仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「あがががっ、貴様ぁぁぁ!!」
グーロは、自分の身体の中をボロボロにさせた相手である俺に向かって、襲い掛かる。
グーロの特徴は、見るだけでも分かる。
相手を呑み込む程の巨大な口に、全身を覆う脂肪による防御。
だが、グーロの特徴である巨大な口は先程の攻撃で既にボロボロな状態だ。
「貴様を押し潰してやるぅ!!」
「・・・そう来るよな」
だからこそ、奴が取る行動は既に分かっている。
その巨大な体格を生かした押し潰し。
脂肪は防御にも優れているが、攻撃を行う事にも優れている。
「だけど、それも既に分かっている」キャモナ・シューティング・シェイクハンズ!トルネード!
こちらに向かって来るグーロ。
それに対して、俺は慌てる事なく、ウィザードソードガンをガンモードにする。
それと共に、先程はベルトに使用した魔法であるトルネードを翳す。
「ガアアアァァァ!!」
グーロは、その巨大な体格と共に跳び上がり、こちらに向かって来る。
だが、そんな奴に対して、俺はゆっくりとウィザードソードガンを構える。
周囲の物音は聞こえない。
グール達による接近はなし。
そして、その銃口で狙うべき箇所も分かる。
「俺がお前の絶望だ」
それと共に放たれた銃弾は真っ直ぐとグーロに向かって行く。
通常ならば、その攻撃を当てても無意味だろう。
だが、小さな弾丸は、そのままグーロのボロボロになった事で僅かに空いた箇所へと入り込む。
「んぐぐぐぐぐっ!!?」
銃弾は、そこからトルネードの魔法によって、巨大な渦潮となる。
外側からの攻撃は強いが、先程の口の中で行ったように、内側からの攻撃は弱い。
だからこそ、その一撃はグーロにとっては致命傷だ。
「もっと、食べたかったぁぁぁ4!!」
その叫びを最後に、グーロは完全に破裂した。
同時に、グーロから出てきた魔力を吸い上げ、俺は新たな魔法をその手にした。
「勝てたか」
そうゆっくりと呟きながら、既に晴人さんも戦いが終わっている様子。
「はい、勝てました」
「そうか」
俺達は、そのまま近くにあるベンチに座る。
それと共に、俺達が見つめた先ではコヨミさん達がいた。
その中央にはゲートの人もいた。
「あっ、晴人さん!オルフェウス君!大丈夫なんですか!?」
「来てたんだね」
「あぁ」「勿論」
俺はそう答えると、安心したようにコヨミさん達は嬉しそうに笑みをを浮かべる。
「そうかぁファントムは倒してくれたんだな」
「そっちは?」
「優勝どころか、入賞すらできなかったよ」
そう、ゲートの彼は言った。
だけど、そこには悲壮感はなかった。
「その割にはすがすがしい顔してんじゃん」
「前に進むには、今を受け入れるしかない。僕も、やっといまの自分を受け入れる事ができた。これから、海外で一から勉強し直すつもりだ。今を生きるために」
「今を」
その言葉は、僕にも言える事だった。
あの時、氷のような心を受け入れなかった。
本当に嫌だった。
けど、今は、冷静に物事を見る事が出来るこの心が必要だ。
燃えるような熱い心も、凍る冷たい心も必要だ。
「だからこそ、受け入れるんだ」
人間になりたいファントムという自分の事を。