雷神、上鳴電気   作:一般通過呪術師

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前回のあらすじ
上鳴野薔薇「悪くなかった」
解釈違いに苦しむマスキュラー「公式が勝手に言ってるだけ」




ep.59 宵祭 -終-

後に雄英高校林間襲撃事件として教科書にも記される事になった今回の一件は、ヴィラン側の勝利となった。

 

 

マンダレイがヴィランの襲撃と同時に通報を入れてはいたものの、人里離れたこの場所へのアクセスは非常に限られていた上、連合の者の手によって公道は全て封鎖されていた事もあって、救援要請にヒーローと山岳救助隊の到着が大幅に遅れた。

 

 

援軍の到着は通報から約55分後。

 

 

野戦病院の如き様相を呈した宿泊施設に来た者たちは皆、破壊の痕跡と傷だらけの状態で必死に駆けずり回る教員と学生を見て、ここが地獄であると錯覚した。

 

生徒40名の内、ヴィランのガスによって12名が意識不明の重体。重傷者4名。軽傷者25名。そして───行方不明者、1名。

 

 

プロヒーローは6名の内、頭を強く打たれ意識不明のピクシーボブと、胸を貫かれたイレイザーヘッドの2名が重体。ラグドールが大量の血痕を残し行方不明となった。

 

 

一方、敵側は2名の現行犯逮捕。

その内1名は脳無であり更迭中に完全に機能を停止し液状化した。

 

 

生徒らが楽しみにしていた林間合宿は最悪の結果で幕を閉じたと言えよう。

 

 

しかし、事件はまだ終わっていなかった。

 

 

 

 

 

翌日、雄英高校会議室。

コの字型の会議用テーブルで手を組み、顔を伏せて校長の根津が言う。

 

 

「認めよう。我々の認識が甘かった」

 

 

それは対策の良し悪しの話ではなく、より根本的な話である。

 

 

「奴らは我々の想定を遥かに超えるスピードで事を起こした。つまりこちら側にはもう、“用意して迎え撃つ”、“牽制する”などと悠長な事を言ってる時間はなかったということ」

 

 

社会を壊す為の戦争は敵の手によって火蓋を切られていた。

この場の全員がその認識を共有する。

しかし急を要するのはその対応ではない。

 

 

「既にマスメディアは今回のことを大々的に取り上げている」

 

 

「バッシングに次ぐバッシング。今までの様な対応では社会の瓦解を助長する」

 

 

雄英高校は日本最高峰のヒーロー養成機関であり、現在は平和の象徴であるオールマイトも属している。それ故にその存在は最早、単なる教育機関としての枠組みを越え、日本ヒーロー社会を象徴するシンボルとなっている。

 

 

その雄英での不祥事だ。

 

 

2度目の襲撃を許し、学生から重軽傷者と行方不明者を出してしまった以上、表に出て事態を収束させる為に動く必要性が生じている。

 

 

「上鳴くんを狙ったのは彼の体育祭での行動で、彼が内に秘めた粗暴な面が少なからず社会に周知されていたからだろう」とスナイプ。

 

 

更にスナイプが「もしも彼がヴィランに懐柔でもされれば」そう言葉を繋げると、プレゼントマイクが割って入った。

 

 

「ありもしねーことを憶測で言うのはやめましょうや、スナイプ先生」

 

 

普段からは想像もつかない形相で、声を一段も二段も低くして言うプレゼントマイクにスナイプも押し黙る。

 

 

「それよりも大事な話があるでしょ───いるだろ。内通者」

 

 

会議室の空気が張り詰めていく。

合宿先は教師陣とプッシーキャッツしか知らなかった。故にヴィランがその情報を得るにはそのどちらかか、あるいは生徒側から位置情報を送信するなどして場所を教える必要がある。

 

 

「やめてよマイク」ミッドナイトが窘める。

 

 

「やめてたまるか! 洗おうぜ!? 必要だろ!」

 

 

「そうは言うがな、マイク。お前は自分が100%シロという証拠を出せるか? ここの者をシロだと断言できるのか?」

 

 

今度はスナイプが語気を強めた。

 

 

「それはっ……」

 

 

言えない。言えるはずがない。

だから困っているのだ。

プレゼントマイクは行き場のない憤りを拳に乗せ、しかし振るう場所を見出せずそのままゆっくりと下ろした。

 

 

痛いほどの沈黙が会議室に満ちる。

 

 

そんな中、これまで口を閉じていたオールマイトが初めて言葉を発した。

 

 

「生徒たちが、後輩たちが懸命に戦う中、その時間私は半身浴に興じていた……!」

 

 

オールマイトは1年生クラスの副担任。

本来なら教職者として、林間合宿には同行しなくてはならない立場にあった。

しかし、トゥルーフォームとマッスルフォームを使い分けたとしても合宿は期間が長すぎる。とてもではないが今のオールマイトでは誤魔化し切れない。

更に合宿中、オールマイトがそこに付きっ切りになると世間に知れれば、それこそヴィランの活性化を招きかねない。そうなると───林間合宿に同行出来ないことは既定路線で。

 

 

「私が、現場に居たのなら……!」

 

 

意味のない仮定に過ぎない事はオールマイト自身が1番よく理解している。

 

 

“この3分弱の間に、無敵のアンタを超えて見せるッ!”

 

 

あの日に見た、もう1つの希望が奪われた今───そのもしもを考えずにはいられない。

 

 

悔恨と自身に対する怒りがオールマイトの肩を震わせる。枯木のような体躯からは想像もつかないプレッシャーが漏れ、教員たちは自分に向けられている訳でもないそれにゴクリと生唾を呑んだ。

 

 

見かねた根津が「落ち着いてくれオールマイト」と声を掛けようとすると、それと同時。

 

 

『で─ん─わ─が───来た!』

 

 

携帯電話が着信を告げた。

オールマイトはハッとした様子でそれを取り、頭を下げながら会議室を後にする。

 

 

液晶に表示されていた電話の相手は塚内だ。

 

 

「すまん。何だい塚内くん」

 

 

『忙しいところすまないオールマイト。今、教員の2人から調書を取っていたんだが進展があったぞ』

 

 

「進展?」

 

 

『ああ。敵連合の居場所、突き止められたぞ』

 

 

───早過ぎる。

 

 

それがオールマイトの率直な感想だった。事件が発生し、そこから帰ってきた者から調書を取って、これまでに蓄えてきた情報の中にそれらしい物があったという位ならまだわかる。

しかし、突き止められたと言い切ったという事はつまり。

 

 

「裏まで取れてるのかい?」

 

 

『もちろんだ。USJの一件から連合の捜査に協力してくれている()()()()()()が北から南へ虱潰しに捜査網を広げていてくれたおかげで、既に幾つか連合のアジトと思われる場所が見つかってはいたんだ。調書で得た情報も裏付けを補強する物になった。すぐに信頼のおけるトップヒーローを招集し、カチ込む! これは極秘事項だが、君だから話している!』

 

 

徐々に熱くなる塚内に、オールマイトもまた胸の内側から湧き上がってきた想いに言葉にならない感情を抱いた。

 

 

そして後悔も、不甲斐なさも、怒りも───全て出し切るように、言った。

 

 

「私は、素晴らしい友を持った………」

 

 

細く弱った体がみるみると厚みを増す。

 

 

「奴らにあったらこう言ってやろう───私が反撃に来たってね

 

 

 

 

 

その更に翌日、合宿所近くの病院。

緑谷*1がベッドに腰掛けた状態で腕の調子を確認していた時だった。

ガラリと扉を開けてA組の生徒たちがぞろぞろと入ってきた。

 

 

「起きてたか緑谷!」と瀬呂。

 

 

「大事ないか」

 

 

緑谷の身を案じたのは常闇だったが、そう言う本人も松葉杖で歩行を補っている。

緑谷は「僕は大丈夫。常闇くんは?」と言葉を返した。

 

 

「問題ない───俺たちが戦ったのは、お前が戦った男のコピーに過ぎなかったからな」

 

 

「それでもこの様だが」と障子が常闇の言葉に付け加える。障子も腕を包帯で吊っていた。

 

 

「生きていることを先ずは喜ぼうぜ」

 

 

そう言って、峰田が緑谷が座るベッドの脇に見舞いの品としてクラスメイト達とカンパで購入したメロンを置く。

 

 

「とんでもない事になっちまったしよ……」

 

 

眉を八の字にする峰田。

その理由がこの場にいない人間にある事を、緑谷も何となく察した。

 

 

「かっちゃんと、耳郎さん……八百万さんは?」

 

 

緑谷の疑問に尾白が答える。

 

 

「話があるって言って2人が八百万を連れてったよ」

 

 

「そっか……上鳴くんは? トイレとか?」

 

 

何気なく聞いた緑谷だったが、その名前を出した瞬間に空気が凍りついたのを感じた。

上鳴が狙われていることは緑谷も勿論知っている。だが上鳴は緑谷にとって、あのオールマイトとも渡り合った、自分のもう1人の師匠の様な存在。強い憧れの対象。上鳴が攫われる筈がないと思っていた。

 

 

「もしかしてまだ意識を」

 

 

「違うんよ、デクくん」

 

 

緑谷は最悪を考えないようにしていた。

それを優しい声音で麗日が止める。しかし、その声は不憫なほど震えていて、二の句を絞り出す様に告げようとする麗日を飯田が止めた。

 

 

「上鳴くんが……攫われた」

 

 

そう言う飯田の声も硬い。

 

 

緑谷は暫し、何も考えられなくなった。

 

 

思い出すのは───毎日のようにあった補習で、誰よりも身近な場所で共に心身を鍛えていた上鳴の顔だ。

 

 

嘘だと言いたかった。だが、言えなかった。

 

 

皆同じ気持ちなのは見れば分かった。

 

 

そして、言った所でもう、どうにもならない。

 

 

まだヒーローの資格を持たない緑谷達の手が届かない場所に上鳴はいる。

 

 

───マスキュラーはとんでもなく強かった。

 

 

だから、共闘の選択肢はなかった。

 

 

足を引っ張ることが目に見えていた。

 

 

もし仮に緑谷が上鳴の100%、つまりOFAの40〜50%の力を十全に扱えれば、それも選択肢に入ったのかもしれない。

 

 

しかし、現実はそうではない。どう無茶をしても40%に届くか否かという段階。それでは1つのミスが命取りになる。何よりその程度の味方がいるくらいなら───上鳴が1人で戦う方が強い。

 

 

「……強く、なりたいなぁ」

 

 

緑谷が溢した言葉にクラスメイトは言葉を返さない。

 

 

ただ力強く握られた拳だけが、答えだった。

 

 

 

 

そして同時刻、病院の外。

爆豪と耳郎に呼び出された八百万は、何を問われるかに薄々勘付いた上で正面入口から少し外れた場所にある雑木林に移動し、2人に訊ねた。

 

 

「何の御用ですか」

 

 

友に向ける言葉にしては、そして普段の様子からは考えられない詰問するような口調で八百万がそう言うと、耳郎は怒られた子供の様に肩をびくつかせた。しかし、それとは対照に爆豪はより苛烈に語気を強めて言った。

 

 

「テメェ、上鳴から何か言われてんだろ」

 

 

「……具体性に欠けますわね。話になりません。緑谷さんのお見舞いに戻りましょう」

 

 

「随分と早口だな八百万。待てや───アイツとペアだったお前が大した怪我してねぇ時点で、アイツがお前を逃したことくらい分かんだよ」

 

 

爆豪の言葉に八百万が下唇を噛む。

 

 

「だから、何ですの? 嫌味ですか? それとも私を責めたてたい?」

 

 

「ちげぇわ。アイツなら絶対にお前を逃す。お前が生きて動ければ、逆転の可能性が消えないからだ」

 

 

万能───そう称するのに一切の過不足がない個性“創造”。そしてそれを十全に操れる才覚を持つのが八百万である。

 

 

「発信機の類、上鳴に渡してんだろ……いやアイツなら発信機食っててもおかしくねぇか」

 

 

「……っ!?」

 

 

爆豪は八百万の万能さを評価した上で、上鳴電気という男の視野と年齢離れした経験値を信頼していた。

 

 

「……図星かよ。何で食いもんでもねぇのに胃に収めんだ。腸詰まらせて死ね」

 

 

「爆豪っ!」

 

 

「冗談だろうが。キレんな」

 

 

「あの姿見て、冗談でもそんな事言うなよ……!」

 

 

耳郎の言葉に爆豪も声を荒らげる。

 

 

「アイツが死ぬわけねぇだろうが!!!」

 

 

しかし、その声が今にも泣き出しそうな物で耳郎は口をつぐんだ。

 

 

「……お二人は、現場に居合わせたん、ですよね?」

 

 

何を見たんですの?

 

 

八百万の問いに耳郎も爆豪も答えられない。

口にする事も憚られるような凄惨な状態だったのだろうという予想は八百万にもついた。森に刻まれた破壊痕は、それこそクラスター弾の絨毯爆撃でも受けたかの様に景色ごと吹き飛ばされていた。

 

 

八百万は「そうですか」と話を止めて、話題を戻した。

 

 

「何にせよ私を呼び出したのは……上鳴さんを追う為のデバイスを私に用意させるため、ですね?」

 

 

「そうだ」

「……うん」

 

 

爆豪と耳郎が頷く。

八百万は目を閉じてゆっくりと息を吸い、それから吸い込んだ時間の倍の時間を掛けて吐き出して、言った。

 

 

「作りません」

 

 

「───だろうな」

 

 

爆豪は「これ以上話すことはない」と言わんばかりに踵を返して去っていく。

しかし耳郎はその場で顔を伏せるだけだ。

 

 

「耳郎さん……」

 

 

「分かってる……分かってるんだよ……」

 

 

耳郎が爪が掌の皮膚を突き破るほど固く拳を握り込み、身体を震わせる。

ぽたり、ぽたりと両目から落ちる大粒の雫が地面に吸い込まれていった。

 

 

「それでも、何かできるんじゃないかって、しないといけないって、弱いのに、思っちゃうんだよ……!」

 

 

嗚咽を漏らしながら耳郎はその場に崩れ落ちた。

 

 

必死に戦って、負けて。

 

 

それでもまだ戦わなくてはいけなくて、走った。

 

 

“本気”のマスキュラーを一目見て上鳴が何と戦っていたかを知り、それを見て一切怯まず猛進するイレイザーヘッドに引っ張られる様に戦場へと足を踏み入れ、無我夢中になって戦った。

 

 

「ウチは常闇達と同じヴィランのコピーと戦って、負けたのに! 大した怪我もしていない! 上鳴が……助けて、くれたから……!」

 

 

USJ、職場体験、Iアイランド。

成功体験に見えた。役に立てた。自分も敵を倒せるのだと───舞い上がった。

 

 

でもそこには必ず、上鳴がいた。

見えない所で助けられていた。

 

 

「何が仲間だ、何が友達だ……!」

 

 

ただ助けられているだけの人間が、友を名乗っていい筈がないと。

 

 

耳郎の慟哭が八百万にも突き刺さる。

 

 

結局のところ───八百万も含め、ほとんどのクラスメイトは上鳴の心配などしていなかった。

 

 

いや、心配はあったが“まさか”といった所か。

 

 

上鳴の強い部分しか見続けてこなかったが故の危機感の欠如。

 

 

面と向かって“危険なヴィランと戦う”と言われていた八百万でさえ、楽観していなかったと言えば嘘になる。

 

 

どれだけボロボロになっても直ぐにケロッとした顔で笑う───その姿が、そうさせてしまった。

 

「何もできなかった!! 強くなるって、追いつくって約束したのに!!」

 

 

血を吐く様に、耳郎は叫ぶ。

 

 

「助けられなかった……! 目の前に居たのに、届かなかった……! なのに、あんなにぼろぼろだった上鳴に、また助けられた……」

 

 

蹲った耳郎が地面を何度も掻き、滲んだ血がそこに赤い線を描く。

 

 

「ウチは……!」

 

 

その時、耳郎のスマホが震えた。

まるでその先の言葉を言わせない様に。

八百万が耳郎に電話を取る様に促す。

ディスプレイに表示されていたのは───

 

 

 

 

事態が凄まじい速度で進展する中。

その中心にいる上鳴は現在、オールフォーワンの目の前にいた。

 

 

「さて、上鳴電気くん。君にはもうあまり時間が無さそうだから、単刀直入に言わせてもらおう」

 

 

意識はある。

しかし身体はピクリとも動かない。

死が目前にまで迫っているのを否が応でも理解させられる。

 

 

「今から君の個性を頂戴するよ。悪いね。昔から欲しい物は何でも手元に置いておきたくてね……僕の悪い癖さ」

 

 

マスキュラーが緑谷に言っていた「仲間に引き込みたい」という話も嘘ではない。

 

 

だが、上鳴は弱り過ぎていた。

何故生きているのか分からない程に。

マスキュラーに担ぎ込まれた先で、オールフォーワンの回収と延命を行なった医師さえ匙を投げた。

 

 

つまり、余命はもう幾許もないということだ。

 

 

これでは仲間云々の話は白紙にせざるを得ず、それならばとオールフォーワンが手を挙げた。

 

 

個性因子には鮮度がある。

死後に抜き取っても因子は劣化しており、使えればまだマシで、役に立たないクズ因子となる場合が大半だった。

 

 

どうせ死ぬなら、その因子を有効活用しようではないか。

 

 

例えば上鳴以上に電気系個性に適した肉体を用意し、耐久や異形型の個性で安定化と強化を施した上で、上鳴の“帯電”を投与する。元の材料に上鳴の死体を用いれば親和性も高い。現在スタートアップ作業を進めている脳無の最上位モデル“ハイエンド”を凌駕する、“フラグシップ”とでも呼ぶべき存在が誕生するだろう。

 

 

ただ死なせるより余程良心的だろう? とオールフォーワンは笑う。

 

 

もう2度と会えないと思っていた人間との再会は、きっと見る者の涙を誘うだろう。

 

 

「楽しみだ」

 

 

自らの個性を名とする男に触れられたが最後、その者は因子を抜かれ個性を失う。

 

 

原則、それに抵抗する術はない。

 

 

唯一の例外はワンフォーオール。8代に渡って溜め込まれた理外の力。器に残された8人の継承者の強い意志だけが支配を拒むことができる。

 

 

そう───オールフォーワンの力を上回る個性ではなく、何者にも屈しない強い意志だけが、それを凌駕する。

 

 

常人では当然、不可能。

超人であっても1人では無理だろう。

 

 

オールマイトや緑谷出久の様な、他を救う為なら己の身命を考慮しない()()()()()()()が無くてはならない。

 

 

「さようなら。上鳴電気くん。AFOもOFAもない(僕らがいない)時代に生まれていたら───最強を名乗れたかもしれない少年」

 

 

オールフォーワンの右手が上鳴の頭を掴む。

 

 

バチリ

 

 

上鳴の目尻の傷から紫電が奔った。

それにオールフォーワンをどうこうするような力はない。

 

 

故にオールフォーワンは気付かなかった。

 

 

上鳴電気の中には、触れてはいけない“(モノ)”があることを。

 

 

 

 

 

───誰に断って、俺に触れてやがる。

 

 

 

 

 

上鳴の中で眠っていたモノが目覚める。

魔王にオールマイトと戦った時以来(6年ぶり)の緊張が走る。

 

 

戦いはまだ───()()()()()()()

 

*1
洸汰くんを広場に送り届けた直後に力尽きた






おかげ様で累計の評価ポイントが21000に到達しました!
自分がここまで長く書けているのは間違いなく皆様のおかげです。本当にありがとうございます!

そして漸く林間合宿完です。何でまだ神野終わってへんのやろ??? とは私も思いますが平にご容赦を……許してください……何でもはできません……

次回から神野事変が始まります。上鳴関連で呪術廻戦のあれそれが独自解釈込みで色々挟まりますのでご注意ください。
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