仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
それは、少し前の出来事だった。
『これから、コヨミさんの中に、俺が入ります』
『私の中に、それって一体』
『元々、コヨミさんの身体を維持していたのは、賢者の石です。だけど、それじゃ魔力が足りない。だったら、俺がその賢者の石の代わりになれば良い。幸い、俺はこれまで多くのファントムを吸収している。生きられる期間は、普通の人間と変わりないと思います』
『でも、それじゃ、あなたは、何の為に』
『俺は、最初は人間になりたかった。あの暖かい光景の中に入りたかった。けど、晴人さんと出会って、多くの人と一緒に過ごせた。その過ごした日常が、俺をファントムだとしても、確かに人間だと思わせてくれた』
『けど』
『それに、俺は死ぬ訳じゃないです。俺は、コヨミさんの中で、何時でも見守っています。だから』
『・・・分かった、オルフェウス』
『コヨミさん、皆さんに、よろしくお願いします。俺は、本当に幸せだったって』エンゲージ!ナウ!
コヨミは、その出来事を振り返りながらも、そのまま構える。
「あの怪物、まさか自らを犠牲にするなんてな、本当に笑えるね!」
「お前に、あいつを怪物だって、言う資格なんてない」
「なんだって?」
そこで、晴人は立ち上がる。
「あいつは、最初に会った時は、本当に赤ん坊だったんだ、何も知らない子供だった。けど、俺達と一緒にいて、成長して、人間になったんだっ!お前のような人間の皮を被った怪物とは違う!」
「本当に、君は、気に入らないな」
「だったら、見せてやるよ、俺が「晴人」コヨミ」
そこで、コヨミが、晴人の言葉を遮る。
「そこは、私達だよ。晴人と、私と、オルフェウスが」
「・・・そうだな」
それに対して、晴人は笑みを浮かべる。
「俺達が、最期の希望だ」
その瞬間、二人は同時に動いた。
晴人が、一気に接近して、ウィザードソードガンを振るう。
それに対して、グレムリンは軽々と避ける。
「俺達だって、そんなお人形さんと一緒に果たしてっ」
そう、グレムリンが軽口を言おうとした時だった。
グレムリンに向けて、コヨミもまたすぐにウィザードソードガンは引き金を引いた。
グレムリンは、ぎりぎりでその銃弾を受け止めるが、晴人はそのまま蹴り上げる。
「なにっ!?」
「言ったはずよ、私と、晴人と、オルフェウスだって!」
「この、人形風情がぁああああああああああっ!!」
グレムリンは、すぐにコヨミに向かって、腕を伸ばす。
コヨミは、その攻撃を、後ろに跳んでかわす。
だが、グレムリンの攻撃はそれだけではない。
そのまま空中へとジャンプした。
そして、腕を伸ばして、空から、魔法弾を放つ。
「ちぃっ」
コヨミは、その魔法弾をすぐにかわす。
だが、その間にも、グレムリンはさらに魔法弾を放ってきた。
それに対して。
「晴人」『オールマイティー!』
「あぁ」『インフィニティー!』
その音声が鳴り響くと同時に、二人は、銀色の光に包まれる。
そして、その光が晴れた時には、その姿は変わっていた。
メサイアとインフィニティ。
最強の姿へと変わると共に、コヨミは背中にある棺を巨大化させる。
それは、晴人の手に召喚されたアックスカリバーに重ねる。
「っ!」
『ハイハイハイハイハイタッチ!プラズマシャイニングストライク!!』
それと共に、晴人とコヨミの二人は、その手にある巨大なアックスカリバーを掴む。
「「はああぁぁぁぁ!!!」」
二人は、そのまま、アックスカリバーを真っ直ぐとグレムリンに向けて振るう。
「僕は人間にっ!!」
その言葉を最期に、グレムリンは、光の中へと消えていく。
それが、戦いの終わりでもあった。
「コヨミ、オルフェウスは」
「・・・今は、眠っている」
そう、コヨミは自分にいるオルフェウスの鼓動を確認する。
「輪島のおっちゃんや俊平に凛子ちゃんはきっと寂しがるかな」
「そうだね、けど」
そうしながら、コヨミは空を見つめる。
「いつか、また会える日まで」「生きないと」
それらを、確かに見つめていた。
「また、会える日まで」
そう、オルフェウスもまた、楽しみにしていた。
彼らと会える日を。
希望を持って。
今作は、これにて、最終回を迎えます。
当初、ペルソナ3のリメイクから始まった本作ですが、ラストをどうするか、色々と悩みました。
元々、ファントムであるオルフェウスが最期にどうするのか。
それが多くの悩みでもありましたが、個人的には、ウィザードでも大きなポイントでもあるコヨミの生存にしました。
ペルソナ3のオルフェウスが女性版もいましたので、それを実行する為に行いました。
100話近く、お付き合いしてくれて、本当にありがとうございます。
そして、次回作も来週、掲載予定ですので、そちらもよろしくお願いします。