仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス   作:ボルメテウスさん

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希望の魔法使い

「・・・」

 

あの場から、俺は逃げ出した。

どこへ行けば良いのか分からない。

既に、俺はあの時、ファントムを倒した。

その時点で、俺は裏切り者であるのは間違いない。

死ぬのは、怖くない。

だけど、それ以上に、これからどうすれば良いのか分からない。

 

「・・・俺も、絶望を生むんだったら、」

 

その時に過った考え。

俺自身が死ぬ事で、絶望が一つ消える。

ならば、消えた方が良いんじゃないのか。

ゆっくりと、俺は。

そう考えていると、感じた気配。

 

「・・・ファントムか、追ってきたのか」

 

それと同時に感じた苛立ち。

死ぬのは怖くない。

だけど、ファントムによって、人間が死ぬのは嫌だ。

ならば。

 

「殺す」

 

そう、俺はその気配の所へと向かう。

俺がそのまま向かうと、そこには、また別のファントムが、人間を襲おうとしていた。

また、ファントムを生み出す為に。

それを見ながら、俺はすぐに姿を変えようとした時だった。

 

「音?」

 

それと共に聞こえた音を見つめると、それはバイクだった。

何か奇妙な形をしている程度だった。

だけど、そいつからもまたファントムの気配を感じた。

まさか、二体で。

そう思った時だった。

バイクに乗った奴の手には銃を。

ファントムへと向けて、銃弾を放った。

 

「えっ」

 

俺にとっては衝撃的な光景だった。

見ると、そのバイクに乗っているのは、ファントムの気配はしたが、人間だった。

 

「ファントムの気配はする。だけど、人間?」

「貴様っまさか、魔法使い!」

「魔法使い」

 

その言葉に対して、俺は疑問に思うと、その人間は不敵に笑うと共に、そのまま自身の腰に手を当てる。

 

『ドライバーオン』

 

鳴り響いた声と共に人間の腰に銀色のベルトが現れる。

 

「悪いが、こっちも急いでるからな、さっさと片付けるぜ」

 

それと共に、その腰にあるベルトを操作し、手のような意匠の物を左手様に切り替える。

 

『シャバドゥビタッチヘーンシーン! シャバドゥビタッチヘーンシーン!』

 

鳴り響く奇妙な音声、そして人間は赤く輝く指輪をはめ顔の横に、指輪を見せつけるように構える。

 

「変身!」

 

力強く言い放ち指輪をベルトにかざすのと同時に、赤い魔法陣が人間の真横に現れる。 

 

『フレイム! プリーズ! ヒー!ヒー! ヒーヒーヒー!』

 

そして魔法陣が人間を通過すると、そこには人間の姿は無く、黒いローブを纏いルビーのように赤く輝く仮面とアーマーを身につけた戦士が佇んでいた。

そこからは、俺と同じファントムの力を感じるが、どこか違った。

 

「あれが、魔法使い」

 

そう言っていると共に、人間は、そのままファントムと戦い始めた。

強さは、どうか、俺には分からない。

だけど、その戦いの最中、後ろで守っている人間は、どこか安心していた。

 

「魔法使いはファントムの力を使っている、だけど、人間!もしかして」

 

魔法使いは、人間へと戻ったファントムかもしれない。

どちらか分からない。

だけど、俺の時とは違う様子は目に見えて分かる。

 

「魔法使いだったら、人間は、怖がってくれない」

 

それと共に、俺は棺を一つ、引き千切る。

同時に、俺は、目の前にいる魔法使いの姿を、目に焼き付ける。

 

「俺は魔法使いになる。魔法使いの姿だったら、恐れない。そして、俺は人間になれたら」

 

そのまま俺は、棺を強く握り締めながら、イメージをする。

俺が魔法使いとなる姿を。

やがて、俺から流れる魔力は、その棺の形を無理矢理変わる。

魔法使いの奴と比べたら、どこか禍々しい手のベルト。

それを、そのまま腰に当てると共に、装着する。

そうして、戦いを見届けると共に、残る棺の内、一つを魔法使いと同じ指輪のように変える。

そう、考えていると、魔法使いの戦いの方に変化があった。

なんと、もう一体、ファントムが現れた。

 

「・・・どちらか、わかんないんだったら」『ドライバーオン』

 

俺は、その腰に魔法使いを模して作りだしたドライバーを起動させ、そのまま指輪を翳す。

 

『シャバドゥビタッチヘーンシーン! シャバドゥビタッチヘーンシーン!』「変身」

 

俺はゆっくりと、そのままドライバーをに翳す。

 

『チェンジ!ナウ!』

 

鳴り響いた音。

それと共に、俺自身のファントムとしての姿である鎧が外される。

それは、再び変えられ、歪だが、目の前にいる魔法使いを思わせる姿へと変わる。

 

「・・・!」

 

そのまま、俺は、真っ直ぐと魔法使いの後ろを襲おうとしたファントムを、蹴り飛ばした。

 

「うわっと、んっ、お前は?」

「俺も、魔法使い」

「魔法使い?」

 

その事に対して、魔法使いは首を傾げる。

だが、そうしている間にも、ファントムが再び向かって来る。

俺は、そのファントムに対して、蹴り上げる。

 

「・・・まぁ、今はお前が何者かは良いか、とにかく、ここをなんとかするか」

 

そう、魔法使いとの共闘が始まる。

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