仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「ただいまぁって、凛子ちゃんが、なんでここに」
「あぁ、晴人君、おかえり」
「いや、まぁ、ただいまだけど、この状況はなに」
そう言いながら、晴人さんは俺達が今、行っている行動に首を傾げる。
「免許の勉強」
「いや、それは分かるけど、今、やるか?」
そう晴人さんは言うけど、さすがに無免許でバイクを運転する訳にはいかないから。
「けど、不思議よねぇ、オルフェウス君って」
「不思議って、凛子ちゃんは事情は聞いたのか?」
「えぇ、ファントムだって事もね」
「そっか、まぁ、知っているんだったら別に良いけど」
「それでも不思議なのよ」
それと共に、凛子さんは先程、僕が解いた問題を晴人さんに見せた。
最初は首を傾げた晴人さんだけど、すぐに目を見開いた。
「えっえぇ、どういう事だ」
「全問正解、さっき1時間だけ勉強したのに、もう免許の項目をほとんど覚えたのよ」
「結構、面白いよ、本当に」
そうしながら、俺はそのまま勉強を続ける。
「このままだったら、免許も一発で合格出来るけどねぇ」
「何か問題が?」
「戸籍がないからね、とりあえずは保護者は輪島さんに頼んでいるけど」
「いやぁ、オルフェウスは結構、店の手伝いをしてくれるから、助かるからね」
そう、輪島さんは笑みを浮かべている。
「まったく、のんきだなぁ」
「ファントムが出たんですか?」
「あぁ、この前な。
なんか黒くて炎を出す奴だ、オルフェウスは知らないのか?」
「・・・黒くて、炎を出す?もしかして、ヘルハウンド?」
「知っているのか?」
「あぁ、面倒な奴だった」
「面倒?」
それに対して、晴人さんは首を傾げる。
「別に強さはたいした事ないけど、影と同化するから面倒くさかった。
影で行動を縛ろうとしたけど、別に対して強くなかったから、すぐに抜け出せたけど」
「・・・影に入る、まさか」
すると、晴人さんは立ち上がる。
「オルフェウス、さっきの言葉、嘘じゃないな」
「はっはい、本当ですけど」
「ちっ、厄介な事になった、一緒に来い」
「???」
そのまま、俺は晴人さんに連れられて、すぐに走り出した。
何が起きているのか分からず、困惑を余所に、すぐに向かう。
どこへ向かうのか、疑問に思う。
「晴人さん、一体どこに?」
「今回のファントムのヘルハウンドの奴が俊平の影に入ったんだ」
「それに、何の意味が」
「魔法が使えると錯覚させて、街中で魔法を披露している瞬平を絶望させるつもりだ。
あいつは、夢を利用したんだ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は苛つきが最大まで高まった。
「許さないっ!」
「間に合えば良いけど」
そのまま、俺達はすぐにそのテレビ局へと入る。
テレビ局は何やら、騒いでいる様子だけど、入ると、そこには1人の青年がいた。
そして、ファントムを生み出しそうになっていた。
「遅かったか」
「・・・」
その光景を見て、俺は顔を歪ませる。
同時にヘルハウンドが、俺を見た。
「タナトス様っ、まさか本当に」
「様って、お前、結構偉かったんだな」
「・・・関係ありませんよ」
そのまま、俺は前に進む。
「どうか、お戻り下さい」
「なに?」
「あなた程の力を持つファントム、他にはいない。
その帰りを、メドゥーサ様は、心からお待ちしています」
そうしながら、ヘルハウンドはこちらに手を向けるが、無視する。
「あの人は、なんで魔法使いに」
「なりたかったんだ、子供の頃から」
「そうですか」
それと共に、俺は頷く。
「晴人さん、俺」
「あぁ、行ってこい、俺もあいつに借りを返したいからな」
その言葉に背中を押されて、そのまま進む。
真っ直ぐと、ゲートになっている人の元に。
「タナトス様っ」
「おいおい、行かせねぇよ」
そう、晴人さんがヘルハウンドの前に立ち塞がる。
「貴様っ、タナトス様をたぶらかしたのか!」
「俊平をたぶらかしたお前に言われたくないな、何よりも、あいつはタナトスじゃない、オルフェウスだ」
そう、晴人さんは、そのままヘルハウンドと相対する。
俺はそのまま、彼の前に立つ。
「・・・君は、魔法使いなの」
虚ろな目だった。
それは、僕にとっては見た事がある。
彼の目は、俺だ。
そう、確信を持って言える。
「・・・魔法使いになりたい怪物です」
「魔法使いになりたいか、僕と一緒なんだね、けど」
そう、彼はどこか悲しそうだった。
「僕に魔法なんて、使えないんだ」
「それは、分からない」
同時に俺は彼の手を握る。
「俺も、人間になりたい。なれるかどうか分からない」
「人間に」
「だからこそ、助ける。同じ、夢を目指していた者として」
そのまま、俺は、彼のアンダーワールドへと入る。