仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「これは」
変身した事によって得られた新たな姿は、魔法使いとは違う姿であり、まるで騎士を思わせる姿だ。
「あぁ、タナトスの姿じゃないんだったら、勝てるかぁ!」
それと共にファントムは猫を思わせる容姿の通り、素早い動きでこちらに襲いかかる。
それに対して、今の俺は特に驚きはない。
タナトスの時の絶望的な力でも、ボルケーノの時のような沸き上がる力でもない。
だけど。
「その程度か」「ぎにゃあ!」
俺は、冷静にウィザーソードガンで迫るファントムを切り上げる。
ファントムは、それに対して驚きの声を出しながらも、そのまま追撃していく。
縦横無尽と言え、フェイントを入り交じりながらの攻撃。
だが、それらは全てが見え、対応できる。
まるで、氷を思わせる冷静さで、注意深く観察するかのように俺はウィザーソードガンでファントムと切り結ぶ。
「うぐぅ! なんで! 」
「さぁな、でも、今はお前の行動は手に取るように分かる」トルネード! ナウ!
俺はそう言いながら、ファントムの刃を受け止める。
それに合わせて、ドライバーに指輪を翳す。
それによって、俺の身体を中心に渦潮を起こして辺りを吸い込む。
渦潮は、氷のような静けさと冷静さを醸し出しながらも激しく荒ぶる。
その中で、ファントムの爪が俺を捉えようとした時、それを弾いて防いだ。
同時に俺は、ウィザーソードガンの銃口を向ける。
それと同時にトリガーを引くと同時に、弾丸が放たれる。
それに合わせて、ファントムも爪を振り下ろしてきた。
それは見事に重なり合う。
だけど、それだけでは終わらない。
次の瞬間、銃弾を受けた事で衝撃と共に後ろに吹き飛ぶ。
「これで、終わりだ」
そう、俺はとどめをさそうとした時。
「待て!」
聞こえた声、振り返ると、晴人さんが俺を止めた。
その隙にファントムは逃げてしまう。
「何をするんですか」
「周りを見ろ」
その言葉に振り返る。
周囲の建物は戦いの余波で破壊されていた。
だけど。
「これぐらいの被害がなんですか」
「お前が放とうとした技の先に人がいた」
「その程度のっ!?」
犠牲。
そう、俺は言おうとした。
それと同時に、俺は変身を解除する。
「俺は何を」
「その姿、もしかしたらヤバいかもしれないな」
晴人さんの言葉に同意するしかなかった。
俺は多くの人を守る為に戦う。
だから、多少の被害は仕方ない。
「合理的な思考になっていた」
感情のない機械のようになっていた。
それに、俺は恐ろしさを感じた。
それはまるで、人間らしい感情のないファントムと変わらない。