仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
俺は、そのまま眼前にいるファントムに向かって、走り出す。
「もう一人の魔法使いだとっ、こいつはっ」
ファントムは、疑問に思いながらも、俺の蹴りを受け止める。
だが、その衝撃で、ファントムの体は、後方へと吹き飛ぶ。
地面に足を着けた瞬間、地面が爆ぜるような勢いで、ファントムとの距離を埋めていく。
ファントムは、すぐに次に来るだろう蹴りに警戒してか、両腕を上げてガードの姿勢に入る。
その隙だらけになった胴体目掛けて、回し蹴りを放つ。
ファントムは、腕を上げたまま後ろに飛んで威力を殺したが、それでも、かなりのダメージを与える。
そのまま流れるように、追撃する為に、飛び掛かる。
しかし、今度は、向こうもやられるつもりはないのか、即座に反撃に出る。
空中にいる状態では回避する事は難しいと判断したのか、俺の攻撃に合わせるように、拳を放ってくる。
しかし、俺はその拳の上に乗るように、体を捻りながら、更に前に進む。
ファントムの拳は、俺の顔の横を通り過ぎるだけで終わる。
そして、そのまま、ファントムの顔面に向けて、全力の蹴りを放った。
ファントムは、俺の一撃を受けて、また後方に吹き飛ばされる。
だが、先程とは違い、今回はしっかりと着地したようだ。
それを見た俺は、すぐに攻撃に移る為に飛び掛かかる。
「・・・終わりだ」
しかし、俺は冷静に、そのまま腰にあるドライバーに指輪を翳す。
『チョーイイネ!キックストライク!サイコー!』
鳴り響く音声と共に、その足に力を込めると共に、こちらに迫るファントムに対して、上段回し蹴りを叩き込む。
ファントムは、それをまともに受けて、大きく仰け反った後、力なく倒れ込んだ。
「がぁっ、貴様ぁぁぁ!!」
俺は、そのまま足に力を籠めて、そのままファントムを砕け散らせる。
それによって、ファントムは爆散すると共に、その闇は、俺の中へと吸い込まれる。
「・・・これは」
それは、自分の中でも疑問だった。
同時に、そこから、ベルトの中から飛び出たのは指輪だった。
「・・・指輪?」
疑問に思っていると、後ろにいた指輪の魔法使いもまた戦いが終わった・
「・・・それで、お前は一体何者なんだ」
そう、こちらに問いかけた。
「おれは、同じ魔法使いで仲間」
「魔法使いの仲間?悪いが、俺はそんなの聞いた事ないけど」
「それは、その」
指輪の魔法使いからの疑問に対して、俺はどう答えたら良いのか分からない。
すると、助けた人がこちらに来る。
「あの、ありがとうございます」
「っ」
その言葉を聞いた瞬間、胸に込み上げてきたのは、嬉しさ。
「・・・いや、その」
「・・・この場合は、どういたしましてって言えば良いと思うぞ」
「そうなのか、そうか。どういたしまして」
俺は、そのままゆっくりと言うと、そのまま頷く。
それと共に、そのままお礼を言ってくれた人が離れた。
やっぱり、ポカポカする。
「はぁ、なんだか警戒して損したかな」
「そうなの?」
「同じ魔法使いと言ったけど、本当は何者だ」
「・・・俺は、その」
嘘をついたら、どうなるのか。
怖い。
けど。
「ファントム。だけど、人を襲うのは、嫌だから」
「ファントムなのか、本当に?」
そのまま、指輪の魔法使いは、俺に近づく。
「という事は、サバトの時に生まれたのか」
「サバトって、もしかして、生まれた日の事」
「まぁ、そうなるけど、お前、人間の時の記憶はないのか」
「・・・ない」
そう、俺は答える。
あの日、俺が生まれたというサバト。
だけど、それ以前の記憶はまるでない。
「もしかして、コヨミと同じか」
そう、指輪の魔法使いは、腕を組みながら、考える。
「お前、人を襲う気はないんだよな」
「・・・嫌だ、絶対に」
指輪の魔法使いからの言葉に対して、俺は正直に伝える。
「そっか、んじゃ、俺の所へと来るか」
「良いのか?」
「まっ、このまま放っておいて、何があったら、嫌だからな」
そう言いながら、指輪の魔法使いは、俺を誘ってくれた。
それが、嬉しかった。
「そう言えば、お前の名前は」
「タナトス」
「タナトスって、結構怖い名前だな、そうだなぁ」
そうしながら、指輪の魔法使いが腕を組むと。
「オルフェウス」
「オルフェウス?」
「あぁ、お前の名前だ、そっちの方が怖くないと思ってな」
オルフェウスという名前を聞いて、一瞬、首を傾げた。
だけど、俺にとって、初めての誰かからの贈り物。
「怖くないっうん!嬉しい!」
俺はそのまま、ついていく。
そこは、タナトスがかつていた場所。
その場所において、ファントムの幹部であるメデューサとフェニックスがいた。
「タナトスが裏切ったか」
「はい、ワイズマン。ですが、あのタナトスの一時的な気の迷いかと、ですから」
「良い、そのまま放っておけ」
「っ、分かりました」
「おいおいメデューサ、何をそんなに気にしているんだか」
「お前は分かっていないようだな、タナトスの危険性を、だが、その力があれば」
「はいはい、けど、あいつが敵となれば、戦う機会もあるからな」
そうしながら、メデューサとフェニックスは、そのまま部屋を後にした。
「・・・まさか、タナトスの奴が向こうにいくとは。だが、都合は良かったかもしれないな」
そう、ワイズマンは怪しく笑みを浮かべる。
「器として、これからが楽しみだ」