仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
ファントムであるガーゴイルに狙われていたゲートの高校生である直己君に状況を説明した晴人さん。
その説明を終えると共に、ゆっくりと話す。
「だからしばらくは出歩かない方がいい。家まで送るよ」
「俺の家、秋田ですけど」
「秋田?」
その言葉に、俺は思わず疑問に思った。
その秋田県というのは、確か東京から遠く離れていた場所だったはず。
だけど、それだったら少し安心だ
「今日は、久しぶりに東京に来たんです。半年前までは東京に住んでたんですけど…」
「だったら、すぐ帰った方が良いよ。ファントムは東京で活動しているから安全だと思うけど」
俺はそう、心配そうに言うが。
「嫌です!」
「え?」
「すいません。東京でどうしても会いたい人がいて…」
「会いたい人?」
「だから」
そう言った彼の言葉に、嘘偽りはなかった。
それと同時に、僕にもその思いは分かる気がした。
「分かった、だったら俺達が一緒に行くよ」
「おいおい、オルフェウス」
「だって、ファントムが彼を狙うのは変わりないから。
それに」
どこか既視感があった。
だからこそ、僕は彼を助けたいと思った。
「はぁ、仕方ない、とにかく行くぞ」
「はい!」
それと共に、俺達は彼が会いたい人がいると思われる場所に向かう。
その距離はあまり遠くなく、同時に僕はその場所を知っていた。
というよりも。
「ここって、凛子さんの仕事場?」
「警察に?」
その疑問に思っていた時だった。
警察の中へと入っていると、何やら言い争うが聞こえる。
それに対して疑問に思っていると、その話し声に俺達が聞こえてくる。
「君は我々に、魔法使いと接触している事を隠していた。あの店が、魔法使いのアジトであると言う事も。非難されるのは君の方だと思うが?」
「なんで、魔法使いが?」
この警察署でその単語が出ているのか疑問に思って、俺達はそのまま近づく。
だけど、俺の疑問を思うよりも先に、直己君が前に出る。
「いえ、それはあなたの方です!」
そう、直己君は前に出る。
「「何でここに?」」
その声は合わさりながらも、その声を向けているのは全く別の方向だった。
「いや、ファントムに襲われたゲートを送ってきたんだけど」
その言葉と共に、先程まで凛子さんと話していた人物がこちらに詰め寄る。
「ゲートである事を本人に話したのか!?」
それはかなり必死な様子だった。
「えっと、誰!?」
そんな困惑を余所に怒りながらも、すぐに冷静になったように。
「私についてこい」
俺達は、彼の後ろへと着いていく。
俺達は、そのまま目の前にいる彼に連れられて、一室に連れて行かれる。
「どういう事?」
「だから、輪島さんを連れてっちゃったの!」
「えぇ」
「輪島さんを、この人を無理やり連れてったの!」
「輪島さんがこの人に?」
「静かにしろ!」
その一言に疑問に思いながらも、俺達ではなく直己君の方に向けていた。
「何故東京に出てきたんだ?」
「あなたに会って、父のことを聞くためです!」
「片山さんの事は既に話した筈だ」
「いえ、あなたはまだ何か隠してる!」
「黙れ!我々の活動はトップシークレットだ。余計な詮索は公務執行妨害に相当する。直己君も、その辺りの事はお父さんから聞いて理解しているはずだが?」
「なるほど。何か怪しさ満載だな」「貴様らに言われたくない」
木崎は机の引き出しから、隠し撮りした俺と晴人さんの写真を出してきた。
「我々は君を監視していた。危険な存在としてな」
「危険って…俺が!?」
「晴人さんは悪い人じゃない!俺を助けてくれたし!
「そうです!晴人君は私達の希望です!」
「違う!君達はただのバケモノだ。特にファントムであるお前はな」
その視線は俺の方に向けられていた。
既に、それに対して、俺は何も出来なかった。
「話は以上だ。直己君をすぐ秋田へ」
「嫌です!」
「東京にいると危ないから…」
「晴人さん達が守ってくれるから、大丈夫です!木崎さんが父さんの話をしてくれるまで、帰りません」
そう、直己君はそのまま出て行く。
「・・・」
「なんだ?」
「いえ」
俺はそのまま木崎さんと呼ばれた人物を見つめる。
厳しい態度は見えた。
だけど、ファントムと違って、悪意はまるでなかった。
きっと、その裏で何かある。
それを、信じたい。