仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
俺と輪島さんが指輪を作るのに苦戦している間だった。
「ゲートを、家で?」
「あぁ、そういう事で、しばらく預かる事になった洋樹だ、オルフェウス」
そう、俺の方に紹介する。
「おっオルフェウスです、よろしくね」
俺は、そのままゆっくりと頭を下げて、少し戸惑う。
「なんで、そんなにビクビクしているの?」
「その、なんというか」
「あぁ、なるほど、こういう年代の子と会うのは初めてだったからな」
「初めて?」
そうすると、晴人さんは納得するように頷く。
「そうだ、洋樹君は何が好きかな?」
すると、順平さんが洋樹君に気軽に話しかける。
洋樹君はすぐに戸惑うけど。
「えっと、そうだなぁ、こういうのかなぁ」
すると、懐から出した携帯。
すると、そこに映っていたのは。
「これは?」
「知らないの! 大人気のロボットアニメだよ!」
「そうなの」
「だけど」
すると、洋樹君はそれを見て、少しだけ落ち込んだ様子が見える。
「……よし、造ろう!」クリエーション! ナウ!
「造るって」
それと共に俺はその画像にあったロボットを造り出す。
「えっ、嘘!」
「お前、こういう使い方するのか」
それと共にロボットが動き出した姿を見て、洋樹君は目を輝かせる。
「喜んで貰って嬉しい」
「凄いよ、本当に、パパも」
「んっ?」
すると、ふと洋樹君は何か零した。
だけど、すぐに首を横に振って。
「何でもないよ! それよりも、もっと作れる!」
「えっ、うん、輪島さん! 確か余っていた奴があったよね」
「おぅ」
そして、輪島さんは持ってきた箱の中から色々と取り出して。
俺達はそれを組み立て始める。
クリエーションを利用して、次々とロボットの模型を造りだしていく。
そうしている間は、洋樹君はずっと笑顔を見せてくれていた。
そうして完成した物を洋樹君に見せると、とても嬉しそうにして。
だから、つい調子に乗って、どんどんと作っていく。
あっという間に時間が経過し、夜になっていた。
流石に疲れたと思った時だった。
既に他の面々は寝ていた。
だけど、洋樹君は起きていた。
「どうかしたの?」
「オルフェウスさん」
そこには、先程まで明るかった彼とは思えなかった。
「その、やっぱりファントムが来るのが、怖いのかな?」
「それも、あるけど」
「けど?」
すると、洋樹君は体育座りしながら言う。
「僕って、本当はパパもママもいらないからここに来たのかなって」
「えっ」
その言葉に対して、僕は驚きを隠せなかった。
すると、洋樹君はゆっくりと話し始めてくれた。
それは、先程のロボットの1件。
どうやら、洋樹君のパパはプラモデルを買ってくれる約束をしたらしい。
だけど、買ってきたプラモデルは洋樹君が頼んだ奴ではなかった。
その事で、怒って、そのまま投げてしまったらしい。
「別に、欲しい物と違ったから怒ってる訳じゃないんだ。パパは僕の話、ちゃんと聞いてないんだって思って。なのに、ママはパパの味方をするし。2人とも、僕のことなんてどうでもいいんだ!」
そう言った彼は寂しそうだった。
けど。
「でも、忙しくても、約束、守ってくれたんだよね」
「それは」
「僕は、それだけでも良い人だと思うよ。何よりも、僕には、そういうの、分からないから」
「えっ?」
すると、洋樹君はこちらを見た。
「俺には、その親が誰なのか、分からないんだ。
だから、洋樹君みたいに家族がいるのは、とても羨ましいんだ」
俺の周囲にいたのはファントム。
奴らは、俺の家族でない。
「そうなの」
「ごめんね、こんな事を言って、だけど、きっと洋樹君の事を心配してくれているよ」
そう、俺は言える事だけを伝える。
彼の心にどれぐらい届くのかも分からないけど。
でも、少しでも安心して欲しい。
そんな思いと共に、俺は告げた。