雷神、上鳴電気   作:一般通過呪術師

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ep.62 神野事変 -参-

脳無格納庫()()()()()

 

 

「今日は本当に───驚いてばかりだよ」

 

 

削り取られ更地と化したその場所で、仰向けになって倒れるベストジーニストと集結していたヒーロー達を見下ろしながらオールフォーワンが拍手を送る。

 

 

「一撃で全員始末するつもりだったんだが、流石はNo.4だね。僕の気配を感じ取った刹那に全員のコスチュームを使って端へ寄せた」

 

 

ベストジーニストが傷ついた身体を起こす。

 

 

───見えなかった。

 

 

脳無格納庫へ突入し、保管されていた脳無を制圧。拉致されていたプロヒーロー“ラグドール”の救出を行ったまでは完璧だった。

 

 

しかし、上鳴を探しに倉庫の奥へ向かおうとした時だ。闇の中から靴音が響き、独白が聞こえてきたのだ。

 

 

ベストジーニストが咄嗟に仲間たちの衣服を使って倉庫の壁際にまで移動させたその直後、不可視の力場の様な物が押し寄せ、倉庫とその先にあった建物を消し飛ばした。

 

 

「相当な練習量と実務経験故の強さ……君のは要らないな」

 

 

───これがオールマイトが危惧した怪物、そして………禪院が戻ってきた理由か!

 

 

オールフォーワンの指先から弾丸の如く放たれた鋲突をベストジーニストは間一髪の所で避け、端へ寄せた仲間達を一気に回収する。

 

 

「俊敏だな。まるでさっきのが効いていないようだ……何故かな?」

 

 

オールフォーワンが首を傾げる。

ベストジーニストはただ一言。

 

 

「やれ。禪院」

 

 

一陣の風が吹いた。

 

 

オールフォーワンが補充した複数の探知個性が急接近する熱源の存在を報せる。

 

 

迎撃の構えを取るオールフォーワン。

 

 

しかし、その背後へと回り込んだ禪院の渾身の蹴りがオールフォーワンの横っ腹を打ち据えた。

 

 

力とは───重さと速さ。

マッハ2という神速の一打がオールフォーワンの骨をミシリと軋ませながら、倒壊した建物へと叩き込んだ。

 

 

「見えなかったのは貴様ではなく、禪院の方だ」

 

 

禪院はベストジーニストの前に不可視の壁を多重に展開し、衝撃波の威力を低減させていた。

 

 

それがあったからベストジーニストはまだ自力で動ける範囲にあり、彼に救われたヒーロー達も比較的軽傷で済んだ。

 

 

砂塵が立ち込める瓦礫の山に向かって禪院が言う。

 

 

「ごめんちゃい───あまりにがら空きやったもんやから、つい足蹴にしてもうたわ」

 

 

オールフォーワンが瓦礫を吹き飛ばし、無数の個性を掛け合わせて膨れ上がった異形の肉塊の上に立った。

そして黒い上物のスーツに着いた埃を軽く払い落とし、くぐもった声に喜悦を滲ませながら言う。

 

 

「ベストジーニスト以上に使い難い個性でよくやるよ、禪院」

 

 

「名前知ってもらってて感激や………鳥肌立ちましたわ」

 

 

軽口を叩き合いながらも両者はお互いの挙動を隈なく観察していく。

 

 

───何でそんな個性持ってて微塵も油断してへんねん。

 

 

「そう悲観する必要はない。先の一撃はこの身体にはそこそこ堪えたよ」

 

 

自分の内心を見透かすようなオールフォーワンの言葉に禪院は舌打ちをした。

 

 

「なら、今度は僕から行こうか」

 

 

次に動いたのはオールフォーワン。

 

 

肉の異形から人面を備えた無数の触手が禪院に向かって伸びる。一本一本の速度はそれなりだが、問題は圧倒的な物量。禪院は瞬時に加速して引き離したが、地の果てまで追いかけんと人面触手は軌道を曲げて追ってきた。

 

 

そして、禪院が触手の通り道に瓦礫が入る様にルートを調整しても、多少の障害物は人面が噛み砕いて処理してしまう。

 

 

ジリ貧の3文字が禪院の脳裏を過ぎる。

 

 

「君じゃ僕には勝てないよ」

 

 

───それは1番、俺がよお分かっとる。

 

 

禪院の個性“投射”は極めてアクの強い個性である。自らの視界を画角とし、1秒間の動きを24分割したイメージを頭の中で作り、その後に自身の身体でそれをトレースする。無理な動きを設定すれば失敗し、成功してもそれが()()()物理法則や軌道を無視した動きであれば失敗。失敗すると1秒間動きがフリーズする。

そしてこれらは禪院が触れた相手にも適用される。

 

 

この個性でヒーローを目指す事は困難を極める。

 

 

少し動きの設定を間違えれば1秒という致命的な隙を敵に見せることになり、救助の場面においても要救助者の命を左右することだって大いにある。

 

 

故に善院尚哉の父、善院尚良人(ぜんいんなおびと)はその道を諦め医療の道を志した。研鑽を重ねた尚良人は過去から現在までの“神の手”と呼ばれた医師達の手術の技量を個性によって再現し、千手観音と呼ばれるほどの名医となった。

 

 

───ヒーローを目指したキッカケは、きっと親父が酒飲んどる時にテレビを見ながらポロッと溢した本音。

 

 

“あんな風に人を助けたかった”

 

 

投射はアニメーションの様な物だ。

父はよく流行りのアニメを見ながら「最近のアニメはいかん。やれ60fpsだなんだ……」と愚痴を言っていたが、見るのは決まって作画が命とも言えるバトル物。それも分かりやすい勧善懲悪のストーリーが売りになっている作品ばかり。ヒーローへの強い羨望があったのは間違いなかった。

 

 

医者という職業は尊く、患者にとってはヒーローの様にも見えるかもしれない。

 

 

だが禪院が成りたかった者は父ではなく───平和の象徴の様な存在だった。

 

 

「やるね」

 

 

人面の口から熱線が放たれ、大地を焦がす。

禪院はそれを半身になって回避。

続け様に放たれる無数の熱線の隙間を抜け、オールフォーワンへと肉薄していく。

 

 

───こんな怪物を1度は殺す寸前まで追い込んだんか! オールマイトは!

 

 

熱線が禪院の身体を掠める。

 

 

しかし、痛みに顔を歪める事さえ許されない。その様なイメージは描いていないからだ。

 

 

理想の自分を裏切ったが最後、肉体は塵一つ残さずに焼却されるだろう。

 

 

だから、前へ。

 

 

力強く加速を重ねていく。

 

 

「いいのかい、近付いても」オールフォーワンが掌を向ける。

 

 

「アホか。近付かなお前のドタマかち割れんやろ!」

 

 

拳を振り翳す禪院に、オールフォーワンも膂力増強の個性を重ね掛けして対応する。

ぶつかり合えば幾ら加速を重ねようと力負けするのは目に見えている。

 

 

故に。

 

 

「まぁ………嘘なんやけど」

 

 

拳が激突する寸前。

禪院の動きがピタリと止まり、開かれた手がオールフォーワンの腕へと添えられる。禪院は相手の慣性に逆らわず脱力。宙を舞う羽毛が打撃を物ともしないように、打撃の衝撃をいなしつつ個性をオールフォーワンに働かせた。これによりオールフォーワンは1秒を24に分割したイメージを作る事を強要される。

 

 

「流石に対応できんやろ!」

 

 

出来なければ───1秒間、オールフォーワンは思考すらも止められる。

 

 

触れた相手に適用される投射のデメリットは当然、実行できなかった者に適応されるからだ。

 

 

そして1秒あれば禪院は加速できる。

 

 

短い距離故に最高速度には到達できない。

 

 

しかし、それでも十分な加速を得た蹴りがオールフォーワンの鳩尾へ突き刺さる。

 

 

勢いよく吹き飛んでいくオールフォーワンを尻目に、禪院は無線の電源を入れた。

 

 

「オールマイト! 今、ここにお前の宿敵がおる! 準備万端の怪物や! 10分で来い! それまで保たせたる!」

 

 

遥か遠くまで吹き飛ばされたオールフォーワンから、2度目となる不可視の衝撃波が繰り出される。

 

 

───結構集中力要るんやで、これ! そんな簡単にポンポン大技出してくれるな!

 

 

禪院の掌が向かう先は大気だ。

 

 

アメリカでスターアンドストライプの移動手段、超音速機の空中機動に追い付く為に個性の解釈を広げた結果、湿度や温度の差で異なる大気の面に触れる事でそれさえも個性の対象とする事に成功した。

 

 

フリーズした大気は壁となり、衝撃が加わると爆ぜる。それを禪院は自分の正面に7枚生み出し、衝撃波の威力を低減。更に大気の爆発によって生じた爆風に乗って一気に後方へと飛び、攻撃をやり過ごした。

 

 

禪院が死を覚悟する攻撃をいなしている間に、オールフォーワンは肉塊の上に連合の仲間を呼び寄せていた。

 

 

「先生……」

 

 

「失敗したね、とは言わないよ。ただ運が悪かった───君はこれからも戦い続けるんだ」

 

 

話し声は禪院にまで届かない。

しかし、直ぐに禪院はオールフォーワンへ肉薄しながら叫んだ。

 

 

「えらい数のお仲間引き連れて……HP削ったら仲間呼ぶタイプのラスボスですか!?」

 

 

「いいや? 王は常に1人さ。味方や友達はいても、その戦いには巻き込まない」

 

 

「立派やね! 自分の力の大きさをよう理解しとる………せやけど! ここに呼んだんは悪手やったな!」

 

 

禪院にも───仲間がいる。

ベストジーニスト達が簡単な応急処置を終えて戦線へと復帰する。しかし、個性を奪うというオールフォーワンの能力を知っている禪院が彼らを引き連れて戦うことはない。

 

 

「ベストジーニスト、連合のドブカス共を頼んでも!?」禪院が横顔を見せる。

 

 

「ああ。今の装備ではお前の戦闘速度に合わせられないからな。そっちは任せてもらおう」

 

 

力強く拳を握るベストジーニストに、禪院もニッと口角を上げた。

 

 

「Mt.レディ、アンタだけはちょっと下がり。下手にデカなったら的になるだけやし。あと虎も───3歩後ろくらいに居てくれやんと、守れへんわ!」

 

 

「む」

「結構です!!!!!!」

 

 

自身を慮った禪院の言葉にMt.レディは声を張り上げた。

 

 

「何や声でか……あ、もしかして今のセクハラとかモラハラになる!? どうですか先輩!!!」

 

 

「ノットジーンズだ!!!」

 

 

「何をくっちゃべってる!? 来るぞ!!」

 

 

三度繰り出された衝撃波を、禪院とギャングオルカが個性をぶつけて相殺する。

 

「逃す気やな?」

 

 

肉薄の上でオールフォーワンが個性を働かせ、黒霧のワープゲートを開いているのが見えた。

 

 

「させへんぞ」

 

 

それを阻止すべく禪院が加速を開始。

一瞬で亜音速にまで到達し、オールフォーワンへと迫る。

 

 

「ジーニスト!」

 

 

衣類を纏う現代人はベストジーニストから逃れられない。黒霧のワープゲートを潜ろうとしていた連合メンバーが身動きを止められる。

 

 

───ここからさっき俺がいた場所までの距離は200あるかないか! プロヒーローなら誰が普通に走っても20秒掛からん!

 

 

「厄介だな。やはり初動で落とせなかったのは痛い」

 

 

「歳食ったらヤキも回りますわ。アンタのせいやないで」

 

 

「ああ、だから自分の不始末はちゃんと拭わないと」

 

 

肉塊が膨れ上がる。

槍骨、鋲突、その他多数の異形型個性を内包したそれが触手にも備わり攻撃力をより一層高める。

触手の移動速度は大した事がない。だが、高速道路で走る車ほどのスピードが出ていれば十分だ。

 

「力とは重さと速さ、そうだろう?」

 

 

のたうち回る触手の質量はそれこそ線路を走る列車と大差ない。そんなものが時速100km近いスピードで暴れ回れば齎される被害は言うまでもないだろう。

 

 

「均しておこうか。その方が君も戦いやすいだろう? まあ、見逃せば仲間も周辺にいる人間も全て死ぬだろうが」

 

 

「非道いなぁ………人の心とかないんか?」

 

 

「ああ、全て弟が持って行ってしまったからね」

 

 

轟音と共に大地が揺れる。

格納庫周りにあった建物が次々に倒れ、それが他の建造物を巻き込んで連鎖的に倒壊していく。

人面触手は瓦礫の山と化した街並みを縦横無尽に走り、轢き潰し、均していく。

 

 

Mt.レディが巨大化して人面触手の一本と取っ組み合いを始めた。

パワーは互角、否、オールフォーワンが作り出した人面触手の方が上だ。徐々に押され始める。

数本の人面触手がMt.レディへと向かった。早々に噛み殺す算段なのは目に見えていた。ギャングオルカがカバーに向かうが、手数が足りない。

 

 

「詰みだ、ヒーロー諸君。そして彼らの敗北は即ち君の死を意味する………善院尚哉くん、どうだい? 君もこちら側に来ないか? 目を見れば分かるよ。君もまたオールマイトという眩い光に目を焼かれ、強さへの羨望に人生を歪まされた凡人だ」

 

 

「喧しいわ。誰がお前みたいなイタい魔王気取りの老人の下につくか………というより、お前には何が見えてんねん」

 

 

禪院が笑う。

それは逆境に立たされた上鳴が見せる物によく似ていた。

 

 

「すまない、非常事態だ!」

 

 

「ヤバいとこだけ見えなきゃ大丈夫です! あと修繕費は出してください!」

 

 

「任せろ! 君の気高い魂と我が誇りに誓い、最高品質の物を用意する!」

 

 

ベストジーニストが巨大化したMt.レディのコスチュームから繊維を一部拝借し、触手を縛り上げる。

 

 

「あんまヒーローを舐めんなや!」

 

 

「おいおい酷いこと言わないでおくれよ。僕が彼らを侮ったことなんてないぜ? ───君だけだ。1度はヒーローを辞めた凡夫よ」

 

 

オールフォーワンが動く。

右手の五指からそれぞれ別の個性が飛び出す。

礫、カマイタチ、炎、爪、水、多種多様なそれらが雨霰と禪院に降り注ぐ。

 

 

「せや。俺は逃げた」

 

 

禪院は真正面から受け止めた。

攻撃も、言葉も。

致命傷にはならない。

 

 

「でもな───1つだけ逃げへんと誓ったことがある」

 

 

大気の壁を作り出し、禪院がそれに拳打を加える。発生した衝撃波がオールフォーワンの個性を薙ぎ払い、そこへ至る道筋を作り出した。

 

 

「弟子からは絶対に目を逸らさんことや」

 

 

10年という月日は長い。

毎日顔を突き合わせてきた弟子は歳の離れた弟の様な存在になった。危なっかしい所も多々ある。だから見守らなくてはならない。それが大人として、先生としての務め。

 

 

上鳴が攫われていなければ禪院がここに来ることは無かっただろう。

 

 

「弟子の窮地に駆けつけられへん師匠なんざ、首括って死んだらええ……!」

 

 

刹那───禪院が急加速する。

 

 

「その個性、過度な加速は失敗するんだろう? 悪手だよ」

 

 

「それは()()()()()()()()だけや!」

 

 

禪院が蹴ったのは大地ではなく、宙。自らの個性で作り出した大気の壁を蹴り壊し、追い風を得ることで爆発的な加速を生み出す。

 

 

───負担はデカい! せやけどこれなら助走ほぼ無しでマックススピードまで到達できる!

 

 

「最高速度でブチ抜いたるッ!」

 

 

神速一閃。

最速のヒーローを名乗るに値する一撃がオールフォーワンの頭部を覆うマスク目掛けて放たれる。

 

 

「素晴らしい」

 

 

だが───禪院は選択を誤った。

不意打ちを成功させ、一度は魔王を出し抜き打撃を通した。だから個性による防御の類は無いと、無意識のうちに頭から外していた。

 

 

「だから折った」

 

 

衝撃反転。

泥のワープで引き寄せられたベストジーニストに個性を掛けて盾にし、禪院の一撃をそのまま返した。

 

「酷いじゃないか。そんな蹴りを食らったら僕は死んでしまう」

 

 

禪院の脚がひしゃげた。

衝撃はそれだけに止まらず、内部にまで波及していた。口から一塊の赤が溢れ出す。

 

 

「それから……弟子からは目を逸らさない、だったかな?」

 

 

オールフォーワンは意識を朦朧とさせる禪院に向かって、ベストジーニストを投げつけながら言った。

 

 

「上鳴電気はもう死んだよ。今頃脳無の素体にする為に別の研究施設に移動させてるんじゃないかな?」

 

 

「………は?」

 

 

「善院しっかりしろ!」

 

 

ベストジーニストが宙空で繊維を手繰り、禪院にこれ以上のダメージが行かないように直撃を避ける。

そして両腕の中に禪院を収め、呼びかけた。

しかし、放心状態の禪院にベストジーニストの言葉は届かない。

 

 

「いいのかいジーニスト。君を欠いた彼女があの物量に耐え切れるのかな?」

 

 

「くっ!?」

 

 

「ただまあ───もう全てが遅い」

 

 

Mt.レディが肩口を抉られ、ギャングオルカが質量の暴力に屈する。禪院は脚をやられまともに動けず、ベストジーニストにオールフォーワンの一撃を防ぐ手立てはない。

 

 

「終わりだ」

 

 

絶体絶命の窮地。

 

 

しかし。

 

 

「DETROIT……!!」

 

 

風が唸る。

オールフォーワンの知覚範囲に膨大な熱量を抱えた物体が入り込む。

 

 

「SMASH!!!」

 

 

瞬時に膂力を限界まで高めたオールフォーワンが、オールマイトの一撃に打撃を合わせた。

 

 

転瞬、世界から音が消え───轟音と共に余波が広がる。

 

 

「全て返して貰うぞ、オールフォーワン!」

 

 

「また僕を殺すか? オールマイト」

 

 

英雄が戦場へと到着した。

 

 

 

 

その頃───上鳴の生得領域。

上鳴と鹿紫雲の戦いは続いていた。

 

 

「シッ!」

 

 

上鳴が鋭い呼気と共に放った右の拳打を、鹿紫雲が左手の掌で受ける。そしてそのまま拳を握り込んで上鳴を自身へと引き寄せながら、逆の手でカウンターのボディブローを決めた。

 

 

上鳴は内臓を揺さぶられる衝撃に苦悶の声を漏らす。

 

 

───痛い! マジか! 痛覚あんじゃん!

 

 

ここは現実世界とは異なる。

当然、認知も感覚も平常時と同じという訳ではない。今この場で最も力が強い者、鹿紫雲によって定められた法則の中で上鳴は戦いを強いられている。

 

 

「痛いなんてのは個性目覚めさせるまえに机の角で頭ぶつけた時以来だよ!」

 

 

「痛みで動きを止めない。当たり前だ。痛覚があろうとなかろうと、脚を止めた奴から死ぬのが戦場だからな」

 

 

「お前自身は出たことない癖に知ったふうな口利くのね……!」

 

 

そんなやり取りをしながらも2人は手足を止めることなく徒手での格闘戦を続けている。

 

 

単純な技量において上鳴は鹿紫雲に大きく劣る。

鹿紫雲は15年と言う月日をそのまま自己鍛錬に注ぎ、雷神と呼ばれた術師の高い白兵戦闘力を継承している。その上で上鳴の癖や動きを熟知した動きを取れる訳である。

 

 

個性を使っても変わらない。

 

身体許容上限100%

生体電流の増幅による身体強化。

電気エネルギーで肉体が傷つかない出力の最大値。しかしそれをもってしても───

 

 

「甘いんだよクソガキ」

 

 

上から捩じ伏せられる。

理由は分かっている。鹿紫雲の身体からわざとらしく立ち昇る禍々しい熱。オールフォーワンからはストレスの下位互換と言われていたが、この空間だからか明瞭に思い出せる前世の記憶は上鳴にこう告げていた。

 

 

「呪力……!」

 

 

「使えよ、お前も」

 

 

呪力と生体電流の増幅───同じ100%の出力であっても、呪力により底上げされた身体能力は肉体の限界値を大きく引き延ばしていた。

これならば無理に出力を超過せずとも1000%と同等の膂力を得る事ができる。

 

 

「使えったって………どうやって!?」

 

 

「知らねぇよ。使えなきゃお前が死ぬだけだ」

 

 

鹿紫雲は詰まらなさそうに言い切り、上鳴の目を振り切るスピードでラッシュを叩きつける。

 

 

腹部、胸部、顎、脇腹に拳打が捩じ込まれ、足、腰、側頭部に蹴りが打ち据えられる。

 

 

吹き飛びそうになる上鳴の首を掴み、力業で慣性を殺した鹿紫雲が言う。

 

 

「こんなもんじゃないだろ。もっと必死になれ」

 

 

「こんにゃろ……好き勝手に殴りやがって……!」

 

鹿紫雲はパッと手を離し、右足を軸に回し蹴り。上鳴のガードは間に合わず身体が生得領域の外縁付近にまで転がっていく。

 

 

体勢を立て直そうとした上鳴に、赤い空から紫電が落ちた。

 

 

雷撃は本来、上鳴を傷つけられない。

幼少期からの個性圧縮訓練により落雷程度ではどうにもならない容量を得た為だ。

 

 

しかし、閃電疾駆の出力超過が肉体を傷付ける様に、それを上回る出力であれば話は別。

 

 

「ガァァァァァァァッ!?」

 

 

鹿紫雲の稲妻は上鳴の許容量を容易に超えていた。

 

 

その場で蹲る上鳴に鹿紫雲が近付く。

 

 

「くっ、まだ、まだ………!」

 

 

「やめだ」

 

 

そして、その背中に腰を下ろした。

耐えきれず上鳴が地べたに這いつくばる。

 

 

「お前、もう生きる気ないだろ」

 

 

「何、を」

 

 

「強がるなよ。お前にはもう生きる理由がない」

 

 

「んな訳、あるか、俺はまだ」

 

 

「まだ?」

 

 

二の句が継げない上鳴。

鹿紫雲は「だよな」と頷く。

 

 

「じゃなきゃ爆豪勝己に“悪くなかった”なんて遺言じみた言葉は残さねぇ」

 

 

「それは……!」

 

 

「お前は“雷神”鹿紫雲一の生まれ変わりじゃない。“ただの”鹿紫雲一の生まれ変わりだ」

 

 

超人ではない。凡人なんだよ。

 

 

鹿紫雲の言葉が響く。

 

 

「変に事故って変わっちまっただけだ。元々のお前はただの良い奴だ。友達想いで、明るくて、少しバカな所が可愛げのある……そんな奴」

 

 

「それはもう、別の人間だろうが!」

 

 

「お前がそう思いたいだけだろう」

 

 

鹿紫雲の言葉に返せない。

 

 

「最強と戦って死にたい───か。まあ気持ちは分かるよ。憧れるよな。カッコよかったもん。でもな、()()()()なんだよ」

 

 

ぐうの音も出ないほどに鹿紫雲は上鳴を理解していた。

 

 

「耳郎響香に何でそれを言えなかった? 善院には言えたのに」

 

 

「……っ」

 

 

「甘えてんだよお前は。善院なら見捨てないって知ってるから。でも耳郎は違う。怖かったんだろ? 友達に見捨てられるのが」

 

 

図星だった。

戦いに全てを傾けていた頃とはもう、何もかもが違う。普段の補習、体育祭、試験前の特訓、林間。休み時間の会話も、休日に皆と出掛けたことも、それら全てが上鳴を成長させた。

 

 

善院の目論見は既に達成されている。

 

 

ただ、上鳴本人が───

 

 

「それを認めたら、もう2度と本気の殺し合いなんて出来ないもんな。緑谷とだって戦えないだろ。お前が友達殺せる訳ないし……自分が本気の殺気を向けられないのに、緑谷がそれを返してくれる訳がないのも分かってる」

 

 

闘争は上鳴にとって食事であり、娯楽であり、子を成す行為よりも神聖で快楽的であった。

 

 

脳の異常により三大欲求の内2つを奪われたも同然な上鳴にとって、戦いはそれらの代替行為。

 

 

「嫌だよな。何で生きてるか分からなくなる」

 

 

これを奪われる事は必然的に死を意味する。

善院の行為は人として限りなく正しかった。

それ故に───上鳴()には耐えられない。

 

 

「マスキュラーとの戦いに胸を躍らせる一方で、心の何処かに常にクラスメイトの影があった。マスキュラーの複製なんてモンを見ちまったら、想像せずにはいられなかったか───誰か死んじまったらどうしようってな」

 

 

その結果が今、この状況だ。

鹿紫雲は溜息混じりに言った。

 

 

「あーあ。大人しくモブみたいにしてりゃあ、普通に人生終えられたのにな───

 

 

 

 

 

他のクラスメイトみたいに」

 

 

 

 

 

だがその言葉が───

 

 

 

 

 

「おい」

 

 

 

 

消えかけていた炉の炎に薪を焚べた。

 

 

 

 

人間───誰しもが必ず、心の内に触れられたくない物を持つ。どれだけ温順で争いとは無縁そうな者であっても、一度無遠慮に触れれば白黒反転するような場所。

 

 

 

人々はそれを、龍の身体にある只一枚だけ生える向きの違う物に例えてこう呼んだ。

 

 

 

 

 

“逆鱗”

 

 

 

 

 

呪力とは───頭で考えるものではない。

呪力は腹で廻す物だ。故事成語と呼ばれる物で感情を表す言葉の多くが腑に纏わるのはそういうことだ。

 

 

そして呪力とは、怒りや悲しみなどの負の感情から生じるエネルギー。

 

 

上鳴の中から噴き出る溶岩の如き熱を帯びたそれは、正しく人を呪う為にあるかの様な負の力。

 

 

吹き荒ぶ熱に鹿紫雲は楽しげに眉を上げ、上鳴に振り払われた力を利用して天高く舞い上がった。

 

 

「何だ、モブ扱いは嫌か?」

 

 

そう言って宙空から笑いかける鹿紫雲に、上鳴は言った。

 

 

「別に俺を何と言おうがいいよ……その通りだ。俺は凄い中途半端な奴だよ」

 

 

自分でも驚くほどの怒りに、上鳴は自分の視界が赤く明滅するような錯覚に陥る。

 

 

「でもな」

 

 

これまで感じてきた怒りという感情が全て嘘だったのではないか───そう思ってしまう程の激憤。

 

 

「こんな所に引き篭もって、こそこそ人の人生盗み見てた陰険野郎がッ、ヘラヘラしながらアイツらをディスってんじゃねぇよ!」

 

 

「へぇ。だからなん」

 

 

鹿紫雲は言い切る事は出来なかった。

 

 

青い電光を纏う上鳴の拳が、鹿紫雲の顔面を捉えていたからだ。

 

 

更に上鳴は打撃のインパクトと同時に身体を捻り、鹿紫雲を直角に撃ち落とした。

 

 

生得領域の大地が砕けて大きく陥没する。

 

 

「それで終わり?」

 

 

クレーターの中でもまだ鹿紫雲が戯けた様子を崩さないことが、激しく上鳴の癇に障った。

 

 

「そうかよ………死ねッ」

 

 

激昂。

青い稲光が世界を照らす。

紫電を纏った鹿紫雲の軌跡を追って、閃電が奔った。

自身に迫る稲妻とその発生源である上鳴を見て鹿紫雲は思う。

 

───出鱈目な呪力操作! 逆に出方が分からん!

 

 

今の上鳴は乙骨憂太と同じ状態だ。

 

 

三流の術師であれば呪力の起こりと溜めで攻撃を予想できる。一流の術師であれば呪力の流れが均一で動きが読めない。しかし、乙骨は違う。迸る呪力が余りにも強大過ぎて一挙一動の予測をつけられない。

 

 

上鳴に乙骨ほどの呪力総量はなく、この状態を維持することはできない。

 

 

しかし、短期決戦であれば話が変わる。

この戦いに勝てさえすればいいという状況を加味すれば、理にかなっているとさえ言える。

 

 

「だが!」

 

 

それでは()()()()と鹿紫雲は口走りそうになり、止めた。

上鳴が自分で気付いた上でその二歩先へ行かなくてはならないからだ。

 

 

「もっとしてみろよ! ウルトラァ!」

 

 

鹿紫雲が呪力を滾らせ、震脚。

そのまま飛び上がった鹿紫雲に蒼雷が追いつくが物ともしない。それどころか、青と紫が入り混じった電光を身体に纏って上鳴へ向かう。

 

 

上鳴は血走った目を鹿紫雲へ向けながら、宙空で大気を叩いて加速。

 

 

「余計なお世話なんだよッ! 死に損ないが!」

 

 

「どっちがッ!」

 

 

空中で交わされる格闘戦に、生得領域の揺らぎが激しさを増す。

 

 

上鳴が放った拳打を鹿紫雲がいなす。

 

 

カウンターとして放たれた鹿紫雲の打突を上鳴が受け、それを掴んで身動きを封じた。

 

 

上鳴はそのまま頭突きをかまし、ふらつく鹿紫雲の頭を両手で掴んで再び頭突き。

 

 

人体で最も頑丈な頭骨による殴打の破壊力は凄まじく、鹿紫雲の顔面は先の拳打も踏まえて血塗れだ。

 

 

「テメェが火ぃ付けたんだ………! もっと上げてけよ!」

 

 

「そうだな!」

 

 

鹿紫雲の膝蹴りが上鳴の腹部に減り込む。

更に喀血する上鳴の頬に肘鉄を捻じ込み、追い討ちとして後頭部にスレッジハンマーを叩きつけた。

 

 

「「ガァァァァァァァ!」」

 

 

両者が獣じみた雄叫びを上げて掴み掛かる。

 

 

武術のへったくれもない掴み合い。

 

 

噛みつき。

 

 

唾かけによる目潰し。

 

 

金的。

 

 

何でもありの泥臭い戦いを演じながら、2人は揃って墜落した。

 

 

「ハァッ………ハァッ……!」

 

 

息を荒らげる上鳴に対し鹿紫雲にはまだ余裕があった。

 

 

───呪力制御の差が段違いだ。このままじゃどうやったって勝てない!

 

 

呼吸を整え、上鳴は歯噛みする。

“帯電”の扱い方や体術だけではなく、“呪力操作”の精度の差が埋め難い力の差を描いている。

 

 

それは雷神の戦闘経験を肉体で理解している鹿紫雲と、魂の情報でしか知らない上鳴の違いだ。この生得領域内で生前と変わらない姿形を維持している鹿紫雲と違い、上鳴は生前の経験を自分の肉体に落とし込む必要があった。

 

───呪力を扱う感覚に慣れつつはある。

 

 

あと一歩足りない。

だが、その感覚を埋める方法が1つだけある。

 

 

───制御で並ぶには黒閃を決めるしかない……!

 

 

黒閃。

呪力を用いた戦闘において極稀に発生する現象。打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生じる空間の歪みが、呪力を黒く光らせる事からその名が付いた。黒閃発生時の打撃の威力は平均して通常時の2.5乗に膨れ上がり、驚異的な破壊力を生む。

 

 

しかしそのメリットは表面的な物に過ぎない。

 

 

黒閃によって得られる物は呪力への理解。

黒閃を経験した者とそうでない者には、それに天地ほど離れた差が生まれる。

 

 

問題があるとすれば───黒閃を狙って出せる術師は存在しないという点。

 

 

黒閃に絡むのは呪力と打撃のタイミングだけではない。本人のコンディション、相手の呪力、空間の湿度さえも条件に含まれる。六眼という呪力操作のアドバンテージを持つ五条悟でさえ、狙って出す事ができないのにはそう言った理由がある。

 

 

黒閃を狙って決めなければ戦いが五分にならないという状況は詰みと言って差し支えないだろう。

 

 

だが───上鳴電気はそれでも、拳を握った。

 

 

「ほぉ」

 

 

鹿紫雲は上鳴が何を狙っているのかに気が付いている。故に楽し気に笑った。やれるものならやってみろと、拳を構え上鳴の動きを待つ。

 

 

「ふぅ……」

 

 

脱力。

極限まで集中力を研ぎ澄ます。

帯電による身体強化を一度切る。身体を廻る呪力の感覚に集中するためだ。

それは致命的な差になり得たが、鹿紫雲が邪魔をする事は無かった。

 

 

───ここで勝つ事だけを考えていても無意味に力が入るだけだ。

 

 

だから、勝敗を考えるのを止めた。

 

 

───生きるのも、死ぬのも……どうだっていい。

 

 

だから、自分の命を天秤から捨てた。

 

 

───アイツらを馬鹿にした事を後悔させてやる。でも、その為には。

 

 

今だけは、怒りを胸の奥底に仕舞い込む。

 

 

1つ1つ丁寧に感情に折り合いをつけ、取捨選択をする。そして取り上げた物も一旦全部後にした。

 

 

「いいんだよ。忘れて」鹿紫雲が微笑む。

 

 

上鳴は我を殺し、凪いだ心で呪力を廻し始める。

怒りは呪力を高めるが荒ぶる力は制御を難しくする。今の上鳴は波風のない水面の様な状態だ。呪力は落ちるが、格段に制御力が上がっている。

 

 

これまでとは比較にならないそれに鹿紫雲は一層、笑みを深めた。

 

 

 

 

 

「───来てみろ小童」

 

 

 

 

 

上鳴の目に映る鹿紫雲の姿に一瞬、雷神()の姿が重なった。

 

 

 

 

 

しかし、それでも心はブレない。

 

 

 

 

 

上鳴が力強く踏み込んで鹿紫雲へ肉薄し、流れるような所作で拳を振り抜く。

 

 

 

 

それに合わせて放たれた鹿紫雲の拳打が上鳴の拳と衝突。

 

 

 

 

 

その刹那───2人の拳から黒い火花が散った。

 

 

 

 

 

黒閃

 

 

 

 

 

上鳴が呪力の核心に近付く。

同時に鹿紫雲も自身の潜在能力を120%まで引き出すに至る。

 

 

差は縮まらない。

 

 

だが、呪術師の成長曲線は必ずしも緩やかではない。確かな土壌、一握りのセンスと想像力。後は些細なきっかけで人は変わる。

 

 

上鳴にとって今の呪力は個性。

黒閃を経て呪力の味を知った今、上鳴は“帯電”とほぼ同等の感覚で呪力を扱う事ができる。

 

 

だから気が付けた。

 

 

───これが呪力の核心。

 

 

数回に渡る臨死体験とそこで掴んだ個性の核心。これまでの全てを糧にして、上鳴の成長が加速する。

 

 

「……マジか」

 

 

生得領域の綻びが逆再生する様に修復されていく。それを見た鹿紫雲が目を見開き、声を漏らした。

 

 

生得領域とは心象風景を意味する呪術用語であり、肉体の生死にその存在が脅かされる事はない。虎杖悠仁が死んだ際、命を共有しているも同然の両面宿儺の生得領域が無事だったことがその証拠だ。

 

 

しかし、上鳴と鹿紫雲は違う。

 

 

この生得領域は魂や呪力ではなく個性因子に由来する精神世界。肉体の死は因子の劣化を招き、それ故に領域は綻びを生じさせていた。

 

 

それが修復されていくという事はつまり、肉体の治癒を意味する。

 

 

上鳴の脳が肉体の生存を第一に電気信号を送っても死を先送りにするのが精一杯だった。

 

 

その要因に思い至った鹿紫雲は破顔した。

そして「はえーよ!」と膝を打った。

 

 

呪力はマイナスの力だ。

しかし、呪力同士は掛け合わせることで正のエネルギーを生み出す事ができ、生み出されたそれは術師の技量次第で腕の欠損や脳のダメージさえも癒してしまう。

 

 

黒閃によるポテンシャルの開花。

既に掴んでいた個性の核心。

それらが奇跡的に噛み合った結果、上鳴は反転術式を会得するに至った。

 

 

生得領域を覆っていた曇天に切れ目が生じ、青空を覗かせる。

 

 

───しかも支配権まで奪われた!

 

 

元々、主人格は上鳴。

肉体が修復されたことで生得領域が本来の色を取り戻していく。

 

 

「生きる理由、生きる理由か。そうだなぁ………体育祭、楽しかったなぁ。またやりたいな。今度は決勝で、本気の緑谷と()()()()()()……ああでも爆豪も捨て難い……轟も強いぞ、飯田はきっともっと速い……尾白も巧くなってる……八百万とか物間はきっと面白いだろ……でも最初は耳郎がいいなぁ……」

 

 

そんな中、譫語のように言う上鳴に鹿紫雲が尋ねる。

 

「それが答えか?」

 

 

「さぁ? ただ……忘れてたんだ。忘れないって言ったのにさ」

 

 

 

 

 

“俺は今日の事をきっと生涯忘れない”

 

 

 

 

 

“ありがとう爆豪───満腹だ!”

 

 

 

 

 

「別に殺し合わなくても、腹一杯になれたって事をよ」

 

 





いつも拙作を読んでくださっている皆様、ありがとうございます!
いよいよ神野のクライマックスに近づいてまいりました。上鳴くんの変化をちゃんと書けているか不安がありますが、体育祭の超親友たちの頑張りがここで実を結んだと思っていただければ幸いです。
失敗していた場合のifルートは全勢力に喧嘩を売る修羅・鹿紫鳴になりますが、それもその内どっかで書けたらええなぁ……

追記:禪院/善院は誤字ではなく意図しての物です。相澤先生の時と同じでヒーローとしての描写の時は禪院、それ以外は善院にしています。紛らわしくて申し訳ないです……!
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