を象っていく。

 

 

「宍田氏の“ビースト”。演習ではよく使わせてもらったなァ!」

 

 

コピーの解釈を広げていく。

触れた物の因子に自分の因子の形を変えるなら、繰り返し模倣したクラスメイトの個性なら触れずとも思い出せる筈だと。

そうして自分の記憶から押し出す様にして、過去コピーした個性をダークシャドウを介してアウトプットしていく。

 

 

「取蔭、鉄哲、塩崎、拳藤、回原、黒色、小森、柳──」

 

 

思い出す記憶の中にはいつだってB組(なかま)の姿がある。

 

 

「凡戸、円場、泡瀬、小大、骨抜、吹出、鎌切、庄田、鱗、角取」

 

 

複雑な因子の変化に合わせ、物間のダークシャドウの姿に変化が現れる。

 

 

剥き出しの筋繊維を白い皮膚が覆い、手には鋭い爪、口には牙が備わる。更に体表に爬虫類の鱗の様な物が少しばかり生え、掌が全体のバランスから見てやや大きめに膨らんだ。それから後頭部から棘を持った太い髪が生え、毛先の辺りが頸の辺りで接続される。目や鼻に当たる部分は不明。縦筋が入った白い仮面の様な物で前頭の辺りまでをすっぽりと覆っていた。

 

 

最早、ダークシャドウの頃の面影は殆どない。

 

 

唯一の名残は物間の影へと伸びる下半身部分。そこだけはダークシャドウだった時と同じ物になっていた。

 

 

異形の存在へと変生したそれを目の当たりにしたマスキュラーが、熱を帯びた息を漏らしながら物間へ肉薄する。

 

 

「こいつは、トベそうだ………っ!」

 

 

『ちかよるなぁぁあ!』

 

 

主人に近付く悪い虫を払うように、異形が絶叫と共に拳を振り抜く。

マスキュラーもまたそれに打撃を合わせた。

 

 

衝突。

 

 

周囲から音が消える。

 

 

数秒にも感じられる一瞬の後、衝突地点を中心に大気が弾け、森を突風が吹き抜けていく。

 

 

単純な膂力はややマスキュラーが上。しかし、マスキュラーは先程ダークシャドウを無理やり引き裂いた時よりも多くの筋繊維を纏っていたし、結果だけを見れば殆ど誤差の範囲。異形はそれに殆ど引けを取らない膂力を見せていた。

 

 

しかし、次の瞬間。

 

 

嫌な音を立てながら、マスキュラーの右腕が捻じ曲がった。

 

 

「何だ、衝撃が……遅れて!?」

 

 

B組の動ける恵体───庄田二連撃の個性、“ツインインパクト”。名前の通り自分が起こした衝撃をもう一度、任意のタイミングで発生させる。

 

 

異形が用いたその個性により、マスキュラーの腕はへし折れた。

 

 

「やれッ!」

 

 

『■■■■■■■ッ!』

 

 

物間の命令に応えるように、異形が咆哮する。

異形は腕を折られてタタラを踏んでいたマスキュラーを、金属に覆われた巨大な掌で森の中へと殴り飛ばす。

 

 

しかし、異形は追撃の構えを取ろうとした後、その動きをピタリと止めた。

 

 

物間が訝しげに異形からマスキュラーへと視線を移す。

 

 

「おいおい………何だよそれは……」

 

 

そこには泥の様に崩れていくマスキュラーの姿があった。

 

 

「冗談は休み休み言ってくれないと笑えないん、だけ……ど」

 

 

体力の限界が訪れ、物間はその場に膝から崩れ落ちそうになる。それを戻ってきた巨人が優しく受け止めて、そっと地面に寝かせたことで、物間がこれ以上の怪我を負うことはなかった。

 

 

しかし、それだけだ。

 

 

異形は物間の影に溶けて消えた。

 

 

マスキュラーの複製を倒せる逸材は───もう。

 

 

 

 

 

「おい荼毘! マスキュラーのコピーが2体ともヤラレちまったぞ! アイツも大したことねぇよな!」

 

 

「もうかよ。口ばっかだな」

 

 

「いいや! 戦った奴らが強かっただけだ! 寧ろヤバい!」

 

 

「それもそうだな───ま、悪癖もあるだろうよ。いつも余裕ぶっこいて、最初に痛い目見るだろ。アイツ」

 

 

「まぁ、スマブラでいっつも残機不利になるよな。死柄木とかスピナーとか以外に負けたとこはみたことないけど」

 

 

「マスタードもそこそこ勝ってたろ……俺だって全敗じゃねぇ。まあ、何にせよそういう事だ………それじゃあ追加頼むよ

 

 

「何人増やしても意味ないぜ? 任せろ!」

 

 





物間くんがダークシャドウをコピーできるかに関しては完全に独自設定です。ダークシャドウが謎過ぎる……
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